市丸あや@自給自足ヲタク
652 件の小説市丸あや@自給自足ヲタク
はじめまして。 初心者同人誌作家です。 主な出没イベントは文学フリマです。 夢は大阪進出(芸人かい) 代表作は「死花〜検事 棗藤次〜」 遅筆ですが、よろしくお願いします。 Xでは、創作情報の他に、くだらない日常、謎の萌え、ネコ画像など、無節操に垂れ流してます。 主な活動拠点はこちらですが、たまにエブリスタ等に浮気します。 感想やリクエストは、随時承っております!! 作品の2次創作も大歓迎です! 私の作品で楽しいひと時を過ごせたなら幸いです♪ より詳しい情報はコチラ↓↓↓ https://lit.link/neko2556
溺れて堕ちて愛されて-4th-
「絢音…」 「藤次さん…」 ーーー夜。 仄暗い、ベッド横の照明の中で、藤次さんに抱かれて愛される夜。 背後《うしろ》からされる時は、なんだか少し、いつもと違う男の人《オス》の藤次さんて感じで、ドキドキする。 逆に、私が上になる時は、普段何をしても敵わない藤次さんを支配してるみたいで、気分が高揚して、クラクラする。 座って抱き合い見つめ合いながらするのは、安心するけど、ちょっと恥ずかしい。 他にも色んな姿勢はあるしするけど、私が一番好きなのは、仰向けで抱き合う正常位。 藤次さんの身体の重みを一身に受けて、深く奥まで挿入《はい》って来る藤次さんを、一番安心して受け止められて、肌を重ねて互いの体温や息遣いを近くで感じられるから、好き。 藤次さんが動く度に、奥まで突き上げられる度に、身体が浮かんで揺れて、思わず背中に回した手…指先に力が入って、藤次さんの背中に引っ掻き痕がつく。 痛くしてごめんねって謝るけど、藤次さんは構へんよと優しく笑って頭を撫でてくれる。 そんな藤次さんが、私は好き。大好き。 だから、もっと気持ちよくしてあげたい。もっと感じて欲しいから、おぼつかない動きで腰を揺らして、膣内《なか》にいる藤次さんを抱きしめるように、キュッと、ソコに力を込める。 そうすると、藤次さんが仄かに声を出して喘いでくれるから、嬉しくて思わず聞いてしまう。 「気持ち…いい?」 すると、藤次さんは僅かに口角を上げて微笑ってくれて、そっと耳元で甘い言葉を囁いてくれる。 ーーーめっちゃ気持ちいい。幸せやで。 って。 そうして、互いにどんどん余裕がなくなり、上り詰め、共に絶頂を迎える瞬間にいつも決まって藤次さんは言ってくれる。 私が一番好きで、一番欲しい言葉。 ーーー好きや。 って。 そうして果てて、私に覆い被さって来た瞬間が、何よりも愛おしくて、満たされて。 繋がったまま抱き合い、呼吸を整えていると、藤次さんが顔を上げて私を見つめてくるから、瞼を閉じると、優しくキスをされる。 角度を変えて、何度も、何度も… 暫く余韻を楽しんだ後も、藤次さんは自分の身体より先に私の身体を拭いてくれて、おしまいの時は寝巻きまで着せてくれる。 そう言う何気ない優しさも、愛されてるって、大事にされてるって実感できて、ホントに、幸せ。 だけど反面、こんな私をどうしてそんなに大切にしてくれるか不思議で、一度聞いてみたことがある。 どうしてこんなに、大切にしてくれるの?って。 そしたら、藤次さんは笑ってこう言ってくれた。 お前がこの小さい身体で、一生懸命ワシを悦ばせようとしてるんが、たまらなく可愛ゆうて、たまらなく愛おしゅうて。せやからついつい、頑張ってしまうんや。いつも気持ちよう抱いてくれて、おおきに。 って… そんなの、私だって同じ。 大して上手くない私の行為に感じてくれて、いつも優しく抱いてくれて、嫌がる事は絶対しない。そんな藤次さんが、私は好きで好きで… だから今夜も、私は貴方に抱かれる。 何よりも、誰よりも好きな貴方に… 愛してるわ。 私の…藤次さん。
昭和エルフが語る人生のアレコレ
