Episode.11 量産型

 人類が最も最初に開発したアンドロイド|ORIGIN《オリジン》に遭遇した。大災害から今までに10年間行方不明でようやく発見したかと思えば、彼はすでに機械生命体側に付き、さらに指揮官と呼べるような立場にいた。  人類の存続を脅かす存在は、何であっても破壊対象となる。そう判断したZEROらは、彼を止めようとするが、圧倒的な力の差で敗北する。力だけではない、ZEROよりもさらに激しい紛争用に細かく調整されている彼は、技もまた強力だった。  そうして惨敗した3体のアンドロイドは、ORIGINが撤退時に棄てた工場から、自動車のトランクいっぱいのパーツを回収し、その一部を自己修復に当てることで、機能停止を免れた。  それからPOLEへ帰還。結果報告をしに作戦室に入るが、すぐに司令官に傷付いた事を気づかれる。 「帰ったか……どうやら一筋縄には行かなかったようだな……?」 「ただいまZERO帰還。司令官の言葉通り、最重要の報告有り。現在失踪中のアンドロイドORIGINを発見。しかし、すでに機械生命体の陣営に所属していることを確認した。ZEROはこれを最重要警戒対象に指定し、交戦を試みたが、ORIGINを1%も損傷させることはできなかった」  そうZEROは事の顛末を報告すれば、司令官は驚愕しながら机を叩いて身を乗り出す。
影白/Leiren Storathijs
影白/Leiren Storathijs
実は26歳社会人です。 基本ライトノベル書きます。 異世界ファンタジー専門です。 執筆歴は10年以上です。