アベノケイスケ
67 件の小説シルビア岬
僕の白いシルビアに乗って 行こうあの岬へ そこに住んでいる人々は 何のために生きるのか いつも考える避けてきた疑問 通り過ごすことに退屈して場所を信じる 銀色に映る湖には今日も白鳥が二匹 君たちは恋人同士なの?って思わず口にする 近くの人に尋ねたところ オスの名前はエレクトロで メスの方の名前はムジカっていうらしい それにしても何でこんな場所で 寂しげに時々笑み計らっては おぼろげに水を浴びているのだろうか 僕の白いシルビアに乗って 行こうあの岬へ そこに住んでいる人々は 何のために生きるのか いつも考える避けてきた疑問 通り過ごすことに退屈して場所を信じる それにしたって何で夕焼けは 僕らの血のように紅いんだろう もしくはそれは反対のことで 夕焼けの色が溶け出した僕らの体 回りだすルーレット 僕の白いシルビアに乗って 行こうあの岬へ そこに住んでいる人々は 何のために生きるのか いつも考える避けてきた疑問 通り過ごすことに退屈して場所を信じる
サティスフィクション
すべての事故はフィクション 期待してるのが馬鹿 すべての事故はフィクション 期待してるのが馬鹿 はなっから信じちゃいないさ はなっから敵いやしないさ はなっから信じちゃいないさ はなっから敵いやしないさ 正直者がバカをみる クソみたいな世の中さ だから俺は盗みを働いてやる パラレルワールド全開 匿名の旗を撤去 パラレルワールド全開 匿名の旗を撤去
FORLINGER
五月に生まれた 牡牛座の少年 フォーリンジャー 影の側 誰かの助け舟 愛なき世界で 愛を語っている 偏った思想には 偽善のメッセージ ・・・ーーー・・・ 夢の中で迷っている 鳴き声が聞こえた 彼はフォーリンジャー アーバンロックを聴きながら ダンスをする 迷子猫のフィガロシェリル 僕に合図する 愛を見つけて、暗闇を蹴って、嘘を葬って。 永遠の哀楽は 青い丘に咲いていた綺麗な花さ 隣に座って本を読んでいる友達のメアリー それを閉じて僕に言った 「ずっとこのまま一緒にいようね」って 彼はフォーリンジャー
胸いっぱいの愛を
胸いっぱいの愛を たまに吐息を絡ませて 溢れかえる感度を抑えて 憂いな顔を覗かせる 君の瞳に噛みついた 夕飯にはいつも君が居るはずなのに 今日は何故だか椅子が多いな 不慮が相まった災いに 巻き込まれてそのまま… どうしたってこうも いられなくなって 僕はあの本を床に広げる 弾ける涙を眺めては 踊る言葉で悩ませる 叶わぬ思いを手放して そんなことはできない 僕は禁止された 蘇生法に手を出した 一日中祈るばかり それが誰かにばれたなら すぐに連れて行かれる 何が駄目なのか まるでわからない 僕はただ君を取り戻したいだけ 僕は誰かに腕を取られ 街の丘の処刑台へ だけど僕は笑いながら 愛を叫ぶのさ そしてキャンドルには今日も 新しい火が灯された 彼の家の本が輝きひとりの少女が現れた
冬の星のコニー
あの子の名前は雪溶けのコニー 冬の終わらない星で暮らしてる だから夏の暑さや春の暖かさを 知らないまま今日も一人で眠るよ いつか辿り着きたい星を夢見るBaby Cat 結晶繋ぐネックレスにひとつだけ願い事を 恥ずかしげもなく笑ったり 恥ずかしげもなく歌ったり できるようなそんな勇気を私にもください 風に包まれて季節が巡りだす タンバリンの銀河にメッセージが届いた 手紙を書いた宛もなく誰かに 轍に咲いた花は傷を吸って育つよ だけど動けない見えない吹雪いてるCosmo Storm 打ち上げられるロケットを捕まえるために 恥ずかしげもなく喚いては 恥ずかしげもなく叫んでる 腐った意味や理屈なんて勝手にしやがれ! あの子の名前は雪溶けのコニー 冬の終わらない星で暮らしてる だから夏の暑さや春の暖かさを 知らないまま今日も一人で眠るよ
陽だまりのカントリーロード
十三月の夕暮れ 子どもの猫が唄う 陽だまりのカントリーロード 故郷へと続く路 本当の答えは わかってるつもり だったけれど 空を見れば海と同じ色 きらきら輝く 太陽の光 きらきら輝く 夜の月灯り 見られていなきゃいいね 見られていたっていいよ はじめて目にする景色 生きるそれぞれのイラストレーション 自分を追いかける 記憶探しの旅 だけど本当は 森のような広い場所にいた あの日々のことを 忘れないよ忘れない いつまで経っても どこまで行っても 本当の答えは 知っているつもり だったけれど 空を見れば 海と同じ インディゴブルー 子猫が唄う 陽だまりの故郷の唄 きらきら輝く 太陽の光 きらきら輝く 夜の月灯り あの日々のことを 忘れないよ忘れない いつまで経っても どこまで行っても