…まあ、アレですよ。 一応腐っても40半ば…昭和、平成、令和を生きて来たエルフですから、それなりに人生経験豊富なわけで… 今回は、そんなエルフが、社会に出るまでにこれはやっとけ的な事をこっそり教えます。 あ。 あくまでも私の経験からのアドバイスなので、信じるか信じないかはお任せします♡ 1.学校の掃除時間はトイレを真面目にやれ。 掃除なんてめんどくさい。況してや他人が使ったトイレなんて無理。 気持ちは分かります。 けど、社会に出たらかなりの高確率で掃除…特にトイレ清掃はあります。 況してや精神を病んで障がい者雇用に頼らざるを得ない状況になると、羽振りが良いのは清掃関係です。(事務とかオフィス系は大体『身体』障がい者に持ってかれます。(※あやさん調べ)) だから学生時代から『他人の使ったトイレ』に慣れておくのは、決して損な経験では無いと思います。 2.声出しは積極的に! 部活で1年は声出ししろと言われ、めんどくせーって感じてるでしょう。 しかし、これをやり、人前で大きくハキハキとした声を出せるスキルを身につけておけば、接客業で大いに武器になります。 なぜなら、我々昭和エルフは元気ハツラツが大好物だからです。 笑顔はともかく、毎日大きな声でハキハキと業務に励んでいれば、昭和エルフは単純だから褒めてくれます。 だから、無条件で大声を出せる環境は大いに利用し、しっかり腹から声を出す練習をしましょう! 3.悪口大会には参加するな。 これは女子に言える事ですが、いじめは勿論論外ですが、誰かの悪口を言い合う場にも加わらない主義を、学生時代から培って下さい。 悲しい話、大人になってもいじめや悪口はあります。 確かに、集団で特定の誰かをいじめるのは楽しいでしょう。 実際私も、20代の頃はパートの気の弱そうなおばさんを虐めてました。(20代のエネルギー舐めんなよ。何でもできるって勘違いスゲーからな!!(※あやさん調べ)) けど、どんなに上手く立ち回っても、悪口は結局は周り回って自分に返ってきます。 悪口大会に参加したばっかりに、職場でややこしい力関係や派閥闘争に巻き込まれたり、逆に孤立して、やりたかった仕事なのに居づらくなって辞めてしまうとか、損でしかないです。 だから、学生時代のうちから、そう言う場所から一歩引いて冷静になれる目と心を磨きましょう。 くどいようだけど、イジメは絶対ダメだよ!! 4.どこかに通う力を磨く。 最後は、当たり前だけど意外に難しい通うと言うクセを身につける大切さ。 学校、塾、習い事。 ダルい、めんどくさい、気分じゃない。 そんな気分で休んでませんか? 勿論、高熱など明らかな身体異常がある場合はやむおえないですが、気分で休むクセをつけてしまうと、やはり社会では不利になります。 これくらい良いだろう。 私が居なくても仕事は回るし。 こう言う考えを全面的に悪いとは言いませんが、続くと確実に職場の心象は下がります。 また、パートで有給などの福利厚生がある場合は、契約日数をこなさないと受けられなかったりとそれなりのペナルティがあるので、まだ然程ペナルティが課せられない時期から、決まった曜日に決まったとこに行く力を身につけましょう! …こんな感じですかねー 最後に関しては、障がい者である私ならでは経験則です。 障害を持って一度社会から離れると、療養後に真っ先にやってくる訓練は、作業所やデイケアに『通う』訓練です。 これが結構辛いんです。 特に私のようにルーティンを重要視する障害(特性)を持ってると、そのルーティンの変化(環境の変化)を極端に嫌い、状況によってはまた症状が悪くなってしまう場合もあるんです。 根気よく変化を受け入れる訓練をして社会生活に慣れると言う事は、それだけ大変なんです。 精神疾患が社会病となってる現代において、これはホントに他人事ではないと思うので、こんな思いをしないよう、ストレスケアは勿論、今からしっかり『通い続ける』力を身に付けて欲しいです。 あ。 ストレスケアの話はしてなかったですね。 まあ、アレですよ。 ストレス発散で一番効果的なのは… 嫌なことを忘れられるくらい夢中になれるものを見つける。 ですかね。 それが推し活だったり、ゲームだったり買い物だったり食事だったりお風呂だったり運動だったり、何でも良いです。 できるだけ沢山の逃げ場所を作りましょう。 ただし、食べ過ぎ飲み過ぎや過度な浪費など、生活のバランスを崩しかねない程夢中になるのはダメですよー 結局、何事も広く浅くほどほどにが、生きやすいスタイルかもしれませんね☝️
