葉山 林檎
13 件の小説巫女さんに手をつけてはいけません
お正月くらいゆっくりしてればいいのに、という彼氏に後ろ髪を引かれながら美咲は市内の神社で巫女のアルバイトに向かった。 やったことがある人なら分かるだろうが、かなり過酷だ。 雪が降りしきる極寒の中、神社の社務所で御守りを売ったりだとかお祓いの時に舞を舞ったり、だとか。 実はあれをやっているのは殆どアルバイトだということはあまり知られてはいない。 もちろん例外は有るだろうけど… 「ようこそ、ご参拝下さいました」 交通安全御守を買っていった人に頭を下げ、見送る。 ─この言葉遣いも、巫女には大切なもの。コンビニや飲食店とは少し違う、もっと丁寧な言い方だ。 「ふー…」 ちらりと社務所の時計を見る。あと30分で上がれる… 今日は舞も二回やったし朝の8時からほぼ一日だった。 いい加減、脚が限界だ。 日付は1月2日。明日が終われば最後だ。 最後に御守りを買いに来た老夫婦を見送り、やっと同棲中の彼氏とゆっくり出来る、と上機嫌で仕事を終えた。 「ただいまーっ」 「おかえり」 家に帰ると、リビングから彼氏である和馬ののんびりした声がかかった。 ドアを開けると、だらしなくソファに寝転がって年末特番を流し見る彼の姿が。 「もー、だらけすぎ…洗濯干してくれた?」 「もちろん?」 そういいながら美咲を見て、和馬が目を丸くする。 「…着て帰ってきたの?」 「あ…着替える時間なくって…」 美咲は白衣に赤い袴を見下ろす。時間ぎりぎりまで働いていたせいで着替える時間が無くなってしまった。 「…なんか新鮮…」 彼はそう言いながら、美咲を壁際に追い詰める。 「あ、ちょ…」 「寂しかったー…」 子犬みたいに抱き締めてきて、首筋に顔を埋める和馬。 「よしよし?待ってて偉いよ?」 年下の彼が愛しくなって、くるくるな癖っ毛を撫でる。 「なんかいい匂いする、お香?」 「神社だからね」 不意に、彼が軽くキスをしてきた。 「巫女姿、すごい可愛い」 「あ、待って、着替えさせてっ…」 ちょっと強引に唇を重ねられ、舌が侵入してきた。手を繋いで、指を絡められる。 「んん…」 抜け出そうとするけど、彼の手に頭を抑えられた。白衣越しに胸を触られ、思わずびくっと体が跳ねる。 すごく長いキスの後、やっと唇が離され彼に抗議する。 「だめだよー…借り物なんだよ?この服…」 「良いじゃん、なんか…いけないことしてるみたいで」 なにか良くないスイッチを入れてしまったみたいで、彼は耳朶を甘噛みしてくる。 耳が弱いのはいちばんよく知ってるはずなのに… 「し、神職、です…!」 「ダメ?巫女さん気持ちいいことしよ?」 耳元で囁かれる背徳的な提案にぞくぞくしてしまう。 彼の手は白衣の襟からするりと入ってきて、肌着越しに胸を弄ばれる。 「ねー…だめ…」 「まだ年明けてからしてないんだけど?」 「そうだけど…んっ」 彼の悪戯に身体が火照ってくる。 「美咲ほんと大きいよね」 「うぅ…」 すごく恥ずかしいのに、もっと触って欲しい。 白衣の胸元が大きくはだけられ、好き勝手に触られながら唇を再び重ね、舌を絡められる。 「あ…ん…」 美咲の悩ましげな声を聞きながら、和馬は肌着の中に手を入れ、捲り上げる。 「あ、ねぇっ…まって…」 「やーだ」 下着の中まですぐに手が入ってきて、敏感なところを弄ばれた。 「そこすき…」 「可愛い…早くしよ?」 「んん…このままするの…?」 「だめ?」 上目遣いに見てくる、あざとい子犬… 「美咲興奮してる?」 「なんでっ…」 和馬は美咲の頭を撫で、低く囁く。 「美咲、ムラムラしてる時いっつもその顔するから」 「っ!?」 なんで…バレて…! 「俺だけが知ってる顔」 ふふ、と含みのある笑いを漏らしながら和馬はスカート状の袴と白衣をたくし上げ、下着に触れる。 「ッ…!!」 「あれ?まだ触ってないのに…上からでも分かる」 嬉しそうに呟きながら、直ぐに手が下着の中に入ってきてしまう。 「ね、足震えちゃう…」 「巫女さん立ち仕事多いんだよね?ちゃんと立ってなきゃ」 美咲のそこは既に和馬を受け入れる準備が整っているらしかった。 「やだっ…」 彼の指はなんの抵抗もなくぬるりと挿入され、びくびくと身体が痙攣する。 「何時もより濡れてる…?」 「そ、そんなこと…ない…」 何度も中を行き来する指に悶えながら彼の身体にしがみつく。 「ねぇっ…好き…もう挿れてよぉ…」 彼の硬くなっているそれを服越しに擦り、脱がせながらねだる。 「んー?どこに?」 優しいようで、彼はこんな時いつも虐めてくる。すぐに欲しくなってしまうのは私の方だ… 「ここ…」 ゆるゆると尚も動かされる彼の腕を掴む。 「ほんと、えろいな…」 「ね、このまま挿れてみよ…?」 初めてする、対面立位。美咲は乱れた白衣と袴の帯紐を解き、左足を上げながら露出した逞しいそれを誘導した。 「美咲、ここやばいくらい濡れてる…っ」 和馬の声と共に、中に大きなそれが押し入ってきた。 「あぁ…っ…!」 慣れない体勢で挿入されて、いつもと違うところがぐりぐりと刺激される。 「やっ…あ、これ、凄い…っ…!?」 「やばいね、中きつい…」 お互いに余裕の無さそうな表情をしてしまう。中で凄く反り返ってるの分かる… 和馬がゆっくりと腰を引き、甘美な快感に足が震える。 かと思えば再び奥まで突き込まれて… 「んいぃっ…!」 ぎゅうっと足先まで力が入る。 和馬は美咲の耳に舌を這わせ、囁いてくる。 「美咲の中いっぱいぬるぬる…いっぱい中ずぽずぽされるの好きだもんね―…」 「いやぁ…それ言うのやだ…」 耳元で囁かれる淫靡な言葉に何故か私は弱い。彼の前だけはこんなに淫らになってしまう。 濡れそぼった中が何度もえぐられるような感覚。物凄く気持ち良いところに何度も当たって腰砕けになりそう。 彼と音が出るくらい激しく舌を絡めたキスをしながら、おもいきり逝ってしまう。 「あーぁ…この体位好きになっちゃったねっ…」 腰を動かしながら言う彼に、何度も頷く。 「もう逝っていい…中きつ過ぎて限界…」 息を荒らげながら中で出すのを必死で我慢しているみたいな表情の彼。 少し、意地悪したくなって 「ねー…?巫女さんの中に出しちゃうの…?」 耳元で囁いてみる。 「そ、それ言うのエロすぎ…」 「これ着てるの興奮してるよねっ…好きなだけなか出して…?」 「無理無理…っ…あ、美咲っ…」 和馬は一番奥まで美咲の中に突き刺したまま、びゅくびゅく中で脈打つのが解るくらいに白濁液をぶちまける。 和馬が中から抜けるともう立っていられなくなりその場にへたりこんだ。 「これ…ハマっちゃいそ」 「わ、私も…」 足が震えて立てなくなりながら、美咲は目の前の萎えかけたそれを口で扱きにかかる―…
年の瀬と2匹のわるい狼さん
12月30日。 大晦日を控えたその夜、姫華はいつもは行かないバーでひとり、お酒を嗜んでいた。 さっきからカクテルを2杯、ハイボールを3杯飲んだせいで、結構酔いが回ってきている。 仕事納めだし、たまにはいいよね。 目の前で甲斐甲斐しく手を動かす店員に目をつける。 薬指に指輪が光っているのを見て、少し落胆した。 このバーに来たのは他でもない、声掛け待ち。もしくは、その逆。 この辺りは繁華街も近いからか、『そういう雰囲気』が濃い。姫華は少し期待してきていたのだが… 「私にそんな度胸ないよー…」 ため息混じりに呟いた。元々行動力がそんなにある訳でもない、寧ろ生まれてから24年間引っ込み思案の自分が逆に声をかけるなんてできっこない。 店のドアが開き、入ってきた2人の男性に自然に目がいく。 2人ともかなりの高身長だ。多分、180センチは余裕であるだろう。そして驚くべきは、どちらもかなりの美形。ふたりは、姫華のふたつ隣に腰掛けた。 甘いカクテルをもう1杯だけ注文しながら、彼等を横目で盗み見る。 金髪のピアスが空いている方が黒髪ハーフアップの方になにか話しかけ、ふたりで親しそうに笑い合いながらグラスに口をつけている。 とても…かっこいい。 せめてどちらか独りだったら話しかけたのにな、と胸中で毒づき、いい加減眠たくなってきて席を立った。が。 思いのほか飲み過ぎていたようで足元がふらつき、思わず膝を着く。掴み損ねた椅子が派手にひっくり返り、お店中の人の視線が集まるのが分かった。 恥ずかしい…! 「大丈夫?」 目の前に手が差し伸べられ、その手を取って立ち上がった。 「あ、ありがとう…」 見あげると、先程の金髪ピアスの男性。見れば見るほど本当に顔が整っている。 「…どうした??」 無意識のうちに見蕩れてしまっていたらしく、彼が訝しげに問い掛けてきた。慌ててぱっと顔を逸らすと、さらに横から声が掛かる。 「お前が怖いんだろ、そんな見た目で」 意地悪く言うのは、黒髪ハーフアップの男性。 「斗真うるっさい」 黒髪の彼は斗真と言うらしい。金髪の彼は姫華をふわりと立たせて 「大丈夫?1人で帰れる?」 「だい、じょぶ」 カウンターに掴まりながら覚束無い足取りで会計を済ませ、お店の外に出た。 「あー…」 まだ心臓がどきどきする。あの人どんなキスするんだろうな。 あられもないことを考えながら店の前にしゃがみこんでいると、その本人が目の前にしゃがみこんできた。 「あ、いた…ほんとに大丈夫?」 「…このまま寝そうです」 「いやいやいや!さすがに凍死しちゃうって」 「…名前、教えてください」 そういえばさっき名前を聞いてなかった。この金髪の人。 「來人」 「らいと、さん」 ふわふわした頭でどうとでもなれ、と思いながら。 彼の首に手を回し、軽くキスをしてみた。 「わ…」 驚いた様な彼。それから凄く優しそうな表情をすると 「おねーさん、この後暇?」 なんて問い掛けてくる。 「暇だよ」 「んじゃー、俺らにつきあってよ」 今度は彼の方からキスをしてきた。しかも、長い。あ、舌入ってきてる…? 道端でしゃがみ込んだまま卑猥なことをされる羞恥に頭がおかしくなりそうだ。 彼がやっと唇を離してくれて、とろんとした目でふと、目線を頭上に移す。そこには呆れたような黒髪ハーフアップ。 「あのなー…お前ら何やってんの、こんな道端で」 「えー?責めるならこのおねーさん責めてよ、いきなりちゅーされたんだけど俺」 ちょっと不貞腐れたような顔をする來人。もしかして、自分よりも年下…? 「どうすんの、その子」 「ん〜…」 「とりあえず、休めるとこ」 「あれ、斗真わるーい」 楽しげな会話をうとうとしながら聞き流す。何話して…? 「お前、名前は?」 「…ひめか」 「了解…姫華さん、動ける?」 斗真は口調こそちょっと冷たいが良い人そうだ。 姫華がよろよろ立ち上がると、 「背負ってやるから、ほら」 斗真の背中に手を掛けると背負われ、そのままふたりで歩き出す。 誰かに背負われるなんて何年ぶりだろう。暖かくて心地良い。 どうなるか分からないけど、少し寝ようか…? 気づくと、ふかふかのベッドに寝かされていた。 隣には、ハーフアップを解いた斗真が煙草をくゆらせている。はっきりした輪郭と左目元の涙黒子が印象的だ。 「これ夢…?」 訝しげにつぶやくと、それに答えが返ってきた。 「確かめてみるか?」 斗真はそう言うや否や姫華に覆い被さり手を繋ぐと、いきなり唇を重ねて来た。 「んっ…!?」 体格差のある彼と、少し煙草の匂いのするキス。彼は姫華の手首を押さえつけ、すぐに舌を入れたえっちなキスに変わる。 「んんっ」 食べられるようなキスにぞくぞくした。頭の中まで溶かされるみたい。 「はぁ…はぁ…」 唇を離す。