🦋🎈朽木昴@小説書いてます❄️💧✨ .:*☆@💙 ✨テケトー都市民

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長編ラブコメをメインで書いてます。 野いちご、pixivをメインとして活動中。公募にも挑戦してる最中。 現在、お試し使用中のため、少し書き方変えています。

第6話 想定外の事態

「さてと、これで……全て解決ね。あとは、あの変態イケメンの直樹だけ。戻ってきたら、わたくしの傀儡にしてあげませんと」  直樹が飛緒の元から戻ってくるのを待っていた。何をしようとしているのか予想もつかない。だけど、魔眼の力があるから全く気にはしていない。早くわたくしの元へ戻って来てと願うばかり。 「華連絡様! ただいま戻りましたっ。しかし、残念な事に……あの絶世の微女が、どこにも見当たらなかったのです」 「そ、そう……。まぁ、いいわ。それよりも……」 「ご褒美ですね! 直樹、感激で涙が出そうですっ」 「い、いえ、ご褒美ではなく……。まぁ、そうね。ご褒美ですわね。ふふふ、さぁ、直樹。わたくしの瞳をご覧になって?」  これで完全に当初の計画通りになる。魔眼を解放し、直樹を傀儡へと仕立てあげる。やはり、魔眼の力は強力なのだ。直樹の顔から感情が消えていく。これでやっと……わたくしの人形になったのね。 「まだいたの……? とっくに転校しているものだと思っていたよ。本当にめんどくさい女だよね。私の言う事が聞けないなんて、生きる価値……ないと思うけど?」 「金魚のフンを引き連れて何を言うかと思えば……。そっちこそ、おままごとはもうやめて貰えません事?」  この女にも……魔眼を使って傀儡と化した方が楽ね。あとは金魚のフン共と教師を支配すれば……。この高校がわたくしのモノとなるのは時間の問題。ここを足がかりに、この国を……いえ、この星をわたくしだけのモノしてみせる。 「おままごと……? どうやら、その体に私の美しさを教えてあげるしかないようね。これだから……女子って面倒なのよね」 「そんな必要……ありませんわ? もう、こんなくだらない事……お終いに致しましょう。だって、この世界はわたくしを支配者として望んでいるのよ? アナタに時間を掛けている余裕なんて……もうないのだから」  これで全てお終い。魔眼の力でこの飛緒もわたくしの人形となる。力を躊躇するのは良くない。それが分かっただけでも……良しとしようかしら。 「さぁ、刮目しなさい。我が瞳に宿りし真なる力よ、今こそその力を……。──!?」  何が起きたのです。突然、言葉を話せなくなるなんて。まさか、飛緒の仕業とでも言うのかしら。いえ、違うわ……あの女は何もしていない。たって、わたくしの唇に温かい感触が……。 「マイハニー。この僕の口付けはどうかな? 初めてで、少し緊張したんだけどね。おや? 嬉しさで固まっているのかい? なら……もう一度……」 「な、な、な、何をしてくれてるんですのっ! き、き、キスだなんてっ。しかも……こんな……みんなの目の前で……。ではなくてですねっ。誰がわたくしの唇を奪えと言ったのですかっ!」 「怒らないでくれよ、マイハニー。今度は、二人きりの時にしてあげるからさっ」  理解できない……。『マイハニー』って何かしら。魔眼によって傀儡と化したはずなのに。しかも、前よりも変態度があがってるじゃないの。わたくしの唇……初めてでしたのに……。

