卸売生姜
5 件の小説第四話 森の嫌われ者 後編
…ポシェットからポーションを取り出し、一気に飲み干す。子供の頃魔素中毒を何度か経験したことにより、耐性はあるがもって3分だっただろう。 微かに低い唸り声が聞こえた。振り返らずともわかる。 「…まずい、近頃見かけないと思ったら…。なんでこんなところで魔素に当てられてるのよ…」 そこにはよだれを垂らし、鋭い目でこちらをみる狼がいた。それも魔素に当てられ、凶暴化したやつだ。 ゆっくりと歩きながらカウントダウンを始める。8… 7… 6… 5… (…一か八かやるしかない!!)2… 1 ! 『バインド‼︎』 カウントが終わった瞬間に振り返り、呪文を唱える。そして周りの蔦が伸び、狼に襲いかかる。完全に拘束できる訳ではないが、彼女が逃げるには十分な時間が稼げた。 (走れ走れ走れ走れ‼︎…)ポーションも走りながら飲んでいるため、まともに体力は回復しない。 そのまま走り続け、ようやく目的の場所に着いた。それは小屋だった。石造の壁に木の屋根のついた、小さくとも立派な小屋だった。森は草木が生え放題で荒れ果てた有様だが、その小屋の周りだけは、森が避けているようだ。 (コン、コン…)正面の扉にノックをしてみる。 返事はない。だが、ガチャリと音が鳴り、扉が開いた。中には、机と椅子,本棚に、草とトカゲが入った瓶,見たことのない植物の標本など。不思議なもので溢れていた。 「ーこんにちわ…お嬢さん…」頭の中に直接音が聞こえてくる。「ー驚いたかい?」 「驚いたわ、ただ表に出すのが昔から苦手なの…」 「ーそうかい。まあそれも一つの長所だよ。相手を騙す上では常法するさ。」 「ーさてまあそこに腰掛けてくれ。ここは魔素の影響を受けないからゆっくりしていくといい。」 椅子が引かれ、ティーカップとポットが動き出す。 「私はどうして呼ばれたの?早く本題に移りたいのだけれど.」声の主は苦笑する。 「(…本当にそっくりだね昔を思い出すよ。)…その前に昔話をしようじゃないか…さて聞いてくれるかい?………森の嫌われ者の話を.」 暖かい飲み物とオレンジ色のジャムのかかった固めなパンは粗末なものだが、森に入ってから一度も休憩をしていない尚且つ、昼飯を抜かした少女を誘惑するには十分だった。 ※その頃のおっさんとアミカ 「…はらぁへったなぁ〜…」おっさんは独り言を漏らす。一方、 (すーっ…すーっ…)アミカは微動だにせず、いまだに眠っていた。
第一話 嫌われ者の少女について
私はルミル・オルスト、属性は無。属性判定は5歳の時にするのだけれど、私の目の色素はなくなってしまったから、できなかったの。 真っ黒な髪。色素のない白い目。 私はみんなに嫌われている。それでも家族は私のことを愛してくれていたと思う。でも村のみんな全員がそうとは限らない。私に近づきたがる人は滅多にいなかった。影ではみんなこう言ってる。 「こっちに来るな」,「邪魔」,「迷惑」など…最初は聞いてて嫌だった。でも、いつのまにか慣れた。傷つかないわけじゃないけど、遮ってくれる親友がいるから耐えられる。まあ寝てたら聞こえないし、別にいいかなって思ったりもする。 でも寝過ぎてたまに怒られる。 「ちょっとたまにじゃないでしょ?あなた1日の半分以上は寝てるじゃない。」 アミカが来た。彼女はアミカ・シュルト、属性は火。明るく活発的ではあるが、知らない人と話す時はコミュ症が炸裂し、しどろもどろになる。あと、たまに手がでる。 私が寝坊したり、昼間に熟睡していると起こしに来てくれる。 「いつもありがと……」 「ルミル…まだ寝ぼけてない?…って寝るな〜!話の途中で!!」ルミルは怒ると怖い。そう言う時はちゃんと起きるようにしている。 「あんたね…ゴホンッそれで、本題だけど、今日の放課後も絶対精霊探しにいくんだからね‼︎約束ちゃんと覚えてるのよね?…」怪しむような目で私を見る。 「もっもちろん覚えてるよ‼︎放課後に精霊探すんでしょ?いいな〜アミカの精霊は決まってて…」 「まあその精霊がたまたま火属性で実習の時に来てくれたってだけだから…ルミルのもきっと見つかるわ!!じゃあ私、席戻るから、またね!!」 精霊と人間は生まれた時からなんらかの縁で繋がっている。私はその縁がないのかな… …席についてください!授業を始めますよ〜… 「あっ先生が来た。最初は歴史か…もう何度も国の話は聞いたのに…先生もよく飽きないな〜…」先生が教本を取りだし、授業が始まる。 私はそれを窓際の席から見つめ、徐々に瞼を下ろしていく。そして私は船を漕ぎを始めた… どうも…卸売生姜です。読んでくださったみなさま大変申し訳ありません!昨日か、一昨日投稿した一話を誤操作で消してしまいました😭🙏。 本当に申し訳ありません🙇。 改めて、一話を書いたのですが、 内容が多分だいぶ変わってます!😱 本当にすみません!まじで気をつけます… …それでもまだ読んでくださる方はまた次回の終わりにお会いしましょう…はあ…本当にごめんなさい🙏
第三話 森の嫌われ者 中編(一人で…)
