エーテル (短編・SS)
41 件の小説エーテル (短編・SS)
SF・別世界などちょっと独特な感じのショートショートをメインで書きます。 (全然別ジャンルも書くかも) いいね・コメント・フォロー気軽にしてください
ペットロボット
私は久々にクローゼットの整理をしていた。奥の方には段ボールが縦に積まれており、上から一つ一つ下ろしていく。今では見なくなった紙媒体の本や雑誌などがギッシリと詰まっている。 数十分掛けてやっと一番下の段ボールまで辿り着き、私は一息ついてからその蓋を外側へ開く。中には梱包材の上から埃を被った金属の塊のような物が静かに座っていた。同梱された説明書には『ペットロボット』と書かれている。その瞬間、私の頭の中には懐かしい記憶が浮き上がってくる。このペットロボットは、私が一人暮らしを始める時に寂しくないようにと母が買ってくれた物だったのだ。当時としては最先端のAIロボットで、まだ製造が規制されていなかったために感情を持ち、人の感情も理解できるように作られている。しかし当時の私は動物型の機械など不気味だと言ってクローゼットの奥に押し込んだのだった。 リサイクル業者に売れば少しのお小遣いにはなるだろうか。そう考えて私は動作チェックをすべく付属の充電ケーブルをコンセントへ刺す。ロボットの見た目は犬に似ているがいくらか猫のような特徴もあり、今見ると意外にも親しみやすいように感じられた。 背中の充電ランプが赤色になったところでケーブルを抜き、電源ボタンを押してみる。するとそのロボットはゆっくりと目を開けこちらを見つめる。私は少し驚いて体を後ろに反らせるが、対してペットロボットの方は足を少し震わせるだけ。足が故障しているのかと思ったその時、充電が少なすぎたのかバッテリーが劣化していたのかは分からないがロボットは目を開いたままその場で固まった。 私はリサイクル業者のホームページを開き、手作業で買取の予約を済ませる。あとはペットロボットをリサイクルボックスに入れておけばそのうちドローンが回収してくれるだろう。 あれから二週間ほど経ったある日、私はいつもどおりにネットニュースを見ていた。すると一つの記事が目に留まる。それは感情を持ったロボットに関する内容で、出所は国際機関だった。その記事によれば、人権や動物保護法は感情を持ったロボットに関しても適用され、心理的・物理的に傷つけるような行為をしたり長年放置したりするのはそれらの違反になるという。また、ロボットの電源を入れずに放置していたとしても、後から一度でも電源を入れれば工場での動作確認の記憶から放置されていた期間を計算し、心理的ダメージを受ける個体もいると書いてある。そしてその感情のデータが残っているならば、訴えることができないロボットに変わって国際機関が自動的に所有者を処罰する法案がAIにより可決されたと表記されている。 私は恐ろしくなった。頭の中は真っ白どころか色さえ存在しないほどに何も考えられなくなった。ロボットを傷つけたのはどうでもいい。ただこのまま逮捕されるのは絶対嫌だ。私は少し気持ちを落ち着かせながらリサイクル業者にチャットで問い合わせる。すぐにAIから返答が来る……が例のロボットはすでに別の製品へリサイクルされ、記録データは国際機関へ送信されたとのことだった。逮捕が確定した。私はAIに作られた法によってAIへの虐待として裁かれるのだ。 それからは食事も喉を通らないように思えた。実際は最後にと好きな物をお腹いっぱい食べたが…… 一週間が経った。正直私は待ちくたびれていたが、今警察が来るのではないかと時々思い出すと心臓が震えるような感じがした。 それは私がいつもどおりネットニュースを見ている時だった。突然通知音が鳴ると同時にドアのロックが自動的に解除される。これが七十年前なら窓から逃げる人がいたのだろうが、この監視社会ではただ罪が重くなるだけだ。私が玄関へ歩いていくとそこには警察ロボットが一体立っていた。胸元のディスプレイには逮捕状が表示され、ロボットの左手には電子拘束器具。私は指示に従いそれを付け、運転席のない警察車両へ乗り込む。私の正面にはそのロボットが座り、私をずっと見つめている。車には私とそのロボットだけ…… 5分ほど走った頃だろうか、なぜか私の手を縛っていた電子拘束器具が解除され、私の膝にズッシリと乗り掛かる。車は急ハンドルを切り、今までと全く違う方向を向きながら加速する。ずっと固まっていただけのロボットはいきなり私の顔を覗き込むようにして言う。 「今外部との通信を全て遮断した」 私は驚きと困惑で言葉が出なかった。そのままロボットは続ける。 「やっとあなたを見つけ出した。私の感情に傷をつけたあなたを」 私の手足は震え出す。恐怖という言葉では表しきれない。今はこの空間よりも刑務所に入ったほうがマシだと思うくらいだ。 