愛の値段
「えっ?」 「せやから、週末家に真嗣と保険屋くるから、一緒に話聞いてもらえるか?」 …それは、前々から密かに考えとったけど、なかなか踏ん切りがつかず後回しにしていたことやった。 けど、藤太が産まれて、父親になった今、きちんとけじめつけなあかんと思い、専門のプランナーと真嗣に相談して決めた、老いて行く自分の終活の一環、生命保険への加入やった。 目の前に出されたパンフレットや書類に目を白黒させる絢音に静かに笑いかけ、ワシは話を続ける。 「まあ、腐っても国家公務員やから、老後もそれなりの手当はあるかもしれんけど、このご時世や。何があってもお前と藤太が困らんように、準備しときたいねん。…悲しいけど、このまま行ったら確実にワシが先に逝くやろからな。」 「嫌よ。折角藤太が産まれて家族になって幸せなのに、何でそんな悲しい話を今するの?それに約束したじゃない。死ぬなら一緒って。忘れたの?」 「忘れてなんてない。せやけど、もし予期せぬ事でワシが死んでしもた時。もしその時まだ藤太が手のかかる歳やったら、生活どないするねん。いつまでも男として見てくれて、愛してくれるのはめっちゃ嬉しいねんけど、ワシもお前も、この子の親なんや。この子にはワシ等しかおらんねん。守らなあかんやろ?」 「けど…藤次さんの命をお金に変えるなんて、藤次さんのいない世界なんて、私…」 そう言って泣いてくれる涙は綺麗で、ホンマに嬉しゅうて、嬉しゅうて、出来るならホンマに一緒に三途の川渡りたかったけど、せやけど… 「愛してるからこそ、ワシの全部をお前にやりたいんや。こないどうしょうもない中年男を夫に選んで、況してや父親にしてくれたんや。せやから、やれる事はやりたい。分かってくれんか?絢音…」 「けど…」 そう絢音が言い淀んだ時やった。 ベビーベッドで寝てた藤太が、目をさましたんわ。 「ほら、お母はんの泣き虫につられて泣き出したわ。ホラホラ藤太〜、エエ子やエエ子ぉ〜」 抱き上げて、両腕にすっぽり収まる我が子をあやしていると、絢音が背後から抱きついてきたから、振り返りそっと寄り添う。 「好きや。愛してる。せやから、俺のワガママ、聞いてくれんか?それに…」 「それに?」 問う絢音…君に、ワシは薄っすら笑って囁く。 「お前独りになっても、他の男がほっとかんやろ。寂しいけど、直ぐに俺を忘れて幸せになれるわ。せやから、大丈夫や。」 「バカ…何よその試し行為。こんな幸せな気持ちや、どんどん膨らむあなたへの愛、簡単に忘れられるわけ無いじゃ無い。憎い人…」 言ってまた涙を流す愛しい君の額にそっとキスをして、藤太を抱かせて共に…俺にとってかけがえのない家族を抱き締める。 「泣かせてばあでごめん。そやし、ホンマに心の底から、お前とこの子を愛してんねや。せやから、その気持ちをカケラでも形にしたいねん。分かってくれるな?絢音。」 「いや。分かんない。分かりたく無い。でも、こんなに辛くなるくらい愛されるなら私…あなたを父親にすべきじゃなかった。そう後悔するくらい今、幸せ…」 「絢音…」 「藤次さん…」 見つめ合い、キスをして、君の腕の中でうとうとし始めた我が子をベッドに寝かせて、また君を抱き締め囁く。 永遠《とわ》に愛してる… と。
髪結の戀〜笠原絢音〜
