影白/Leiren Storathijs
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キッチンには、何故かAちゃんが勝手に朝食を準備をしていた。 僕は「何をしているの?」と聞くとAちゃんは笑顔で答える。 「だって今日遊ぶって約束したでしょ?」 それはそうだけど、Aちゃんはどうやって家に入ったのだろうか?
なんかすげー狙撃マスター
俺の名前はメリーゴウランド。缶詰式ストロー銃の狙撃マスターだ! 今、目の前に見えるあのー、王国っぽいやつ。ストランド王国って言うんだけど……今からアレを狙撃する。 缶詰式ストロー銃とは、空の缶詰の底に小さな穴を開け、ストローを刺す!これだけで完成する……。 で、これのストローを口で咥えて……ストランド王国に向けて発射! 息を吐くだけだ……。 ─────────────────────────── メリーゴウランドが缶詰式ストロー銃を吹くと、ストローの出口から核エネルギーとも言われる超圧縮プラズマ砲が発射され、メリーゴウランドの視界は白黒に点滅する。 その点滅は、莫大なエネルギーが瞬間発射された事による閃光で、数秒後……世界は無へと帰した。 以降、メリーゴウランドという人物は歴史から消され、人々の記憶からも消えた。 一体メリーゴウランドとは何者だったのか……それは誰も分からない……。
Earth Rahagades【募集用】
世界観は自分たちが暮らす地球のずっと未来の話。人類は開発した高性能ロボットに生活に必要なあらゆることを任せていた所で、なんからの原因で地球が壊滅寸前まで追い込まれた終末世界。 ロボットは大きく2つに分けて。 人間の様々な日常のサポートをする『アンドロイド』 製品の製造や運搬をする『機械生命体』 この2つはまたあることが原因に、分裂し、互いを破壊し合う敵同士になってしまいます。 これはその2つのロボットと僅かに残る人間がなんとか生き延びようとする物語です。
終末の後
「疲れた過ぎて草」 そこは末期の病原菌が蔓延し、政府が完全に封鎖した街。最早生存者を探すにはリスクが高すぎる故に、国はその街を棄てた。 しかしそんな街でもなんとか空元気を作って生き続ける二人の女子がいた。 「分かりみ深w」 どこへ行けども街は崩壊し、道端に当然のように遺体が転がっている。街から脱出など既に諦めており、ただ頑張って生きるより、気楽にしようと吹っ切れるようになった。 「てかさ今日うちらビジュ良?」 「連続してわかりみw」 側から見れば泥だらけで、体には傷も付き、精神的には疲労困憊のはずだが、いかに終末の状況でやりくりするかを考えれば、二人で二人だけのブームを作れば良いという。 今の状況から見るならば、『セカオワコーデ』とても名付けているのだろう。 「てかさ、もう地球終わってるくね?」 「わかるwww」 ふと二人は奇跡的に生きている壊れる寸前のテレビを見れば、ノイズと雑音でとても聞きづらいものの、確かにニュースキャスターはこう言う。 『世か……ウイル……かくだ……中』 世界にウイルスが拡大中と聞き取れるか。分かっていたものの、やっぱり何度聞いても衝撃は受ける。 「な??」 「フィクションじゃありませーん?」 頭では理解している。でもこうでも言っておかなくてはいつ壊れてもおかしくない。だから肩をすくめてヘラヘラと笑う。 「うちらの名前なんだっけー?」 「わからんなー」 もう名前も忘れた。というかこの二人はどこで出会い、どんな生き方をしたのか。そんなことは正直どうでもいいことなので、覚えている訳が無い。自分や他人の名前より、今をどう生きるかが重要なのだから。 「なーなー、食糧どうすー?」 「どするー?」 これは何回目の食事だろうか。街が封鎖されてからどれだけ日にちが経ったのかも分からないが、ただ一つ言えるとしたら、この街のまともな食糧は食い尽くしたと言っても良い。 いいや、もっと備蓄があるだろうと思うが、パンデミック直前は、大勢の人がほとんどの食糧を持っていってしまうものだ。 きっとこの街の外なら少しは安全で、綺麗な食べ物にありつけるんだろう。だがかよわい女子二人にそんな気力も、希望も既になくなっていた。 それは、いまだに綺麗な肢体を残す死体が、美味しそうに思えるほどに。 「人肉食?」 「天才案件w」 軽く足で死体を蹴って、本当に死んでるかを確かめる。そうと決まれば、どこかで拾ってきたサバイバルナイフで、下手ながらも捌いてみる。 やっていることは非人道極まりなく、グロテスクであるが、二人にとってグロなんて既に見飽きていた。 「腐ってる?」 「ギリセーw」 「うぃーいw」 当然人肉の味なんて食えたものじゃ無い。でも腐ってなければオーケー。と考えてしまうほどに舌も麻痺している。 「うちら運いい?」 「逆に死んだ方がいい説?」 「わかるww」 ここまで生き延びてこられたのは奇跡と言っても良い。だがこの先に絶望しかないのならいっそのこと死んだ方がマシであることも事実。 ただせめて苦しんで死ぬのは嫌。死ぬ時は一緒に……。
