緑葉

10 件の小説
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緑葉

こんちゃ。 小説下手くそな梅雨ちゃんポタクです。 ストーリーの方が更新頻度高そう。 常にていふです。おなしゃす。 あ、ふぉろ返すぞい

こころのなか

白い息が出た。 もう段々と冬に近づいていってる。というか、もう冬なのかも知れない。 制服のポケットに手を入れ、最近買ったチェックのマフラーに顔の下半分をうずくめて見慣れた道を歩いていた。 高校受験には失敗した。 第一志望校だった公立の名門には落ちて、今では私立の学年四位。 制服も可愛いし、校舎は綺麗だし、みんな馬鹿だし、ワイワイしてるし、楽しくないわけじゃない。 でも、足りない。 あたしが思い浮かべていた高校生活は違かった。 制服は勿論可愛いし、校舎はたまにボロっちくて、テストの順位を競えるライバルが居て、昼休みはワイワイ騒いで、今とあんまり変わらない理想だけど、なにか、違う。 こんなワガママいっちゃうの、変なのかな。 だって友達はあたしを仲間に入れてくれるし、一緒に歩いてくれるし、喋ってくれるし。 なにも不満なんて無いハズじゃない? あたしだって友達に優しくした。 余っ程のことじゃ無い限り行動は全部許して優しくしたし、勉強とか教えたし。 ちゃんと顔では笑えていた。 こんなに幸せなあたしが「生きてても意味無い」って考えて良いのかな。 この世にはあたしの百倍くらい不幸で辛い人が居るハズ。 死にたくなくても死んじゃう人も居る。 でも、考えるくらいなら良いのかな。 自分可哀想って思って良いのかな。 そう、ユキのせいにしよう。 中学から一緒のユキは、今でもずっと仲良し。 だけど、なんかちょっぴり、嫌がらせをされていた。 ある日急に別の友だちから「ユキってあんたのこと嫌いらしいよ」と一言。中三の秋だった。 なんとなく分かっていた。 あたしが喋りかけても無視するし、課題は勝手に写すし、あたしの靴を隠したり。 鈍感なフリをしてたんだ。 でも内心辛かったよ。 嫌われてる、って聞いたときは「知ってる」って強がって答えちゃったけど、今にも泣きそうだった。 あたしもユキのこと嫌いだったハズなのに。 原因。それはあたしだ。分かってた。 ユキとは中三で初めて同じクラスになった。 そこで仲良くなって、あたしは少し過激な冗談をユキに放っていた。「キモww」「馬鹿ww」「は?w死ねww」。そりゃ傷付くよね。全部原因はあたし…表はね。 心の中では「ユキの被害妄想。いじめられてるってゆー自意識過剰でしょ」なんて思ってた。 次の日、ユキはあたしに誤ってきた。「昨日はゴメン」と。 嫌いなことは否定していなかった。別 なんで嫌ってることを謝るのか意味が分かんなかった。 けどあたしも謝った。 正直死んでしまえ、そう思っていた。 結構経ってから知ったけど、ユキはあの時友達に話して、その友達があたしにうっかり喋っちゃたんだと思ってたけど、実際は言わせてたらしい。 しかもあたしのことを親に相談とか。 全部あたしが悪役じゃん。 忘れてないよ。あんたに汚された新品の服。靴、ノート、本。 これは一種のいじめだったんじゃないか、って思ったけど元はあたしが原因だからただのいじりって思い込んでたなぁ。 あたしに「ユキが嫌いだって」と言ってきた友達、エリ。 エリは口が軽くて、その話はあっという間にクラスに広がった。 そっからあたしはクラスの悪者。 一人で行動するようになった。 高校生になって、ぽっかり残った深い傷。 それがユキだった。 あたしはスマホを取り出して、ユキとの話、あたしの気持ち。 全部掲示板に書き込んだ。   * 友達Yにずっと嫌がらせを受けてきた。あたしは何も悪いことをしていないのに、Yが流した噂であたしはクラスの悪者になった。そのせいでみんなに嫌われてるし、正直死にたい。 * 嘘が混じっていた。 でも全部ユキのせいにしなきゃ、あたしの心が持たないの。 返信はすぐに来た。 * 嫌がらせですか…大変ですね…でも、死なないでください。生きていればなにか良いことがあるハズです。ほら、空を見てください。青いでしょう?下ばっか向いてないで進めってことですよ。頑張ってください。 * 「死ねよ…」 なにこの綺麗事。要らない。 ユキを恨んでよ!死ぬなとか会ったことも無いあたしに言えないじゃん!あたしがどんだけ最低で屑な人間か知ったら死ねって言うくせに!思ってもないことを簡単に言わないで! 泣いていた。 人通りの少ない路地で、あたしは泣いていた。 「全部自分のせいってのが、一番辛いんですけど…」 その場に、しゃがんだ。 相手のせいにしたくても、元を返せば全部自分のせい。 こんな救いようの無い人生、歩みたくない。