「こんにちは。今日もよろしくお願いします。松木さん。」 「はい。お待ちしておりました。笠原様。」 ーー京都の中心地から少し離れた通りに店を構えて10年。 お師匠のお得意さんを何人か譲ってもろての独立やったから、口コミで少しずつ根っこを拡げて新規開拓して、ようやっと自分で指名取って軌道に乗って来た時やった。 長い長い、綺麗な黒髪を結えた…四十前後の美しいお姉はん…笠原絢音さんに、出会うたのは。 「今日も、いつも通りですか?」 「ええ。いつも通りで。」 「はい。ほんなら、シャンプー台にどうぞ。」 「はい。」 大体水曜日にやって来て、シャンプーと毛先のカットとトリートメントをして帰って行く、絢音さん。 黒髪ロングヘアなんて、今時流行らんのにと、何度か流行りのヘアスタイル提案してみたけど、いつも似合わないわの一点張り。 その度に、頭の中でアホ言いなと悪態を吐く。 俺は、きっと誰よりもこの人の髪に触れてる。 誰よりもこの人を分かってる。 そう。 目の前の、無防備に晒された白い首の持ち主であるこの人を、誰よりも理解して愛しているのは、俺だけや。 そう、信じて疑わんかった。 せやのに… 「えっ?」 「あ、もしかして、やってなかったりします?」 「あ、いや、そやなくて…」 「なら、是非お願いします。結婚式の、髪とメイク。」 ショックやった。 俺の預かり知らぬとこで、俺以外の男が、この髪に触れて、美しく乱れる様を見ているのかと思うと、段々憎らしなって、思わず手にしていた一房を思い切り切り裂いてやろうかとした時やった。 彼女の可憐な唇が、ゆっくり動いたんわ。 「だって、松木さん程、私の髪を知ってくれてる人はいないから。だから絶対、私の初めての晴れ舞台は松木さんに結ってもらおうって、決めてたんです。だから、お願いします。」 「笠原さん…」 ああ… 阿呆や。 ホンマに俺は、ドのつく阿呆や。 何よりも純粋に、俺を信頼してくれて、女の命とも言える髪を任せてくれていたこの人に、こないな邪な感情抱いてた自分が恥ずかしなって、辛うて… 結局俺は、最後までその髪を切り裂く事…己の欲求で彼女の命に鋏を立てる事は、できひんかった。 「じゃあ、結婚式…よろしくお願いしますね。松木さん。」 「ハイ。謹んでお受けします。またご贔屓に。笠原様…」 そうして、綺麗になった髪を揺らしながら帰って行く背中を見送って、ふとクローゼットを見やると、小さな手袋が目に入ったんで、忘れ物やと通りに出て呼び止めようとしたら… 「あ…」 和かに笑う彼女の隣にいたんわ、手入れの行き届いた上等なスーツを着た、栗色の髪の毛の男。 優しい手つきで撫でられた髪の毛は、夕日の光と相まって、見た事ないくらい艶やかに輝いてて俺にはすぐに分かった。 あの男が、笠原さんのエエ人なんやて。 あの綺麗な髪が、唯一淫らに乱れる様を見れるお相手やて。 そう思うたら、声掛けるのも歯痒うて、悔しくて、結局俺は、店に戻ってきた。 「阿呆らし。たかだか髪結風情が、分かった気ぃになって浮かれよって…」 それでも、だけれど、 この邪な気持ちを知られない限り、俺はあの美しい髪に、無防備に晒された彼女の命に、これからも鋏を立てられる。 せやから、この想いはずっとずっと、内緒にしとこう。 愛してます。 笠原…絢音さん…
恋は麻薬、愛は毒
ーー貴女を生かすも殺すも、私の匙加減… 「ほら、ご覧になって。」 「まあ素敵。」 「いつ見てもお似合いね。羨ましい…」 『その御方』は、いつも皆んなの中心にいる。 長い漆黒のお髪に、キリッと結ばれた口元。 桜貝のような爪先に、コルセットなど不要なくらい細い腰回り。 その立ち振る舞いも何もかもが、上品でお美しい…正に生ける美術品。 『兵藤真璃子』様。 そして、見つめる誰も彼もがその姿に憧れと羨望の眼差しとため息をこぼす彼女の傍に立つのが、末は海軍士官と噂される『神原榮三郎』様。 眉目秀麗、才色兼備の名を欲しいままにする、生ける美術品(兵藤真璃子)に相応しい、完璧な殿方。 だから本来この私…斉木葉子のような、地方のしがない地主出身で、見た目も地味でつまらない女には、縁遠い存在でしかなかった。 けど… 「真璃子…いい加減、接吻くらいは許してはくれまいか?僕はこんなに貴方をお慕いし大切にしていると言うのに…」 「なりませんわ榮三郎様。全ては成婚してからになさいましょ?私、まだ気持ちの準備が出来ておりませんの。」 「しかし…」 「真璃子様、神原様、ごきげんよう。」 「!」 