合法的に盗む方法

ヘリからのスポットライトに俺は照らされる。 宝石を盗み出そうとして見つかったのはこれが初めてではない。その度に俺は逃げてきた。 かといって俺は宝石を売って莫大な金が欲しいわけではない。今は必要最低限の生活費があればそれでいいのだ。 俺は狭い路地に入りパトカーの追跡を止める。ついでにヘリの死角にも入る。下調べのとおりに隙間を潜り抜け、地下水路へと降りる。さすがにここまでは追ってこれないだろう。 俺は警察へと電話を掛ける。 「警報システムはしっかりしてましたけど、結構逃げやすかったですよ。改善すべきところはかなりありますね」 「了解。現在地を教えてくれ」 人の役に立つのは気持ちがいい。それに現役の頃のようにスリルも味わえる。まさに天職だ。
エーテル (短編・SS)
エーテル (短編・SS)
SF・別世界などちょっと独特な感じのショートショートをメインで書きます。 (全然別ジャンルも書くかも) いいね・コメント・フォロー気軽にしてください