Episode.9 最初のアンドロイド

 機械生命体Titan《ティターン》襲来によって大打撃を受けたPOLE所属のアンドロイド三体は、装備強化のためにかつて人間が作った機械生命体の製造・保管工場へ到着する。 「ここが例の工場かぁ……スクラップの匂いがプンプンするぜぇ……」 「アンドロイドに嗅覚器官は存在しない」 「ZERO! いちいち分かってることを言うんじゃねぇ! ったく、こんな性格に作ってくれた開発者にこんなにも恨む時が出るとはなぁ」 「君たち、そんな無駄話はそろそろ終わりにした方がいいよ。ここからは要警戒区域だ。君たちが数時間前に行った場所とは違って、ここは"稼働中"だからね。警備も伊達じゃないさ」  製造工場は現在も稼働中と言われており、その管理者こそが機械生命体である。人間は工場の管理まで機械に任せていた訳であるが、この機械生命体が人類の味方か否かは、今考えるべきではない。  工場に入ればアンドロイドらの視界と警網システムによって施設全体にこれでもかと張り巡らせられた信号回路が見える。
影白/Leiren Storathijs
影白/Leiren Storathijs
実は26歳社会人です。 基本ライトノベル書きます。 異世界ファンタジー専門です。 執筆歴は10年以上です。