月明 ルナ

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月明 ルナ

初めまして、月明 ルナ(つきあかり るな)です。他のサイトで小説を書いているのですが、案が出て来すぎて執筆が進まない為、こちらにて消費、長文を書く練習をしています。  200〜1000文気まぐれで更新予定です。

私の恋の賞味期限“前半”

 私の名前はユカ。    高校1年の冬、バレンタインの日に勇気を出してチョコを渡した。相手は学校で一番イケメンと言われていカイト君(同い年)。もちろんダメ元だったのでフラれる覚悟はしていた……。  返事はないままひと月が経ち、ホワイトデー。廊下で上級生の女子がカイト君にお返しを貰いに群がっていた。ユカは友達のアイカと脈がないから素通りしようと群がりを掻き分けて行こうとした、が我先にと思われたのか突き飛ばされてしまった。  カイト「あっ、ちょっと通して。」  カイトは群がりを掻き分けて行った先は、尻餅をついたユカの前だった。急のことで呆気に取られたユカへカイトは手を出してくれた。迷うユカを他所に無理やり床の手を取り引っ張って起こしてくれた。  カイト「逃げるよ。」  カイトはユカに耳打ちをした。  カイト「みんな、ごめんね。用事出来たから行くわ。通して。」  と言うとユカと手を繋いだまま群がりから抜け出せた。  後ろでは群がっていた女子達が文句を言っていたが、カイトはお構い無しと言う感じだった。  対してユカは耳まで真っ赤にし、すれ違う人の目線に耐えきれず下を向いていた。    アイカ「ちょっと待ってよー。」  アイカは無視されて放置プレイに耐えきれず声を掛けた。  カイトは群がりの誰かが声を掛けているのだと思い、無視した。  アイカ「ユカー。カイト君止めてー。」  ユカはアイカの声に我で返り、急に止まった。  カイトはユカに急に止まられたことにより頭がカクンッとなった。  カイト「いってー。止まるなら言ってよ。」  言っている事はごもっともだが、勝手に連れて行ったのもカイトだ。  ユカ「ごめん。でもアイカが……。」  ユカとカイトが後ろを向くとアイカは申し訳なさそうにしていた。  アイカ「ごめん、邪魔がしたいとかじゃないんだけど次の授業どうするかだけ教えて欲しいんだけど……。」  アイカの質問が終わると同時に午後の授業が始まる5分前の予鈴がなり、カイトとユカは目を合わせた。  カイト「じゃあ連絡先教えて。後で連絡するから。」  ユカは頷いて連絡先を交換しそれぞれの教室に戻って行った。  アイカは二人が連絡先を交換しているのをバレないように写真を撮ってクラスのグループラインに送った。  ユカはニコニコしながらアイカの元へ帰ってきたが写真のことは気づいていないみたいだ。  教室まで戻る間、アイカの携帯はずっと通知で振動していた。きっと先程の写真の返信だろう……。  教室の前で次の授業の先生と鉢合わせた。すると午後のチャイムが鳴った。  先生「チャイム鳴ってるぞ、遅刻にするぞ。早く座れー。」  アイカ「先生も遅刻だぞー。」  アイカとユカが教室に入ってくるとクラスメイトがざわざわとした気がしたが、 ユカが席に着く時に携帯が二回振動したのでカイトからの連絡か確認したくて気にならなかった。  ユカが授業中にこっそり携帯を開くと通知がとんでもないことになっていた。  ユカ「え、なにこれ……。カイト君に会う前に見たのに。」  グループラインが100以上の通知が入っていた。  学校なので通知はオフにしていたため気付かなかったのだ。  開いてみるとアイカが送った写真が目に入り、みんなに見られたと恥ずかしくなった。  みんなへの返事など無視し、写真をリプライし起こったスタンプを送った。その後アイカの方を見ると手を合わせてゴメンと謝っていた。  視界に入った何人かはニヤニヤしていた。きっとみんな知っているんだ……。  バレたことは仕方ないと諦め、カイトから連絡が来ているか確認した。  カイトー今日の放課後、部活前に会える?あまり時間ないけどー  ユカは会える事と、場所の確認をした。また、クラスにバレた事を事を伝えた。  放課後までユカはソワソワしていた。  もちろん休み時間にクラスメイトから質問攻めにあったが、アイカが説明をしてくれたお陰で被害は少なかった。  ユカはアイカに放課後会うからクラスで待っててと伝えた。  ユカは放課後になり、指定場所に駆け足で向かった。既にカイトは待っていた。  手には紙袋を持っていた。  カイト「これ、バレンタインのお返し。他には誰にもお返しあげてないから。」  と急ぎ手渡しし、部活があるからと走っていった。ユカはそんなカイトの後ろ姿に大きな声で「ありがとう。」と伝えだ。  ユカー終わった。玄関で待ち合わせー  アイカにラインを送り、玄関まで歩いて行った。    アイカは待っていましたとばかりに駆け足で玄関まで行った。玄関に着くとユカを探した。  アイカ「あっ、いた。」  アイカは先に床を見つけ顔色を伺おうとしたが、後ろ姿で分からなかった。ただ、左手には紙袋を持っており、多分カイトから貰ったものだと信じた。  アイカ「ユーカ、どーだった?」  ユカは紙袋を見せ、「お返し貰っただけだよ。」と伝えた。  アイカ「中身は見た?」  ユカは首を横に振り紙袋の中を覗き込んだ。  綺麗にラッピングされており、やはり中は分からなかった。  ユカ「家に帰ったら開けてみるよ。」  電車でグループラインの件をアイカに怒った。  アイカは申し訳なさそうにしていたが、親友なので心底恨めなかった。  ユカは家に帰り真っ直ぐ自分の部屋に行き、紙袋と睨めっこした……20分くらい。  なかなか開ける勇気がなかったのだ。  しかし、痺れを切らし取り出した。  ラッピングのリボンを外し、中を見るといろんな種類の小さな手作りクッキーだった。  ユカ「わぁ、型抜きもしっかりしてて綺麗。」  写真を撮りアイカにラインした。これは拡散禁止と釘を刺した。  紙袋は記念に保管しようと何気なく中を覗いたら手紙が入っていた。  クッキーのラッピングの下敷きになっていて気づかなかったのだ。   「洋菓子店で働く姉と一緒に作ってるので味は保証します。付き合ってください。」  シンプルだったがとても嬉しかった。  練習中のカイトにラインでー手紙みたよ。大好き♡。ー送った。    後半に続く…