博士が死んだ日。
博士が死んだ日僕は泣いたよ 暖かい涙が冷たい頬を濡らす 僕は絵を描き殴った 僕と博士が遊んでいるところ 遠くの場所へ長い旅に出たんだ きっとそこはとても楽しい場所なのだろう 大切なことをいつも教えてくれた 生きてるうちにやらなくちゃ いけない事ってなんだろう? 死んだら何もできなくなるならさ 博士の飼っていた猫は 彼のあとを追うように 12月の25日に 目を覚ますことのない 眠りについてしまった そして僕はその猫の体を抱えて 博士の墓がある場所へ登り のぼる太陽がよく見える場所へ 静かに埋めたんだ 僕らは一体何のために 誰のために生きるのだろう 生きるために生きるのか 死にたくないから生きるのか 一人になった今ではよくわからない 彼が生きているうちに 教えて欲しかった 博士は今もきっとどこかで 生きていることだろう 時々僕のことを思い出しては 優しく笑っているはずさ 今日は博士が死んだ日 僕は彼の好きだった ブルーベリージャムのサンドを 一人で頬張った
夜行列車のうた
0時過ぎの夜行列車 雨が窓をノックする 南の風がごうごうと 車輪をせき立てる どこへ向かっているのか 旅にでも出るつもりか 夜空の燦々と輝く星たちが 僕に問いかける 木枯らし吹いて 景色はまるでオーケストラ楽団 三番目の冬路のフルート こごえた熱をつかさどる 0時過ぎの夜行列車 車掌さんがアナウンスする この先に待ちかまえるのは とんでもなく大きな崖さ 木枯らし吹いて 景色はまるでオーケストラ楽団 惨劇を丸め込むミュージカル 踊る汽笛を唱えた 0時過ぎの夜行列車 雨が窓をノックする 南の風がごうごうと 車輪をせき立てる どこへ向かっているのか 旅にでも出るつもりか 夜空の燦々と輝く星たちが 僕に問いかける
終戦のララバイ
なんの望みなしに空を見上げている 僕がいるこの藍色の戦場では 走馬灯を見るように夕陽が沈んでゆく おはよう、こんにちは、こんばんは。 繰り返す挨拶 どこまでも続いていく それはいつまでも尽きない 眠っているのか 命が果てたのわからない 僕は焼け野原と化した森の中で 粉炭になりかけた丸太のベンチで 君の夢をみる 枝の上で細い羽を揺らしている あの鳥たちは 遠い先の暮らしを過ごすべく 獲物を口にしている 玉乗り上手なピエロ 僕の夢の邪魔をする 彼が君を攫っていく 何度も何度も 君を攫っていくんだ 首をもたげた銃口 ライフル・ガンがいびきをかく 他には立ってる奴もいる 足を引き裂いた鋼鉄のサーベル 口の中には乾いた 血液の味が混じる唾液の海 喉奥から迫り上げてくる 胃酸の刺激が僕を追い詰める 僕は一体どうしたらいい? 僕はこれからどこに行けばいい 何をして何を探して 誰に会えばいい? ここにはもう誰もいない 僕自身でさえも消え去って 残ったのは無情の哀しみ 焼け落ちた緑の群れ そうだ君に会いにいこう 何よりも先に君に会いにいこう そのあとどうするかなんて それから決めればいいんだ そして僕は誰もいない 僕だけが生き残ったこの戦場から 立ち上がり手を伸ばして また歩き始めた
流れ星がみえる街
街の中には 踊れるハイスピード鼠 雪が溶けて流れる水が光る 買ったばかりの車の クラクションに驚いて 猫がガードレールから踏み外した 汚れたサングラスだからか わからないけれど 水面がひどく濁されているようさ 大気が優しい胸に抱かれたら いつかはきれいな海に変わるだろう 年を重ねるごとに 道は狭くなっていく だけどできる限り 広く歩いていこうぜ なぜか別れが多い街 季節外れの音楽が 寂しそうにファミリーレストランから 聴こえてくるんだ だけど僕は君に伝えた いつになってもやるべきことと 変わらなくちゃいけないことは 忘れないようにするって 難しいことばかり考えていると 何も残らなくなってしまう たまにはバカなふりをして 気を楽に愉しもうよ 流れ星は僕らに 何かを伝えようとしている 僕らはきっと手を合わせて 大切なものを願うだろう 年を重ねるごとに 道は狭くなっていく だけどできる限り 広く歩いていこうぜ