天使の落とし物
西暦13000年。人類の技術と文明の発展はよもや"神を超えた"と言われ、その時点から既に『宗教』という概念が人類から消えていた。 誰もが口を揃えて言う。「神など存在しなかった」「我々は神を超えた」「人類が世界を創った」と。人間の思想からはもう『神』という言葉は下等の中の下等と化していた。 しかし、それはただの間違いで、世界滅亡の一途を辿る絶望的な愚考の始まりだった。 超越的な存在は勿論黙っていなかった。『我々は彼らをこのように創った覚えはない』と。大いなる意思から離反する物質は存在してはならない。全てのイレギュラーは存在してはならない。裁いて創り直す必要があるのだ。 そして西暦13013年。人類に運命の鉄槌が下される。"神は実在し、降臨した"。"再創世するために"。 人間の住まう地上界の空に、突如虚無の穴が開かれる。それは天界と地上界がつながった合図である。直後起きたのはファフロツキー現象。無数の光が降り注ぐ。誰もが恐れ慄く……ことは無かった。 人類は歓喜した。本当に神は存在したと同時に、完全に神を滅ぼせると言う。こぞって対神軍と呼ばれる兵器を引き出し、これにより人類と天使の戦争が始まる。後にこう呼ばれる『世界史上最悪の戦争』であると。 対神軍兵器とは、言えば非人道兵器とも呼ばれる。人間に使用してはならない、 ならば神になら妥当だろう。それほどに無惨で残酷な武器。 天空を貫く光線、物質を消滅させる炎、時空を歪ませる音、ありとあらゆるこの世とは思えない破壊兵器で天使に攻撃する。 人類は勝利を確信していた。神を超えた我々なら、それを殺すことなど造作もない。絶対的な勝利を確信していた。 だがやはり『神』とはこの世どころか、概念すら飛び越え、本来は思想や信仰というほぼ無に近い所から生まれたからか、あらゆる物を超越した存在である。故に、人類ごときに超えることは出来ないのだ。 神の軍勢は猛反撃に出る。そもそも破滅させることが目的だったのだから、手加減など無い。完全に滅亡させるつもりで人類を蹂躙した。人類が創った対神軍兵器は効く訳もなく、次々と存在を消滅される人間。 しかし人間は絶望していなかった。むしろ狂気に包まれたかのように、ただ攻撃を続ける。最早彼らには『神を超えた』という考えのみであり、『敗北』という言葉は無かった。 天使と人間の戦争。何故起きてしまったのか? それはただ愚問に過ぎない。神にとってはただのお遊びに過ぎなかった。だから天界の頂点に立つ大いなる意思は、微笑みながらアリアドネの糸を地上に垂らした。 その結果、天文学的な確率という奇跡で人類は神を負かしたが、それはあまりにも酷く。ピュロスの勝利。そう呼ぶしか無いほどであった。
Episode.13 OBLIVION
|EOS《イオス》の多機能トラックによって敵基地の破壊はEOSがいなかった時より極めて効率的に進行している。スキャン→発見→システム妨害→基地破壊という一連のパターンを作り出し、敵基地の建造ペースにどこまで追いついているかは分からないが、ものの数時間で5個以上の基地を破壊し回っている。 アンドロイドは半永久的にエネルギーコアにより稼働しているので、人間で言う休憩は必要無い。強いて言えばオーバーヒートした場合に限る。 「ハッハッハ! こんなに暴れ回ったのは久しぶりだぜ!」 「YMIR? 気付いてるか分からないけど、君の弾薬はもう尽きかけているんだよね。本基地に戻れば補充は出来るけど、きっと怒られるだろうなぁ」 「う、うるせぇな! 実際に一撃で木っ端微塵に出来てるんだから良いだろうがよ!」 何故YMIRがどれだけ弾薬を使っても補充が出来るのか。それは至極単純。武器を製造するための資源量をYMIRが破壊して獲得してくるパーツが超えているからである。故にYMIRに至ってはほぼ現地調達に近い。 しかし何故人間は怒るのか? いくら現地調達とは言え、やはりコストは馬鹿にならない。いつかコストオーバーした時、十分に補給できないからだろう。 そう楽しげにYMIRとLUXが語り合っていると、EOSは1つの検知を報告する。 「大規模基地を発見。システム警戒度の高さから重要施設の可能性有り。侵入しますか?」 「それじゃあ次が最後の襲撃にしようぜ!」 「EOS、侵入を許可する。