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落ちこぼれた天使と叶わぬ恋

 ここ天国は、神様と天使のいる楽園だ。  人や動物、魚や虫など種族を問わず|徳《とく》を積むか、試練を乗り越えた魂は天国に来られるのだ。もちろん犯罪を犯した魂は言うまでもなく地獄行きだ。  そんな楽園でのんびり働いている僕の名前はライファ。  僕達天使の仕事は主に三種類だ。  1.天国に来た魂の判別(天国の滞在時間と次の人生での試練の選択。)  2.天国で|優雅《ゆうが》に過ごす魂の話し相手。  3.警備員。    その三種類の仕事は基本時間制限制(一日四時間)だが、ノルマ達成で有給を取得できる高待遇だ。  天使として得を積むと神様候補へなり、神様になると10年の時ののち人間として幸せを約束される。  そんな僕は警備員としてよく居眠りしている。起こられないかって?皆仏みたいに優しいし、優秀な天使の近くにいると勝手に取り締まってくれるんだ!  頑張って仕事をする意味が分からない。日本で『働きアリの法則』って言葉があるくらいだ。  <ほら、目の前で魔が刺した魂が善良な魂を吸い始めたよ。今日は優秀な神様候補のみかポンが近くに居るからいつものパターンだ。>  ライファ「サイクさん、いつもどおり僕が吸われている側を|庇《かば》うよ!みかポンと悪い魂をヨロシク!」  ライファは楽をし、襲われた魂を守りつつ、吸われた魂を確認し補給してあげた。その間に二人で悪い魂を地獄へ送る手配をしている。 『ガランッ、ガランッ』と鐘の音が鳴った。  <噂で聞いた頃がある、幻の鳴らない罰則の鐘だ。どの天使が地獄送りになるのかなぁ。>    <目の前が真っ暗だ。> 『ズキンッ』  ライファは右の羽に今まで味わったことのない痛みが走った。  ライファは右肩を抑えながら|蹲《うずくま》った。  <なんだこれ?天使の体は病気などにはならない|筈《はず》なのに……。取り|敢《あ》えず医療所へ向かおう。>  謎の痛みを確認してもらうためになんとか立ち上がった。  ライファ「ここ……どこだ?」  見渡す限り黒い大地に真っ赤な川。真っ赤な空に紫がかった雲。更には|何処《どこ》からともなく雷が鳴り続いている。  すると空が暗くなった。びっくりして見上げると、黒い影がよっつ降りてきた。黒い影は段々とライファに近づいてきた。  <なっ、悪魔だと!きっと痛みで幻覚を見ているんだ。>  ライファは天国ではありえない光景を見てしまい、そんなことはないと頭を抱えながら自分へ言い聞かせた。  悪魔A「おいっ、今日からお前は|堕天使《だてんし》だ。そんなお前にはプレゼントだ。」  ライファ「だ、堕天使?」  ライファは信じられない言葉に思わず繰り返しながら顔を上げた。悪魔Bが黒い羽、悪魔Cは姿鏡を持っていた。  <これどっちがプレゼント?選べってこと?>   ライファが困惑しながら二つのプレゼントを交互に見比べていた。すると鏡を持った悪魔Bがライファの右斜め後ろまで移動し、話しかけて来た。  悪魔B「この鏡で背中、見てみな。」  と訳の分からないことを言われたが言われるままに背中を見た。  ライファ「そんな、まさか!」  ライファは鏡の中の自分を見て、膝から崩れ落ちた。鏡越しに見た自分の背中には右の羽がなく、火傷の跡だけだった。  地獄に来た時の右の羽の痛みの正体は羽が燃えていたからだ。  悪魔A「そんなお前にこの黒い羽をつけてやるよ。堕天使が地獄に来たら必ずやってる儀式だから、もちろん拒否権はねーぜ!」  それからと言うもの、火傷した羽の後にプレゼントの黒い羽を縫い付けられた、耐え難い激痛と共に。そしてライファの意識は遠のいて行った……。    ライファ「はっ、ここどこ?」  右肩の痛みで目が覚めると、黒い絨毯の上にうつ伏せで寝ていた。  悪魔A「あたし達が手足持って運んできたんだ、礼は今度でいいぜ。」  