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第6話 想定外の事態

ニャン語で修羅場がカオスと化す

 愛する者の浮気。それは絶対に許せなかった。だからこそ私はその現場に乗り込もうと、使い慣れた包丁をカバンに忍ばせた。もう、こんな屈辱的な感情を味わうのは、これで最後にしたい。心にその誓いを立て、私は浮気現場という魔境を目指したのだ。 「ついに……ついに、現場を抑えたにゃん! あにゃた、どうして、そんな女と一緒にいるにゃ!? 私だけを愛してるって言ったのは嘘だったにゃ!」  魔境に踏み込んだ私は、カバンという鞘から魔剣を引き抜くと、愛する物へとその刃を向けたのだ。 「ま、待つにゃ! これには、海より深い事情があるにゃ! だから、落ち着いて欲しいにゃん」 「事情って何にゃ! 私をもてあそぶのが、事情にゃの? こんな生活……耐えられないにゃ」  震える魔剣を両手で抑え、愛する者の元へ切っ先を向けたまま駆け出したのだ。私は愛する者に引き寄せられ、その胸元に魔剣を突き立ててしまった。これで、地獄の日々から解放される、私の中にようやく春がおとずれたのだ。

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第5話 魔眼の力

「ようこそ、わたくしの可愛い人形達。さっそく、わたくしのために、そに身を捧げて欲しいの。いいわよ……ね?」 『もちろんです! この身をお好きに使いください』 「そう……では遠慮なく……って、な、何をしようとしてるんですのっ? 誰が脱げと言ったのですか!」 『華蓮様が身を捧げろと仰いましたので、服を脱ぎ準備をと……』  この星には変態しかいない。そうとしか考えられない。でなければ……魔性の力で魅了されるはず。魔眼……変態が悪化しないと祈るしかなかった。 「脱げなんて言ってませんわ。だいたい、わたくしに忠実であるべきなのですよ? それとも……わたくしを本気で怒らせたいのですの?」 『なんという……ありがたきご褒美! もっと……もっと私達を罵ってください。この快楽こそが……私達のご褒美なのですっ』  もはや、何を言っても無駄。こうなってしまった以上は、魔眼にかけるしかない。勝算は……あるとは思えない。だが、残された道はこれしかないのだ。 「ご褒美でわないですわっ。全く……。さて、おふざけは、ここまでにしようかしらね。変態化は想定外……でしたけど、本気の魅了……見せてあげますわ」  久しぶりの感覚。勇者との戦い以来……緊張などしていなかった。今となっては懐かしい思い出。あの時は強がっていた。限界まで追い込まれていたのは、わたくし。  勇者と名乗るだけの事はあった。だが、この世界に勇者はいない。わたくしの快楽のため、この高校を早く支配しなければならないのだ。 「さぁ、人形達よ。我が瞳を刮目せよ! 汝らがこの美貌に酔いしれ、我が人形として仕えさせてあげましょう」  魔眼は……今のところ問題がない。むしろ、異世界よりも強い力を感じる。この力が……あの変態という性格を消し去ってくれるはず。 「さぁ、わたくしの問に答えなさいっ! アナタ達の主人は誰なのかしら? そして、アナタ達の存在価値をわたくしに示しなさい!」 『……我らが主は、華蓮様であります。そして、我らは華蓮様の人形であり、快楽を与えるためだけの存在です』  わたくしは賭けに勝ったのだ。魔眼の力は健在である。この力で、残りの変態二名を傀儡と化せば……。 「ふふふ、美琴。アナタにご褒美をあげますね。さぁ、このわたくしに、近寄る権利を与えましょう」 「そ、そんなご褒美……だなんて。嬉しさのあまり、失神してしまいますっ」  この変態姿もこれで見納め。再び魔眼を発動させ、美琴の精神を完全に支配する。少し残念な気がするが、計画に変態などいらないのだ。 「美琴、アナタに問うわ。アナタにとって、わたくしは何かしら?」 「華蓮様は主であります。この美琴……主様の道具として、一生仕える事が至福の喜びです」  これで変態を一掃できる。残るはクラスに残っている生徒と、あのイケメン変態だ。変態という属性さえ消せれば……あのイケメンはわたくしのモノ。そして……あの絶世の美女も……傀儡にしてみせる。  魔眼さえあれば……魔性の力はどこまでも強くなる。わたくしは、支配者でなければならないのだから。