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こころのなか

深夜世界が眠る頃、魔女に時を告げる。

長い針が12時を指す。 今この瞬間、8月24日になった。 私はこの瞬間が好きだ。 多くの人が見ないであろう明日になる瞬間を、私は毎日この目に収めているのだから。 チク、タク、チク、タク。 私に構わず時計の針は進んで行く。 おっと紹介が遅れてしまった。 私の名前はメアリー。大時計掃除の仕事をしている。 真夜中、黄金に光る大時計。 私はこの大時計を一番近くから見てきた。 そしてこの街の景色も。 夜の風を全身に受ける。少し冷たくも、心地良い風だった。 きっと高所恐怖症の人にこの仕事は無理だろう。 今にも壊れそうな足場と手すりに身を授けているのだから。 だが私は何年もこの仕事を続けていた。 時計の一部に浮かぶ人影。 それが自分だなんてなんてロマンチックなのだろう。 この街も、時計も、 いつも何一つ変わらず綺麗だった。 ずっと、何年も変わらず、この静かで綺麗な街が在ってほしい。 だが、ちょっとだけファンタジーな事が起きてほしいと願う自分も何処かに居た。 何か、起こらないだろうか。 「…って。起こるわけ無いよね」 そうため息を吐いて時計を磨く。 「貴女、掃除をしているの?」 「はい、そうですよ」 私は振り向かずに答えた。 だが待ってくれ。ここは今地上何Mだ? こんな高さに居る私に話掛けられるのは… 私は振り向いた。 すると、漆黒のワンピース、古い箒、長い髪、黒猫__。 魔女が居た。 ふわふわと私の後ろで足を浮かせ飛んでいた。 「ま、魔女…」 「……そうよ」 こんなにもファンタジーな事が起こっても良いのだろうか… 私は驚愕した。 何度も目を擦り、瞬きをした。 「本物の魔女が居たなんて…」 「良かったね、人生で魔女を見れる人なんてほんの一握りなんだから」 「へえ、それは嬉しい」 「ふふ。この仕事をしてるお陰じゃない?」 そう。本当にこの仕事は天職だ。 一生この仕事を続けようと思う。 「魔女って本当に可愛いんだね!魔法って使えるの?」 「うん、使えるよ~」 そう言って魔女は綺麗な花を指先に咲かせた。 「凄い…」 それには感激しかなかった。 この人は、本物の魔女だ。 「魔女って、具体的にどんなことをしているの?」 「うーん、難しいなぁ」 魔女は首を傾げた。 「具体的には、、、人助けならぬ…魔女助けって所かな。いつも人間の力を借りて困ってる魔女を救っているしているんだけど、、」 「へぇ!人間が!」 「今、丁度その人間が居ないんだよね、君、やらない?」 「え、、、?私が?」 大時計掃除の仕事をしている以外、何も特徴の無い私を…? 始め、冗談だと思った。 「そう!夜空慣れしてる君にぴったりだと思ってね!」 「本当に、良いの?」 「うん。早速、協力良いかな?お試しで!」 「良いの!?じゃあ、お試しで!」 「ありがとう。じゃあ、今何時?」 魔女が時間を聞いてきた。 なので少し身を乗り出して時計を見る。 0時4分だった。 「0時4分___」 気付いたら、私の体は街の上の夜空だった。 私の首根っこには、魔女の手があった。 「魔女助けありがとう!助かるよ!」 そう言って魔女は手を離した。 告げた時間から先に、私は進めなかった。