「嬢ちゃんが、本当にこの先に行くのかい? やめておいた方がいいよ?まあいくなら自己責任やし、止めないよ?止めないけどさ…」 「じゃあなんで今止めてるんです?」 「危険だって言ってるちゅうのにどうして嬢ちゃんは…」おっさんが呆れている。 「アミカをお願いします…それじゃあ‼︎」 私は森の奥へ進んでいく。 とその前に、話は少し前に遡る… 二人は走って十分のところにある、アレン川森林にいた。だが… 「ここか!?それともここか!?って…全っ然見つからないじゃない‼︎こんな森焼き払ってやろうかしら…」 30分経っても1時間経っても見つからない。 「アミカ落ち着いて!そんな簡単に見つかるわけじゃないしさ!ね?」 そもそも私が精霊に好かれないのもあるのだけれど…アミカの方が精霊から避けられてる気がする…まあ理由はわかるよ、うん…そんなバカみたいに叫んでるからだよアミカ…気づいて〜… とそんなことをしていると後ろから声がした。 「おまえさんたち…ここで何やってんだ?」 振り向くと、見知らぬおじさんが立っていた。 「あっあっ…だっだれよ!あんた‼︎」 アミカがコミュ症を発揮しています。おっさんを燃やしますか? はい いいえ …はいを選択。 「ちょっと待ってアミカ!何詠唱始めてるの!!止めて止めて‼︎」 「おいちょっと待ってくれお嬢ちゃん!悪かったよ俺なんもしてないけどさ‼︎とにかく悪かったから‼︎」 コミュ症でテンパっているアミカには謝罪も聞こえていない。 「アミカ!いい加減に…しなさい!!」 私は親友の首に手を当てた。そして軽くトンと叩く。親友は地面に崩れ落ちる。 ふぅと息を吐く。 「お嬢ちゃん…これ大丈夫?」おっさんは死んだように倒れているアミカを指差す。 「まあ多分大丈夫です。ところでおっさ、じゃなかったおじさんはなんでこんなところに…」 静かになったので疑問を口にする。 「今おっさんっていった⁉︎まだそんなに年取ってないよ‼︎」 「気のせいです…そんなこと言うわけないじゃないですかー」 最後の方が棒読みになってしまったが、おっさんは「そうか気のせいか…」という感じなので、よしとしよう。 「まあ、嬢ちゃんたちが精霊探してるみたいやったから、ちょっと注意しに来たんよ… この縄わかるやろ?これの外側には入ったらあかんよって言いたかったんよ」 「この札がついてる縄のことですか?」 薄い黄色の札が貼ってあるように見える。 「…まあそっそうや。そんなかは魔素の濃度が濃いから少しの間しか息ができんし…それに…(あやつもおるしなあ)」 魔素の濃度が高い…精霊のいる確率も高い! よし、行こう。縄の向こう側へ行こうとする。 「ちょっちょいまち!話聞いておったか?危険だって今わかったよな?物分かり悪いんか?」 このおっさんは何を言っているのだろう。要は10分以内に帰ればいい話だ。 「聞いてましたけれども?じゃあ行ってきますね!」こうして冒頭に戻り… 「危険だって言ってるっちゅうのにどうして嬢ちゃんは…」おっさんが呆れている。 「アミカをお願いします…それじゃあ‼︎」 私は森の奥へ進んでいく。
第二話 森の嫌われ者(前編)
庭の木の下で母は語る。そよ風が靡く。 「ルミル…あのね、あなたの瞳は……だから…心配しないで…」 (お母さん…なんて言ってるんだろう…。聞こえないや…)急に強い風が吹き、帽子が飛ばされる。、帽子をとるために手を伸ばす。 「ルミル…友達は大切にするのよ…」帽子を手に取り振り返る。母が風と共に消えていく。 「待ってよ、母さんお願い、置いてかないで!!」視界が白くなっていく。 「…森に行きなさい…」最後母は微笑んだように見えた… ・ ・ ・ 「ちょっと、ルミル‼︎もう放課後よ!まさかあなたずっと寝てたの!?どれだけお寝坊さんなのよ!!」 あぁ…アミカがいるということは夢だったんだ… 久しぶりに母さんに会えたのに… 母は4年前、流行病で亡くなった。王都からの特効薬は間に合わなかったのだ。 あと4日の辛抱だったのに… 「聞いてるの⁉︎…ってなんで泣いてるのよ!もう…鼻水も垂らして…拭きなさい‼︎」 「…優しい。あリがどう…」 鼻水を拭きながら言う。 「…ふん!別に大したことじゃないわ。それと、あなたずっと寝ててどうせ何も食べてないんでしょ!だから…これ食べなさい‼︎」 口に勢いよく何かが入る。「んぐっ…もぐもぐ…」 チョコチップの入ったクッキーだ。本来高価な物だが、アミカは商家の生まれだから買えるのだろう。こういうところお母さんみたいだ。 「お母さん!もう一つちょうだい!」 「はいはい…ってお母さんじゃない‼︎…全く…」 すかさずツッコミを入れるアミカに苦笑する。 「あっお礼しないと…こんだけだけど納めて‼︎」 ポケットからわずかばかりのお金を取り出す。 「ダメよそんな簡単にお金を渡しちゃ…ほらしまいなさい。気持ちだけ受け取っとくから…」 仕方なくお金をしまい、考える。 「ほら口もちゃんと拭く!…これでよし! さあ!小腹も膨れたし、森で妖精探しするわよ‼︎」 「…うん!あっ置いてかないでよ〜!!」 アミカへのお礼を考えながら、追いかけていった。
自己紹介
はじめまして! 私は小説ド初心者のただの生姜です。 ただ本が好きで自分でも書いてみたいと思って はじめました! 気まぐれに書くので投稿は不定期です! 先に言っておきますが、これは私の自己満でやっているので私が飽きたと思ったらこのアカウントは消えます‼︎ まあなんとなく自己紹介は書いときたいな〜と思ったので今日この頃投稿した感じっすね! ではまた気が向いたらお会いしましょう! さいなら!