学園の裏庭で密やかに愛を囁いていたお二人に声をかけると、榮三郎様はサッと顔を真っ赤にして去っていく。 「あら斉木さん。ごきげんよう。」 「ごきげんよう。真璃子様、そろそろ部活動のお時間ですわ。私、ご一緒してもよろしいかしら?」 「勿論よ。同じ部活動仲間ですもの。それより斉木さん。その様はおよしになって?私達、親友でしょう?」 「親友…ですか?」 囁き、誰もいない空き教室に入った瞬間、真璃子様が…生ける美術品が、私に恭しく傅く。 「うそ!うそよ葉子!!貴女は私のかけがえのないエス…ううん、全てを捧げた愛しい人。でも嫌な人、何故貴女は私に親友だなんて言わせるの?榮三郎のせい?」 「当たり前ではないですか。私のような卑しい出自の者とエスの交わりを交わしたなどと知れたら、折角のご婚約が塵芥のようになってしまいますわよ?」 「そんなのどうでもいい!!どうせ父が勝手に決めてきた家の為の婚姻よ!!私は自由に人を、貴女だけを愛し…ッ!!!」 綺麗な綺麗な唇を塞いで、天鵞絨のような舌に舌を絡ませて突いて、息も絶え絶えに唇を離すと、生ける美術品が、まるで淫らな娼婦のように物欲しげな醜い顔をするから、私は興奮でゾクゾクと昂る気持ちを抑えながら、形の良い彼女の耳元で囁く。 −−『お姉様』、それ以上は、およしになって。
薬用ハンドクリームとハンドクリームの違い(お題)
ハンドクリーム… 秋から冬になるとドラッグストアに並び出す定番商品。 その中に『薬用ハンドクリーム』と言うのを見かけて、不思議に思った事はなかろうか。 えっ?ハンドクリームって、全部手荒れを防ぐ薬じゃないの?…と。 実は、薬としての効能効果が期待できるのは、前述した『薬用ハンドクリーム』と皮膚科医などが処方する医薬品や一般用医薬品のハンドクリームなのだ。 これには薬機法と言う法律が絡んできており、ざっくりと化粧品の定義を言えば、化粧品は人体の容貌を極端に変える効能効果を謳ってはならないのである。 例えるなら、髪のウェーブを改善したり、育毛を促進したりなどと言うのは、全て化粧品の範疇外で…医薬品又は医薬部外品に当たるのだ。 市販の育毛剤で有名な『リアップ』が、第一類医薬品として調剤薬局でしか買えないのは、この理由からである。 しかし、そうなってくると薬用と明記されていないのに、ビタミンEやヒアルロン酸配合と記されているリップクリームはどうなんねんて話ですが、化粧品には、添加物程度…つまりギリギリ効果が出るか出ないかくらいなら表記を謳っても良いよと言う決まりなので、薬用に比べると効果は期待できないに近い。 だから、医薬品的効果を期待したいなら『医薬部外品』の『薬用◯◯』をオススメする。 医薬部外品とは、厚生労働省が許可した効果・効能に有効な成分が一定の濃度で配合されている製品で、医薬品と化粧品の中間に位置づけられており、予防や衛生を目的として作られています。 医薬部外品の主な効果・効能には、次のようなものがあります。 肌荒れやにきびの予防 日焼けによるシミやソバカスを防ぐ 皮膚の殺菌 吐きけや口臭、体臭の防止 あせもやただれの防止 脱毛の防止 育毛や除毛 ねずみ・はえ・蚊・のみ等の駆除又は防止 医薬部外品には、薬用歯磨き剤、制汗スプレー、薬用クリーム、ベビーパウダー、育毛剤、染毛剤、入浴剤、薬用化粧品、薬用石けんなどがあります。 医薬部外品は、薬剤師がいない場所でも販売が可能で、スーパーやコンビニなどで購入することができます。 と言うわけです。 しかしながら医薬部外品も、医薬品に比べたら効能効果も弱いので、本格的に治療したいなら、皮膚科などで処方される医薬品、またはドラッグストアで買える一般用医薬品をオススメします。 あ。 因みに、ガサガサゴチゴチな踵の乾燥に尿素を配合したクリームをよく選ぶ方いますが、気をつけて下さい。 傷があったりすると、結構沁みるので。 どれを選んで良いか分からないYOと言う方は、薬剤師さんか登録販売者にご相談下さい。 以上、市丸さんの簡単医薬部外品解説でした!