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深夜世界が眠る頃、魔女に時を告げる。

家出天使の征く先

「〜♬」 もう15歳ながら鼻歌混じりで道を歩く僕の名前はタイガ。 そして一年の頃に「成長するから」と言って買ったがまだブカブカな学ランを見て情けなさを感じる。 僕は身長が小さい。最近の悩みだ。 少し歩くと、見慣れたオンボロアパートが見えてきた。 階段を登る。今にも板が抜けそうなボロさだ。 僕は貧乏な訳じゃ無い。他に色々理由があってオンボロアパートに住んでいる。 ”203号室”と書かれた扉。この部屋が僕の家だ。 少し錆びたドアノブに手を掛け、ドアを開ける。 「ただいま」 返事は無い。 机一つに、敷布団一つ、小さい台所と冷蔵庫、右にはトイレのドア。そしてタンス。 見るのは11年目の6畳半の部屋。 ドアを閉めて、スクールバックをぶっきら棒に投げる。 5時半の微妙に暗い、だが電気を付ける程でもない微妙な時間。 僕はこの時間が嫌いだ。 敷布団に学ランのまま寝そべり、天井を見上げると、自分を残して時がどんどん進んで行く気がする。僕だけ、過去に居るまま。 この時間になると姉の事を思い出してしまう。 今、僕は一人暮らしだ。 両親は僕と姉がまだ小さい頃に車に轢かれて死んだ。 姉の名前はユリカと言った。 姉はどうか分からないが、僕はあまり覚えていない。 僕の人生の3分の2はほとんど姉と過ごした。 お金はあったが、将来の入学金などの為に節約してこの部屋で二人暮らしていた。 前までは、敷布団も2つだった。 姉は僕の2つ上だったが、必ず僕が兄に見られるほど子供っぽかった。 いつも明るくて、好奇心旺盛で、料理は下手で、お喋りで、人をからかうのが好きで、でも勉強は出来て、頼りがいがあって、本当に優しい人だった。 姉は5年前、死んだ。 姉は病気で死んだ。 いや、病気だったかは分からない。 インフルエンザにかかって、でも身寄りが無い僕たちは病院に行けなくて、そのまま43度という高熱を出して死んだ。 お葬式は無かった。 大家さんが火葬などの手配をしてくれた。 あっという間に姉は墓に入っていた。 少し前まで隣で寝ていた姉は死んでしまった。 最後に見たのは棺桶の中の姉だった。いつも僕が怖がっている時に握ってくれた右手には、いつもと変わらぬ場所にホクロがあった。 誰か、姉じゃ無いと否定してくれ、そんな気分だった。 火葬場にも僕と大家さんしか来なかった。 姉の友達から供物や供花を貰った。 僕の友達からはオトギリソウという花を貰った。 本当にあっという間だった。 人の死を此れほど近くで体験するのは初めてだったから、いつ泣いて良いのか分からなかった。そして当時10歳だった僕はその時から登校拒否になった。 中学校からは学校に行ったが、小学校での良い思い出は無い。 何度も、何度も願った。もう一度会いたいと。 でもそんな非現実的な事起こる訳無かった。 だけど、今でも姉が戻っ_ ーピンポーンー 過去に居た僕を呼び起こしたのはインターフォンだった。 気怠けにドアを開ける。 「こんにちは」 天使が居た。 白いワンピースに、白い肌、青い瞳に、薄茶のロングの髪の毛、天使の輪、大きな羽。 僕が知る天使だ。 「えっと、どちら様ですか…?」 「天使です」 「え、あ、、、てかその格好は…?」 「天使はこんな格好をしているでしょう?」 「コスプレ…じゃないんですか?」 「私は正真正銘の天使だよ」 「証拠は?」 すると、自称天使は宙に浮いた。 開いた口が塞がらなかった。 (この世に、天使?居るとしてもあの世だろ) でも、僕は少し夢を見た。 この人が天使だったら良いなと思ったのだ。 そんな訳無いって知ってるのに。 だけど、僕はこの人を天使だと思うことにした。 「貴女は何故、ここへ…?」 すると天使は降りて言った。 「目立つから、取り敢えず中入れて」 「は?、、まあ、はい、、」 「やったー!」 僕は天使を家へ入れた。 天使は僕の布団に寝そべった。 「で、なんでここに?」 「えっとね…家出したんだ」 「…やっぱり人間…」 「違う!違う!私は本当に天使!雲の上に家があるんだけど、家出してきたの!」 「で、なんでここに」 「泊めてもらおうと思って」 「いや…こんなボロい家より豪邸に行ってよ…」 「ここが良い」 「……名前は?」 「私は、ユリ」 姉に似た名前だったので少し同様してしまった。 だがユリなんて名前どこにでも居るか。 「一緒に、ゲームをしたい」 「げ、ゲーム?ゲーム機は無いけど…」 「ボードゲーム、無い?」 「ボードゲーム…オセロならあるよ」 昔、姉とオセロで遊んでいた。 もうボロボロだが、あれを捨てたら姉まで捨ててしまうような気持ちになって、捨てられない。 僕は押入れからオセロを取り出し、天使に差し出した。 「これ…まだ持ってたんだ」 「?なんで昔持ってた事知ってるの?」 「いや、ボロボロじゃん!」 「ああ…そうだね」 僕はゆっくりとオセロの箱を開ける。 今にも崩れ落ちてしまいそうだ。 僕がオセロを開けると、天使はすぐに中身を取り出し、「私白ね!」と言った。 「姉さんも白選んでたなあ……」 「え?」 「あ、いや、なんでもないよ」 ぼそっと呟いてしまっていた。 僕は昔のように黒の石を2つ取り出し、真ん中に対角線上に置く。 「じゃんけんぽん!やったー!私の勝ちー」 天使は白の石で黒の石を挟み、黒の石を裏返した。 そして僕も白の石を裏返す。 それを、繰り返していく。 黒の石の方が多くなって来た頃、天使は言った。 「姉さんが居るの…?」 「えっ?」 「いや、さっき独り言で言ってたじゃん」 「うん…居ないよ、今は」 「そう。姉さんに、会いたい?」 天使は黒の石を裏返すと目を合わせた。 もちろん、会えるなら会いたい。 でも死んだ人間は「無」になる。 何処へ行ったって、会える筈が無い。 「無理だよ…」 「実現可能かどうかを聞いてるんじゃ無くて、会いたいかどうか聞いてるの!」 「っ…会いたいって願ったよ。何度も。何度も…でも”死”は残酷なんだ!もう二度と、会えない。もう、現実を何度突きつけられたか…」 そう、”死”は残酷だ。 僕と姉さんの日々は、あの日、思い出でしか無くなった。 「非現実的な事だと思っているでしょう?でも、今、私…天使と貴方は出会っているんだよ」 「そうだけど…」 僕は白の石を返した。 そして、全てマスが埋まった。 「貴方の勝ちだね」 天使は微笑んだ。 「うん…」 天使は立ち上がった。 それと同時に風が部屋に吹き込む。 カーテンが揺れて、天使の顔がよく見えなかった。 天使の 「もう、願い、叶ってるよ。タイガ」 時々見える天使は泣いていた。 泣いているが、微笑んでいた。 「どういうこと…てかなんで僕の名前知って…」 白い天使の右手には、ホクロがあった。 「…!」 瞬きをした。 白い天使は、僕の前から消え去った__。 ---___家出天使の行く先___---

