Episode.13 OBLIVION

|EOS《イオス》の多機能トラックによって敵基地の破壊はEOSがいなかった時より極めて効率的に進行している。スキャン→発見→システム妨害→基地破壊という一連のパターンを作り出し、敵基地の建造ペースにどこまで追いついているかは分からないが、ものの数時間で5個以上の基地を破壊し回っている。  アンドロイドは半永久的にエネルギーコアにより稼働しているので、人間で言う休憩は必要無い。強いて言えばオーバーヒートした場合に限る。 「ハッハッハ! こんなに暴れ回ったのは久しぶりだぜ!」 「YMIR? 気付いてるか分からないけど、君の弾薬はもう尽きかけているんだよね。本基地に戻れば補充は出来るけど、きっと怒られるだろうなぁ」 「う、うるせぇな! 実際に一撃で木っ端微塵に出来てるんだから良いだろうがよ!」  何故YMIRがどれだけ弾薬を使っても補充が出来るのか。それは至極単純。武器を製造するための資源量をYMIRが破壊して獲得してくるパーツが超えているからである。故にYMIRに至ってはほぼ現地調達に近い。  しかし何故人間は怒るのか? いくら現地調達とは言え、やはりコストは馬鹿にならない。いつかコストオーバーした時、十分に補給できないからだろう。  そう楽しげにYMIRとLUXが語り合っていると、EOSは1つの検知を報告する。
影白/Leiren Storathijs
影白/Leiren Storathijs
実は26歳社会人です。 基本ライトノベル書きます。 異世界ファンタジー専門です。 執筆歴は10年以上です。