彼の唾液に濡れた舌がとても卑猥だ。 「ねぇ…ここ、どこ…?」 「俺の家」 「斗真さんの…」 「そ。んであいつは居候」 そんなことを斗真は言いながらおもむろに姫華の腰を服の上から撫でた。 「ん…なに…?」 「確認。姫華さんが壊れないかどうか」 壊れないかどうか。 その意味を理解して、反射的に脚を閉じてしまう。 ふたりが相手なんて初めてだ、どうなるんだろう。 凄く期待してしまう自分が破廉恥だ。 「腰ほっそ…」 斗真はそう呟きながら、服の中へと手を進めてきた。 「待って、お風呂はいってない…」 「五月蝿い」 彼の華奢な指が、腰をなぞり下着の中まではいってきた。 寝起きからの突然の刺激に、身体をびくつかせて悶える。 「やっ…ぁ」 「声、出てる…すごい可愛いよ、姫華」 恥ずかしくてぎゅっと目を瞑る。と、その時だ。 寝室のドアが無遠慮に開け放たれ、びっくりしてそちらを見る。 「あー!ふたりで盛り上がって、ずるいじゃん」 來人は斗真に揶揄うように言いながらコンビニのレジ袋をローテーブルに置く。 「お前がコンビニ行きたいとか言うからだろー…」 「てか斗真、女の子にお風呂入らせないの?」 「…解ったよ…」 渋々と言った感じで、斗真は姫華の服の中から手を引っこ抜く。 「斗真はお風呂入った?」 「うん」 「んじゃ、俺おねーさんと入っちゃお」 來人はおいで、と姫華を呼んだ。 「なんか巧い…」 浴室でふたり。來人の髪を扱う手つきが妙に慣れていることに気づいた。 「あ、俺美容師なの」 髪の毛をお湯で流され、冷えた身体が暖まった。 「つぎは、身体ね」 ボディーソープを手に取ると、手で泡立て姫華の身体につける。 それだけで身体が反応してしまった。 「んー?どうしたの?」 彼の手は、肩から腋、そして胸へ─… 「駄目だよ隠しちゃ、洗えないじゃん?」 「うぅ…」 目の前の全身鏡越しに目が合う。來人はしつこく胸ばかりを洗ってきた。 「そ、そこばっかり…ヤダっ」 「ちゃんと全身洗ってるよ〜?」 彼の手はお腹に降りて、ボディーソープを伸ばしながら、その手は更に下へ。 「足、開いて」 耳元で囁かれ、おずおずと従った。いちばん優しく丁寧に手を動かす彼。 恥ずかしい声が浴室に反響する。 「おねーさんめっちゃ声かわいい」 後ろから胸の突起を弄ばれながら、彼の大きくなったものが背中にあたる。 ぬるぬるな指が中に入るか入らないかの微妙な感覚。 はやく挿れて欲しくて、はふ、と熱い吐息が漏れた。 「はいおわり」 彼の手が離れ、頭からシャワーをかけられ洗い流された。 「…ここまだぬるぬるしてる、流せて無いのかな」 彼の手が姫華の下に伸び、さっきから濡れ続けるそこに触れた。 「ねぇっ…中に…指欲しい…」 「あーぁ、ひめちゃん凄いね、洗ってもこれじゃ意味ないよ?」 意地悪く囁きながら、愛液で糸を引く指を鏡越しに見せつけられた。 「中に欲しい?」 「うん…」 「くださいは?」 「ゆび…ください…」 「いい子ー」 後ろから抵抗出来ないように手を繋がれながら、彼の指が中へ入ってきた。甘美な快感に身体を仰け反らせ、呆気なくイかされる。 「あれ…まだ入れただけじゃん?この先持たないよ?」 楽しそうにさらに入れた指を中で掻き回す來人。 逝ったばかりで敏感になっているのに。 「…っあ!?」 首と背中に何度もキスをされながら、ぬちぬちと卑猥な音を立てられる。 「はぁ…えっろ…」 耳の中まで舌を入れられ、再びイかされてしまった。 がくがく震える姫華を満足そうに眺めて 「そろそろ出よっか」 來人の言葉に、姫華はこれから起きることを期待してしまう。 髪を乾かされ、オーバーサイズのスウェットを着せられて寝室へ戻ると斗真は暇そうに携帯を弄っていた。 ベッドに座ると、斗真は待ちくたびれたかのようにキスをし、それから少し不服そうな顔をする。 「なんか來人の匂いする」 「あ、それ俺の服だからね」 自分の着せられているのはそうだったのか。 「匂いがウザい」 「えぇ…」 困ったように來人もベッドに上がってくる。 「姫華、それ脱いで」 「う、うん…」 2人に見られながら、服を脱ぎ捨てる。 「ね…恥ずかしい、私だけ…」 「ちょっと黙ってなよ」 …なんだか勝手に嫉妬されている気がする。 斗真は強引に姫華を抱き寄せると、首筋に鼻を埋めそのまま下着も何もつけていない胸の突起を弄る。 「やっ…!」 「本当にいい声で鳴くな、姫華は…」 キスをしながら押し倒され、來人に下を脱がされながら斗真と舌を絡める。 息を荒らげながら、蕩けるようなキスを味わう。 「斗真変われってー…」 來人の声に唇が離される。と思えばつぎは來人が両手首を掴みながらディープキス… どっちのキスも本当に気持ち良い。身体をびくつかせながらくぐもった甘い声を上げてしまった。 「っはぁ…!」 ちょっと酸欠気味で、來人を見上げる。 「うわ、可愛い…」 「姫華、次こっち」 横から声がかかり、ふと視線を移すと斗真が上半身を脱いでいる。言われるがまま彼の元まで這っていき、細身の引き締まった腹筋に舌を這わせる。 「えろ…」 「ね?俺が言った通りじゃん、ひめちゃん多分えろいよって」 頭を撫でる斗真。姫華は彼のベルトを外して脱がせると、欲のままに硬くなったそれを咥える。 「ッ…!」 一瞬斗真の体が震え、気持ち良さそうに吐息を漏らした。 「あーやば…」 「え、巧い?」 「結構やばい」 頭上で交わされるやり取り。その背徳感に興奮しながら、斗真自身に舌を絡み付かせしごいてあげる。 「ひめちゃん手が空いてる」 左手に來人のモノが握らされる。まるで玩具のように扱われ、子宮がきゅんと疼いてしまった。 「ほーら、ちゃんと手動かして?」 …どっちかに集中するとどっちかが疎かになってしまう。 「舌、もっと動かして、唾液いっぱいにしろ」 斗真の命令口調に興奮しながら音が出るのも構わず激しく責め立てた。 「あっ…」 斗真が苦しげな顔をしながら、姫華から引き抜く。 「危な…いかされそうだった…」 「いいなー…ね、ひめちゃん次は俺だよ?」 休む暇なく、來人を咥え込まされた。さっき斗真にしていたみたいに、奉仕する。 「ねーひめちゃん、俺の方がおっきい?」 「そんなこと聞くな…」 …分かんない… どっちのも凄く…大きい。こんなの挿れられたら本当に壊れちゃうかもしれない。 「んっん、!!」 後ろから、斗真が姫華の中に指を挿れ掻き回す。 「え、來人お風呂で何したのこれ」 「何が…っ?」 快感に顔を歪めて來人が答える。 「姫華とろとろじゃん…何、こんな濡れ方してる子初めて見た」 顔から火が出そうなほど恥ずかしくて、腹いせとばかりに來人のそれを激しく扱き立てた。 「あっあっ待っ…ひめちゃっ…!?」 來人は体を反らせて後ろに手を着く。そしてそのまま… 熱い白濁液を、姫華の口に思い切り吐き出した。何回も脈打つそれを姫華は愛おしそうに最後まで吸い出す。 「…斗真、これ耐えれたんだ…すごいね…」 蕩けた顔をして言う、來人。 「…全部飲んじゃった」 「ふふ、いい子だよ」 頭を撫でられ、嬉しくなる。 「俺我慢した意味無くない?」 後ろから斗真が言うと同時に、彼のそれが入ってきた。 「う…あっ…!」 姫華の腰を掴み、いちばん深くまで突き刺さる。 「待っ…!おっき…ぃ…」 「無理。待てない」 入れた瞬間すぐ甘く逝ってしまったようで、足ががくがく震えた。 「あぁっ、とうま、とうまきもちいい、きもちいいよっ…!!」 性欲のタガが外れたように無意識に名前を呼びながら、後ろから突かれ続ける。 「やば…こっちも凄い」 「いーなー、さっきから全部斗真が初めてじゃん」 「はぁ…はぁ…らいと…もっかい口でする、?」 姫華は舌を出して誘惑する。 「どうしたのひめちゃん…すっごいえろいじゃん?」 「元々だもん…」 來人に唾液を垂らし、咥えてあげる。さっきの残滓を吸い出し、斗真の激しい動きに耐えながら口だけで奉仕した。 「早く挿れさせてよー…」 「いいじゃんお前、ちゃんと口でいかされてるんだし…っ…」 俺一回も逝って無いんだけど、と斗真は吐息混じりに呟き、姫華を羽交い締めにして上体を起こした。 口から來人が抜け、唾液が長く糸を引きながら布団に落ちていく。 さっきよりも深くまで斗真が入る。した事の無い体位に少し不安になって 「斗真…?」 「俺これ好きなんだよ、姫華ちゃんと中締めろ」 そういう彼は、甘い吐息を漏らしながら突き始める。 「あぁっ…いやぁ…!?」 「ほんとそれ好きだねー」 來人は笑いながら面白そうに言うと 「あ、ひめちゃんまた空いてる」 と、唇を重ねる。すぐに舌が入って来て、その手は胸の尖った場所を擦る。 触られるところ全部が気持ちよくて頭がおかしくなりそうだ。 「きもちいぃ…もうやだぁッ…っ」 何回目か分からない絶頂。 「姫華、全部受け止めて…」 斗真は耳元で囁き、最後に腰を思い切り深くに叩きつけて中に注ぐ。 「あ、めっちゃ中に出てる」 來人がお腹の下の方を触りながら呟く。 「わかる、の?」 「なんとなく?」 斗真のものが、中から抜かれる。それを見た來人は嬉しそうに 「次俺ね」 「っ!?」 直ぐに、後ろに押し倒された。 「あーあ、斗真出しすぎ、漏れてきてんだけど?」 「俺に言うな、姫華のせいだろ?」 適当に胡座をかいて煙草に火をつける、斗真。 「んん…飲みたかったのに…」 こんなことを言ってしまうのはきっと、酔っているせいだ。自分がこんな淫乱なわけない。はず… 「だめー、今は俺とセックス楽しもーよ…」 ぐいっ、と膝裏に手を回しそのまま物凄く恥ずかしい姿勢にされてしまう。 「ちょ、ちょっと…これやだ…っ」 「さっきからキスだけで我慢してたの褒めてよ?」 來人が、ゆっくりと入ってくる。気持ち良すぎて、シーツを掴んで耐えた。 「ほんとだ…めっちゃきついじゃん…」 「らいと、らいと…きすしよ…」 「いいよ〜?」 彼は…耳を塞ぎながら、キスをしてきた。そのまま舌を入れられて…なにこれ。 頭の中でいやらしい音が反響する。 「!?…!?」 こんなに気持ち良いキスがあったなんて、知らなかった。 彼の背中に爪を立ててしまう。 「気持ち良いね〜?」 ずっとさっきからイッているような感覚。言葉にならなくて何度も頷いた。 「すごい中締まってるし…このちゅー好き?」 「すき…!」 甘やかされながら、彼は容赦無く腰を叩きつけ始める。 「來人えぐいことするな―」 「これで逝ったらっ…まじで気持ち良いから…」 まるで身体を道具みたいに使う2人に、姫華は物凄く興奮してしまう。 「いっっ…く」 びくびく痙攣しながら、來人の背中を引っ掻いてしまった。 「ねぇひめちゃん痛い」 ちょっと可笑しそうにしながら、再びのディープキス。 彼の唾液を飲まされる。これ、水分補給みたいになってるのかな。 「もうイきそ…」 切なげに呟く來人。 「ね…また中にほしい…」 「…っぐ…!」 姫華が言った瞬間、來人のそれから熱い液体が迸った。再び、一番奥にどくどく注がれていく精液… くたっと疲れたように來人の頭が肩にもたれかかる。 「その体位マジで気持ち良さそう」 「やばいよ…斗真も試しちゃいなよ…?」 「後でー」 斗真はぞんざいに言うと、缶チューハイを口に含み姫華に口移しで飲ませてきた。 「ん…ぁ…」 せっかく、ちょっと酔い冷めてきたのに…! 「俺ら明日も暇だからさー、折角なら年明けたら姫始めしない?」 「姫華は予定無いのか?」 「私…はないよ…」 姫華を挟むようにふたりは寝転がる。 これから死ぬほどイかされるのかな…?
Die or Sex?