声の下方を見ると先程の悪魔4人組が腕を組んで仁王立ちでいた。悪魔Aはライファと目があうと右手を挙げるとその先を指差した。  悪魔A「魔王が待ってんぜ。」  魔王「ミルク、久しぶりの堕天使だ。丁寧に扱ってやれ。」  声の主を見ると誰が見ても魔王だ。身長3メートルは超えているだろう。  悪魔A「ミルクって呼ばれるの嫌なんですけど、都市伝説の堕天使に説明しなくていいんですか?」    説明はこうだ。  堕天使だとしても悪魔とすることは同じ、基本的には拷問だ。後は逃げ出した魂を追いかける。この二つだ。  4時間の2組での交代制、もちろん24時間稼動だ。(4時間仕事→4時間休憩の繰り返し)  ライファはミルクとコンビで仕事を教えてもらいながらだ。  ライファは拷問を始めた頃は抵抗があり、拷問相手にも舐められた。  意外にもミルクは良い上司でライファと気が合い、意気投合し酒を呑みながら楽しく拷問を出来るようになっていた。    月日が経ち、ライファが地獄に落とされて半年が経った。  ミルクと楽しく拷問をしていたら空が急に光出した。  空から神が降りてきた。  ライファ「おっ、みかポンじゃん。元気〜?」  みかポン「え?ライファ、神様になったから助けにきたよ?」  話の最後は疑問に変わっていたのは、ライファの右の黒い羽と話ながらも拷問の手は緩めてなかったからだ。  ライファ「ミルク、仕事丸投げしてたみかポンだよ。まさかこんなところで会えるなんて。」  ミルク「なんか泣いてんぞ?」  ミルクの言うとおりみかポンは泣いていた。  みかポン「ぐすんっ。あんなに仕事嫌いで地獄で困っていると思ってたのに……」  ライファ「拷問楽しいよ?みかポンもしてみる?」  みかポンは減力で首を振った。神様が拷問なんかしたらどんな罰を受けるのか分からない。地獄に落とされるだけでは済まないだろう。  みかポン「ライファ、今からでも遅くないよ、話通しているから天国に帰ってこない?仕事量も減るよ?」  ライファ「いいよ、此処のほうがいい。それにミルクもいるし。」  というとミルクと目を合わせ、ニコリと笑い合った。  みかぽん「えっ!」  衝撃すぎて固まり、更に涙が流れた。  みかポン「わかった、でも元天使だからたまに監視しにくるからね。」  そう言い残し天国へと帰って行った。  ミルク「いいのか?天国に帰るチャンスじゃないのか?」  ライファ「天国退屈だし、拷問して悲鳴を聞いていたいよ。  そう言うと二人はキスをした。  半年の間に仲良くなっていた。地獄には結婚はなくただのカップルだ。不倫はし放題らしい。  みかポンは天国に帰り自分の部屋に帰ろうとしたが、他の神様に捕まってしまった。  神様A「どうじゃ、堕天使君は一緒じゃないのか。」  神様B「あのサボり魔が帰ってこないとはな。」  神様C「この美女を振るとはのう、勿体無い。」  神様D「あんなくそ野郎なんかより俺の嫁になってくれよ。」  しれっと求婚されたがみかポンは大好きなライファが地獄に落ちてから助けに行くことだけを考えていたから、ショックで寝込んでしまった。  それからは一月に一回地獄にライファへ会いに行ったが、みかポンの恋は叶うことは無かったのだ。  それでも会いに行くみかポンが可哀想で守りたくなると他の神様からチヤホヤされてた。  みかポン「好きな人は他の女といるのにどうでもいいやつに好かれれても困るんだよな。」  それから五年後。  ライファの隣には邪神としてみかポンがいる……  という夢を見てみかポンは天国で悪いことを繰り返した結果、地獄へ行くことに成功した。  そして今はライファが目の前で鞭を握っている。  ライファ「みかポン、なんで地獄に落とされたの?まぁ、なんでもいいから綺麗な悲鳴を来させてくれよ。」  みかポンは毎日拷問されるようになったが魔王に懇願しライファに毎日拷問してもらっている。  みかポン「恋が叶わなくても毎日私を見て、考えて、悲鳴に嬉しそうな顔が見れるだけでも幸せなんだ。」