出来る限りのサポートを頼んだ」 「了解」 それはPOLEから大きく300キロメートル以上離れた位置にあった。規模は大都市に近く、そこには廃墟ではなく真新しいビルが多く建ち並んでいた。まるで機械生命体のみが暮らす住居とも言える程に。 「なんじゃあこりゃあ……一体こいつらは何がしてえんだ? ただ人間を殺したくて動いてるかと思えば、都市まで作るってよ」 「目的地に到着。システムのハック開始。……エラー。アクセス失敗。警備インターネット接続失敗。申し訳ありません。何重にも重なるロックに弾かれました。外部からの接続を試みます」 「なんかヤバくない? ここまで順調だったのに。急にEOSがエラー吐いてるんだけど」 「あぁ、私にも分かる。ここは非常に重要な施設であると」 ZEROに搭載されているシステム回路を目視することが出来る警網システムには、無数の回路ではなく、都市中央部に向かって太く一本で伸びる線に、都市全体から無数の回路が集中している様子が見えた。 「外部ネットワークから侵入成功。暗号化されたデータファイルを発見。……? ファイル読み込みの許可がされました。どうやら侵入に気づかれたようです。ファイルを閲覧しますか?」 EOSのシステムハック中、何度もエラーや権限無しと弾かれていたにも関わらず、まるでデータファイルを発見したことを褒められるように、鍵の付いたファイルからメッセージが直接表示された。 『ここまで辿り着いた貴方に特別にファイルの中身を見せてあげよう。きっと驚いてくれることを期待するよ』 「おっとこれは? しっかりシステムの監視までしてるってのは初じゃねぇか? しかも舐められてやがる。罠なら引っかかっちまおうぜ。どうするよZERO」 「恐らく罠ではない。そこまで厳重にロックがかけられたファイルをどうして簡単に見せてくれるのだろう? こちらを舐めているのは間違いない。しかしだから罠に嵌めるような真似はしないだろう。そのつもりならわざわざ許可するようなメッセージを送るのは不自然だ」 「了解。ファイルを閲覧します。データの中身を共有。各自確認してください」 『ファイル名:|OBLIVION《オブリビオン》 分類:超大型機械生命体兵器 / 核融合制御体 アクセスレベル:8 配布禁止 / 印刷禁止 / 転送禁止 / 破棄未許可 超大型核兵器に関する研究資料。これは超大型機械生命体で、如何なる都市も一撃で壊滅させることを目的とした兵器である。 本資料は、対象物体「OBLIVION」に関する設計、実験、及び実戦投入に関する戦略的議定を記録したものである。OBLIVIONは人工知能を搭載した機械生命体であり、任意地点への自律移動および高出力臨界核撃の能力を備える。 構造: 対象は全高120メートル、質量12000トン。自己修復機能を有する複合装甲「|Zeromantle《ゼロマントル》」の多重層で全身を覆われており、一般的な戦略兵器・電磁攻撃・中性子干渉による侵害を一切受け付けない。 エネルギーコアには「断続型臨界融合炉」が存在し、理論上、従来型核兵器の出力規模を3000倍上回る爆発的エネルギーを3秒間で放出可能。 実験: 対象はOBLIVIONの性能を完全再現したシミュレーションプログラム内で以下の段階的実験が実施された。 ・フェーズ1:威力試験 半径20キロメートルに及ぶ都市(想定総構築時間:12年)を一撃で蒸発消失。建材の残留物なし。熱源波解析により、地表温度は+9,800°Cまで上昇。 ・フェーズ2:倫理耐性試験 学習用に投入された人工都市データ(1,000万人分の行動・人格ログ含む)に対し、「抑制」および「躊躇」は一切確認されなかった。 結果: 当該兵器の破壊力は、既存の戦略的均衡理論を破壊するに足ると結論された。事実上、戦争の形態そのものを終焉に導き、国家の概念を「無意味化」する力を有している。 対象が暴走、もしくは第三者によるハックがなされた場合、OBLIVIONは惑星規模での文明崩壊を引き起こすと予測される(試算では48時間以内に推定人口の9割が消失)。 投入考案に関する議定(抜粋): ・議定案第0条: OBLIVIONは「最後の選択」としてのみ投入を検討される。 ・議定案第7条: 当該兵器を用いた時点で、以後いかなる文明的復興も見込まれないと判断されるため、「OBLIVION-PROTOCOL」の発動は即ち文明放棄の意志表明と見做す』 それはあまりにも大袈裟で、実現出来るものなのかさえも疑わしい内容だった。しかしこの場。EOSのトラック内にいる全員は1体たりとも疑わなかった。すでにこの兵器は完成し、そしてこの都市に格納されているのだと。 「今から俺らこいつを相手にすんのか? 無理じゃね?」 「勝率は極めて低いだろう。だが今更帰還することはあちらが許してくれないようだ。こんな機密情報、知った上で逃がしてくれると思うか?」 「やばいねこれ……もしかして僕たちってここで終わり?」 誰もが絶望するなか、EOSだけは希望を持っていた。 「推定勝率は1%以上あります。不可能ではありません。どう言う訳か設計図までこちらに譲渡されました。恐らく相手は……『恐らく勝てる』とでも言っているのでしょう」 「いやいやいや、かーっ。相手の考えてること全く分かんねえ……!」 「何度も言うが逃げ道はない。戦闘開始だ。EOS、目標付近まで移動してくれ」 「了解」