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第5話 魔眼の力

小説のタイトルが長くなる理由

「相談があるんだ、新作のラブコメのタイトルを『愛』にしようと思ってるだけど、どう思う?」 「それだと、どういうラブコメか分からないじゃないか! それで内容は?」  新作ラブコメのタイトルの相談する前田勇作。シンプルなタイトルに少し不安なのだ。そこで、親友の阿刀田健太に悩みを打ち明けていた。 「登場人物に、悪役令嬢が出てくるんだけど……」 「ん? それなら、『悪役令嬢・愛』とかでインパクトつけた方がいいと思うぞ」 「いや、悪役令嬢は恋仲の二人を邪魔するんだよ」 「なるほど……。『悪役令嬢が二人の愛を引き裂く』とかなら、分かりやすいかと」 「実は……その恋仲の二人が……ダブル不倫という設定にしてあるんだ」 「ざ、斬新な設定だね。そかそか、『悪役令嬢がダブル不倫ている二人の仲を引き裂き愛を奪う』とかは?」 「男主人公なんだけど……悪役令嬢の旦那をしているんだ」 「わかった、それなら『旦那を寝盗られた悪役令嬢がダブル不倫と気が付き二人の仲を憎しみで引き裂く殺し愛』。これだね」 「それが、言い難いんだけど……」  親友に打ち明ける勇気が消えてしまった。だが、優しき健太の瞳に見つめられると、恥じらいながらも、本当の事を話したのだ。 「実は……。これ、俺の嫁を題材にした小説なんだ……」  作家 前田勇作が世に出した最後の作品……それは、『旦那を寝盗られた悪役令嬢がダブル不倫と気が付き二人の仲を憎しみで引き裂く殺し愛。実は作者の実体験であり発売後に行方不明となってしまい事件は迷宮入り』。  ニュースで取り上げられ、数百万部を売上を記録する。旦那の失踪は嫁の仕業と噂され、捜査の手が及んでしまう。だが、証拠がなく嫁は失踪と無関係と結論付けられた。  しかし……悪役令嬢こと勇作の嫁の口元はにやけていた。それが印税でなのか、捜査線上から外れたからなのかは、本人しか知らなかったのである。

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小説のタイトルが長くなる理由

140字小説(秋)

その日、彼は秋空を眺めながら近くの公園で読書を楽しんでいた。しかし、平和な時間長くは続かなかった。  彼は突然、地面に倒れたのだ。異変に気がついた人達が、心配そうに声をかけてくる。  しかし、彼が放ったひと言で周りの空気が固まってしまう。 「た、食べ過ぎて、苦しい・・・・・・」

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140字小説(秋)

第4話 お仕置はご褒美!?