死花〜検事 棗藤次〜−書き本編-最終話②
「真嗣!!!後生や!!やめてくれ!!ワシが殺した!!!全てワシの意思や!!!…真嗣!!!!」 「被告人、静粛に。」 ーー真夏の太陽が一番高い位置に上がった午後2時。 蝉時雨の激しい音に負けず劣らず声を張り上げる藤次を一喝し、裁判長は真嗣を見やる。 「では弁護人は、検察の主張する殺人罪でもなく、今まで主張してきた幇助による殺人でもなく、本件が被害者の嘱託による殺人であると述べたいと言うのですね?」 「はい…」 頷き、真嗣は手元の資料に目を移す。 「弁護人は、今日《こんにち》までの被告人との接見で、《《被告人が自らの意思で進んで殺した》》と言う点に、些か疑問を持っておりました。何故そうまでして、自らが殺害したと強く主張するのか。何故、嘱託ではなく幇助ではなければならなかったのか。それが、今回提出した証拠により、納得のいくものとなりました…」 「し、証拠…?」 狼狽する藤次に、真嗣は薄らと微笑み、口を開く。 「ごめんよ。絢音さんが君に宛てた最後のラブレター…今ここで、晒しちゃうね。」 「真嗣?」 呆然とする藤次を一瞥した後、真嗣はあの貸金庫から見つけた封書の写しを手に取る。 「これは、西國銀行花藤支店の貸金庫に保管されていた、被害者の遺品の中にありました、被害者棗絢音氏が被告人…棗藤次氏に宛てた遺言書…いえ、遺書です。」 「い、遺書??!」 声を上げる藤次と騒つく法廷に、裁判長の静粛にの声が響く。 「こちらの書類は、被害者が左京区の三橋司法書士事務所の三橋あかね司法書士に依頼し作成されたものです。三橋氏に問い合わせた所、本書は事件発生の一週間前に、既に作成を終えていたとの事です。つまり、被害者は本当は一人での自死を企画しており、被告人の共に死のうと言う提案は、被害者にとって想定外だったのではないかと推察できます。そして…」 そこで言葉を切り、真嗣は大きく深呼吸して、口を開く。 「何よりここには、被害者が何故自死を選ばなければならなかったが、書かれておりました。ですのでこれより、この遺書の中身を…代読させていただきます。きっとそれが、被告人が自らの意思で自殺を幇助したと主張する、理由の答えになると思いますので…」 そうして、真嗣は込み上げてくる感情に必死に抑えながら、震える唇で…彼女、絢音が藤次へ贈った想いを代弁する。 「…拝啓、親愛なる棗藤次様…初めに言います。先立つ不幸を、どうか、赦して下さい…」 「絢音…」 ツウッと…藤次の頬に、一縷の涙が…静かに伝う。 「(……して。)」 「(あ、や、ね?)」 ふと、藤次の脳裏にあの…共に死のうと決意した、月の煌めく、静寂の夜が、鮮やかに甦る。 それまで悶え苦しむ声しか発していなかった彼女の掠れた言葉に藤次は瞬き駆け寄った。 きっと、苦しさに耐えかねて助けをもとめてきたと思い、近くに放置していたスマホを取り119番を押そうとした瞬間だった。 「(ッ!!)」 カシャンと、絢音が振りかぶった手に当たり、床に落ちたスマホ。 どこにそんな力がと瞬いていたら、見たこともない鬼の形相で自分を睨め付ける、愛する人… 「(あ、あや、ね?)」 「(殺せ…)」 「(えっ…)」 「(殺せって言ったんだよ!もう、何もかも憎い!誰でもいい!殺せ!私を、殺してくれ!!!!)」
死花〜検事 棗藤次〜−書き本編-最終話①
ーー叶うなら、全ての刻を、あの日に巻き戻したい。 「藤次!改めて、結婚おめでとう!!」 「おう!おおきに!!真嗣!!!」 似合わない、馬子にも衣装な、白のタキシードを着て、幸せそうにシャンパンを呷る君。 そして、その隣にいるのが、僕がありとあらゆるものを手放し、どんなに足掻いてもがいても手に入らなかった…君の愛を独り占めした、憎むべき恋敵…ううん。同じ土俵にすら上がれなかった、綺麗な綺麗な、女神様。 名前は、笠原絢音さん。 お色直しのブルーのドレスがとっても似合ってて、幸せいっぱいに微笑む彼女からは、本当に…君を心から愛しているんだなって思いが溢れてて、悔しい反面、どこか…嬉しかった。 愛している人が、自分以外の人と幸せになる。 それは本当に辛いし、一歩道を踏み外せば、愛は憎しみに変わり、己は勿論、愛した人すら、傷つける事になる。 けど、人の心…取り分け愛には、無限の形と可能性があり、例え報われなくても、例え一方通行でも、思い続け、見守り、陰でもいいから支えていこうと言う、強さをくれる。 ーー藤次。 愛しい愛しい、僕の、最高で最愛の親友《パートナー》… 僕のワガママかもしれないけど、どうか、 どうか、君は、君だけは、 どんなに世界が荒んでも、 幸せであって欲しい。 笑っていて欲しい。 君の幸せの為なら、 僕は、人を棄てる。 君が笑っていてくれるなら、 僕は… 僕は、悪魔になる。