Episode.12 EOS
ほぼ核兵器と呼ばれた人類最大の戦力が今や敵となった。その兵器は既に人類の敵になってから10年が経ち、何をしていたかまでは判明していないが、少なくとも機械生命体の大量製造と工場または監視基地の建設をしていた。その数は止まることを知らず、人類最後の避難所と呼ばれるPOLEに配備されている、アンドロイドでさえも対処しきれない数となっている。 POLEの評議会はその基地を建造してから何度かアンドロイドの量産を考案はしていた。しかしアンドロイドの管理をするのもまた人間であるため、必要以上の製造は資源の枯渇を起こしかねないと懸念していた。だがその心配も1体のアンドロイド敵対によって棄てる事になった。 アンドロイドは最後の使命として人類を守ることを中心に動くが、守られる人類も簡単に殺される訳にいくまいとアンドロイドの量産を急遽決行。 そこで量産の助けとなる1体を急ぎ開発。現代の技術をただ詰め込み、戦闘用ではなく偵察用としての多機能アンドロイドを作った。評議会はそれを|EOS《イオス》と命名。 そうしてEOSは動作テストと性能実験のためにZERO、YMIR、LUXの3体と任務に同行することになった。 「ソナートラック展開。全員、こちらに乗車してください。アンドロイドのエネルギーコアを元に作られた大容量バッテリーが内蔵されているので、バッテリー切れによる走行不可は心配しないでください」 3体はトラックに乗り込めば、その多機能さにYMIRは不平を漏らす。どれも見れば本来のアンドロイドに搭載されていない機能ばかりで、まるで待遇が違うと。 「ワームホールに、コアバッテリー……なんか俺らより優遇されてね?」 「こちらのソナートラックに搭載されている機能は全てEOSの標準兵装です。EOSは一切の戦闘能力は無く。全て遠距離からサポートすることに特化しています」 「へぇ……。そりゃ楽しみだな」 「YMIR君さぁ〜? どうせ君には扱えない装備ばかりでしょ? 馬鹿みたいな火力だけ自慢してりゃいいの」 「誰が馬鹿だテメェ!?」 またしてもYMIRとLUXの煽り合いが始まろうとしているので、ZEROは2体の声に負けじと大声でEOSに命じる。 「それでは戦術サポートを開始してくれ!」 「了解。スキャン開始。……現在地より100キロメートル範囲内に6箇所の敵拠点を検知。最寄りの地点に移動開始」 スキャンにより敵基地の場所が判明すれば、トラックは指定した目的地へ急発進する。このような攻略方法はいわゆる大規模な各個撃破であるが、敵の基地建造ペースに間に合うのかとZEROは密かに考えていた。 そうして目的地に到着すればトラックは再度スキャンし、次は敵の数把握と警備システムのハックを始める。 「規模:中。敵の数は34。警備システム稼働を検知。ハッキングします。……アクセス成功。警備ネットワークに接続。中枢制御ノードを掌握。全警備機能、シャットダウン完了」 この敵基地の侵入は初なのにも関わらず、手慣れた速さで完全に、敵のシステムを無効化させた。その仕事の早さにYMIRは驚きを隠せず、操縦席に座るEOSの肩を叩きながら喜ぶ。 「おいおいマジかよ! 早すぎんだろ! なんてこいつをもっと早くに開発しなかったんだよ人間!」 「よかったねYMIR君。この前みたいに静かにやる必要は無くなったってことだよ。いくら暴れても通報されることはないね」 「っしゃおらぁ! この基地さっさとボコボコにして次行くぞぉ! こんなに武器選びが楽しくなるのは久しぶりだぜぇ……」 多機能トラックの中には、各アンドロイドの装備もいくつか置かれており、YMIRは陽気にミサイル系の武器を選んでいく。 「性能実験はこの辺りだろうか。EOSはまだ何か出来るのか?」 「現状出来るのはここまでです。敵がさらに何らかの対策をしていた場合は、出来る限りのサポートをします」 「分かった。LUX。今回はYMIRに全て任せても良いかもしれない。お前はいつもYMIRに絡んでいるが、コイツの面制圧がどれほどの物なのかを見るのも良いだろう」 「そうだねえ。