死花〜検事 棗藤次〜−書き本編-最終話-⑦
そうして、幾つもの季節が流れて行く時の中で、藤次は徐々に絢音のいない世界を受け入れるようになり、投げやりだった公判…罪に対して前向きな姿勢を取るようになった。
そして、真嗣は藤次の事件当日の精神状態を心神耗弱と主張し、精神鑑定を提案。検察…藤司と賢太郎もこれに同意して、争点は藤次の責任能力の可否に重きを置くようになって行った。
当初は精神鑑定に尻込みしていた真嗣だが、何かしらの情状酌量…もっと言えば無罪がつけばと言う思いからの提案だったが、藤次はそれでは納得いかないと言うので、被告人には贖罪の意思があるという主張で締め、裁判は結審した。
最終弁論では藤次も証言台に立ち、ただただ、彼女が願ったとは言え、その命を摘み取ってしまった事への贖罪の意思を述べ、背負って生きて行くと主張。傍聴席の誰もが、その痛々しい姿に涙を溢した。
そして、絢音の死から2年ほど過ぎ、マスコミが新しい醜聞に興味を移し始めた冬。京都地方裁判所321号法廷で、藤次の審判が密やかに執り行われた。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2025/7/7 13:39
市丸あや@死花完結!!
はじめまして。
初心者同人誌作家です。
主な出没イベントは文学フリマです。
夢は大阪進出(芸人かい)
代表作は「死花〜検事 棗藤次〜」
遅筆ですが、よろしくお願いします。
Xでは、創作情報の他に、くだらない日常、謎の萌え、ネコ画像など、無節操に垂れ流してます。
主な活動拠点はこちらですが、たまにエブリスタ等に浮気します。
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