欠損少女は飼い慣らされる
何処かの教会の鐘が、正午を知らせる澄んだ音を鳴らす。
お腹が空いた。
狭くて臭い独房に横向きに寝転がり、そんなことを考える。
不意に、牢の外からパンが投げて寄越された。と言っても、いつ作られたのかも分からない不味いものだが。
腹這いで這いずりながら、床に落ちたパンにありつく。
二の腕から先の無い両腕でパンを押さえ、歯で喰い千切るようにして喉に押し込んだ。
黴臭い匂いが鼻をつき、思わずむせそうになるが強引に呑み込む。
水を貯めた金属製の盥に顔を突っ込み、錆の匂いが微かに漂う水を飲んだ。
「売れねーよなー、お前も」
牢の外から、禿げた頭の看守が薄っぺらい笑いを浮かべながら見下ろしていた。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2025/4/7 9:07
注意: この小説には性的または暴力的な表現が含まれています
hayama_Yui
書き散らし。
投稿は不定期更新です…