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家出天使の征く先

桜が散る頃貴方も散る

今日も来てくれてありがとう。毎日嬉しいよ。でも、こんな病室にいつも来てて、つまらなくないかい?無理して来なくていいんだよ。君は人気者だから、友人との約束も入ってるだろう。いや、良いんだよ。余命なんて。でもうんざりするよね。後3ヶ月の命って言われたのが4ヶ月前。本当なら僕はこの綺麗な桜を二度と見られないハズだったのに、こうして君と眺めてる。この桜は、明後日あたりで満開かな?きっと僕は満開を見られないな。君が変わりに見てくれよ。…喋らないでって、、確かに凄く苦しいけど、君と喋るのは好きなんだ。最期くらい自由にさせてくれよ。君は束縛が緩い方だろう?そうだ、僕が逝ったら、こんな病弱なやつじゃなくて、健康で逞しいやつと結ばれなよ。こんなんと恋人になっても、今まで損しかしなかっただろう?首を横にふるなよ…寂しくなっちゃうよ。僕が死んだら、君の事を見守ってるからね。ストーカーみたいで気持ち悪いかい?ならやめるよ…もう時間か…ごめんね。医者は僕の命が続く事に精一杯みたいで、僕は君がいなきゃ生きられないなんて、知らないようだよ。うん。またあした。 --- 今日も来てくれてありがとう。今日はバイトじゃなかったっけ?稼げるお金は稼いだほうがいいよ。いいんだよ。君と喋るのがいつ死んでもおかしくない僕の唯一の楽しみなんだ。昨日も同じようなこと言わなかったっけ?ねえ、もう桜が8分咲きだよ。満開、見れるかなあ。あ、でも天国から見下ろせるね。でもこの病室か、あわよくば君と外を並んで歩いてみたいなあ。無理か。あはは。ん?うん。そりゃあ死ぬのは怖いよ。だって、無になるんだ。無になった後は良いけど、無になる前が怖いよ。今でも泣き出してしまいそうだよ。って…君が泣くなよ。でも僕は夢見がちだろ?天国があるって信じるんだ。あるはず無いけどね。ねえ、人が死んでから生まれ変わるのは4年と5ヶ月後なんだって。4年と5ヶ月後、また会おうね。君はもう忘れてしまっているかな。絶対忘れないって嬉しいなあ。君の記憶に残れることが、最期の幸せかもしれないなあ。あ、この機械?また増えたのって。うん。医者がつけるんだ。日に日に増えていくよね。うん。もう時間だ。昨日より短いね。またあした。 --- 今日も来てくれてありがとう。見て、桜が満開だよ。嬉しいなあ、満開を見れて。僕の病室の桜も、綺麗でしょ?ちっちゃいかなあ。あはは。…君はそこからしか僕と喋れないのか…嫌だなあ、この部屋。僕が実験台みたいじゃないか。あはは。これ、外したいよ。喋るとすぐ曇るんだもん。……え?もう時間?一分も話してないよ。ああ、最期くらい好きな人といさせてくれよ…まあ、僕はここから出たら死ぬんだけどさ。うん。名残惜しいね。うん、うん。そうなんだ。うん。じゃあね。 --- なんで、貴方は「じゃあね」と言ったの?いつもは「またね」だったのに。…死んでしまうの?、、、、、、、、、、、、、そう思っても、足は出口に向かうばかりだよ。本当に嫌い…大好き…もう、いなくならないでよ…いつもいつも私のためって言って無理して…まるで私のせいみたいじゃない。もう、嫌だよ。貴方が私の目の前からいなくなってしまったら私には何が残るの?貴方がいなくちゃ生きていけないよ…ああ、ごめんなさい。看護師さん。公共の場で泣くなんて…可笑しい女ですね…構わないで…ここにいると貴方の顔が浮かんでしまう…忘れてしましたいけど、絶対に忘れたくない。来年も貴方と一緒に桜を見るの。そして貴方はこう言う。「君と桜が見れて嬉しい」貴方は桜が大好きだものね。いつも春は貴方の病室に桜があって。貴方はそれを見て笑うの。その姿を、明日も、明後日も、来年も、ずっとずっと、できれば私の隣で…そんな日々はただの妄想で、貴方の部屋には日々無機質な音が響いてる。その音が消えたとき、私は_____ --- 「はあ、はあ、」 私は今、走っている。好きな人の元へ。 授業が長引いて、電車に乗り遅れてしまった。田舎なので電車は四十分に一本しかない。 なので、私は走っている。制服が暑い。脱ぐと重いので来たままで走る。 ジョギングをしている人に追い越される。遅い。所詮帰宅部だ。 遅い。私の無力さを感じる。遅い。このために走る練習をしておけばよかった。 まだ貴方が___いや、|春《しゅん》がこの世にいますように。 毎日そう祈ってお見舞いに行った。きっと、今日も叶えてくれるよね? こんな小さな人間のちっぽけな御願いだけど、御願い、代わりに誰が死んでもいい。 私が犯罪者になったっていい。どうか、春の笑顔にまた会えますように___ --- ガラッと音をたて、いつもの病室に行く。昨日あったガラスは、無い。そこにあるのは春の体を拭く看護師と、萎れた桜と、目を瞑った春だった。 春は、春は… 看護師たちは哀れな目で私を見る。 「桜さん、、、春さんは、、、桜と共に舞い散りました。静かに最期を迎えました」 一番、この世で一番、聞きたくなかった言葉だった。 散ったなんて言わないで。春はあの笑顔でいつも満開でしょ? 春が散る訳、ないでしょ?…ねえ、答えてよ…春… なんでこんなに冷たいの?ねえ、いつものように何か言ってよ… 春、春、、、春、、、 綺麗な顔で、春は瞼を閉じている。 その瞼が開くことはもう無い。 昨日見た笑顔はもう見れない。もう、春の声が聞けない。 春は、この世にいない。 「桜さん、これ、春さんが桜さんに…お手紙です」 --- 遺書、桜へ。 なんだか、初めて桜って呼んだ気がするよ。(手紙だけど)はあ。手紙くらいちゃんと書かなきゃね。桜。今、桜が散っています。まるで僕みたいだ。あはは。