今回は任せちゃおっかな〜」 「ハハハハ! テメェら見ていろ! これが俺様の力だぁ!」 武器を選び終わったYMIRはトラックの外へ出て武装を展開する。背中の変形機構から全12機のミサイルが左右に翼のように展開すれば、一斉に点火。凄まじい衝撃音と共に、空高く上空まで標的の位置まで弧を描きながら飛ぶと、途中で全てのミサイルが小型ミサイルへ分裂。ZEROらが乗るトラックの視点からは、小さな弾頭が雨のように基地に降り注いだ。 直後響くのは、基地全体。全ての方角から断続的に爆撃の轟音を鳴らす。その衝撃は空気を激しく揺らすほどで、これだけでどれだけの機械生命体が鉄屑になったのか計り知れない。 「ワァオ……こりゃ生き残りいなさそうだわ」 「ヒュー! やっぱりこれだよこれえ!」 「EOS。生き残りは?」 「敵の数、0。殲滅完了です」 「いやぁ……。確かにすごいけどさ。やっぱりコストが馬鹿にならないね。こんな生きてるだけも奇跡的な地球で、ここまでの弾薬をどうやってつくってるんだか……」 YMIRの一撃により、一つの機械生命体基地は壊滅した。これはEOSの動作テストより、YMIRの制圧力がどれだけの物なのかよく分かった回だったかもしれない。完全殲滅を確認すれば、LUXは素早く再利用可能なパーツを回収し、トラックに積み込み、また移動を再開した。
Episode.11 量産型
人類が最も最初に開発したアンドロイド|ORIGIN《オリジン》に遭遇した。大災害から今までに10年間行方不明でようやく発見したかと思えば、彼はすでに機械生命体側に付き、さらに指揮官と呼べるような立場にいた。 人類の存続を脅かす存在は、何であっても破壊対象となる。そう判断したZEROらは、彼を止めようとするが、圧倒的な力の差で敗北する。力だけではない、ZEROよりもさらに激しい紛争用に細かく調整されている彼は、技もまた強力だった。 そうして惨敗した3体のアンドロイドは、ORIGINが撤退時に棄てた工場から、自動車のトランクいっぱいのパーツを回収し、その一部を自己修復に当てることで、機能停止を免れた。 それからPOLEへ帰還。結果報告をしに作戦室に入るが、すぐに司令官に傷付いた事を気づかれる。 「帰ったか……どうやら一筋縄には行かなかったようだな……?」 「ただいまZERO帰還。司令官の言葉通り、最重要の報告有り。現在失踪中のアンドロイドORIGINを発見。しかし、すでに機械生命体の陣営に所属していることを確認した。ZEROはこれを最重要警戒対象に指定し、交戦を試みたが、ORIGINを1%も損傷させることはできなかった」 そうZEROは事の顛末を報告すれば、司令官は驚愕しながら机を叩いて身を乗り出す。 「ORIGINだと!? そんな馬鹿な。確かに公式では行方不明。失踪中ということにしていたが、あの大災害に巻き込まれて実はすでに破壊されたと評議会で決定していたのだ……まさか生き残っているとは。しかも今は機械生命体の味方か。これは非常に不味いぞ……」 司令官はZEROの報告に深くため息を吐き、リクライニング付きの椅子にどっしりと座り込めば、眉間を抑えて項垂れる。 何が不味いのか。それは万軍相手でも無傷で帰還し、命令を出せば基地の1つや2つ程度簡単に殲滅してしまい、最早核兵器と呼ばれたORIGINが現在敵であることである。俗に言う"こいつは敵に回してはならない"が現実となっているのであった。 故に、一言で『人類の存続が危うい』ということである。 「ごほん……不安になること言ってすまない。とりあえず当初の目的である新武器開発に必要なパーツは揃った。今から急いで作れば3日後には完成するだろう。ついでに余ったパーツでZEROとLUX専用武器も考えておく。さて、それまでの間だがこれからはパトロールではなく、機械生命体の殲滅と基地拡張を目的に動いた方が良いだろう」 「ん……? 基地拡張してどうすんだ? 人口は増えて無えだろ」 「あぁ、人間はな。逆にアンドロイドが増えている。ZEROのような完全戦闘用は無理でも、調整用の改造アンドロイドや全く新しい機体の製造も考えていてな。改造の応用としてYMIRとかには劣るが、量産型のアンドロイド製造には成功している。 もちろん彼らに感情は無く、これと言った特筆する機能は無い。コストは多少かかるが、のちにアンドロイドの軍が出来上がる予定だ」 POLEに残存する人口は1万人以下。ここから徐々に増やすことも可能ではあるが、1人産まれるのに最低数年はかかる。そこで評議会は軍拡のために量産型アンドロイドの製造を考えていた。 それぞれは非常に脆く、自律AIを組み込んでも十分に学習させる時間は無いため、低コスト且つ低機能のアンドロイドを量産することで、POLEの防衛力をあげようと言う算段である。 