第四話 森の嫌われ者 後編

…ポシェットからポーションを取り出し、一気に飲み干す。子供の頃魔素中毒を何度か経験したことにより、耐性はあるがもって3分だっただろう。 微かに低い唸り声が聞こえた。振り返らずともわかる。 「…まずい、近頃見かけないと思ったら…。なんでこんなところで魔素に当てられてるのよ…」 そこにはよだれを垂らし、鋭い目でこちらをみる狼がいた。それも魔素に当てられ、凶暴化したやつだ。 ゆっくりと歩きながらカウントダウンを始める。8… 7… 6… 5… (…一か八かやるしかない!!)2… 1 ! 『バインド‼︎』 カウントが終わった瞬間に振り返り、呪文を唱える。そして周りの蔦が伸び、狼に襲いかかる。完全に拘束できる訳ではないが、彼女が逃げるには十分な時間が稼げた。 (走れ走れ走れ走れ‼︎…)ポーションも走りながら飲んでいるため、まともに体力は回復しない。
卸売生姜
卸売生姜
はじめまして。私は卸売生姜というものです。