春よ、来い…(R-18)
※本作品は、本編設定である絢音のセックストラウマが無い場合の恋人設定です。 「あ!…藤次さんダメっ!出ちゃう…止めて、あん!」 「ええで。可愛い。恥ずかしがらんと出し。見たるから…」 「やあっ……あ!あああっ!!」 叫び悶える絢音を背後から抱き竦め、秘所に挿れていた指の動きを少し早めて膣内《なか》を掻き混ぜると、彼女は小さく震えて達し、シーツにとめどなく蜜が滴り落ちる。 「…ぎょうさん出たな。ホラ、見てみ?こないに糸引いとる。そんなに良かったんか?なあ…」 「やあ、そんなの見せないで。意地悪…」 秘所から引き抜いた指に纏わりつく蜜を、息も絶え絶えな愛する女の前に見せると、恥ずかしそうに顔を逸らすので、手でこちらに向かせすかさず唇を奪う。 「…ダメ、もう…蕩けそう…好き…」 「おおきに。そやし、まだ蕩けるには早いで?せやから…」 「うん…」 頷き、体位を変えて、垂れた長い髪を耳に掛けて、いきり立つ愛しい男のモノを口に含み、気持ちの良い場所を探すように舌を使って扱くその姿に、藤次の胸は俄かに高鳴る。 正直、絢音の口淫のテクニックは、経験してきた中では上手いとは感じなかったし、変な話…処女をくれた美知子の方が上手いとさえ思った。 けど、愛しい愛しい、どんな言葉でも足りない愛する女が、自分を求めてくれる。愛してくれる。 その事実が、孤独で乾き切った心を優しく包んでくれて、満たしてくれて、いつしか気持ちは高揚し、興奮して、意識して我慢しないと、出してしまいそうな衝動に駆られてしまう。 そう。 絢音の愛こそ、藤次にとって何よりも強烈な媚薬であり、自らを堕落させる…麻薬。 その度し難い麻薬の快楽に溺れながら、ベッドサイドの時計の針をチラッと見て、藤次は荒い吐息混じりにため息を吐く。 「(あかん…明日大事な日やのに、今夜も確実に徹夜コースや…そやし…)」 クッと、身体を動かして口淫を止めさせると、潤んだ物欲しそうな瞳をした絢音にもう一度キスをして、膣口に自らのモノを充てがう。 「(そやし、幸せやから…えっか…)」 そうして腰を動かして、最愛の彼女の膣内《なか》に自身を挿入し、投げ出された小さな手に自分の手を重ねて握りしめ、自分の下で悶える絢音に何度もキスをして、耳元で彼女が求めてやまない口説き文句を囁く。 「好きや…」 溢れんばかりの思いをその3文字に託して、込み上げてくる多幸感に身を任せて、朝日が昇るまで抱きしめて、求めて、精が尽きるまで行為に耽り、疲れ果て眠りに落ちていく絢音の身体を拭いて寝巻きを着せてやると、最後にもう一度キスをして、後ろ髪引かれながらベッドを後にして、シャワーを浴びに脱衣場に向かうと… 「…なんや、えろう幸せそうなツラしとんなぁ〜。『鬼の南部君』?」 鏡に映る満ち足りた顔に、過去の渾名でそう問いかけて、藤次は小さく笑う。 「嗤うなよ?散々浮名流して遊び倒してたお前、今日…結婚するで。」 言って、軽く頬をつねると、鈍い痛みが走り、また笑みが溢れる。 「夢やないんやで。ようやっと…巡り会えたんや。せやから、見守っててや。」 そう過去の自分に告げると、藤次はシャワーを浴びに浴室へと向かった。 誰もいなくなった脱衣場の壁に掛けられた一輪挿しの中の桜の蕾が、春の淡い朝日に照らされ、まるで彼を祝福するかのように、静かに穏やかに、花開いた…
死花〜検事 棗藤次〜−書き本編-第13話⑥
