引っ越しをした理由

仕事から帰ると玄関のドアの鍵が空いていた。 ドアノブを捻ってほんの少し引くと明かりがついているのが分かる。 おそらく鍵はただの閉め忘れ。おっちょこちょいな私は過去にも二回ほどあった。そして電気がついているのは防犯のために自動で点灯するよう設定しているからだ。 私は靴を雑に脱ぐと、この時間に湧くよう設定した風呂へ入るために下着姿になった。 コンタクトを外した後、私は勢いよく肘を壁にぶつけてしまった。それは「痛い」と感じる前だった。上から何かが落ちてくる。コンタクトを外したせいで何が落ちてきたのかよく見えない。 手に取り顔に近づけて見た後、私はそれをすぐにお湯を張った風呂の中へと放り込んだ。 消しゴムほどの大きさの白くて四角い物体は、黒いレンズの面を下にして浮かんでいる。 これがノンフィクションにならないよう、皆さんは気をつけてください。
エーテル (短編・SS)
エーテル (短編・SS)
SF・別世界などちょっと独特な感じのショートショートをメインで書きます。 (全然別ジャンルも書くかも) いいね・コメント・フォロー気軽にしてください