君はこれを泣き顔で見るかなあ。それとも僕のことなんか忘れてて、手紙なんて読まないかなあ、僕は、後者の方が幸せかもな。ねえ。僕は嘘つきなんだ。ごめんね。桜。さっき、忘れてほしい、って書いたよね。嘘だよ。僕は嘘ばっかりだよ。本当は一生覚えてて、毎日僕のこと思い出してほしいし、死ぬのだって怖い。死にたくない。怖い。死んだら、もう桜と会えない。怖い。死ぬのが。いつ死んでもおかしくない、とか言うのが怖かった。だって本当になっちゃいそうだから。毎日、毎日、眠るとき怖くてたまらないんだ。僕は一生目を覚まさないかもしれないんだから。桜のことを思い出すたびに涙が出るよ。…そういえば、桜は毎日僕のお見舞いに来てくれたね。毎日の楽しみだったよ。桜と知り合ったのはいつだっけ。ああ、六歳のころだ。僕が、熱っぽくって保健室にいたら、保健係だった桜が来てくれたね。嬉しかったよ。あのころはまだ入院してなかったなあ、ああ、あの頃に戻りたいよ。六歳の頃は沢山遊んだね。ゲームをしたり、、、ああ。あれが一番楽しかった。夏祭り。桜がくじ引きに沢山お金を使っちゃって、綿飴が買えなくて、僕が買ってあげたね。美味しい美味しいって食べてくれてたよね。七歳の頃は遠足が楽しかったなあ、動物園、桜がライオン怖がって、僕が守ってあげてたっけ。懐かしいなあ。帰りのバス、桜ヨダレ垂らして寝てたよ笑(いまさら)八歳の頃は、一緒に水泳教室に行ったね。桜の友達の…なんだっけ。三編みの子。あの子も一緒だったね。桜は運動神経が良くて、すぐレーンが違っちゃって、悔しかったなあ。でも、最後は僕も追いついたよね。九歳の頃は、おんなじクラブに入って、卓球してたよね。週に二回、楽しみだったなあ。僕は通院してたからあまりやらせてもらえなかったけど、桜の見てると自分まで盛り上がっちゃってた。笑。十歳の頃、僕の成績が急に伸びたよね。桜が嫉妬して、勉強教えたっけ。桜言ったらすぐ理解しちゃうから、教えてて楽しかったよ。十一の頃、僕は学校を休みがちだったね。入院してたわけじゃないけど、桜は毎日家に来てくれた。母さんに止められてたのに来たから、熱が感染ったこともあったっけ。その後二人で学校で笑ったね。十二歳。僕達、すっごく噂されてたね。別に付き合ってないのにさ。僕は、好きだったけど。笑。卒業式もあったね。僕出席したら、桜凄い心配するんだもん。笑いすぎてお腹痛くなっちゃったよ。中学一年生、十三歳の頃から僕は入院し始めたね。その頃からここが病室だったなあ。一回も学校に行けなくて、寂しかったなあ。でも、桜は毎日来てくれたね。桜から学校の話を聞くたび、羨ましかったよ。中学二年生の秋、僕お医者さんに許可もらって、一度だけ学校行ったよね。皆話しかけてくれてさ。小学校一緒だった人もいたけど、ほとんどの人が初めてだったから緊張したあ。でも桜が皆に僕のこと喋ってくれていたおかげで、仲良くなれた人もいるよ。夏休みは、皆でお見舞いに来てくれて、西瓜をもらったなあ。あれ、食べるの大変だったんだよ。でも今まで食べたものの中で、一番美味しかった。そして、この年、僕達は付き合ったよね。本当に遠回しなあの告白、承諾してくれてありがとう。数式の告白なんて、調べないと分からないよね。少しあのときの僕は厨ニだったかも。こんな病弱な僕でも、年相応の男の子っぽいところ、あったんだね。そして中学三年生。僕はオンライン授業を受けてたね。担任の村上先生が校長にお願いしてくれてさ。授業の最後はいつも皆が手を振ってくれて。放課後は桜と一緒に受験勉強してたね。おかげで、授業を休んでた僕でも、桜と同じ高校に受かったよ。あのときの入試、本当に大変だったなあ。僕は意地でも疑われたくなくて、お医者さん連れて試験会場に行ったっけ。一人だけ車椅子で注目されたよ。高校一年生。点滴持ちながら入学式出たの、日本で僕だけじゃない?笑本当に辛かってけど、嬉しかった。それから一年のときは一度も高校に行ってないや。テストとかは病院で受けてたから留年はしなかったけどね。そして、今。高校二年生の春。今年は、一度くらい高校の、自分の席に座ってみたかったけど、席があるかどうかも分からないし、もう、その夢は叶いそうにありません。君といつか誓った獣医さんという夢もごめんね。僕は叶えられないや。もっと、生きていたかったなあ。君の隣で渋谷とか歩いてみたかったなあ。それで、将来は結婚するんだ。二人で最初はアパートを借りて、二人で獣医見習いなんだ。そして、子供が生まれたら家を建てて、子供を幼稚園に行かせて、小学校、中学校、高校、大学、、、いや、専門学校でもどこでも。子供の好きなところに進学させてあげよう。そして、僕達は定年が来るまで働いて、老後は年金生活。八十五くらいで僕が君より先に死ぬ、、、はずだったのに、、、僕の妄想では。気持ち悪いよね。ああ、来世はこの夢、叶うと良いなあ。でも、今の人生も楽しかったよ。もう一度繰り返したいくらい。桜と会えたからね。本当に桜に会えて良かった。ああ、まだ直接言ったことがなかったね。桜。僕は、ドジで、負けず嫌いで、変顔が得意で、人を笑わせるのが好きで、勉強も運動も出来て、でも家庭科は苦手で、優しくて、気配りが上手で、笑った顔が可愛くて、僕の病室に毎日来てくれる…そんな桜が大好きだよ。今まで本当にありがとう。ここで上手いこと言えないけど、僕の気持ちは伝えられたよ。桜。またね。じゃあね。大好きだよ。 春より --- 翌年の春。 春、聞こえてるー?春がいなくなってから、一年が経ったよ。 私は今、獣医さんになるための大学に合格できるよう、勉強に励んでいるよ。 春の分もね。春が大好きな笑顔を忘れずに春の夢を叶えられるよう、頑張るね。 天国で見ていてね。 じゃあ、学校行ってきます! --- 桜が散っていた。

