ひう

8 件の小説
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ひう

こんにちは!!! 書きたい時に書きたいことを書きます!! 連載したやつはできるだけ書きます

昔の話

「昔昔ある所に……」 そんな語りから始まる昔話は、在り来りで、つまらない。 だけど、簡潔で、わかりやすい。 こんな惹かれる語りを昔の人は思いつくなんて、昔の人は発想力が豊かだ。 「最近の若者は戦争を知らぬから……」 そんな語りから始まる昔話は、在り来りで、つまらない。 だけど、内容には惹かれるものがある。 昔のことなんて誰も分からない。 だから語り継がないといけない。 「あの頃の国を知らないから」 「昔は良かった。今の国はダメだ。」 「これだから最近の若者は」 そんな話ばかりする老人は、数百年前の昔の人を見習って欲しい。 最初の語りが惹かれる言い方なら、いくらでもその昔の話を聞こう。 ほんと、昔の人を見習って欲しい。 これだから最近の老人は。

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冬の夏

冷え込む季節。 昨日から止まらず降った雨は、人の体を冷やす。 突然降ってきた大雨には対処しようがない。 連日最高気温を記録している気象庁も、これは予測できなかったようだ。 そのため、傘も無く、冷たい雨の中では薄い服は体温を保ってはくれない。 それどころか、熱を出して身体は火照っていく。 ある日、連日の猛暑により酷使されたハンディファンのバッテリーが過放電等により発火したとのニュースがあった。 暑くなる季節。 連日降り注いだ雪は、あたり一面を真っ白に染めあげる。 雪は太陽光を反射して、こちらの肌を刺激する。 真上から落ちてくる太陽は身体の体温をどんどん上げる。 分厚い服。マフラーに、ニット帽。カイロを握りしめ外に出たものの、体温は上がり、逆に暑くなる。 肺には冷たい空気しか入らないのに。 ある日、連日の寒さにより使われたストーブの周辺に、毛布などの可燃物が置いてあり、発火したとのニュースがあった。

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癒々

疲れた。 もう疲れたんだ。 上司からのパワハラ。先輩からの嫌がらせ。 後輩からの嫌味。同年代はもう結婚したり、自分の好きなことをしてお金を稼いでいる。 一方俺は、平凡な会社でダラダラと人生を過ごしている。 もう死のう。 1歩進めば落ちる。 ここは3階建てのビルの屋上。 頭から落ちれば即死だろう。 やっと開放される。あの空間から。この世から。 嫌なことも全部ここまでだ。 そう思ったら、なんでもできる気がする。 開放感というか、心の重荷が全て降ろされたような、そんな感じがする。 体が軽い。風が心地よい。体が浮くような、そんな感覚だ。例えるなら、ジェットコースターの下がる時のような、浮いた感覚だ。 ああ、みんな見てる。前までは誰も俺のことなんて見なかったくせに。 無視したくせに。 学校でも、会社でも、なんでも。みんな無視したのに。 今では注目の的だ。やはり。注目を浴びるのは心地よい。 五月蝿いな。救急車の音は。パトカーの音は。 寝ている最中に来るなよ。せっかく気持ちよく寝ていたのに。 あー、明日もこんな心地よい日が続くといいな。

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双子の解決

チリリリ。チリリリ。 アラームが鳴る音が聞こえる。 僕はアラームを止め、ベットから起きる。 カーテンを開け、窓を開ける。朝の新鮮な空気が淀んだ空気を変えてくれる。 寝巻きから制服に着替えた頃に、 「柊真ー!!ご飯できたよー!!」 「はーい」 部屋のドアを開け、階段を下りる。 目玉焼きの香ばしい匂いが鼻腔を刺激する。 「いただきまーす」 僕は朝食を勢いよく口に放り込み、手を合わせる。 「ご馳走様でした」 洗面所へ向かい、歯磨きをする。 父さんが髭を剃っていて、その真横を素通りする。 「今日は雨なんだって。傘もっていきなさいよ」 「うん。わかった。」 歯磨きを終え、部屋に戻る。 バックの中に教科書とノートを入れ、そのまま背負う。 「じゃ、行ってくる」 「行ってらっしゃい。気をつけてね」 秋風が心地よい。 太陽は程よく地面を照らしている。 僕は入院後、精神病院での治療を受けて、無事に治った。お兄ちゃんのことはまだ、少し気になるけど……でも、もう大丈夫!! お父さんもお母さんも、僕をもう大丈夫だって思ってる。ちゃんと、春から学校にも復帰して、もう中学2年生。 目の前には紅葉が一面にあった。 葉っぱを踏まず、隙間だけ踏んで歩く。忍者みたいでこれも楽しいのだ。 僕はそのまま一緒に登校している人に話しかける 「お兄ちゃん、そっちの組って1時間目の授業なんだっけ!!」

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双子の思い出

目が覚めると、病院にいた。 真っ白な天井が目に映る。 「お兄…ちゃん?」 「お兄ちゃんっ!!お兄ちゃんはどこ!」 病室のドアが開いた。 「柊…真…起きたの…」 「お母さん…お母さん!!お兄ちゃんは!?」 お母さんは顔が真っ青だった。 涙をぽたぽたと流し、お見舞いの品を落としたままなこちらに近づいてきた。 「柊真…轢かれて…死んだって…あんたを庇って…」 「お兄ちゃんが庇ったから…」 僕を庇ったから、僕がアイツらに従ったから 僕があんなことしたから僕が早く落ちとけば 僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が僕が 僕が殺したんだ それ以降、記憶は曖昧だ。 ただ、お兄ちゃんとの日々を思い出していたはず。 お母さんは言う。 「飛び降りようとしたときは本当に怖かった。」 お父さんは言う。 「いじめっ子を半殺しにした時は止められなかった。止めたらいけないと思った。」 警察沙汰にはなったが、いじめの件がバレて、罪には問われなかった。 お兄ちゃんは言う。 『人を傷つけるな。優しくしろ。いじめなんてしちゃいけない。人の役に立て。そうするなら、俺はお前とずっと一緒にいるよ』 僕は初めてこの約束を破った。 これが1人になった最初の僕の思い出だった。