「この世界のイケメンは変態なのかしら。それに引き替え……美琴は従順……。美琴? 何をなさってますのかしら?」 「はい、我が主である華蓮様の……神々しい匂いを堪能しています。何とも言い難いこの香……まるで禁断の花園に立ち入ったようで……。あぁ、この香りは……美琴だけのモノにしとうございます」  おかしい……。いつからわたくしの魅了が、変態生成機となったのか。元々魅了ではなかった……いや、そんなハズわない。異世界では、全てがわたくしの操り人形となっていた。それなのに……この世界のしかも、この『日本』に存在するヒューマンといったら……。 「──!? な、いきなり何をなさいますの! だ、ダメっ、そ、そこは……。っていい加減にしなさいっ!」 「ふぅ〜、気持ち……良かった。はっ、美琴とした事が……も、申し訳ござません。こんな悪い美琴に……お仕置……してください」  変態はあのイケメンだけではないというの……。この国は……この国住んでいる者は、全員が魅了によって変態化する。もし、魔眼など使っていたら……。 「華蓮……様? このダメな美琴に……はやく、お仕置を……。でないと……私、おかしくなってしまいます!」 「お、落ち着きなさいまし。そう簡単にお仕置をするとでもお思いかしら? そうね、お仕置をしないことをお仕置としますわ。これに懲りたら……」 「そ、そんな……。お仕置していただけないなんて……もう、私……華蓮様なしで生きてはいけない体になってしまいます」  このままでは非常に不味い。早急に、魔性の力と魔眼、それに魅了の効果を確かめる必要がある。こんな状態では、飛緒を傀儡にするどころではない。  幸いにも他のヒューマンはまだ正常だ。何人か使って、この力を再確認しなければ……。 「こほん。では、美琴、わたくしの実験のため、このクラスから何人か適当に選んで欲しいわ。でも、男女の人数は半々で六人ぐらいかしらね。選んだら、屋上まで連れてきてちょうだい。いいわね? くれぐれも、おいたはしないように」 「はい、我が主の仰せに従います。この美琴……身も心も華蓮様に捧げています。必ずや……ご期待に添えてみせます」 「そう、それじゃ、よろしくね? それと、あの女……飛緒には決して見つからないようにね」  恐怖……こんな感情は初めて。異世界では魅了さえすれば、意識は思いのままだった。一筋縄ではいかないこの世界は……きっとわたくしへの挑戦。 「魔眼を使うのに恐るなんて……。でも、いいわ。最悪の場合、生ける屍にしてしまえば良いのだから。魅了なんて生ぬるいモノではなく、意識を消し去りはく製のようにすればいいだけ」  思った通りに事が進まない。怒り……そのような感情は存在しない。この世界で正しい力の使い方さえマスターすれば……。きっと、今までに味わった事のない快楽がわたくしを待っているはず。

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第4話 お仕置はご褒美!?

第3話 魔性がクラスを支配するとき

 飛緒との全面対決がわたくしの望み。手始めにクラスメイトを傀儡化してみせる。もちろん、男女関係なく……全てわたくしのモノにしてみせる。  あの女……絶世の美女とか言う怪しげな女が、男達をどう手玉に取ったか分からない。それなら、このわたくしが魔性の力で根こそぎ奪ってしまえばいいだけ。相手の手段など気にする必要はない。 「ふん、あの女……取り巻きとどこかへ消えたわね。この世界を支配するのは、わたくしひとりで十分なのよ。手始めに……魔性の力でこのクラスを支配させてもらうわ」  魔眼……は必要ない。この程度の規模なら、魔性の力だけでも十分お釣りがくる。しかも、この世界の住民は、異世界とは違い魔性に対する免疫がない。簡単に傀儡というおもちゃに変えてみせる。 「さぁ、このわたくしの虜にさせて上げますわ。あらそこの殿方……この胸に興味がありますの? ふふふ、可愛い子ね。で、も、アナタにはまだ早いわ。だからね……この魔性の力の前に傀儡となるがよい!」  この瞬間が……魔性の力を使う瞬間か快感でたまらない。全ての生物がわたくしの前にひれ伏すのだから。男とか女なんて関係がない。性別に関係なく、平等に可愛がるのがこのわたくし。 「あら、アナタ……可愛い子ね? 名前はなんて言うのかしら? 特別にこのわたくしのそばに置いてあげるわ。ふふふ、安心していいわよ。ちゃんと……可愛がってあげるから」 「あ、あの……私は、神崎美琴と言います。華蓮様のおそばに置いていただけるなんて……光栄です」 「美琴……ちゃんね。そんなに緊張しなくていいわよ? それと、キミもわたくしのそばにいていいわよ? 遠慮なんて……いらないわ? でも、おいたはまだダ、メよ?」  好みの男女を一人ずつ側近として配置する。他の人形達は今のところただのコマ扱い。このクラスは完全にわたくしが支配した。あとはコマ達を使い、絶世の美女をわたくしのモノとすれば……お・し・ま・い。 「華蓮様。華蓮様に従えぬ、あのにっくき絶世の微女は、僕にお任せください。きっと、ご期待に添えるはずです。ですから……寵愛を……華蓮様の寵愛をこの僕だけに……」 「あせりは禁物よ? そうね、やり方は任せるわ。でも、くれぐれも、わたくしを裏切らないでね? でないと……ふふふ、お仕置しちゃうわ」 「お、お仕置……。華蓮様が直々にお仕置するだなんて……最高のご褒美です! この吉田直樹、ご褒美のため誠心誠意、任務にあたりますので、朗報をお待ちください!」 「……お仕置は、このわたくしを裏切ったらですわよ? ちゃんと分かっています……か?」  この世界では、魔性の効果が異世界とは異なってしまう。使い方を間違えたのかと一緒思ってしまう、わたくし。  いや、間違ってるのは、きっとこの直樹なる男の方。わたくしの魔性は相手を傀儡にするはず。そのはずなのに……わたくしの目には、傀儡ではなくただの……変態イケメンにしか見えなかった。