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桜が散る頃貴方も散る

ノートの落書きは未だに消せない

僕には、好きな女の子がいた。 おっとりしていて、優しい子だ。 でも、男子が苦手なようで、打ち解けるのが難しかった。 隣の席になると、授業でも喋る機会が多くなって、心を開いてもらえた。 たまに一緒に帰ったりしたし、周りからもお似合いと言われていた。 彼女も、僕と居るのが嫌そうじゃ無かった。 一緒に巫山戯た事もするようになった。 彼女は真面目だと思っていたけど、意外と好奇心旺盛で、、、 彼女は、落書きをするのが好きだった。 僕が席を外しているうちに、ノートに落書きをするんだ。 兎を描いたり、僕の似顔絵を描いたり。 決して上手では無いけれど、僕はその子の絵が好きだった。 たまに先生に落書きが見つかって、僕が怒られていたけれど、 ちゃんと、「ごめんね」と言ってくれたし、それで良かった。 ”あの時”は、本当に幸せだった。 いや、”あんなこと”が無かったら、告白が成功して、今も幸せなハズだった。 僕はあの日、彼女に告白をしようと試みた。 一度メールで、 『今日放課後、▲■公園に来れる?』 と聞いた。 『行ける!急いでいくね!』 『ゆっくりでいいよ』 『何?告白?笑』 『えっ、なんで分かるの』 『えっ⁉』 『まあ、心の準備して』 『うゆ』 『誤字った…うん』 そんな会話になって、サプライズという訳にはいかなくなったが、 なんとか成功しそうだった。 ▲■公園で、僕は彼女を待った。 10分経った。彼女は来ない。 30分経った。彼女は来ない。 1時間経った。彼女は来ない。 2時間経った。彼女は来ない。 連絡しても、返事は無い。 (何か急用が出来たんだ…それで、スマホを忘れて…) 内心、とても、とても焦っていた。 彼女に何かあったんじゃないか。 とても心配だった。 明日、学校で会える事を願って、学校に、朝、向かおうと、した。 ら、 『昨日午後5時半頃、▲■市の交差点で、女子中学生の●★さんがトラックに引かれ、病院に運ばれましたが、今朝死亡が確認されました』 そんなアナウンサーの声が耳に入った___ 今となってはだいぶ、、5年も前の事だが、 彼女が描いたノートの落書きは消せなかった。