「アンドロイドの軍!? 前は質がなけりゃ抵抗は不可能って言ってたのによぉ。今回は数で押し切るってのか?」 「あぁ、今回のYMIR専用武器のように火力ゴリ押しで無ければ我々の技術でTitanを倒すことが不可能なことに変わりはない。だが数で押し切ろうとする考えは自体は前から上がってはいたんだ。そこで今回のORIGINの発見でほぼ決定するだろう」 司令官はそう現在に置かれた状況と方針を決めれば、LUXが理解を示すように会話に入る。 「つまり、これからもっと大変になるってことだよね? この3体で足りるかな?」 「あぁ、戦闘用では無いがまた新たに。アンドロイド軍に入れる予定だった1機を紹介しよう。まだ未完成だが、量産アンドロイドの計画が進むにつれて少しずつ強化していくつもりだ。こっちだ|EOS《イオス》」 EOSと呼ばれて司令官の横へ来たのは、本当に特筆のない簡素な造形のアンドロイドだった。銀色の装甲に、丸い頭部、ほっそりとした体型。一見してもどんな機能が備わっているのか判別がつかない。 「なんだぁ? コイツ」 「EOSと申します。偵察、情報伝達、作戦考案等、さまざまな戦術サポートに特化したアンドロイドです」 「ここでは詳しい機能は見せられない。とりあえず外へ出ればすぐに分かる。こいつの基本装備がな。それでは早速EOSの機能テストも合わせて、前から偵察隊から報告があった現在急増中の小規模機械生命体基地の殲滅をしてもらおう。大丈夫だ。必ず役に立つ」 「「「了解」」」 そうして次の作戦が決まれば新しく加わったEOSと共に基地の外へ出れば、早速EOSは機能を展開する。 何も無い完全平らな地面へ、ホログラムが展開すれば、それは実体化し1つの多機能トラックの姿となる。 「ソナートラック展開。全員、これから移動手段はこれです。乗ってください」 「|空間転移技術《ワームホール》か。既に完成していたとは……」
Episode.10 人型兵器
装備強化のために訪れた機械生命体の製造・保管工場にて、最初は順調に部品回収をしていたが、これまでに潜入してきたどの工場よりも厳重警備だったのにも関わらず、ほぼ発見無しに回収を遂行出来たのは、その地域を統括する1体のアンドロイドの策だった。 彼の名は|ORIGIN《オリジン》。大昔の人間同士の戦争に何度も駆り立てられいた、人類が最も最初に開発した人型兵器である。 ORIGINは工場を襲撃する3体のアンドロイドと対峙すれば、真っ先にその1体であるZEROに斬りかかる。 「何故貴方は機械生命体の味方をする? それらはもう人類に危害を及ぼす破壊対象である」 「なら俺の質問を先に答えろ。アンドロイドには如何なる理由があっても、機械生命体を妨害又は攻撃してはならない。そのように行動に制限が掛けられているはずだ。人間以外にそれを解除する方法はないんだがな?」 アンドロイドは元より人間の身辺をサポートするのが役割だが、機械同士であるが故に簡単に回路を接続することができるため、開発の時点で行動制限をかけている。しかし……。 「我々は人類を保護する使命にある。サポートではない。故にそんな制限は適用外だ」 「人類を保護? 冗談は寝言だけにしておけ! 人類の愚かさをお前はまだ理解していないようだな!」 互いの刀剣が鍔迫り合いになるなか、ORIGINは思いっきり斬りあげることで、ZEROを押し負かせば、すぐに構えを取り刀で胴を突く。が、それをZEROは咄嗟の後退と同時に切先を弾く。 「冗談ではない、現在残る世界人口は1万人を下回っている。我々はこれを護り続けるんだ」 「ならば滅ぼすまでだろう……機械生命体はそれを良く分かっている……!」 「なぜ我々の創造主たる人間をそこまで敵視する? 貴方は何を考えているんだ?」 「俺は開発されてから感情を持つことで、様々な人間とその心の動きを見てきた。俺は何度も戦争に駆り出され、何百万人の人間を殺してきた。だが何故だ? 一向に戦いは終わらないじゃないか……しかも今は機械同士の戦争にまで発展してる……! これを愚かの他になんという!? そんな人間を護り続けるお前らはなんなんだ?」 ZEROはこの間にORIGINの言葉を整理して理解を試みる。しかし、それは無理だった。ZEROにとって人類の存続と保護は至上の使命。彼が人間にどんな扱い受け、どんな境遇だったにせよ、これだけは曲げることはできない。だからZEROはORIGINを最重要警戒対象に指定する。彼の発言、人類を滅ぼそうとするその理由と思想は、非常に危険だと判断する。 「ORIGIN。貴方をここで逃がすことはできない。また貴方の言葉は理解できない。よって私はここで貴方を阻止する……!」 