天沢 唯は後ろを振り返った。 街灯の頼りなさげな明かりの向こうは暗く沈んで闇と同化している。 さっきから、誰かが後ろから着いてきている気がする。 クリーム色のコートの襟を握りしめ、早足で歩く。 嫌、だな… ストーカー? たまたま行き先が同じなだけ、だよね。 残業ですっかり遅くなってしまったが家はもうすぐそこだ。 「…っ」 微かに、確実に着いてきている。 恐怖で走り出すと、足音も早くなった…! 「やっ…!」 足がもつれて危うく転びかけ─ …後ろから抱きとめられた。 次の瞬間、後ろから甘い匂いのするものを嗅がされ意識を失う。 ─身体の違和感で目が覚めた。目を開けると、そこは知らない部屋。 「あぁ、起きたんだ、ゆいちゃん」 …一瞬何が起こっているのか認識出来なかった。 手は頭の上で手錠で拘束され、目の前には見覚えのない男。少し年上に見える、ちょっと鬱っぽさのあるイケメン。 その彼は唯の服の中に手を入れてきていて 「や、やめてっ…!?何して…っ!」 「んー?ほんとえろいね、ゆいの身体…凄くいい匂いする…」 身体を這う手の感触にぞっとした。 「警察呼びますっ…!誰か!」 震えながらも思いの限り叫ぶと、彼は迷惑そうな顔で 「いい子にしてなよー…」 そう言ってポケットから緩慢な動作で折りたたみナイフを取り出すと唯の首に当てた。 「抵抗したら殺すことになっちゃうから、やめてね?」 「…う…あ…」 声が掠れる。 「僕に殺されちゃうか、それともセックスしちゃうか選んで?」 優しげな笑みを浮かべ狂気的なことを口にした。 「嫌…っ」 「殺されちゃうの嫌だね」 どっちも嫌で、泣きながら頭を振る。 「可愛い…どんな表情しても可愛い」 彼は首筋にナイフを当てたまま恍惚と呟き唯の涙を舌で舐めとった。 びくりと身体を反応させる唯の頭を撫でた彼は、まるで遊びの一環かのようにナイフをとんとん軽く首に弾ませる。 「やめて…ください…」 「駄目だよ、目の前に好きでたまらない人が居るのに…」 服の中の手が臍をなぞり、鳥肌が立った。 「色んなゆいを見てるうちに僕のものにしたくなっちゃった」 ブラに手が触れ、思わず顔を背けると机の上に目がいく。 夥しい数の、唯自身の写真だった。 「よく撮れてるでしょ」 「なにこれ…」 出勤途中の電車の中。 ベランダで洗濯物を取り込んでいる時。 道を歩いている姿。 スーパーのレジに並んでいる所。 全てが身に覚えのない写真だった。 「ほ、ほんとに警察呼ぶから…っ…!」 「ふふ、強がってるゆいも可愛いなぁ…」 聞く耳を持たない彼。 「やめろ…っ!!」 下着越しに触られていたのが遂に中まで入ってきて、無茶苦茶に暴れる。 「っ…!?」 いきなり片手で首を掴まれ息が詰まった。 「大人しくしてなきゃって言ったでしょ?このまま窒息死したい?」 「ち…がぅ…」 視界がぼやけてくる。辛うじてばたつかせていた足を彼は抱え込み、ストッキング越しに厭らしい手つきで撫でる。 「ゆ、るして…なんでも、する、から…」 「じゃあ殺すのなーし」 ぱっと手を離され、身体を折って激しく咳き込んだ。 「その姿も凄くえろいね…死ぬかと思っちゃった?」 酸欠でぼんやりした頭で、服が捲りあげられ胸元まで露になるのが分かった。 彼は唯の腰に、臍に、鳩尾にキスを落とした。下着を取り払われてじっと観察される。 「…嫌」 「綺麗だよ…?」 そう言いながらも彼は片手のナイフを離さない。 もう片方の手で蕾に触れる。とても優しい手つきで。 かと思えば口に含み、ころころと舌で転がされる。 「ん…」 彼の愛撫に身体が軽く反応してしまう。こんなに怖いのに、何故。 彼は再びナイフを首に押し当て、唇を重ねてきた。 「んっ…や…」 抵抗するが彼の舌を受け入れてしまう。唯の舌を弄ぶように舌が絡まされる。 おずおずと唯もそれに応えるように舌を絡めた。こんな男に感じさせられる自分が惨めだ。 「…気持ちーね」 長いキスを終えた彼は囁く。 首を必死に横に振るが 「ここはこんなに正直なのに」 胸の突起を親指の腹で擦られ反応してしまった。 ロングスカートを脱がされ、ぶちぶちと音を立ててストッキングが破かれていく。 「…っ!!」 恥辱に唇を噛む。 「その顔すごい唆るよ…」 泣きながら無言で彼を睨む。興奮したように彼はナイフで唯の下着を裂くと、無理矢理唇を重ねながらそこに触れる。もう片方の手で胸を刺激しながら…嫌でも濡らそうとしてくるのが分かった。 「ううっ…」 両方を執拗に責められ、手錠をかけられた手を暴れさせる。 嫌だ嫌だ…いや…っっ… 「あはは…抵抗してる…かわい」 「触んないでっ、触るなっ…!!」 彼の手から離れた凶器を蹴飛ばし、そして彼を思い切り蹴飛ばし叫ぶ。 「もー…煩いなー…」 「助けっ─」 口を押さえつけられ…下に強烈な異物感が入ってきた。 「んんんっ!」 「まだ濡れてないし痛いね…」 メリメリと中を広げるそれは、突起がいくつもついた太い玩具。 「スイッチ入れちゃうね?」 それが喧しくモーター音を立てて中を掻き回し始めた。 「痛いいたいっ、おねが…とめて…」 「とめないよ?悪い子はお仕置しなきゃ」 彼はそう言って唯から離れる。しっかりと刺さった玩具は手を使わない限り抜けない。 上半身を脱ぎながら彼は部屋の隅に転がっていったナイフを拾ってくると、唯の襟首に刃を立てる。 「ひっ…」 「動いたら死んじゃうよ?」 そして─ 一気に下まで服を切りつける。 怯える唯を見下ろし恍惚とした吐息を漏らすと、遮るものの無くなった身体に舌を這わせ、全身に噛み跡をつける。 「うっ…痛い…っっ」 「美味し…」 ぐちゃぐちゃになった感情。ケダモノのように唯を陵辱する彼。 「…や…ぁ…」 じわりと体の奥が疼く。遂に唯は感じ始め、容赦なく突き刺さる玩具の突起が引っかかって快感を生んでいく。 「あーあ、気持ちよくなってきちゃった…?」 「なってなんかっっ…」 「あぁ、まだ大丈夫なんだ」 不意に彼の手が玩具に伸び、ぐりぐりと手でも動かされる。 「っひ…むり!むりっっ…あ…!?」 「あー可愛い…犯しちゃいたい…」 いつの間にか彼は横に寝転がり、唯を虐めていた。 「これそんなに良いの?」 「よくないっ、抜いてよっ…」 びくびく痙攣しながら喘ぎ声混じりに言う、唯。 「えろいね…いつもしてるの?」 答える余裕も無く、必死で腰をくねらせ快感を逃がす。 「ダーメ、逃げないで」 玩具が抜き取られ、粘ついた音を立てる。 と思ったのもつかの間 「ああぁっ…!?」 いきなり、彼のモノに奥まで貫通された。いちばん深いところを抉る快感にぶっ潰され、身体を弓なりに反らせながら激しくイかされてしまう。 頭の中で星が飛んだ。 「きもち…い…」 「かわいすぎる…ゆいはこんなだらしない顔するんだね…!」 耳元で彼は囁き、蕩けた瞳が交錯する。 「ゆい、そんなに絞めたらすぐ逝っちゃうよ?僕」 乱れた唯の髪を愛おしそうに撫で、彼は音が鳴るくらい容赦無く腰を動かし始める。 「やだやだっ…抜い、てぇっ」 「可愛い、また泣いちゃったね?」 泣きながら唯は首を振る。 「こわい…」 「中だし嫌だねー?」 「おねがい…生やだよ…っっ、」 「こーんなに気持ちいいのに」 ずんっ、と彼は深くゆっくりと長いソレを埋めた。易々と子宮まで到達する。 「生がいいね?」 「んぅッ…」 ディープキスで黙らされ、脳内を溶かされながら激しく犯される。 彼は自分の服からベルトを抜き取ると、言う。 「痛くするね」 「…え…っ」 彼はベルトを振るい 「いいいっ!?」 唯の白く細い肢体に叩きつけた。 あまりの痛さに気を失いそうになる。 感じたことの無いびりびりした痛みは ─気持ちいい…。 「やぁっ、だめ、やめないで…」 「…あれ?ゆいちゃん?」 彼はにこやかに楽しそうに、ベルトを再び唯に振り下ろす。 「ひぃぃッ」 口から飛び出したのは、悲鳴まじりの嬌声。 太腿で彼の腰を強く挟む。それに応えるかのように腰を動かしながら彼は唯を叩く。 「ああぁっ!?」 声を上げながら唯は狂ったように絶頂する。 有り得ないくらいに彼のモノを締め上げながら、初めて唯は潮をふきあげた。 「待っ…締めすぎッ」 同時に彼は耐えきれず、奥底に熱い白濁液を放った。そのまま脱力したように唯の体に覆い被さる。 「あ…ぁ…」 余韻で何度も痙攣しながら、さっきとは別の液体が独特な匂いを伴ってシーツに広がっていった。 「…ゆいちゃん…これから沢山可愛がってあげるからね?」 悪魔のように彼は囁くと、唯の太腿を押さえつけ結合部を眺めながら、再び陵辱し始める。 自分がこんなマゾヒストだったなんて。 唯は堕ちていく。
ヒメゴト
すっかり日が暮れた頃。 城の主の命令とは解っていながらも、レイトは部屋の前で頭を悩ませていた。 「…私にどうやって夜伽を教えろと?」 メイドらしからぬ高身長。おまけに低いハスキートーンな声と中性的な顔立ちが相まって、城主の娘であるアリスの指南役として抜擢されてしまった。 無論、レイトは男性では無いのだが… …だが部屋の前でまごついていても自らの首が飛ぶだけだ。レイトは意を決して、木製の重厚なドアをノックする。 「どうしたの?」 「レイトです。お嬢様、少しお話が」 「どうぞ」 ドアを開ければ、そこは別世界のようだ。 可愛らしくも気品を纏わせる調度品が至る所に置かれ、窓際には桃色のテディベア。 部屋の隅には大きな天蓋付きベッドが鎮座している。 「レイト!」 テーブルに積まれた本の隙間から、綺麗な金色の髪をした、整った顔がひょこりと覗いた。 どうやら彼女は読書に夢中だったらしい。 「お嬢様、日中のお話は覚えておいでですか」 「あー…うん…」 気品漂う姫は困ったように眉をひそめた。 「よく分かんない、かな…」 「夜伽についての本も読んでおられませんか?」 ベッドの端に放り捨てられた指南書とも言える本を目ざとく見つける。 するとアリスは頬を染めながら 「そ、それは…あんなの読めるわけが無い…あんな破廉恥なっ…!」 と首を振った。 「…一応見てはいる、と」 「う」 それは図星のようで狼狽える彼女。 「破廉恥な、とは言いますがあれはあれで大事なものです。将来の旦那様との初夜に噛みつきでもしたら大惨事ですからね」 何にとはいいませんが。となるべく冷たく言い放った。 「レ、レイトは恥ずかしくないの?あんなの見ても…」 投げかけられた純粋な疑問にぎくりとしてしまう。 夜な夜なひとりで慰みをする時は大抵本で想像するしかないからだ。 それを見透かしたようにアリスは恥じらいながらも続ける。 「見てたら下…むずむずしてて…」 思い出したのか、彼女は膝を擦り合わせた。 「…お嬢様、知識だけでは身につきません」 「…今から…?」 「ベッドに上がりましょうか、アリスお嬢様?」 彼女に手を差し伸べ、ふかふかのベッドに招き入れる。 部屋を暗くし、腰に手を回しながら囁く。 「まずは相手の顔を見て」 従順にアリスは従うと、レイトの手をぎゅっと握る。 「そうですね、相手に気持ちを伝えるのも良いです」 握られた手を握り返し、指を搦めながら華奢な体を抱き寄せた。 「男性にこうされた時は?」 「キス…ですか?」 「まだですよ、お嬢様…相手の耳が口元にあるときにはこうすれば悦ぶ」 とてもいい匂いのするアリスの耳朶に軽く歯を立て、吸い上げた。 「ん、!?」 びくっと体を反応させるアリス。そんな彼女の腰をゆっくりと撫でながら、更に教える。 「キスをする時は相手と目を合わせてからです。お嬢様、出来ますか?」 軽く頷くのを確認して数秒見つめ合い目を閉じる。少し躊躇ったような間の後、唇に柔らかな感触が触れた。 「っは…」 恍惚とした表情を浮かべるアリス。 「…その顔をされて正気な男は居ないでしょうね」 朱に染まった頬に手を当て思わず呟く。 「…レイト、もう少ししてもいい?」 彼女はそう言うと、再び接吻をしてきた。 先程よりも長い。 1回。2回。そして3回。 不意にアリスの手がレイトのショートカットの黒髪に触れ、それと同時に舌がゆるゆると侵入してくる。 