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ノートの落書きは未だに消せない

すべてが終わる時は君と心中でもしようと思う

『明日、地球に隕石が墜落します。日本付近の太平洋に落下する推測で、日本では海外に移住する人が増えています』 そう、ニュースで流れた。 このアナウンサーも、海外から放送しているという。 日本に残っている人達は、僕達だけではないかと思う。 「まだ、移住しないの?」 僕は家の縁側でアイスを食べる彼女に話しかける。 彼女は、うーん、と唸ると、 「別に、死んでもいいや」 と答えた。 僕も彼女と同じ考えだった。運命に従って、死ぬ。 それが僕の運命だから。 だけど僕は彼女には死んでほしくなかった。 いや、もしかしたら、もしかしたらだけど、心の何処かで安心しているかもしれない。 暑い初夏の日、日本に残る僕達は、明日命日を迎える。 特別な事は何もせずに、ただ、ゆっくりと時が過ぎるのを待っていた。 決まった運命は変えることは出来ない。 この運命は自分で決めた事だけれど。 「明日の今頃には、僕らもう死んでるね」 「そうだね」 「何か悔しいね」 「自分で決めたんでしょう」 明日死ぬ事を実感出来ずにいる僕らは、ゆっくり、ゆっくり、過ごしている。 これでいい。 これがいい。 僕は、明日死ぬ。 明日、人生の幕を閉じる。 親族のいない僕らは、誰にも気づかれず、静かにでも衝撃的に死ぬだろう。 別に誰にも知られなくたっていい。 それでいい。 そんな事を思っていると、何処からか、ゴオオオという音が聞こえてきた。 「ごおおお?」 「隕…石…?」 「いや、明日のハズでしょう?」 僕達は、煙をあげる隕石を見た。 ___________________________________________ こんな時は、彼女と無理心中でもしようかなあ、といもしない彼女を思い浮かべ、 自分が書いた小説を眺めた。

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すべてが終わる時は君と心中でもしようと思う

1人の気楽さ

少しノンフィクション。 プール後の疲れた足で階段を上り、図書室へ向かう。 私は1人で歩く。 横には誰も居ない。後ろには、かつての親友達がいる。 いや、親友なんて形だけだった。 「図書室とか久しぶり〜」 「風花毎日図書室行ってるよね?陰キャかよw」 かつての親友、由利と百花が笑う。 人によっては虐めだが、私は別にそれくらいいい。 由利と百花とは、元々3人組だった。 でも、私一人が置いてけぼりにされている気がして、、いや、実際そうだった。 何度か別のグループに移ろうとしたけど、悪口を言われるし、1人を選んだ。 2人は私がついて行かなくても、「おいでよ」とも一言も言わずに、まるで面倒な奴が消えたかのように清々しく遊んでいた。 でも、1人は気楽だった。 誰のことも気にせずに、自由に生きれる。 他人に惑わされず、楽して生きれる。 私は、”1人で”本を読む。 彼奴等は付いてきたけど、結局帰りは私1人。 こんなん最初っから1人の方がいいに決まっている。

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1人の気楽さ

プール後の国語

「今から一年程前、自分が旅に出て汝水のほとりに泊った夜のこと、一睡してから、ふと 眼 め を覚ますと…」 山月記を読む級友の声が教室に響く。 プール後、髪から水が滴る中、俺は窓際の席で校庭を眺めていた。 窓が半分くらい空いていて、島の端っこにあるこの学校には、海風が入り込んできて、濡れた髪を乾かしていった。 太陽が顔を出し、雲がゆっくり動いている。 最近鳴き始めた蝉の声と、山月記を読む声が、頭に響く。 いつもなら五月蝿い教室も、皆眠いようで、静かだった。 これが、青春というやつだろうか。 本来なら、友達とわちゃわちゃして楽しく過ごすのが青春かも知れないが、学生しか味わえない、プール後の国語の授業。 俺は、この時間が好きだった。 だけど、今日は俺の好きな羽渕真帆が休みだから、綺麗な横顔を眺めることは出来なかった。 足が疲れた。 だがそれも脱力感があっていい。 濡れた髪がどんどん乾いてゆく。 火照った体も涼んでゆく。 囁かな風でカーテンが揺れ、日の光が差し込む。 どんどん、眠気に襲われていく。 授業1つくらい寝たって、他の授業で起きてれば、成績に影響は無いだろう。 俺は、毎週火曜日のプール後の6限目、国語の授業だけ、寝ることにした。