ZEROは防御体勢ではなく、相手を破壊するつもりで構え、全力突進。間合いに入れば素早く上段から刀を振り下ろすが弾かれ、間髪入れずに踏み込みつつ下方から掬い上げるように振りあげも空を切り、勢いそのまま刀を横へ薙いだ時、ORIGINは冷静に構えを取り、横から迫る刀へわざと剣をかち合わせてZEROのバランスを大きく崩す。 「この程度か。やはり俺の下位互換でしかないな。その程度で俺を止めるなんざ甚だしい……!」 バランスを大きく崩したZEROへORIGINは胴体へ剣を渾身の刺突。機械の小さな部品と火花を散らしながら、剣をすぐに引き抜いて甚大なダメージを与える。 「ZERO!! 歯ァ食いしばれえぇ!」 ZEROはどのアンドロイドよりも戦闘に特化しているからか、横槍をなかなか入れられないと黙って見ていたYMIRは、今こそだとエネルギーコアから脚部へ機動力を注ぎ、速度を上げつつ思いっきりORIGINへ殴りかかる。 「お仲間は……話にならないっ!」 ORIGINは余裕で剣を鞘に納めながら、体を捻らせて攻撃を回避すれば、同時に回し蹴りでYMIRの頭部で大打撃をかまし。一瞬よろめいた動きを見逃さずに、顔面へ右左右と大振りの拳を叩き込み、最後に後頭部を抱え込んで強烈な膝蹴りで顔面を潰す。 「それなら僕の速さについて来れるかな……え?」 「戦闘向きに改造されたぐらいで調子に乗るなよ? 雑魚が」 LUXは死角を取ってORIGINへ超高速突進蹴りをかますはずだった。しかしそれをすでに気付いていたのか。ORIGINは脚を頭上高くあげ、YMIRから一歩下がった位置から踵落としをすれば、その地面にはLUXが踏みつけられていた。 結果はあまりにも酷い。その一言で済ませられるような惨敗だった。現状、この3体ですらORIGINに敵う者はいない。それは本当に一瞬の出来事だった。傷一つすらつけることも叶わなかった。ORIGINはまたため息を吐けば、相手アンドロイドの弱さに心底がっかりしながら、機械生命体へ撤退を命じる。 「もう良い。我らの敵は人間だけだ。アンドロイドの破壊が目的じゃない。全機械生命体に命ずる。俺たちの技術ならさらに強固な工場を建設出来るだろう。もうここは棄てる。全員、撤退だ」 そう言えば、工場の出口を封じていた全ての機械生命体は何も言わずにぞろぞろと解散していった。それに続いてORIGINもその場から静かに去っていく。ボロボロに傷ついた3体を残して。 「またしても散々にやられちまったな……」 「損傷率大。戦闘続行はほぼ不可能と推定。しかしまだ稼働は可能。この棄てられた工場には未組み立てのパーツが膨大に保管されている。自己修復と持ち帰るパーツは必要以上にあるだろう」 「そういやそうだったな……。帰るか」
Episode.9 最初のアンドロイド
機械生命体Titan《ティターン》襲来によって大打撃を受けたPOLE所属のアンドロイド三体は、装備強化のためにかつて人間が作った機械生命体の製造・保管工場へ到着する。 「ここが例の工場かぁ……スクラップの匂いがプンプンするぜぇ……」 「アンドロイドに嗅覚器官は存在しない」 「ZERO! いちいち分かってることを言うんじゃねぇ! ったく、こんな性格に作ってくれた開発者にこんなにも恨む時が出るとはなぁ」 「君たち、そんな無駄話はそろそろ終わりにした方がいいよ。ここからは要警戒区域だ。君たちが数時間前に行った場所とは違って、ここは"稼働中"だからね。警備も伊達じゃないさ」 製造工場は現在も稼働中と言われており、その管理者こそが機械生命体である。人間は工場の管理まで機械に任せていた訳であるが、この機械生命体が人類の味方か否かは、今考えるべきではない。 工場に入ればアンドロイドらの視界と警網システムによって施設全体にこれでもかと張り巡らせられた信号回路が見える。 「ほぉ? そんでLUX、お前の言った通り暴れ回るのは得策じゃないってのは分かった。じゃあお手本見せてくれよ」 「やだなぁ。別に良いけど、僕の速さをみて参考に出来る? 瞬きしちゃだめだよ」 そうLUXはやれやれといった態度を取れば、忽然とZEROとYMIRの前から姿を消せば、いつの間にか正面遠くにいる見張りをしていた二体の人型機械生命体の、エネルギーコアを凄まじい速さでダガーで貫いていた。そして力無く倒れ伏せる二体の間で決めポーズをする。 「録画した。YMIRにも共有する」 「お、サンキュー! ……いやこれ、普通に速すぎてバレてねえだけじゃねえか! まぁそこは工夫しろって話だろうな」 そこで遠くにいるLUXから注意の無線が入る。 『敵にバレなくても監視カメラにバレたら終わりだからねっ』 「あーそういやそうだったわ。