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双子の疲労

僕は学校で虐められていた。 毎日、2つ上のいじめっ子に殴られて、暴言を言われた。 もう13歳なのに。 でも、みんな言う。「いじめなんてない」 唯一話を聞いてくれたのはお兄ちゃんだけだった。 『どうしたんだ?』『なんでそんなに汚れてるんだ』 『話聞くぞ』 そう言ってくれた。 お兄ちゃんは大きかった。同じ歳なのに、身長は僕より15cmも大きくて、かっこよかった。 お兄ちゃんは俗に言う、陽キャだ。 毎日笑顔で、いじめなんてしないし、されてたら止める。善人という言葉を体現したような人間だ。 それでも、僕のいじめには気付かなかった。 ある日、いじめっ子は言った。 「電車のホームから落ちてみろ」 「む、無理だよ。そんなの。も、もし電車が来たら、死んじゃうじゃないか」 そう口答えしたつかの間、いじめっ子は僕を殴った。 「お前がしないなら、お前のお兄ちゃんを落とす。どっちがいい?」 断れない。お兄ちゃんは、同年代ではでかいが、いじめっ子からしたら普通だ。体格でも、いじめっ子の方がいい。 「……うん。落ちる」 落ちないと、また、殴られる。 落ちないと、お兄ちゃんが落とされる。 落ちなきゃ、落ちなきゃ。 「電車も…来ないし。すぐ上がれば…」 「遅えんだよ」 いじめっ子は、僕の背中を押した。 その時、電車が来る音がした。 ガタガタと音を鳴らして、こちらに近づく。 「あ」 既に僕はホームから足を離していていた。 『柊真っ!!』 その時、お兄ちゃんの声がした。 尾行してきたのだろう。いじめっ子の後ろを。 そして、僕の腕を掴んで、引っ張る。 『くっ……うぁっ』 僕を引っ張ったはいいものの、お兄ちゃんは引っ張った弾みに線路に落ちた。 「お兄ちゃん!!お兄ちゃん……だ、誰か!!お兄ちゃんを助けて!!」 周りに助けを求めても、周りの人はただお兄ちゃんを見つめるだけだった。 しょうがない。ガタガタガタガタ、と電車は迫ってくる。 「うっ……お、お兄ちゃん!!今、助けるから!!掴んで、お兄ちゃん!!」 腕を伸ばす。だが、お兄ちゃんは掴もうとしなかった。 『まて、柊真!!離れろ!!腕が巻き込まれる。大丈夫だ。俺ももうすぐ上がるから』 〇月〇日。 〇〇県××市の駅で人身事故発生。 被害者の中学生は線路に落ちようとした弟の腕を引っ張った弾みで落ちた模様。 被害者の中学生の遺体は、弟が直前に掴んだ腕だけだったという。

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双子のしっそう

「お兄ちゃん。お兄ちゃん。どこ?お兄ちゃん。 僕、ひとりじゃ寂しい。」 ひたすらに走った。走った。走った。 『どうした。ずっと一緒にいるだろ。ここにいるよ。』 「ねえ、お兄ちゃん。どうして?僕を置いていかないでよ。」 置いていかないで?ずっと一緒にいるのに? あれ、お兄ちゃん、お兄…お兄ちゃん? お兄ちゃん?お兄ちゃん?お兄ちゃんって、誰?お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ち 「……発見、行方不明だった子供が見つかりました!! 〇〇県〇〇町、△△-〇〇-△△-◻︎◻︎-◻︎◻︎ 脈拍あり、呼吸あり、意識不明、頭部から血を流しています。」 …あれ?僕…どうしたんだろう。 お兄ちゃん…助けて。頭…痛いよ。 ここ…森…僕たちの…秘密基地…お兄ちゃん、いないの…? 『柊真。早く帰ろう。お母さんが待ってる。柊真、俺はもういないんだよ。もう、帰ろう。なあ』 「お兄ちゃん!!」 「柊真っ!!…どうして…どうしてあんなことしたの!!」 「柊真、なんでも聞く。悩みがあったら聞く。なんでも話せ。だから、なんであんな事したのか、話してくれ。お兄ちゃんって……颯太のことか?…颯太は……もう…」 そうだ…思い出した。 お兄ちゃんは 僕が殺したんだ。

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双子の悩み

僕は双子だ。これが兄で、僕は弟。 双子は、嫌われるのだろうか? お母さんとお父さんは、いつも困った顔をしている。 その都度病院に連れて行って、お兄ちゃんと僕を離れ離れにする。 どうして?僕達はなにもしてないのに。 お母さんは言う。 「どうしてこうなっちゃったの」 お父さんは言う。 「悩みがあるならいいなさい。なんでも聞くから」 と。僕達はなんの悩みもないのに。 どうして、お父さんとお母さんはそんな悲しんだ顔をしているの。 ねえ、お兄ちゃん。どうして? 次の日のニュースで、精神科の病院で子供1人がいなくなる事件があったと報道された。 その子の両親は「あの子はなにもないところに向かって、『お兄ちゃん』という何かに話しかけていた。」と言っていた。

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