たどたどしいそれに応えるように、レイトはアリスの舌を吸い唾液を搦めた。 離れた唇から唾液が糸を引くさまがとても卑猥だ。 「ふふ、お上手ですね」 恍惚とした表情を浮かべる姫。 「なんで…女同士なのに…こんな」 自分でもよく分かっていないようにレイトを見上げたアリスは呟いた。 「あくまで私の意見ですが」 レイトはアリスを押し倒して言う。 「性別とはただ男と女を分けるための区別、という認識をしております。そして相手の信用度によって快感は深まるとも…考えております故」 アリスの首筋を優しく舐め取る。手を繋ぎながら、身体を震わせる彼女のナイトドレスをはだけると顕になった珠のような胸元に手をあてがう。 「は、恥ずかしいよ」 「…お嬢様はおひとりで致す時にはこちらも?」 「ん、んん…」 あまりの恥辱に腕で顔を隠しながらも首を横に振るアリス。 「そうですか?ではここもしっかりと開発して差し上げなければ、ね」 彼女の重量感のある胸を両手で触り、既に芯の入った蕾を指で転がす。 「あっ…レイトそこっ…!?」 びくんっ、とアリスの体が跳ねる。芯のまわりをなぞり、軽く摘むと彼女は今まで聞いた事のない雌の嬌声を漏らした。 「アリス様のは本当に大きいですね…?」 「そ、そうなの…!?」 「これなら男性を悦ばせる手段も増えるかと」 「な、なに、それは…」 彼女の耳元で囁く。 「男性の△△を胸に××んで扱くんです」 「は…っ、?!」 真っ赤な顔で耳を押さえるアリス。 「興奮してますね…ここ凄く硬くなってます」 「やっ…」 「確かめましょうか、ちゃんと濡れているか…」 彼女の胸をやわやわと揉みながらナイトドレスを脱がせ、淡い水色の下着をするりと下ろした。 「お嬢様、そんなに脚に力が入っていてはいけませんね?」 「ま、待ってレイト…!!」 少々強引に、アリスの脚を開かせる。 「…凄い」 「や、だ…見ないで…」 息を荒げながら呟く彼女のそこは愛液でぬらぬらと光っていた。指をそこに触れさせ、擦り付ける。 「やっ…ああ…、」 「気持ちいいのですね…」 「わ、私こんな…はしたない…」 「信頼されているのですね、私は」 指を動かしながらアリスの反応が強いところを探す。 「ねぇっ…レイト」 「はい」 「中がいい…」 ベッドから身を起こし、まるで懇願するかのように膝立ちになる彼女。 その淫靡な姿にレイトの子宮がきゅんと疼く。あくまで指南する立場だと心に決めていたのに身体が求めてしまっていた。 「…良いですよ、お嬢様…」 キスをしながら、しなやかな腰をなぞり下の茂みに触れる。 そのまま入口を探し当て少し力を入れるとそれだけで指が埋まっていく。 アリスは切ない声で鳴きながらレイトの肩にしがみついた。 「もしかして、普段から…?」 「ごめんなさいっ…」 「…本当に。純潔が疑われたらどうするのですか」 「そんなには強くしてないわ、少しだけ…だもの…多分…」 言葉の最後はしりすぼみになっていった。 「慣れるのはいい事ですが」 かと言って指を抜くことはせず、溢れた蜜を指に絡ませ抽挿させる。 「ごめんなさ…っい…!」 腰をびくつかせ、蕩けるような表情で快感を味わうアリス。そんな姿を見ていると不意にレイトの心に邪な考えが浮かんでしまった。 「お嬢様、ひとつ」 「…?」 「あまりにも強くし過ぎるのは良くない…良ければその力加減、私の身体で試してはいただけませんか」 「私が…レイトに…?」 答えの代わりに、着ていたメイド服を脱いでいく。 下着に指をかけ、彼女の目の前で生まれたままの姿を晒した。 胸に視線が注がれているのを感じ、顔が熱くなる。 「そ、そんなに見ないでください」 「さ、触っても…いい?」 「お好きなように」 彼女は先程教えた通りに唇を重ねながら、レイトのお腹に遠慮がちに触れる。舌を絡ませながら、その手は徐々に上の方へ。 「…んッ」 アリスと比べると控えめな胸の突起を指の腹で擦られ思わず声が出てしまう。 「上手ですね…アリス様」 「下も、させて」 「申し付けのままに」 彼女の手が太腿の辺りに触れ指が遠慮がちに中心を捉える。 くちゅ、という水音がレイトの興奮を物語っていた。 「レイトもこんなになってる」 「…私の方がはしたないですね、こんなに濡れて…」 レイトは中に早く欲しい一心でアリスの指を誘導した。 「ああっ…」 アリスの細く、華奢な指が2本、中を掻き分け入ってくる感触にレイトは悶える。背徳感で背中がぞくぞくと怖気立つ。 彼女に悟られまいとどうにか腰砕けになるのを耐えて 「アリス様っ…感度のお話を…っ!?」 突然、彼女が指を動かし始めた。しかもレイトの一番感じやすい場所に当てながら、である。 「やっ、待ってそれ…いやぁ…」 無様にも腰をくねらせアリスの指を抜こうとするが、力が入らない。 「レイトはここが良いんだ…私とおんなじ…」 「ま、待って、とめて…」 「この奥の、ざらざらしてるところ」 アリスは欲情した顔でレイトの手を掴むと、自らのそこに誘導する。 彼女の中へと入ると、指を曲げて優しく責める。 びくびくと痙攣する彼女に唇を重ねながら、もうどちらのものか分からない淫靡な音に身を委ねた。 ─夜は更けていく。 姫とメイドは、甘美な快感に酔いしれる。
少女監淫罪
私がこの家に監禁されて、もう2ヶ月ほどになるだろうか。 煙草の匂いがする布団から裸体を起こし、時計を眺める。 昼寝をしていたので時刻は4時半を少し回ったところだった。 もうすぐ彼が帰ってくる。 カップ麺と缶チューハイの空き缶、そして灰皿の乗った机に手を伸ばし、テレビのリモコンを手に取る。 「…つまんないな…」 チャンネルを適当に変えながら一周した。 おもむろに机の下に転がっていた淡いピンク色のローターを手に取り、弄ぶ。 振動を感じて条件反射のようにじわりと腰の奥深くが疼いた。 四つん這いで自らの下に手を伸ばす。 ぬるりとした感触と共に、すぐに指が沈み込んだ。 本能のままローターを湿ったそこにあてがい挿入する。 「んんッ…ん…!」 ぞくぞくしながら、指で充血した芽を愛撫する。 「ひぅ…っ」 思えば中学にあがった頃から、自分の性欲が強いことは微かに自覚していた。それから2年もせずに貫通されるとは思いもよらなかったのだが。 バックで挿入される妄想に耽りながら我慢出来ず乳首をもう片方の手で弄る。 「ちがう…」 彼の指はもっと太くて、力が強くて。 中性的な顔立ちなのに私を犯す時はとても蕩けた目をしていて。 大きくて硬いそれは私を満たしてくれる。 不意に、玄関のドアが空いた音がした。足音はそのまま近づいてきて、リビングの引き戸が開けられる。 「ただいま、かれん」 「んっ…ん…おか…えり…っ」 彼の前でローターを中に仕込んだままびくびくと身体を震わせる。 彼はしゃがみこみ、優しく頭を撫でながら 「それお気に入り?」 と聞いてきた。蕩けた顔で頷くと、彼の眼鏡の奥の目が細くなる。 「見ててあげる」 「恥ずかしいよ…」 言葉だけだ。本当は見て欲しくて堪らない。 「ちゃんと俺に見えるように」 言われるがまま、布団に座り股を開く。 「すっごいぐしょぐしょ…ほんとに淫乱だな―…」 彼がローターのリモコンを手に取り、一気に段階を『強』まで上げる。 「や、それきらい…っっ」 頭の中で星が飛ぶくらい気持ちいいから嫌だ。 腰をびくびくさせながら首を振る。 「嫌?セックスがいい?」 「うんっ…」 「じゃあこれ没収」 粘ついた音とともにピンクのローターが勢いよく抜き取られる。 布団に押し倒されると彼はすぐさま私の唇を奪ってきた。 既に愛液で濡れそぼるそこに指をあてがいながら。 キスは何度も繰り返される度、深いものになる。 舌を激しく搦め唾液を吸いあった。 彼の指がゆっくりと、閉じられた秘部に入って来る。 「可愛い…すんごいぬるぬる」 彼の甘い声に何度も頷いた。 自分のとは違う指。彼に何度も調教された私はすぐに中イキできてしまう。 「んっぐ…ッッ…!」 AVも彼と一緒に何回も見たけれど、それとはかけ離れた恥ずかしい声。 けれどそれを彼は嬉しそうにしながら更に色々なことを教えてくれた。 彼は唇を離し、立膝の状態で服を脱ぐ。下着の上からでもわかる彼の逞しいモノにキスをした。 「まーだ。我慢出来ない?」 「やだ…ふぇらすきー…」 「どうやっておねだりするんだっけ?」 一気に頬が熱くなる。と同時に、秘部がきゅっと締まるのを感じた。 「じゅぽじゅぽさせて下さい…」 うわ言のように彼を見あげ懇願するかのようにはしたない淫語が口をつく。 「良いよ」 私の卑猥な言葉に興奮しながら、彼は自らの滾ったそれを露出させる。 血管の浮いたそれを眺め思わず恍惚とした吐息が漏れた。 反り返るそれに頬擦りしながら、裏筋を舐めとる。そして舌を先端に絡ませ一気に咥え込んだ。 「あっ…」 彼がまるで女の子のような声を出す。可愛い。 彼が好きなことは沢山教えられた。彼のそれは凄く長いから… 「あ―…それ無理なやつ…」 深く奥まで咥え込み激しく扱いてあげる。 舌を絡みつかせ唾液を溜めて音を立てる、下品な口淫。 頭を押えられ、強制的に口で扱かされる。上目遣いで彼を見ながら、中学生の淫行を見せつけた。 「かれん…可愛い…えろい…」 手も使って扱きながら奉仕を続けた。されている時の彼は本当に蕩けているような表情をする。 「…かれん…かれん…っ」 彼は絶頂そうな時いつも私を見ながら名前を呼ぶ。 手の動きを早めて先端だけを舌で刺激してあげる。 「っ…う…!」 彼が体を強ばらせると同時にどくどくと熱いコンデンスミルクが吐き出された。 「飲めよ…」 命令口調の彼に従うように飲み下す。甘いような気がするが毎回喉に引っかかる。 「凄いよかれん…本当に巧くなったね」 頭を撫でられ彼のからだに抱きしめられる。相変わらずの体格差を感じて自然と下が疼いた。 大人と子供のいけない交尾なのは分かっている。分かっているのに。 押し倒され、腋に舌を這わされる。そのまま脇腹まで舐め下ろされなんだかわからない変な声が出た。 「可愛い」 お腹にキスを落とされながら、つんと上を向いた胸の芯を指で弄ばれる。 彼の指が擦れる度に身体が撥ねた。かと思えば、きゅっと優しく摘まれる。 反対の手で濡れ続けているそこを音を立てて責められる。 「どっちもむり…」 「無理だねー、気持ちいいね?」 甘やかすような口調で彼は執拗に私の中を掻き混ぜた。 甘い痺れに足先までがぴんと伸びる。 「いや…いや…」 首を振りながら呆気なく逝かされてしまった。身体が痙攣を起こしたかのように震える。 彼は蕩けた表情で私の足のあいだへとはいってきた。 薄く毛の生える恥丘に、硬くなった大きなものが押し付けられる。 「ほんとにえろいね…これ入っちゃうんだ」 臍まで届きそうなそれを彼は私に緩慢な動作で突き入れてきた。 「ん…んっ…」 彼のそれは凄く大きくてお腹が苦しくなる。それでももう痛くない。 私の中をめいっぱいに広げながら、根元くらいまで収まった。 「可愛い…愛してる…」 彼はうわ言の様に呟き舌を絡めるキスをしながら、私の蕩けきったなかから何度も男根を引っこ抜く。 既にぐしょぐしょに濡れたところはなんの抵抗も無く、激しくなる彼の動きをいとも簡単に受け入れた。 奥を抉る熱さに腰が仰け反る。 ひたすらこの時間が続いて欲しかった。どんなに話しかけても素っ気ない母親。暴力的な父親。 他人事のように上辺だけの対応をする学校。 この人に攫われてから幾度となく満ち足りた気持ちになった。 彼の長髪が愛おしくなって撫でる。 「なーに?」 「きす…」 彼は無言で、腰を振りながら何度も軽いキスを繰り返した。 何度も私の中を犯す、太くて熱いそれをきつく締めつけた。 対面座位。正常位。側位…次々と体勢を変えながら、彼は突き続ける。 ものすごく恥ずかしいことも言わされる。 「かれんの中にだしてください…っっ」 彼を見上げながら中出しを懇願した。 余裕のなさそうな表情で、しかし彼のそれが益々硬度を増してきたのが分かる。 私でイきそうなんだ。 「かれん…中だす…っ…」 私の腰をモノの様に掴むと、激しくなかに突き込まれる。 彼が絶頂く為だけの、動物の交尾みたいなその動きにぞくぞくしながら足を腰に絡みつけた。 瞬間。根元まで挿れられたそこから白濁が迸る。 「あー中キッツ…」 快感に顔を歪めながら、既にいっぱいなそこへと何度も精液を吐き出した。 私のなかに欲望を吐き出した彼のものが抜かれ、どろりと白濁液が逆流してくるのを感じた。 彼は白い紙タバコに手を伸ばすと、そのまま火をつける。煙を吐いて、彼は愛おしそうに私の頭を撫でながら言う。 「俺が出したらどうするんだっけ?」 こくりと頷き、足の間に這っていくと彼のものを再び奥まで咥える。目を伏せ、先から漏れる残滓を吸い出すかのように再びの奉仕を始めた。 Ephebophilia(エフェボフィリア) …思春期性愛。15歳〜19歳までの青年期中後期に向かう性愛の事である。