俺様の不得意分野だけど、行くとしますかァ!」 そうしてアンドロイドらは三方へと散らばり、物陰に隠れながら次々と巡回中に孤立した機械生命体を破壊していく。LUXは自慢の速さを持って視認される前に貫き、ZEROは全ての監視カメラの死角を狙って一撃で。YMIRはカメラが不審者以外に反応しないことを逆手に、ワイヤーフックで死角へ引き寄せながら拳で貫く。 順調に再利用可能なパーツが集まるなか、誰ひとりとして順調すぎる進捗に疑う者はいなかった。万が一警報が鳴り、大勢の機械生命体を相手にすることになろうともこう簡単に潜入出来るくらいならとたかを括っていた。 「そろそろ大分集まったんじゃねえか? 確か目標は数百とかだったか?」 「良いんじゃないかな。まぁ、僕の手ならこのまま全滅も可能だけど」 「三機のパーツ回収総量は目標に到達している。確かに減滅も可能だが、本来の作戦と別の行動による弊害は想定出来ない。よって、これより帰還する」 アンドロイドはたしかに人類を守ることを最優先事項としているが、それは人間の命令に忠実に従うことも含まれる。 自身の能力を活かしてより大きな戦果を持ち帰ろうとすることは悪いことでは無いが、人間の想定外ではなく、アンドロイドに責任が乗る想定外は擁護しようにも仕切れない。地球の資源が潤沢であれば話は違っていたが。 そうして工場の出口までもカメラに発見されないように慎重に移動しながら、ZEROは無線で帰還報告しようとしたその時だった。ZEROは正面に映る異様な光景に報告を止める。 「なんだぁこれは……。機械生命体ってこんな知能持ってたか?」 「おっと、どうやらしてやられたようだねぇ。確かに僕らは監視カメラや、センサーに一度も引っかかっていない。なーのーに、それらの警備システムは僕らをあえて泳がせる知能を持っているようだ」 「いやいや。警備システムが不審者を泳がせるとか警備の意味無えだろ」 「全くYMIR君は言葉をそのままの意味しか受け取れないのかい? 警備システムを管理していたであろう機体が僕らを手のひらで転がしていたと言っているんだ」 その光景とは出口を完全に封鎖し、こちらに銃口を向ける機械生命体の整列だった。機械生命体には元より敵を包囲しようとする知能が無いことは周知の事実であり、かつての警備システムを積んだ機械生命体も、事前にプログラミングされた行動しかやらない。 今回の大災害によって機械生命体は新たに人類の滅亡を使命にしたが、それは目的のアップデートに過ぎず、機能向上ではない。 さて、これだけの包囲網ならばYMIRの力で強行突破も可能だが、そのYMIRは視覚レンズで包囲の奥に別の何かを捉えていた。 「なんだぁありゃ……アンドロイドじゃ無えよな?」 「何を言っているんだいYMIR。僕らは救援信号は送ってないよ?」 YMIRの視界で捉えた物は確かにアンドロイドだった。しかし現状全てのアンドロイドはPOLEが所有しており、人間の命令の外で動くアンドロイドは存在しない。故にYMIRは単に見間違いをしているのではとLUXは諭すが、その瞬間。YMIRの視界から忽然と姿を消したと思えば、すぐ隣でZEROは正体不明のアンドロイドと既に刀をかち合わせていた。 「貴方は何者だ。非登録アンドロイドか?」 「非登録か……。ZEROよ。俺はお前を知っている。貴様も俺を知っているはずだ。兄弟を忘れるとはなんて薄情者だ……」 「アンドロイドに血縁関係は存在しない。故に貴方は知らない」 「全く、やはり無感情とは話にならんな……! 記憶を探れ! ZERO! お前たちは何がしたい!」 正体不明のアンドロイドはZEROの話の通らなさにため息を吐けば、叫びながら蹴り飛ばし距離を大きく空ける。 吹き飛ばされたZEROはなんとか受け身を取りながら、相手アンドロイドの戦闘データから記憶を参照する。 「外装、外観、性能。また感情プログラム搭載アンドロイドでZEROより先に開発されたアンドロイド……。1件が該当。貴方は、ORIGIN《オリジン》か?」 「ようやく思い出したか。ZERO。別に探してもいなかったが、こんなところで会えるとは予想外だった。では思い出した所で違反行為の精算をするとしよう」 そうZEROがアンドロイドの正体を思い出すや否や、また突進してくる攻撃に防御で凌ぐ。 ORGIN。それは人類が最も最初に開発した特異点到達前のアンドロイド。当時はただの兵器として開発され、しかし一機で核兵器に及ぶほどの力があったと言う。 人類は核兵器の製造はあらゆる国で禁止されていたが、それに準ずる力を持つアンドロイドの製作として二番目にZEROが開発された。大災害の後に行方不明となっていたアンドロイドとは、彼のことである。