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プール後の国語

(今日は雨かあ…傘忘れたなあ) 湿気で髪が若干うねる少女は、頬杖を付きながら、窓の外の天気を眺める。 キーンコーンカーンコーン、と6限の授業の終わりを告げるチャイムが鳴り響く。 「はーいじゃ、今日はここまで。今日部活ないけど生徒会あるからなー、穂谷、忘れんなよ」 穂谷が「へーい」と返事をするが、少女には関係ないことだった。 バッグに教科書類を詰め込む。そこで、ふと思い出した。 (あ、今日部活ないのか…) 少女は部活がない水曜日、少女が好意をよせる少年、高橋と帰るのに毎週挑戦していたのである。 「あれ?お前今日傘忘れたの?」「そうだけどなに!いいもん!由利ちゃんにでも入らせてもらうもん!」 高橋は、童顔な少女田崎と話し込んでいた。 (無理か…) 少女は諦め、下駄箱へ階段を降りてゆく。 コツ、コツ、コツ、と。 まるで、今の自分の気分のように、ゆっくりと、ゆっくりと。 高橋が後を追ってきてくれると願いながら。 コツ、コツ、コツ、と。 「あれ?羽渕じゃん!家方向一緒だよね?帰ろーぜ」 高橋がまるで少女を助ける神のように階段を駆け下りてくる。 「あ……」 「え?あ、いや?」 「あっ!全然!嬉しい!」 少女は笑みを浮かべた。 満面の笑みを。 「あ…でも私傘忘れちゃったんだ」 上履きから靴に履き替える時、少女はポツリと口にした。 「俺の傘、入る?家近いしいいよ」 少年は笑いかけた。 (いいのかな…) 少女は赤面した。 「ほら、入れよ」 雨のなか、少年が笑いかけた。 どんより暗い雨のなか、そこだけが明るいように少女は見えた。 少女は少年の傘に入り、赤面しながら下を向いた。 「あ、ありがとう…」 「いいよ」 2人で10分ほど他愛ない会話をしながら、歩道を歩いた。 すると、少し前に、傘もささず、ずぶ濡れの少女がいた。 (田崎さんだ…) 「田崎?」 心優しい少年は少女に声を掛けた。 「高橋くん…」 少し上目遣いで、少女は振り向いた。 「ごめん、羽渕。ちょっと後は自分で帰って」 「え…」 少年は少女に駆け寄り、羽渕は1人残された。ずぶ濡れの雨のなか。 たった1人で、2人の男女を眺めていた。 水が滴る。 それに混じって涙が滴る。 「田中に傘入れてもらうんじゃなかったのかよ…風邪引くぞ?」 「えへへ。由利ちゃん、別の子入れてたから」 「だからって…」 「だめだろ。女の子がこんな雨に打たれて…ほら…その…服、透けてるし…」 「あっ」 少年は羽渕に視線を移した。 だが、再び凍える少女を見た。   (ああ…) 少女は絶望した。 何もかも、自意識過剰だった。 濡れた髪を垂らしながら、家路を急ぐ。 雨が、強くなった。 (今日が雨で良かった…) 少女は、涙がバレないことに安堵した。 だが、雨と共に、涙が流れていた。

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傘

3人

「帰りスタバ行こー」 「カラオケも!」 「いーね」 私、由利、百花の3人で、放課後の事を話し合う。 これが、日常。 「てかまじで目黒くんイケメン過ぎない⁉推せるわ〜」 「分かる!でも私は阿部くんかなあ〜」 「いーね!」 私、由利、百花の3人で、狭い歩道を歩く。2人は前。私は後ろ。 これが、日常。 「キャラメルフラペチーノと〜、百花はストロベリーフラペチーノでしょ?」 「流石!分かってんねえ」 「私はミルクティーでいいかな」 私、由利、百花の3人で、スタバで注文をする。いつも3人で来る時私はミルクティー。 これが、日常。 「〜♪あ、90点だ」 「え〜、百花、これにすんの⁉歌える⁉」 「歌えるわ!」 私、由利、百花の3人でカラオケで歌う。私の歌は聞こえない。 これが、日常。 いつでもそう。 私は、付属品。 2人は、親友。 2人のことなんて、別に好きじゃない。 ここしか、居場所がないだけ。 私には、2人しか、いない。 2人がいないと生きてけない。 だけど、2人は私がいなくても生きていける。 私は、いらない。 ここにいたって、意味は無いけど、弱虫な私はここに浸る。 もし、誰かが「こっちのグループ来なよ」って言ってくれたら、どれだけ救われるだろう。 一度、「私も入れて」と言ったことがあった。 一見、笑顔で受け入れてくれたように見えた。 でも。 でも。 トイレで、4人が「急に何?」「〇〇には由利と百花がいるじゃん」「迷惑だよね」「あの子やばくない?」「うちらに付いてくるし」「キモいんだけど」「あっちに戻れよ」って話てた。 ああ。 私は。 どこにも必要とされてないんだな。 私がいると、絶対に誰かの友情を切り裂いてしまう。 ああ、私は、存在が不幸なんだな。 ________

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3人