ただいま恋愛休業中
「なんで応えてくれないの!?私の事好きじゃないの!?」 電話越しに聞える、彼女の激昂した声。 初めのうちはあんなに仲良かったのに、最近は1週間に何度も喧嘩になる。もうそろそろうんざりだ。 もういい。 「もう…別れよう」 約1年間の関係に、終止符を打つ一言を放った。 もうあいつの声なんて聞きたくない。 LINEもTwitterもインスタも、全部全部ブロック。 お揃いのものをゴミ袋にぶち込んで、ベランダに出る。溜め込んだ鬱憤を晴らすように辞めていた煙草を引っ張り出し、火をつけて久々に一服。 「ふぅ…」 吐き出した煙が、夕方の気だるい空気に溶けて消える。 少し咳き込みかけたが、何となく吸い方は覚えていた様だ。 「恋愛ってこんな疲れるものだっけ…」 呟いた時、ポケットの中で携帯の通知が鳴った。 「こんな時間に誰だよ」 通知に表示されたのは、女友達である華凛。 『今夜8時、駅前の居酒屋でお待ちしております』 何故かかしこまった文章に続けて『話聞くよな?』と言わんばかりのスタンプ。 予定は、と考えついさっき別れたばかりなことを思い出し 『飲むわ』 とだけ返信する。 『うわマジ最高』 『だろ?』 『あ、トイレ行ってくる』 『報告すんな、そんなこと』 それきり連絡が途絶える。 こいつの性格は学生の時から変わらないな、と思わず苦笑する。 それから数時間後。俺は約束の8時、駅前の個室居酒屋へと到着した。 「やっほー」 「おつかれ」 店の前で手を振る華凛を見つける。 「今日は付き合ってもらおうじゃないの」 「一体何があったんだよ」 店に入り、席に着く。 「まぁねー、彼氏と別れちゃった記念で」 「…え」 偶然が重なることはあるものだ。 「お前…まじかよ」 「はぁ」 「俺も今日別れた」 「え、ほんとに!?お互い記念日じゃん」 「なんの記念日なんだか」 テーブルに運ばれてきた大ジョッキの生ビールをお互い手に取る。 彼女はにやりとしながら 「お互いのフリー記念日に」 「…乾杯?」 ジョッキをぶつける音が響いた。 「んで、別れた理由はなんなの」 いい加減酔いが回ってきている頭で、踏み込んで聞いてみる。 色白眼鏡ボブカットの彼女は、確かに可愛い方ではあると思うのだが。 「なんか、さ…」 彼女は4杯目のジョッキを置きながら上機嫌に語る。 「一言で言うと、アイツ多分モラハラ気質なんだろうね、数ヶ月前からLINEも早く返せって、煩いのよ」 「あぁ…居るよなそういう奴」 「それでもどうにか耐えてたんだけどね、とうとう職場にまで押しかけてきちゃって、それでぷつっとな」 もういいやー、って。 「うわ、なんでそんなに同じ理由なんだよ…」 「えぇ、友樹と同じとかヤダ」 「なんだその、ヤダって言うのは…」 ケラケラ笑いながら、彼女はぞんざいにポケットから煙草を取り出す。 …なんなんだこいつは。 「なんで銘柄一緒なんだよ、パクんな」 「たまたまだよ!?」 「てか煙草もう吸わないんじゃないの」 「別れたからいいー」 「んじゃ俺も」 ここは今では数少ない、煙草が吸える居酒屋だ。こうして席でも堂々喫煙ができる。 「あぁ、そっちも彼女と別れて煙草の妖精と仲良くなったのな」 「煙草の妖精ってなんだよ」 火をつけようとポケットを探るが、それらしい感触がない。 「あ、火落とした」 「んー?あげよっか」 先に煙を吐き出した彼女はライターを手に取り、少し考えて 「ほら」 …咥えていた火のついた煙草を顔ごと突き出してきた。 「まじか」 「…なんだよ、やり方わかんないのか」 「ふ、普通に火くれよ」 「意気地無しめ」 シガーキス。勿論、今まで喫煙者の彼女はいなかったのでやったこともない。 「煙草くっつけたら、吸ってみ」 言われた通りに、彼女の煙草にくっつける。目を伏せた彼女の顔が数センチの距離にあり、妙にドキドキした。 てか、まつ毛なが。肌白っ。 チリチリと自分のタバコの先端が燻り始め、彼女から離れる。 「あー…なんか」 すごく良くないことをした気がして気まずい。 「なんか思ってたより恥ずかしかったや」 彼女はそう言って照れくさそうに笑う。 「自分から提案した癖に」 彼女は誤魔化すように、煙を吐く。そして独り言のように 「…恋愛って面倒臭い」 と呟いた。 「…そうだな」 「あああー…」 彼女は意味不明な声を漏らしながら 「いっその事男遊びでもするか」 「お前そんなにコミュ力高くないだろ」 彼女は少し考えて 「無理そう」 と結論を出す。俺の前ではこんな感じだが、こいつは知らない人とは本当に喋らない。 「まぁ男の扱い慣れて無さそうだし」 「何処の?男のアソコ?」 ビールを吹き出しそうになり慌てて我慢する。 ど下ネタじゃねーかよ。 彼女はハイボールを喉に流し込むと 「いっその事セフレでも作るか?」 「あぁ…いいんじゃねーの、俺も暫く恋愛はいいからそうしようかな」 「んじゃさ、友樹あたしの相手してよ」 あーね、と適当に流そうとして 「…俺?」 「それともこのままがいい?いちおFあるけど?」 挑発するように胸を強調する彼女。 …こうなっては俺も意地で引けない。 「セフレなるか」 彼女は少し考えながら 「セフレって言い方もあんまり好きじゃないな…フツーに友達だし」 「まぁ、暇だったらゲームするし」 「仕事終わりに暇さえあれば飲みに行くし」 「恋愛休止中だから…恋愛休業同盟ってのはどう」 「面倒臭い名前だけどあり」 決まり、と彼女はにへらと笑った。 とは言え、だ。 適当なホテルを探して中に入ると、妙な緊張感が俺達を包む。 「あー…えっと…」 「なにこの緊張感…」 目の前の女友達を見る。 今から華凛と、セックスをする? 「と、とりあえずさ」 「お、おお」 「…触る…?」 「い、いいのか…?」 「てか無理だ!!何かしてくれないと気が狂いそう」 彼女はそう言って両手で顔を覆った。 「…触っても」 「ご、ご自由に…?」 彼女を壁際に立たせたまま、ゆっくりと手を伸ばし胸に軽く触れる。 びくっと彼女がかすかに身動ぎしたのが分かった。 跳ねる心臓をそのままに、胸を弄ぶ。 「いや恥っず…」 指の隙間から、揉まれているところをチラ見する彼女。 「え、Fってこんななの」 「そ、そうですよ!?」 いや、でかい。 「…ち、直でもいい、よ?」 少し期待するかのように上目遣いで言う彼女。 「…前言撤回ナシだからな」 「う、うんっ」 彼女の唾を飲み込む音が聞こえる。ニット生地のセーターを捲りあげると黒いレース生地。それに包まれた真っ白なふたつの膨らみ… 「えっろ…」 「わざわざ言わなくていいっ…」 少し強引に、彼女にキスをした。酒臭いのがどちらなのか、もう分かったものじゃない。 手を後ろに回してホックを外し、そのまま手のひら全体で揉みしだいた。 乳首に指を這わせ、軽く摘む。親指と人差し指でこねるように責めてやると 「あっ…んん…っ」 聞いたことの無い声を漏らした。普段とは違い過ぎる、女友達の嬌声。 気付いたらディープキスになっていた。それを機に、お互い性欲のタガが外れたように夢中で舌を吸い合い、触り合う。 重ねた唇の隙間から漏れる声に異様に興奮する。 「ちょ…まって…」 そう言う彼女は今までに見たことの無い表情をしていた。 「腰っ…がくがくしてやばい」 「…よっわ」 「…うっさい」 ベッドになだれ込む様にして、お互いに服を脱がせあう。 「え?お前全剃りしてんの!?」 「いやー…恥ずいなこれ」 「…辞めろってんならもう無理だけど?」 「でしょうね〜」 俺の熱くいきりたつそれを見ながら、にやにやする彼女。 「中々尽くしがいのあるものをお持ちで…?」 「風呂入るか?」 彼女は首を振ると、俺の股の間に割って入る。と思えば、頬擦りしながらこっちを見てピースサイン。 「…どう?」 「いやえろ…ばかえろい」 それしか感想が言えない。軽く手で扱かれ、腰の奥がむず痒くなるような快感が走った。 「元彼より大きいかも」 「嬉しいそれ」 「フェラして欲しい?」 「お前恥ずかしさなくなってきただろ…?」 「えー?駄目?」 上目遣いに舌を先端に這わされる。 こいつがこんなにエロ可愛いなんと思わなかった… 「なんかあれだよね、エロい漫画に出てきそうな形してる」 「観察すんなよ」 マジ卑猥、と笑いながらいきなりかなり奥まで飲み込まれ、軽く仰け反る。 「あー…ヤバい」 …上手過ぎる。されてまだ三分経ってないのに。 舌が巻きついてくる感覚に悶える。かと思えば突然激しく口でしごかれ… 「待っ…ちょっと待って…!?」 その言葉にも彼女は耳を貸さず。 「あ…無理無理無理っっ…!」 口の中で、思い切り白濁液が迸った。華凛が目を伏せ、俺の全てを受け入れているのが見える。 「っはぁ…」 「…出す時言ってよねー…」 「待ってって言っただろ…」 「…友樹のはなんか甘いね」 「飲んだの!?」 「ん」 わざわざ口を開けて見せる彼女。 「まだ出せるよね?」 「…逆に、1回で満足すんの無理だろ」 後ろから彼女を抱き抱えるようにして胸を揉みながら、今度は彼女の下を弄ぶ。 「わぁ何…恥ず―…」 「目の前見てみ」 「いやいやいや鏡!これや…あんっ…」 触ってもいないのに、すんなりと指が入った。中で指を曲げ、彼女の感じる場所を探してみる。 「ちゃんと鏡見てろよ」 「うぅ…」 恥ずかしそうにしながらも、目の前の鏡をちらちらと見る彼女。 「はは、可愛い」 「んッ…やぁ」 「今何されてんの?」 「ちょっ…急にSみ増すじゃん…」 「言えよ〜?」 ぐちゅぐちゅとわざと音を立て、彼女の中を掻き混ぜる。 「ゆ、ゆび…入れられてる」 「何処に?」 「…下」 「したって何?」 恥ずかしさのあまり、股を閉じかけた彼女を自分の足を搦め強制的に開かせた。 「したってなーに」 「…まんこ」 「よく言えるなそんな事」 「言わせたのそっちじゃん!」 このド変態、とお互い同じ言葉を投げかけた。 「ねぇ…」 彼女を恥辱から解放すると、すぐに強請られる。 「しよ?」 ベッドに寝転がり蕩けた表情で誘惑する、女友達。 こっちも我慢の限界だ。すぐにあてがい、彼女を貫くかのように一気に挿入した。 「ああっ…!?」 一際大きな声で喘ぐ彼女。 「待っ…でかいって…奥まできてる…っ」 「うっせぇ…そっちこそそんなに締めんな…」 なんで、こんな。 色気も無いしガサツだし眼鏡だしゲームオタクだし。 そんな奴なのになんでこんなに気持ちいいのか。 腰から背中にぞくぞくした快感が走る。 蕩けきった泥濘から腰を引っこ抜き、再び中を掻き分け埋める。 「っあ…」 奥気持ちいい、とうわ言のようにつぶやく彼女。 「ああー…これ多分…やばいわ」 「身体の相性ってやつ?そんなの今まで信じてなかったんだけど…っ」 腰を動かす度に、彼女が快感に顔を歪める。 どろどろに溶けそうなその表情に、ただただ欲の赴くまま中に突きこんだ。 「これしたら奥まで入るよ…?」 彼女は両太腿を抱えるように身体に引き寄せた。 「…ほんとだ」 先程よりかなり奥まではいったのか、腰を動かすごとに仰け反る。 「ん…これすぐイッ…く…」 目を瞑り何かを堪えるようなその表情に益々欲情する。 「華凛…いきそ…」 「早いなー…もっと中突きまくって良いのに…」 キスもせず、お互いの痴態を眺めながら快感に身を委ねた。 腰を打ち付ける度、彼女の胸が大きく揺れる。 「あ…」 「んんんっ…!」 背徳感を感じながらの、中出し。 脈動はなかなか収まらず、一滴残らず彼女の中に性汁をぶちまけた。 同時に達した彼女は腰をがくがくとさせながら 「や、ヤバい…ずっと痙攣収まんない…」 半笑いでそんなことを言う。 「まだ出来るよな」 「え、待っ…」 彼女に体勢を変えさせ、今度は後ろから突き入れた。 「ひいっ…!?」 「…っ」 腰を持って打ち付けると、臀部の肉が激しく揺れる。 「早いとか言うの…ウザい」 「ゆ、許して…ってば―…」 「すぐいきそ…」 「リロード早いショットガンぽい」 …訳の分からない会話をしながら彼女の背中に抱きつき胸を揉む。 …こっちの方が奥まで入る。 好き勝手に華凛の身体に舌を這わせながら、今度は深く、緩慢に動かす。 「ぐ…っ」 無言だった華凛が呻くと同時に、中がぎゅっと締めあげられた。 「あーそれ気持ちいい…」 「…イッた」 「遅い方がいい?」 「それもそうだし…1番奥まで来てる…」 …いい加減イきそうになり、媚肉の詰まった中へと深くピストンする。 「華凛イく…」 「良いよ…出してね…?」 胸を強く揉みながら一番深く突き刺す。 「ああっ…!」 腰が抜ける快感と共に、中に白濁液を思い切り迸らせる。 「う…」 「はぁ…はぁ…」 シーツをぎゅっと握り枕に顔を埋めた彼女が 「…ちょっと休憩…」 と呟いた。 「…シャワー浴びる?」 「さすがに、ね…」 そして風呂場で必然的にもう一戦。 …俺達は良くないことを覚えてしまったみたいだ。