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第3話 魔性がクラスを支配するとき

第2話 絶世の美女

 絶世の美女と呼ばれる少女『折城 飛緒』。その周りを取り囲む男達と登校する。飛緒の夢である逆ハーレムを満喫していた。 「ねぇ、今日よね? よく分からない転校生が来るのって。しかも、女子とか……ホント邪魔なだけ。そうは思わない? 私の可愛い下僕達」 「イエス! マイ・ロード! 折城様以外の女子など、道端に生える雑草と同じであります。お気になさる必要などござませぬ!」 「アナタは優秀ね。今度……特別にご褒美を上げるね? それは……その日になってからの、お、た、の、し、み。ふふふ、焦っちゃ……ダ、メよ?」  男なんて全て私の下僕。遊び道具にすぎない。飽きたら……捨てればいいだけ。代わりなどいくらでもいるのだから。  下心しかない下品な男なんて……その程度で十分。使い捨てた数なんて覚えていない。寄りを戻そうと近づく男がいるが、取り巻きが追い払ってくれる。 「折城様! 何で……何で僕を捨てたのですか!? あんなに可愛がってくれたのに……どうして……。僕はアナタに捨てられたら生きてはいけません!」 「ふぅ〜ん。アナタ……誰……でしたっけ? ごめんなさいね。私、捨てたモノをいちいち覚えていないの。だから……私の視界に入らないでちょうだい?」  何も言わなくても、取り巻きがその男を引き離してくれる。明日は我が身とも知らずに……。引き離された男もつい先日まで私のそばにいた。  名前など覚えていない。いや、覚える気が全くない。私にとって男など……使い捨ての道具にすぎない。道具に名前などつけるわけがない。 「マイ・ロード。そろそろ学校へ行かないと、遅刻してしまいます。どうか、お急ぎください」 「そう……。別に遅刻しても、あの教師がもみ消してくれるから平気よ。でも、あの暑苦しい顔を朝から見るのも癪ね。それじゃ、下僕達、学校へと参りましょうか」 「はっ! マイ・ロードの御心のままに!」  学校なんて行っても無駄。テストなんて白紙でも満点になる。授業の意味など全くない。絶世の美女という特権は、私の人生を大きく変えてくれた。 「……? アナタが転校生なの? 女子とかホント邪魔なだけでいらないんだけど。他の高校にもう一度転校してくれないかしら? ほら、絶世の美女である私が言うのよ? ありがたく思ってね?」 「あら、ご自分で鏡を見たことがないようね。それとも、鏡すら買えないのかしら? そんな憐れな子には……わたくしの人形となる権利を与えてあげるわ」  転校してすぐに飛緒と対峙する華蓮。自己陶酔している女子に、色気など全く意味がない。異世界と同じように、魔性の力でわたくしの傀儡にしようとした。だが……。 「なんのマネ? つまらない遊びはいいから、早く転校してちょうだい。アナタ……邪魔なのよ」  わたくしの力……魔性の力、しかも魔眼まで使ったというのに……。この世界では力が使えない、そんなはずわない。現にこの世界で情報を書き換えたのは、わたくしが持つ魔性の力。  魅了だけ使えなくなっていと思い、飛緒の取り巻きに魔性の力を行使する華蓮。結果は……。 「華蓮様……。僕を、僕を好きなように使ってください! あんな自己陶酔女には飽きたところなのです」 「へぇ〜、私の下僕を奪うのね? 面白い冗談ですね。でも、笑えないわよ?」 「そんなに大切なら、首輪でもつけばよろしいのでは? 自分の魅力のなさを人のせいにするなんて……絶世の美女が聞いて呆れますわね。顔を洗って出直してきたらどうです? あっ、鏡もないんでしたわね」  魔性の力が使えるのに、わたくしは安心した。腑に落ちないのは、あの女……華蓮とかいう、絶世の美女に力が効かない事だ。理由は全く分からない。  しかし、あの女の話を聞く限り、取り巻きはそこの男子だけではない。それならば、あの女から全てを奪ってしまおう。異世界を統べたわたくしに、敵意を向ける愚かさを弁えさせてあげると誓いを立てた。