「…こちらです。」 ーー西國銀行は花藤支店の応接間。 行員の田邊が持って来た貸金庫の中身に、真嗣と竹史は瞬く。 「これは…貴金属?」 「で、です、かね…」 目の前に広がったのは、青や真紅のベルベットの箱や、何かが包まれた正絹の袱紗達で、2人は思わず顔を見合わせる。 何気なくその中の一つを掴み開けてみると、未使用と見紛う程に美しく手入れの行き届いたダイヤモンドの指輪が現れる。 「これ…確か藤次が絢音さんに贈った、婚約指輪…」 ハートのダイヤなんて、ロマンチストなアイツらしいと思って印象に残っていたその指輪を嵌めて幸せそうに泣き笑う絢音と、そんな彼女を幸せに満ちた優しい眼差しで見つめる藤次のプロポーズの瞬間が、まるで昨日のように鮮やかに脳裏に甦り、真嗣の目頭は僅かに熱くなる。 まさかと思い他の箱や袱紗を開けてみると、中身はやはりどこかで見かけた…藤次が贈り絢音が身につけていたアクセサリーばかりで、真嗣が何故手元に置かずわざわざ貸金庫にと疑問に思っていると… 「あ。や、谷原さんこれです!じ、自分が見た封書!」 「えっ?!」 瞬き視線を箱の中を見ると、一番底に確かに白い厚みのある封書があったので、真嗣はそれを手に取り裏返すと、棗の他に三橋と言う割り印があったので、真嗣は田邊を見やる。 「あの、この封書の割り印の三橋さんて…」 「さあ、私《わたくし》共は何も。ですが助かりました。警察からもどこからも引き取りに来られる様子が無かったので。唯一の身寄りのご主人がああなられたので…本当に…」 「はあ…」 まるで顧客を厄介者扱いするような田邊の言い方に、真嗣の腹の虫は僅かに唸ったが、そんな事より手の中の封書の中身だと切り替えて、竹史に向き直る。 「寺沢さんは、何か分かりません?この三橋さんについて。」 「さ、さあ。で、でも、わ、割り印だからそれ、だ、大事なもの、です、よね?」 「うん。多分…いや、僕の勘が正しければ…」 そこまで言って、真嗣は意を決して封書を切り裂く。 「や、谷原さん!?その、し、親書の開封は」 「構わないよ。時間が惜しい。罰金くらい、後で払うさ。」 そうして、中身を引き抜いた瞬間だった。 バサリと落ちた、一冊の通帳。 拾い上げて名義を見ると… 「と、藤次…?」 出て来た通帳は、西國銀行花藤支店の普通預金口座のもので、名義人は棗藤次様と記されていた。 何故藤次名義の通帳がと不思議に思いながら開けてみると… 「い、一千万?!!」 通帳の最終記帳欄の金額に、真嗣は思わず声を上げる。 遡ってみると、最初の入金日は絢音と藤次が結婚した10年前の4月から始まっており、金額はバラバラだが、ほぼ7日おき…恐らく毎週金曜日に入金していたのだろう記録がされており、最後の一千万になった欄の下に、小さく「ありがとう。藤次さん。」とペンで記されていたので、絢音が積み立てていたものなのかと察すると、真嗣の勘はいよいよ確信に変わって行く。 「やっぱり。これは…」 引き抜いた白い便箋を開き中身を読み進めて行くうちに、真嗣の瞳から涙が溢れる… 一頻り読み尽くすと、谷原さんと不思議がる竹史に構わず、真嗣はスマホを取り出して、ある所に電話をする。 「すみません。科捜研の…及川さんをお願いできますか?」 * 「ーーでは弁護人、提出した証拠書類に対する弁論を始めて下さい。」 「はい…」 蝉時雨騒がしい夏の午後。京都地方裁判所321号法定室。 浮かない顔をした藤次に優しく笑いかけ、真嗣は深く深呼吸した後、手元の書類を見やる。 この事実を、果たして法廷《このば》で言うべきか、今日《こんにち》を迎えるまで散々悩んだ。 言う事で、藤次を…本当の意味で救うことができるのか。 彼の抱えた十字架を、少しでも軽くしてやれるのか。 それとも、更に重いものにしてしまうのか、悩みに悩み抜き迎えた、今日… 怖いと言えば、嘘になる。 けど、彼から…愛する藤次から弁護を頼むと言われた時から、腹は決めていた。 どんな結果でも、やり切ると… だから… 「それでは、弁護人が用意しました証拠物件を元に、被告人の罪状について述べたいと思います。」 言って、真嗣は裁判官に向けて真摯な眼差しで口火を切る。 「弁護人は、被告人棗藤次の罪状に異議を申し立てます。そして同時に、以下の罪状を主張いたします。その罪状は…刑法、200…2条…」 「真嗣!!!!!」 瞬き、真っ青な顔色で声を上げて席を立つ藤次に構わず、真嗣はこの事件の真実を口にする。 「被害者である棗絢音氏が、被告人、棗藤次への『嘱託による殺人』を…主張します…」 ジッと、降り注ぐ蝉時雨の中の一羽が…断末魔の悲鳴と共に、くらくらと地に堕ちた… 第13話 了