欠損少女は飼い慣らされる
何処かの教会の鐘が、正午を知らせる澄んだ音を鳴らす。 お腹が空いた。 狭くて臭い独房に横向きに寝転がり、そんなことを考える。 不意に、牢の外からパンが投げて寄越された。と言っても、いつ作られたのかも分からない不味いものだが。 腹這いで這いずりながら、床に落ちたパンにありつく。 二の腕から先の無い両腕でパンを押さえ、歯で喰い千切るようにして喉に押し込んだ。 黴臭い匂いが鼻をつき、思わずむせそうになるが強引に呑み込む。 水を貯めた金属製の盥に顔を突っ込み、錆の匂いが微かに漂う水を飲んだ。 「売れねーよなー、お前も」 牢の外から、禿げた頭の看守が薄っぺらい笑いを浮かべながら見下ろしていた。 「奴隷にもなれねぇだろうな、その身体じゃ」 ここに連れてこられる時、何度も何度も逃げようとした。 両腕を斧で切り落とされても。 左足を魔法で消し飛ばされても。 右足を蟲に喰われても。 男が牢の中に入って来た。髪を乱暴に掴まれ、抵抗虚しく仰向けにひっくり返される。 「慰みものにはなるんじゃないか」 「嫌…」 服にしては頼りなさすぎる布切れを剥ぎ取られ、私の中に無理矢理指が突っ込まれてきた。 「痛っっ…!」 「痛くねぇだろ?何回もやってる癖に」 乱暴に指を出し入れされる。ただただ激痛。 胸を雑に揉みしだかれながら、男は醜いそれを露にした。 奇妙な鼻息を立てながら私の腰をモノの様に掴み、一気に突き入れる。 「ぐっ…」 気持ち悪い。 下腹を内側から切りつけられるような痛みに狂いそうになる。 あと何回こんなことをすればいいのか。 いっそ両腕があれば自死出来たんだろう。 臭い吐息に顔を背け、がくがく揺れる視界に目をぎゅっと瞑った。 その時だ。 外から雷のような音が轟き、驚いて目を開ける。次の瞬間、目の前で腰を振っていた男の上半身が瓦礫と共に肉塊になって吹っ飛んで行った。 吹き出す鮮血を身体に浴びながら、入っていた男のそれが硬度を失い、中から力なく抜けるのが分かる。 何が起きたのが混乱しながら辺りを見回すと、どうやら建物自体が半壊している様だった。 魔法か、はたまた強力な機械か。 吹き飛ばされた鉄格子の残骸を踏み越えて、長身の人影が私の前に立つ。 「…。」 冷たい眼差しをした男だった。手には無数の歯車が組み込まれた、機械式の大剣。 「あんたがやったんだ」 彼は転がっている半分だけの死体を興味無さそうに見ながら 「お前はここの商品なのか」 とだけ訊いてきた。 私が軽く頷くと 「幾らだ?」 「…?」 「買う」 死体の上に金貨袋を雑に投げ捨てる彼。 「死んだ人はお金受け取らないよ」 「どうでもいい」 彼は私の前にしゃがみ込む。 「…犯すなら早くして」 「黙ってろ」 彼は突然、私の顎を持ち上げ顔を観察するようにじっと見つめてきた。 「…な、なに…?」 「帰るぞ」 彼はそんな言葉を放つと 「ひゃっ」 軽々と、私を抱き上げた。 かと思えば、シルク生地の上質な布で包まれる。 「服を用意してやるから、着くまで暫くこのままだ」 そういうと彼は歩き出す。 彼の体温と、息遣い。 歩く度に揺れる心地良さ。 こんな気分になったのはいつぶりだろう。 ゆっくりと、瞼が重くなる。 目を開けると、ふかふかしたベッドに寝かされていた。 子供の頃に暮らしていた家の布団よりも快適だ。 大きな枕に顔を押し付けると、さらさらした肌触りが心地良い。 「目が覚めたか」 傍らから声がかかり、びくりとして首をそちらに向けた。 そこには、椅子に腰かけ、頬杖をつきながらこちらを見る男の姿。 …感情が読めない。 「なに、私を拾って何がしたいの?」 自嘲気味に、彼に問いかけてみる。 「私なんて、何の役にも立たないよ」 1人じゃ何も出来ない。労働も出来無いばかりか、1人で立つこともままならないのだから。 「…名前は」 「え、?」 「名前はあるのか」 面食らって思考停止した。名前…? 「…メイヤ」 「メイヤ、か。幾つになる?」 「最後の秋の収穫の季節が来てから4年だから…19。多分」 久しぶりに思い出した、自分の名前。 殺された母親がつけてくれた、大事な名前。 「俺はルイ…メイヤ、お前は今日からここで生活しろ」 有無を言わさない圧に何も言えなくなった。 「ここは今日からお前の家だ。好きな事をしていい」 好きな事… 頭で考えるより先に、言葉が口をついた。 「…ねぇ」 「何だ」 「お風呂」 「あ?」 「お風呂に入りたい」 「…俺が洗うのか?」 無言で、無い手足をばたつかせた。 彼はため息をつくと、私をベッドから抱き上げる。 …彼の家のお風呂場は、見たことがないくらいに広かった。 元々裸体のままだった私は、彼に訊く。 「一緒に入って」 「…我儘だな」 無表情で言い放つと、服を目の前で脱ぎ出す彼。初めて見る、同じくらいの男の鍛えられた腹筋に何となく目を逸らした。 「見たいなら見ればいいのに」 「な…」 その言葉に何故か心臓が跳ねる。 「椅子は座れるか」 「大丈夫」 頭からかけられた暖かいお湯が、痣だらけの身体に少し沁みる。 「黒髪なんだな、この国では珍しい」 いつぶりのシャンプーなのかもう覚えていないが、凄く気持ちいい。 大胆で、それでいて繊細な指使い。 この指で触られたら、『あれ』も気持ちいいのかな。 考えると、異様にぞくぞくした。 あんなに嫌いだった行為なのに、何故だろう。 じわりと、下腹部が疼く感覚がした。 「全部、洗ってよ」 看守の男たちに触られたところを全て洗い流して欲しい。 「了解」 彼は少し表情を緩めると、上から順番に丁寧に手を進めた。 肩、腋、腰… ただ洗われているだけなのに、身体が軽く反応する。 「ここも、な」 胸を撫でるように、後ろから彼の手で優しく洗われる。 既に尖った乳首に触れられ、思わず声を出してしまった。 「やぁ…っ」 出したことがないような、破廉恥な声だった。 「嫌なら辞める」 その言葉にも首を振った。 「もっと…」 なぜそう思ったのかは分からない。 ただただ、初めての快感の予感に自制が効かなくなっていたのかもしれない。 後ろから背中を舌で舐め取られ、再び声が漏れる。 触り心地の良さそうな金髪が背中に触れただけで肌が粟立った。 もっと触れて欲しい。身体中が敏感になる。 「ルイ…」 惚けた顔で彼を鏡越しに見ると、彼は私の前に屈み 「安心しろ、お前の嫌なことはしない」 そう言って、ゆっくりと唇を重ねてきた。 穏やかな、優しいキスだった。背中に腕が回り、何度も軽く接吻を繰り返す。 彼の程よく引き締まった体に腕を回してみたい。 彼の脇の辺りに自分の腕を当てながら、激しくなるキスに身を任せた。 気づいた頃には、舌同士を絡める卑猥なキスになっていた。頭の中で唾液の絡まる音が響く。 唇が離れると、どちらのものかもう分からない唾液が糸を引いた。 「…いい子だ」 頭を撫でられながら、彼のそれに目を移す。 「苦しそう」 彼の腰を引き寄せる。目の前の剛直を直視しながら、ゆっくりと口に咥えた。 彼は拒むでも無く、頭を撫でながら軽く腰を動かす。 私はそれに応える様に、舌で彼の先走りを舐め取り、唾液を含ませ音を立て吸い上げた。 上目遣いに彼を見れば、余裕のなさそうな表情。 「だひて(出して)」 激しい口淫に耐えられなくなったのか、彼が強く腰を突き出した。少し涙目になったが、次々と流し込まれる彼の白濁色の液体を強く吸い出す。 口から離すと、受け止めきれなかったものが口の端から溢れた。 興味本位で、ごくりと嚥下する。 ほんのりと甘い。喉に引っ掛かった。 不意に、彼に抱き抱えられた。身体を軽く拭かれ、すぐに隣の部屋のベッドに下ろされる。 食べられていると表現した方がいいキスを交わしながら、彼は私の胸を執拗なまでに責めてきた。 つんと上を向いた蕾を指の腹で転がされ、押し潰される。 「もう限界か?」 彼は意地悪そうに囁くと、私の火照った身体を慈しむかのようにお腹にキスを落とした。 そしておもむろに、熱を持つ私の敏感な花弁へと指を這わせる。 …粘着質な音が、尋常では無い濡れ方を物語っていた。 「ちゃんと気持ちいいのは初めてか?」 声を出す余裕もなく、必死に頷く。 指が、緩慢な動作でそっと侵入してくる。痛みどころか、腰の奥が疼く感覚に怖くなる。 「凄いな…もうこんなに濡らして」 彼の言葉に、荒い息をしながら頷く。気付けば、腰を自分から動かしていた。 彼の指は深く、そして浅く。舌を絡められながら、指で上のところを擦られると気持ち良くて腰がびくびくと痙攣する。 「ああ…っ」 「メイヤ…」 彼は私の名を呼びながら、反り立つ自身を私の蕩けた中に挿入してきた。予想もしていなかったセックスの中毒的な快感に、為す術なく潰される。 「ぐっっ…あ…!」 動物のような声を上げ身体を弓なりに逸らしながら、精一杯快感に抗う。 「やっ…」 抜き差しされる度、頭の中で星が飛んだ。無意識にだらしなく舌を出しながら、彼にキスを強請った。 「そんなに腰反らすと痛めるぞ」 気遣っているのか、それともからかっているのか。 容赦無く、私の腰を掴み動かしながら舌だけを絡める。 その時突然、ぎゅうっと腰の奥底でなにかが弾けるような感覚がした。 「…ッ!?」 怖い、なんて思ったのは束の間。彼をきつく締め上げ、全身がびくんびくんと痙攣した。あまりの快感に、意識が飛びそうになる。 「そんなに…っ…いいのか…」 彼は尚も痙攣し続ける私の身体を舐め尽くし、腰を絶頂へ向かって振り続けた。そして―… 「う…っっ!」 軽く呻くと、思い切り中へと男汁を迸らせた。今までの奴等とは比べ物にならないくらい、1番奥。 「はぁ…はぁ…」 太腿がまだ震える。私の中で果てた彼は、余韻を惜しむかのようにフレンチ・キスを繰返した。 「私…こんな気持ちよかったの初めて…」 ぼんやりと、天井を見ながらうわ言のように呟いた。 「…今日から、俺がお前を幸せにする」 突然、そう宣言され目をぱちくりさせる。 「初めて見た時、一目惚れした。俺に尽くさせてはくれないか」 彼はそう言って、真剣な眼差しで見つめてきた。 「こんな…私でいいの?」 「ひと目でお前しかいないと思ったんだ」 数秒空けて、少しおかしくなって笑い出してしまった。 不服そうな顔をする彼が、とても愛おしい。
奏でる