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第2話 絶世の美女

第1話 魔性を極めし者

 「あら、勇者と言っても……その程度かしら? でも、悲観する必要はないわよ。アナタはよく頑張ったわ。この世界で最後まで、わたくしの魔眼に抗ったのですから」 「おのれ……魔性の女め。例え、この心が支配されようとも、いつか必ず……」 「うるさいわね? 男には引き際が大切なのよ? アナタ……ひょっとしてモテないでしょ。でも、安心してくれて? わたくしが骨の髄まで支配してあ、げ、る」  わたくしの魔眼によってこの世界の支配が終わってしまった。この力を手に入れて数週間。最後まで逆らっていた勇者も手中に落とし、わたくしの世界を手に入れたのだ。  この魔眼に逆らえる者などいない。わたくしの操り人形となるのだから……。種族も性別も関係なく、全てが思いのままに動かせる。快楽がわたくしを支配しするはずであった。 「……意外とつまらないモノね。この世界にもう用はないわ。だって……人形遊びに飽きてしまったのよ。ふふふ、そんな顔してもダメよ? アナタに興味がなくなってしまったの。だ、か、ら、わたくし……転生しますわ。この魔眼を使って、新たな快楽を求めに旅にでるのよ!」  魔眼を解放したわたくしは……『地球』という星に人間として転生する。もちろん、魔性の力も魔眼も両方使えるようにして……。 「うふふ、これが人間……の姿なのね。なんて……可愛いのかしら。まぁ、元がいいからよね。このわたくしより可愛いモノなど……存在しませんわね」  人間の名を『雛森 華蓮』と名乗るようにする。この世界での知識は魔性を使い、わたくしの脳へ全てコピー済み。あとは適当に、住民票やら戸籍なんかを存在していたようにするだけ。  魔性の力とは本当に便利な力で、何でもできてしまう。その力をさらに強めるのが、わたくしの左眼に存在する魔眼。特に人の心を支配し傀儡と化すのに重宝している。この力をこの世界でも使い、わたくしの快楽を満たすのが楽しみであった。 「それにしても……少し若くしすぎたかしら。この世界では、この歳が人気だと情報にあったのだけれど……。色気が足りないわね」  今の姿はワイシャツのボタンをしっかり上まで止めてある。しかも、スカートは膝下という本当に地味な格好。これでは魔性の名が廃ってしまう。  そこでわたくしは、色気をだすため胸元までボタンを外す。これなら、攻撃的な胸の谷間が男達を虜にできる。もちろん、スカートも黒の下着が見えそうな長さに調整。この変貌ぶりに、男達の視線は全てわたくしのモノ。 「うん、これでいいわね。でも、たかが下着が見えるくらいで喜ぶだなんて……品位がないのかしらね。この世界の男って……ホント魅力に欠けてしまうわ」  準備を終え転校する予定の高校へと急ぐ。この程度なら、魔性の力を使わなくとも虜にするのは簡単。この安易な考えを後悔するなんて、わたくしの頭には存在しなかった……。

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