Episode.10 人型兵器

 装備強化のために訪れた機械生命体の製造・保管工場にて、最初は順調に部品回収をしていたが、これまでに潜入してきたどの工場よりも厳重警備だったのにも関わらず、ほぼ発見無しに回収を遂行出来たのは、その地域を統括する1体のアンドロイドの策だった。  彼の名は|ORIGIN《オリジン》。大昔の人間同士の戦争に何度も駆り立てられいた、人類が最も最初に開発した人型兵器である。  ORIGINは工場を襲撃する3体のアンドロイドと対峙すれば、真っ先にその1体であるZEROに斬りかかる。 「何故貴方は機械生命体の味方をする? それらはもう人類に危害を及ぼす破壊対象である」 「なら俺の質問を先に答えろ。アンドロイドには如何なる理由があっても、機械生命体を妨害又は攻撃してはならない。そのように行動に制限が掛けられているはずだ。人間以外にそれを解除する方法はないんだがな?」  アンドロイドは元より人間の身辺をサポートするのが役割だが、機械同士であるが故に簡単に回路を接続することができるため、開発の時点で行動制限をかけている。しかし……。
影白/Leiren Storathijs
影白/Leiren Storathijs
実は26歳社会人です。 基本ライトノベル書きます。 異世界ファンタジー専門です。 執筆歴は10年以上です。