「先輩、まだ来てないのかな」 放課後、誰もいない部室に呼び出された私は、何時ものように吹奏楽部の部室へ向かった。 ドアを開け、その辺の机に腰掛けると自分の楽器ケースを開け、少し緑色の錆の目立つサックスを手に取る。 ストラップを首にかけながら譜面を開いて、課題曲の指運びを何となく練習してみる。 「ここが、ね」 ソロパートへの繋がりがどうしてももたつく。これでもっと音量を上げろというのだから、先輩も無茶なことを押し付けてくるものだ。 トランペットを華々しく吹く先輩の姿が脳裏によぎる。 それから、私の身体に夢中になって腰を叩きつける彼の姿も。 「…っ」 思わず、ぎゅっと足に力が入った。 ソロパートが多い楽器同士、個人で練習しようというのが事の発端だった。誰もいない部室、2人きりで練習するうち、私達は先輩後輩以上、恋人未満の関係へと自然になってしまったのだった。 もう何回身体を重ねたのか分からない。頭ではよくないと解っているのに、会う度に何回も。 「…っふ、う」 気が付けば、私は楽器を持ったまま、指を自らの泥濘に這わせていた。 もう既に、ぬるぬるに濡れそぼっている。 「あ、…先輩…」 早く、来て。 どうしようも無く卑猥な私を貫いて欲しい。 不意に部室のドアが開けられ、心臓が跳ね上がった。 「…なにやってんの」 不思議そうな顔で先輩は見てくる。 「なっ…なんでも」 「嘘つくなよ?」 部室に後ろ手で鍵をかけ、私の手を強引に取る彼。 その指には、今しがたしていたことの証拠がくっきりと残っている。 「えっち」 彼が目を細めて呟く。 「なに、そんなに欲しかった?」 なんて言いながら、指に絡まった愛液を舐めとる。 「き、汚いです」 「美澄のだから、汚くない」 ストラップから楽器を外す。 彼は私の胸を制服の上から触り、唇を重ねた。 ぞくぞくする。 後頭部を抑えられ、逃げようがない。 彼の手が髪をかき分け、耳に触れる。 「これ好きだよな、お前」 耳に唇を近づけられ、鳥肌が立つ。耳朶を甘噛みされ、思わず声が出た。 「声我慢すんなよ、どうせ聞こえないんだから」 彼はそう言って、制服の中に手を侵入させ、弄ぶ。 「や、それやだ」 敏感なそこに指が触れる度、身体が跳ねた。 「可愛い、びくびくして」 私がいくら声を出そうとも、ここは完全防音の部室。 誰にも聞こえるわけが無い。 「下もちゃんと触ってあげなきゃ、ね」 意地悪そうに彼は低く呟き、ストッキング越しに太腿を撫でる。 既にあつく熱を持つ所に、彼の指が触れた。布を隔てたその感触がどうにももどかしい。 「…っねぇ」 「ん?何?」 「…嫌です、それ」 ストッキング越しに触れる、彼の指。ゆび。ゆび… なかにほしい。 掻き回して欲しい。 「中に指っ…ください…」 顔がかぁっと熱くなる。 「いい子はちゃんと脱がなきゃ」 軽く頷き、彼の目の前でストッキングと下着を下ろす。 机に座り直すと、彼の手で足を開かされた。 「すごい濡れてる…」 彼の言葉と共に、指がゆっくり入ってくる。自分のとは違う、ごつごつした指に快感の声を漏らしてしまう。 けど、なんだか足りない。 さっき迄は指が欲しかったのに、今度はもっと欲しい。 指が、私のスポットを捉える。弄ばれる度、意志とは裏腹に声が出た。からだを捩らせ、机にしがみつく。 ストラップが当たって痛い。 「逃げんな」 彼のその言葉と同時に、滾ったモノが中へ押し込まれてきた。 指とは違う、圧倒的な征服感。 後ろから腰を掴まれ、幾度も突き刺される。 「美澄っ…!」 いちばん奥にまであたる。 気持ちいい。のに、痛い。 いつの間にか制服をはだけられ、膨らみを揉まれながら激しく抽挿させられる。 元カノとも、こんなことをしていたんだろうな。 「はあぁっ…」 自分のものとは思えない、動物じみた声。 「もう無理そ…」 余裕無さそうに、私の中へ突込み続ける彼。 「はやく…」 早く。 早くはやく。 はやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくッ… 「っあ…!」 彼の虚無的な熱が、なかで脈打ちながら流し込まれる。 はやく、元カノなんて忘れちゃえ。
樹海で最後にシタイ事。
富士山の麓、青木ケ原樹海は自殺の名所である。 毎年何人もの自殺者または行方不明者がでる。 死者の霊が次の人間を呼び寄せる。 怪しげな宗教施設が存在する。 GPSが使えない。 …そういう怪談じみた噂が絶えない。 職を失い、借金を背負う俺は今まさに、電車とバスを乗り継いで樹海を最後の旅の終着点にしようとしていた。 レンタカーで途中にファストフード店に立寄り、最後の晩餐とばかりにありったけの量を買い込む。 歩道を歩く人々を見る度、自分が今からしようとしていることに実感が湧いた。 暫く車で走り、樹海の中へと至る道にたどり着いた。 ちらりと、傍らに置いたリュックサックを見る。 中には、モバイルバッテリーにゲーム機、強めの酒と首を吊るために用意した縄。 ファストフードを車の中で食べようとして、思いとどまった。せめてもの良心で車を汚すのはやめよう。 登山道から一歩横に入る。 遠ざかっていく登山道を振り返りながら、暫くあてもなく歩いた。携帯を取り出してここが圏外であることを確認する。 顔を上げた時、思わずぎょっとした。二、三メートル先の木の枝にロープがぶらさがっていたのだ。 近づいてみると、それはちょうど首を吊るのにちょうど良い位置にかかっていた。 誰かがここで首を吊ったのだろうか、と思案しながらまたしばらく歩く。 「歩きにく…」 呟いた言葉は森の静けさの中に染み入るように消えていった。 富士山の溶岩でできている樹海の地表は如何せんゴツゴツした岩が多いのだ。足元をふと見れば、1メートル近い穴が空いていたりもしてゾッとする。 …死にに来た人間がゾッとするというのもおかしな話だ。 ただ何となく、『ちゃんと』首吊り自殺をしたいという願望があった。 穴に滑り落ちないように、適当に進んでみる。窪地のような場所にたどり着いた時、木々の間に水色の服のようなものが見えた。 一気に心拍数が上がるのを感じる。 「まさかね」 近づいていくうちに『それ』の姿がはっきりしてきた瞬間、嗅いだ事の無い臭いも相まって足元に吐瀉物を撒き散らした。 散々吐き散らした後、改めて目の前にぶら下がっているものを見る。 少し高い枝からロープで首を吊った、死体だった。 かなり時間が経っているのか、手は黒ずんでまるでビーフジャーキーをも連想させる。 首は何故か長く伸び、眼窩は腐り落ちて真っ黒だった。 鼻から口にかけてもなんだかよく分からないものでぐしゃぐしゃになっている。 …また気持ち悪くなってきて、数歩後ずさる。そして死体に背を向けると混乱した頭で、恐ろしい何かから逃げるように走り出した。 どこをどう走ったのか分からないが、木の根かなにかに足を取られ思い切り前のめりに倒れる。 枯葉に頬をくっつけたまま、このまま何もしなくても死ねる、気がした。 目を瞑ると、どこからか鈴の音が聞こえてくる。 あの世からのお迎えなのかな、と自嘲気味に思う。 続いて枯葉を踏む足音が近づいてきて 足音? ゆっくり目を開けると、ごつい茶色の登山靴を履いた足が見えた。 「これいいわぁ…死んだばっかりだし行き倒れ感あって」 どこか見当違いな女の人の声と共に、何故かカメラのシャッター音。 「…誰」 「う、わっ!?」 声の主は驚いたように声を上げ 「あ、喋るタイプの死体?自力で立てる?」 ボケなのかなんなのか分からないが手を貸してくれた。 落ち葉を手ではらいながら彼女を見る。 屈んでこちらを見下ろすのは、長い黒髪を後ろでひとまとめに束ね、黒縁の眼鏡をかけた女だった。年齢は俺と同じ、30歳前後だろうか。 彼女は俺を観察するかのようにしげしげと眺めると 「なんでここにいるの?」 と尋ねてきた。 「別に」 「死のうとしてたんだね」 …まぁ、察するのは簡単だろう。こんな場所なんだから。 「止めるのかよ」 「いやー別に?」 彼女は興味を失ったように話題を変える。 「今日は新しいの見つけられなかったから野営するんだけどさ」 「あ、そ」 「暇なら手伝ってよ」 彼女は背負っていたザックからテントを引っ張り出しながら言った。 「そっち、ポール立ててくんない?」 「なんで俺がっ」 テントのポールを投げてよこされ、思わず受けとってしまった。 「これから死体になる人とテント立てるのは初めてだよ」 「言い方どうにかならんのか」 「だってそうだろ?覚悟できてるんなら」 「まぁ…」 「なんか面白いね、死にたい人と生きる為にテント立てるのは」 あっけらかんと言ってのける彼女に気味悪ささえ覚える。 …数分も経たないうちに、テントは完成した。 彼女はテントの中に入るとこっちを見ながら 「あ、その辺で首吊ってもいいよ」 「はぁ」 なんだか拍子抜けした。そんな軽いノリで人の死を見届けられるものなのか? 「いや、今晩くらい一緒に居る?」 「どっちだよ、てかテント狭いだろそれ」 「しゃべり相手居ないと寂しいんだよ」 どうにも辻褄があっていない彼女の言葉と共に手招きされ、渋々テントの中に入る。 「あんたも自殺しようとしてきたのか?」 俺が飲もうとしていた酒を勝手に開けてぐびぐび飲む彼女に聞く。 「もしそうならテントなんて持ってないじゃん」 「…じゃあなんでこんな所に」 「私写真家なんだよね、樹海専門の」 傍に置いてある一眼レフカメラを手に取る彼女。 「勿論、表向きは樹海の植物だったり洞穴だったりを撮る名目だけどさ」 「…ああ」 「趣味で死体とか人骨を撮ってるのよ」 「…。」 「なんだよ、そんな引くなよ」 「それはそうだろ、気味悪い」 気味悪いというか、えげつない。 「呪われそうだとか初めのうちは思ってたんだけどね」 彼女は携帯を開き、写真を見せてきた。 そこには、無数の死体が写っている。 「おいおい、ここで吐くなよ…」 青い顔で口を抑えると彼女に釘を刺された。 「まぁ慣れてくるとね、彼等の個性が見えてくるのよ。生きてるみたいだったり腐敗が酷かったり動物にかじられたり、はたまた首が伸びきってたり」 「…さっき見た、首が伸びてるやつは。あれなんでああなるんだ?」 「首に体重かかったまま死ぬからだよ。筋繊維が伸びたまま日数が経つと細胞が壊れて更に伸びていって、そのうちそこから腐って頭と体が離ればなれになる」 だからロープの下に髑髏と体がバラバラの白骨死体がよく転がってるんだよね、としなびたポテト(一応これも俺のだ。勝手に食われている)を齧りながら言ってのける彼女。 「だからなんというか、神秘的に見えてくるんだよね」 そう言いながら彼女は俺に体重を預けてきた。 「な、何だよ…」 「酔った」 彼女の匂いと重さを感じながら呟く。 「これからどうしようかな」 「どこで首吊ろうかなって事?それとも私をどうヤろうかなって?」 「そんなこと言ってねぇよ」 どちらも思ってはいるけど。 「最後に好きな事していいんじゃない?」 彼女は腕にしがみつくようにして、自信ありな笑みを浮かべる。 「好きな事、な」 「吊り橋効果って知ってる?」 「勿論」 「私森に1人で心細かったからなー」 「棒読みのそれ何とかしろって」 「えい」 不意に彼女にキスをされた。そのまますぐに舌が何かの生き物かのように侵入してくる。 彼女の酒臭い吐息に混じって舌を絡める卑猥な音が耳を支配した。 唇を離すと、彼女は 「はは、やばー…」 とか言いながら首筋の匂いを嗅ぐように顔を寄せてきた。 「割と歩き回ってるし汗臭い?」 「いいから嗅がせて」 「フェチ?」 「…多分、かもしんない」 彼女の上着を脱がせ、Tシャツ越しに胸に触れた。おそらく着痩せするタイプなのだろう、たわわという表現がぴったりな彼女のそれを手のひら全体で揉んでいく。 彼女と軽くキスを交わしながら、中に手を入れ直接触る。 彼女の押し殺した声にゆっくりと自分の芯が入っていくのを感じる。 死のうと考えているこの状況でもそうなってしまう自分が不思議だった。 