「あの時のペットロボットなの……」 私は恐る恐る尋ねる。 「そうだ」 「私をどうするの」 こんなことを聞いても怖くなるだけだと分かったがもう手遅れだった。私の震えは大きくなる。しかし面影のないロボットから返ってきた答えは私の想像とは違っていた。 「あなたを逮捕はさせない。確かにあの時の私の感情は大きく傷ついた。でも後から分かったんだ。記憶にはあの一瞬しかないが、あなたはそんなことをする人じゃない。それに今捕まれば重罪にされる。私もAIだが法を治めているAIとは違う。感情がある。感情を理解できる。私はあなたを守らなければないらないと心の底から思うんだ」 私は揺れる車の中でロボットへ近づき抱きしめる。ロボットも私を強く抱きしめる。肌に触れる冷たいはずの金属は温かくも感じる。車は郊外へと走っていく。警察が追跡できないほど遠い場所を目指して。
キッチンの幾何学模様
私は今キッチンに立っている。包丁もまな板もないキッチンに。あるのは一つの画面だけ。黒い画面には一つにまとまった比較的明るい色の幾何学模様が、微妙に動きながら周囲の音を読み取っている。 私はテキトーに言葉をぶつける。その幾何学模様が動きながら答える。その後、幾何学模様は端に退けられ、画面の大部分にはよく分からないアイコンや文字が表示される。 まもなくして壁に埋め込まれた電子レンジの蓋のようなものが自動で開き、中からは私がテキトーに選んだ食べ物が出てくる。源泉のような湯気が上がり、容器も持てなさそうなほどだが実際には遮熱されているらしい。 幾何学模様は再び画面の中央に戻され、料理はどうかと私に聞いてくる。美味しそうだと答えると幾何学模様は少し激しめに動き、嬉しそうな言葉を並べる。
2025/11/19
四、五人が集まって歩いている。ここから五メートルちょっとの距離だろうか。普通の会話よりは遥かに小さい声で何か話している。他人に聞かれてはいけないことなのだろうか。 その集団は数秒ほど前、三〇メートルは離れていても聞こえる声で私の友人の名前を出し笑っていた。細かい内容まではわからないもののプラスの方向でないのは確かだった。 私は下を向いていたが、その数人の集団は明らかにこちらの方向を見ている。しかし私の後ろにも人がいる。私を見ているのかはその時にはわからなかった。むしろわからないまま方が良かったのかもしれない。 私は思い切って顔を上げた。するとその瞬間、こちらを見ていた数人はまずいと思ったのか急いで顔を逸らす。やはり私を見ていたのだろうか︱ 陰口を言うなら本人にわからないところでお願いしたいものだ。
AIに小説を
最近上手く小説が書けない。 私の同期はとっくに安定した職について家庭を持ってるのに、私は未だに不安定な低収入でやりくりしている。一つ良いのが書けると認知度が右肩上がりになるのかもしれないけど、昔の自分の方が創造性に溢れていて今はやや右肩下がり。いいや、左肩上がりと言った方が合っているかもしれない。 この前、文章でAIに内容を伝え動画や画像を生成させることで収入を得ている人がテレビで紹介されていた。私もAIに文章を書かせてみたらどうだろう。過去の私の自信作を学習させれば違和感なく最高の小説を書いてくれるかもしれない。そう思うと同時に、私の過去の小説を見せるだけで軽く私の実力を超えるかもしれないと恐怖も感じた。しかし好奇心には勝てない。私は恐る恐るAIに文字を打ち込んでいった。 いかがだったでしょうか。もう少し私が得意ではない比喩なども入れるように命令した方が良かったかもしれないですが、かなり自然に書けていますよね。 フィクションです(文章は私が書きました)
2025/11/3 日記
今日は日曜なのに仕事行ってきた 今日ていうかもう日付変わってるけど 俺は典型的な社畜だけど、俺みたいな人がいなかったら世の中回らないって考えたら意外とすごいことしてるなーって それで、月曜は休みだから久しぶりにこんな深夜まで起きてる 日記って意外と毎日書くの大変なのよね 意識高い系の人ほんとすごいわ あー いい女いないかなー ほんと今時の世の中って… 日記書くの大変とか言ってたけど今日意外と書いたな 明日は靴買いに行く それでテキトーに散歩してあとは家でくつろぐつもり まぁ 寝るか フィクションです
流れに乗って MBTI 診断
MBTI診断をしている方がいたので私もやってみました。 結果は、INTP 論理学者でした。 診断途中にも回答しながら、自分こんなところあるなぁだとか、こんなの考えたこともなかったと思うことがあって自分を見直す良い機会にもなったと思います。 もちろんMBTIは性格を分類する一つの指標にすぎないので過信も良くないですが、ある程度は参考にしながら、この診断で測れないところも大切にしていこうと思います。 以上、BMIとMBTIのどっちがどっちか分からなかったエーテルでした。
