桜が散る頃貴方も散る
今日も来てくれてありがとう。毎日嬉しいよ。でも、こんな病室にいつも来てて、つまらなくないかい?無理して来なくていいんだよ。君は人気者だから、友人との約束も入ってるだろう。いや、良いんだよ。余命なんて。でもうんざりするよね。後3ヶ月の命って言われたのが4ヶ月前。本当なら僕はこの綺麗な桜を二度と見られないハズだったのに、こうして君と眺めてる。この桜は、明後日あたりで満開かな?きっと僕は満開を見られないな。君が変わりに見てくれよ。…喋らないでって、、確かに凄く苦しいけど、君と喋るのは好きなんだ。最期くらい自由にさせてくれよ。君は束縛が緩い方だろう?そうだ、僕が逝ったら、こんな病弱なやつじゃなくて、健康で逞しいやつと結ばれなよ。こんなんと恋人になっても、今まで損しかしなかっただろう?首を横にふるなよ…寂しくなっちゃうよ。僕が死んだら、君の事を見守ってるからね。ストーカーみたいで気持ち悪いかい?ならやめるよ…もう時間か…ごめんね。医者は僕の命が続く事に精一杯みたいで、僕は君がいなきゃ生きられないなんて、知らないようだよ。うん。またあした。
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今日も来てくれてありがとう。今日はバイトじゃなかったっけ?稼げるお金は稼いだほうがいいよ。いいんだよ。君と喋るのがいつ死んでもおかしくない僕の唯一の楽しみなんだ。昨日も同じようなこと言わなかったっけ?ねえ、もう桜が8分咲きだよ。満開、見れるかなあ。あ、でも天国から見下ろせるね。でもこの病室か、あわよくば君と外を並んで歩いてみたいなあ。無理か。あはは。ん?うん。そりゃあ死ぬのは怖いよ。だって、無になるんだ。無になった後は良いけど、無になる前が怖いよ。今でも泣き出してしまいそうだよ。って…君が泣くなよ。でも僕は夢見がちだろ?天国があるって信じるんだ。あるはず無いけどね。ねえ、人が死んでから生まれ変わるのは4年と5ヶ月後なんだって。4年と5ヶ月後、また会おうね。君はもう忘れてしまっているかな。絶対忘れないって嬉しいなあ。君の記憶に残れることが、最期の幸せかもしれないなあ。あ、この機械?また増えたのって。うん。医者がつけるんだ。日に日に増えていくよね。うん。もう時間だ。昨日より短いね。またあした。
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今日も来てくれてありがとう。見て、桜が満開だよ。嬉しいなあ、満開を見れて。僕の病室の桜も、綺麗でしょ?ちっちゃいかなあ。あはは。…君はそこからしか僕と喋れないのか…嫌だなあ、この部屋。僕が実験台みたいじゃないか。あはは。これ、外したいよ。喋るとすぐ曇るんだもん。……え?もう時間?一分も話してないよ。ああ、最期くらい好きな人といさせてくれよ…まあ、僕はここから出たら死ぬんだけどさ。うん。名残惜しいね。うん、うん。そうなんだ。うん。じゃあね。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2023/8/27 5:41
緑葉
こんちゃ。
小説下手くそな梅雨ちゃんポタクです。
ストーリーの方が更新頻度高そう。
常にていふです。おなしゃす。
あ、ふぉろ返すぞい