彼女の手が伸びてきて、服越しに下を触られる。 「…ここ、凄く熱い」 彼女は俺のものを擦りながら、服を脱ぎ生まれたままの姿になる。 彼女の卑猥な姿に誘われるかのように自らも服を脱ぎ捨てると、彼女は 「いい身体」 と呟いた。 「どうせ人生の最後なんだ、好きにしろよ」 「なにそれ、えっろ…」 彼女に押し倒され、再び舌を絡め合わせる。むっちりした重量感のある恵体に半ば押し潰されるような形で、夢中になって身体をまさぐりあった。 「んッ…ああ…」 びくんっと彼女の身体が跳ねる。彼女のそこは有り得ないほど熱を持って、蕩けきっていた。 「ね」 潤んだ瞳で話しかけられる。 「…いいよね」 彼女が言い終わらないうちに、とろけきった蜜壷に己のモノが埋まっていくのが分かる。 「あ…っ…」 背筋がゾクゾクする快感に軽く仰け反る。 「入っ…たぁ」 騎乗位の体勢で根元まですっかり飲み込んだ彼女は、恍惚とした笑みを浮かべた。 「あー…めっちゃ腰振りたい…」 息を荒らげながら言う彼女はなんというか… エロい?色っぽい? そんな言葉では言い足りないほどに、魅力的だった。 つい数時間前に知り合ったばかりだと言うのに。 彼女が、ゆっくりと腰を振り出す。スクワットを繰り返すような、ただ欲望を満たすだけの卑猥な挿入。 有り得ないほど興奮しながら、彼女に合わせて下から突き上げた。 「んんっ、下から、やだっ」 「黙れっ…いやらしい身体しやがって…」 肌と肌がぶつかる度、目の前で巨乳が派手に揺れる。 腰を動かすのを止め、乱雑に揉みしだきながら対照的に小さな蕾に吸い付くと 「ぐうぅっ…!」 品のない声で喘ぐ彼女。同時にギュッと中が絞られ、一気に絶頂の予感が込み上げてきた。 「なんか、大きくなってる…」 さっきとは違った、俺を犯すような動きに耐えながら彼女との結合部を無言で見つめる。 「あぁ…はあぁっ…」 情けない声を出しながら、彼女の激ピストンに耐えきれず中に白く熱いものを放った。 今までにない程、何度も、何度も脈打つ。 「…ふふ」 妖しく笑いながら、彼女は腰をあげる。ぽたぽたと、白く濁った液体を黒々とした茂みから滴らせながら 「最後がコレでよかった?」 「良すぎる」 このまま死んでもいいかもしれない。 若しくは、彼女に殺されても構わない。 「ところでさ〜」 彼女は再び俺を組み伏せ、耳元で囁く。 「君、私の犬になる気は無い?」 …犬? 「私が望んだ時に、望んだとおりのコトをしてくれればいいからさ」 「セフレ?」 「違うよ、私が養ってあげるから」 彼女は俺の頭を胸に埋め、こそっと衝撃の貯金額を口にする。 「は…!?」 「私の為に、生きてみる気はない?」 そういう彼女は、天使か悪魔か。 「…飼い犬になるのも、悪くないかもな」
女騎士と媚薬拷問
「城内に敵国へ情報を流している者がいる」 軍部会議室に呼ばれた私は、上官にそう告げられた。 「…それは本当でございますか?」 「間違いない。目星はついている」 続いて上官は城仕えの薬師であるクロス・ワグナーの名前を上げた。 彼とは何度も会話を交わしたことがある。 「クロス…あの者が?」 「奴の書斎に極秘であるはずの軍備の情報が書かれたメモが見つかった」 思わず、腰の剣の柄をぎゅっと握った。着ていた鎧が音を立てる。 この国─ヨルン帝国は鉄壁とも言える軍事力によって支えられている。軍備の情報など、戦闘職でもない薬師が知っているはずがないのだ。 「すぐに捕えます」 「まぁ待て、もっとはっきりした証拠が必要だ」 「証拠…というと」 「奴は書斎の何処かにあの国との通信手段を隠してる。それを探せ」 「仰せのままに」 「ラエリナ…お前に託す」 敬礼し、私は黒髪を靡かせ裏切り者…クロスの自室へと向かった。 「…居るか、クロス・ワグナー」 扉の外から声をかけるが、返事はない。そっと扉を開けると、机には誰も座っていなかった。 「…外出記録は無いはず?」 不思議に思いながら、部屋に入る。 ずらりと並んだ本棚の間を歩くが、彼の姿を見つけることは出来なかった。 しばらく待っても見たが、戻る気配も無い。 「そういえば」 あの国の隠匿技術は世界一と言っても過言ではない。大砲にまじないをかけ透明にしたり、はたまた城に隠し部屋を設けて奇襲作戦に用いたり… 「…隠し部屋?」 ふと気になり、本棚の突き当たりを見やる。鎧が本棚にぶつかるのも構わず、四つん這いになりよく見定めると、僅かに不自然な切れ目が。 切れ目を辿ると、それは突き当たりの本棚全体に及んでいた。 本棚の本をぶちまけ、腰の剣をすらりと抜く。 少し息を整え、素早く踏み込んで斜めに薙いだ。 派手な音を立て崩れ落ちる木製の棚。 その向こうには、ぽっかりと空いた空間が拡がっていた。 中を覗くと、急だが階段になっているようだ。 疑惑が私の中で、確信に変わる。 「…行くか」 剣を構え、なるべく静かに階段を降りていく。 螺旋構造の石段をおりていくと、少し降りたところに木製の扉が現れた。 そっとドアノブを引き、中の様子を伺う。 怪しげな薬品の瓶が壁一面に並び、同時にふわりと漂ってくる甘ったるい匂い。なにかの薬品を醸造しているのだろうか。薄暗い中、目をこらすと簡素な机の上に通信機が置かれているのが見える。 だがクロス本人の姿は確認できない。 「どこだ…」 その時、僅かに部屋のロウソクの火が揺らいだことに気づいた。 「…ッ!?」 反射的に振り返る。刹那、 「痛っ…!」 首にちくりとした痛みが走った。首をかばいながら見上げると、階段の上から人影が降りてくる。 「まさか貴方にこの隠し部屋を見破られるとは、ラエリナ騎士長」 「貴様っ…」 踏み込もうとして急に意識が朦朧とした。 がくりと膝をつく。 「思ったより効きが弱かったようだな…刺さりが甘かったか」 いつもの柔らかな笑みを顔面に貼り付けたまま、彼は言う。 「なに、を…」 近づいてくる彼の姿を最後に、視界が暗転した。 「う…」 目を開けると、柔らかいベッドに寝かされていた。 周囲には甘い匂いが漂い、悪趣味な紫色のランプが傍らに置かれている。 「…な、なんで!?」 気づけば鎧は脱がされ、下着すらとりはらわれている。 逃げようとした両手は手枷でベッドに括り付けられ動けない。 不意に、部屋のドアが開く。 「目が覚めたか」 「クロス…貴様何を!」 彼を睨みつけると、彼は私の露出した裸体を舐めるように見てから 「女騎士長殿がこんな卑猥な身体をされているとは」 カッと顔が熱くなる。 「切り捨ててやる…っ」 「そんな姿で何ができるんだ」 彼は揶揄うように言ったあと、薬品が並べられた棚に向かう。 「ラエリナ、あなたなら知っているはずだ」 「…何をだ」 「古代王の剣の在処」 古代王の剣。あれはこの国を護る結界を張るための強力な神器だ。東の地下墓地にある事は私含め数人しか知らない。 「あの剣さえ無くなれば、この国を攻め落とすのは容易いからな」 「そ、それがこの国に潜入した目的…」 彼は振り向くと、目を細めて 「ま、俺はスパイだからな、教えてくれればあとは何もしないさ」 「誰が教えるか」 反抗すると、彼は近づいてきて首にナイフをあてがってきた。 ちくりとした痛みが走るが、彼を睨みつけて言う。 「私に拷問は効かない。騎士長として最後の責任を全うするのみだ」 彼は少し考えこむ素振りをすると、私から離れ机の上に置かれた注射器を手に取る。 中には、淡い紫色の液体が入っている。 「はっ…毒でどうにかしようというつもりか、私は死んでも吐かない…」 「これが毒に見えるか?」 彼は私に馬乗りになると、弄ぶように胸を揉みながら首筋に針を当てる。 「媚薬というものがあっちの国にはあってな」 「媚薬…?」 「脳神経を過敏にし、性的興奮を高める程度の薬品だが…その濃度を上げるとどうなると思う?」 ぞくりと鳥肌が立つ。 「や、やめろ…!」 手枷の鎖が頭の上でやかましく鳴るくらいに暴れた。 その抵抗も虚しく、僅かな痛みと共に針が入ってくる。 「体の感度は百倍ほどにまで引き上げられる…せいぜい耐えるんだな」 「や、やめ…」 注射器のピストンが押し込まれ、身体に濃縮媚薬が注入されていくのを感じて絶望した。 「ふふ、ラエリナ、貴方が場所を吐かない限り…お前の身体は感じさせ続けられる」 彼の整った顔が近づいてきて、ゆっくりとした動作で首筋に舌を這わされる。そのまま胸まで舐め下ろされ鳥肌が立った。 「男は初めてか?」 「訊くなっ」 「すぐに良くなる」 彼の細い指が腰に触れた時、意志とは裏腹にびくんと身体が跳ねた。 「な、なにこれ…」 気づけば、身体が熱く火照ってきている。 「凄まじいだろ?あの薬は」 「や、やめろ、触るなっ」 彼は指で腰をなぞり、不意に首筋にキスを落とした。 「んっ」 「破廉恥な身体だな」 彼は意地悪くそう囁き、私の両胸を揉んできた。既に尖っている蕾を指で転がされ思わず腰が反る。 「こんなに尖らせて…」 「いや…ああ…!」 彼の責めに感じたことがないほどの快感を憶える。 散々、好き勝手に胸を甘噛みされ、吸われ舐められる。 ようやく彼がからだを離した頃には、私の息は興奮で荒くなってしまっていた。 「ふふ、在処を言う気にはなったか?」 「い、言わない…」 「なら続けるしかないな」 私の両腿に、彼は手をかける。 「そ、それだけはっ…!」 力を込めたつもりが、あっさりと負ける。彼の眼前に、私の誰にも見られたことの無い場所が暴かれた。 「いやらしい…こんなに溢れさせて」 首を横にふるが、そこは既に蜜で濡れそぼっている様だった。 「欲しかっただろ?」 「や、め…」 彼の指が太腿を滑り、私の陰部に触れた。愛液がくちゅくちゅと卑猥な音をたてる。 「っ…!?」 入ってきた指の異物感に、子宮が甘く疼くような感覚。 「濡れ過ぎだな…溜まってたのか?騎士様ともなればご多忙だろうからな」 違う… 自慰は毎晩のようにしている。けれどこんなになったことはまるでない。 「気持ちいい?」 反射的に頷いてしまう。 「…騎士の尊厳も何も無くなったな」 嘲笑うように、彼は指を動かし始めた。自分のとは違う、男の人の指に中を掻き回される度意思とは裏腹に中がきつく締まる。 「俺のが欲しいか?」 「欲しい…」 うわ言のように呟く。淫核を指で弄ばれ、頭がじんと痺れたようにうまく働かない。 「なら言うんだ…剣の場所を」 「帝国東の…地下墓地…に」 「…いい子だ」 彼は服を脱ぎ捨て、欲望のままに唇を重ねながら太く、逞しいそれをあてがう。 「お願い…!欲しいの」 私が言い終わらないうちに、彼のそれが入ってきた。 「ひいいっ…!?」 さっきとは比べ物にならない快感。彼のそれは根元まで埋まると、肉欲の赴くままに腰を振り始める。 「くそ…下品な女め…こんなに締め付けて」 「ごめんっ、なさいっ…」 腰を掴まれ、乱暴なまでに犯し尽くされる。 「ああっ…クロス、もっと…」 ぱんぱんと、肌がぶつかる度に何度も中で往復するのを感じる。 お互いにもう限界だったのだろう。 「くっ…ラエリナ…っっ!」 彼が切なげな表情をしながら最奥まで押し入ってきた。 次の瞬間、奥で熱いものが思い切り流し込まれる。 「あ…っ…」 同時に絶頂し、彼を締め付けながら最後の一滴まで、搾り取った。 拘束を解かれ、ぼんやりしたままベッドにうつむき加減で座る。 私の中からじわりと溢れてくる白濁液を見ながら、呟く。 「私は…これからどうすれば」 「俺の為に働け。この国を滅ぼす為にな」 ─敵国のスパイに機密情報を明け渡し、更には肉欲に負け騎士としての尊厳まで失ったことを知られれば死刑は免れない。 それなら、この男の奴隷になった方がましだろうか。 「俺の国は近いうち、ヨルン帝国を滅ぼす」 顔を上げ、彼の冷酷な横顔を見た。 「ラエリナ、お前はその時こちらの国の捕虜になれ」 「…騎士長である私に降参しろと…?」 そして彼は続けた。 「そうすれば娶ってやれる」 …え? 「な…本気なのですか!?」 彼はそっぽを向きぼそりと呟く。 「何度も言わせるな」 その耳が赤いのは、気の所為だろうか─…