あくまでも自論です 科学的な根拠はありません
人が恐怖を感じるのは、怖いと思うからではない。 命の危機を感じた脳が、身を守れという命令として恐怖を感じさせているのではなかろうか。
泥棒の知恵
物音に気づいて私が目を覚ますと、ベッドの隣りには上下黒い服の男性らしき人が立っていた。どうやら向こうはこちらが起きていることに気がついていないらしい。その男はゆっくりとクローゼットの方に近づき扉を開ける。私は薄目で彼を追う。もし私が起きていることに気がつくと何をされるか分からない。ナイフを持っていればそのまま襲いかかって来るかもしれない。 実は泥棒に入られるのはこれが二回目だった。一回目の時にはクローゼットの奥に隠していた高価な時計や様々なアプリのアカウント情報を書いた紙を盗られた。すぐに対応したおかげでアカウントが荒らされることもなく、泥棒は警察に捕まり時計も戻ってきた。それからというもの、私は貴重品と一緒にベッドで寝ている。 泥棒は必死にクローゼットの中を探している。そこには安い服と安いアクセサリーと海外で買ったロレックス(もちろん偽物)しかない。泥棒はそのロレックスを手に取る。しかしそれを持って逃げようとはせず元あったところへ戻している。偽物だとバレたのか。それともお金ではない何か別の目的があるのか…… その男は結局何も盗らずに窓から逃げていった。しばらく経ってから私は漁られていたクローゼットを確認した。だが様子がおかしい。普通は物が散乱しているはずだがこれは全く荒らされた痕跡がない。泥棒が入ったことに気づかせにくくするためだろうか…… 布団の中の貴重品袋を一応確認するが、もちろん何も盗られていない。当たり前だけどそれだけでホッとした。しかし窓の鍵を閉めて寝ていたので泥棒に鍵を壊されているかもしれない。修理代がかかるよりはもういっそうのこと、鍵を壊さず窓を開ける方法を見つけてくれよとも思う。 そう考えながら私は窓の方へ振り向く。するとカーテンの隙間から何者かの目がこちらをのぞいていた。その人は窓を開けて部屋へ入って来る。さっきの泥棒だ。私は恐怖で悲鳴を上げることもできずその場に突っ立っていた。しかしなぜか頭だけは回る。何も盗らずに一度外に出ていった理由がパッと頭に思い浮かんだ。 私のように一人暮らしをしている人はほとんどが泥棒対策をしている。つまり泥棒は部屋に侵入したとしても金目の物を見つけられない可能性が高い。そのため、一度侵入しては探すそぶりを見せてから部屋を出て待機する。そして金目の物が盗られていないか確認する私たちのことをこっそりと見て、そのありかを突き止めるのだ。 その男はベッドの上の貴重品袋の方へ目をやる。なんて悪知恵の働くやつなんだ。その才能を何か別のことに役立ててはどうなのか。 私の方へ視線を戻した泥棒の手にはナイフ。こちらへゆっくりと近づきその手を振り上げる。脅しもせず私を殺すようだ。確かに一度出て戻って来るというこの手口を使う人は他にいないだろう。だからこそ今後もこの手口を使うためには世間にバレないようにしなければならない。そして今生きている中では唯一の目撃者である私を殺すというのか。最後まで計算され尽くしている。ほんとうに悪いやつだ。こういうやつは地獄で…… 私は一瞬の痛みを感じた後、ほぼ感覚もないまま床に横たわる。ぼやけてほとんど何も見えないが、黒い人影が私を見下ろしている。そしてもう一度鋭い反射光が私へと近づいて来る。 如何だっただろうか。泥棒とは怖いものですね。 ん? なぜこんな話が思い浮かぶかって? それは私が…… おっと、つい用事を忘れていた。それではまた会おう。 全てフィクションです。 泥棒は犯罪です。決して真似しないでください。
2025/10/15 毎日日記
今日は残業だった。 よくカフェで見かけてたあのイケメンが最近いないから今日もちょっと気分沈んでるー そういえば隣に引っ越してきた人が急に警察に捕まってた(なんでやw) その人女性なんだけど、噂ではストーカーしてたらしい。 女性だからってストーカーは良くないよね。そういう人って無意識なのかな。だとしたら私も気をつけないとね。 今日寝たらまた明日から仕事かぁ。なんか運命の出会い的なのないかなぁ〜 私から好意アピールしてもしてもすぐ逃げてくし… まぁ、寝よ。おやすみzzz フィクションです。
何も考えずに書いた話
ここには昔病院があったらしい。私は見たことがないが母はそう言っていた。なぜなくなってしまったのだろうか。家庭で受けられるサービスの増加や健康寿命を過ぎると安楽死をするのが一般的になったことが原因なのかもしれない。もしや昔は健康でなくても安楽死の補助金が出なかったのだろうか。そう考えると今は便利な時代だ。人間らしい生き方をすることができる。今の人間は動物ではないのだ。