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落ちこぼれた天使と叶わぬ恋

川に住むネコ

 僕は山の麓に住んでいる。  元々は母方のおじいちゃん、おばあちゃんの家だったらしい。結婚するころには二人とも施設に入ったから両親で話し合い住むことになったらしい。  古い家でコンビニやスーパーまで自転車で15分、しかも帰りは上り坂なので倍以上の時間がかかるから親の車かバイクに乗せて貰わないと行かない。    そんな僕の夏休みは退屈だ。だって遊びに行くのも一苦労だから宿題が終わればすることがない。  日中はテレビを見て両親が家に帰ってくるとゲームを渡してくれる。でもゲームができる時間は学校に行っている時と同じ時間だ。  そんなある日、ゲームの続きが気になって寝られなかったのだ。  きっと中途半端なところで終わったと日中の暇なテレビのせいで昼寝してしまったからだろう。    そして何より蒸し暑い。  このまま目を瞑っていても時間の無駄なので涼みに外へ出た。  涼む先は家の近く川へ、水の流れる音を聞きに。  少し歩いたおかげで汗ばんでしまった。額の汗を拭ったら偶然月が見えた。  「今日は綺麗な満月だ。」    思わず呟いてしまい手で口を覆ったが、こんな時間に誰かいるわけもなく手を下し川の横に仰向けで寝っ転がった。  右手は川に浸かった。 「冷たくて気持ちいい。こんな場所に住んでいいことなんてないと思っていたけど……案外自然っていいもんだな。」  ゲームしたり、動画ばっかり見るだけが全てじゃないんだと少し思った。  そのまま十分くらいぼけーっと何も考えずに満月を見ていた。  ウトウトとし、このままだと寝てしまいそうだと現実に意識が戻ってきた瞬間、急に背筋がスーッと寒気が走った。 「僕、霊感とかないんだけどな。まぁ、寝そうだし帰ろうかな。」  起き上がり、体育座りをした。  「砂利と小石ばっかだから頭と背中痛いな……。てか独り言ばっかだな、誰かに聞かれてたら恥ずかしいや。」  と我に返り背中の汚れを見ようと右肩に視線を落とした。  白いTシャツに付いた砂利を左手で払おうとした瞬間、視界の端に何かが映り手が止まった。  思わず手が止まった。  ゆっくり目線を上げると川を挟んで反対側の大きな岩の上には三毛猫がお座りをしてこっちを見ていた。 『え、いつから居たんだ?てかオバケ?』  頭の中はフル回転で考えながら三毛猫と見つめ合っていた。  どちらも動かずこの世界に一人と一匹しかいないのかと錯覚してしまった。  たぶん時間にしたら数秒なのかもしれない、でもなぜかその三毛猫に惹かれてしまった。 「いつから居たの?」  思わず聞いた。すると猫の耳がぴくっと動いた、でも逃げようとしない。 「もしかして最初からいたりした?」  もちろん答えるわけでもなくお座りしたままだ。 「動くよ?」  人の言葉が理解できるか分からないが、急に動いてびっくりするよりマシかと思い伝えてみた。  するとこちらを警戒しつつも耳を寝かせてくれた。 『伝わったのかな?』  一先ず当初の目的である背中の砂利払いだした。払った時の音がバシバシ聞こえるたびに右耳だけピクピクしているのが可愛い。  砂利をある程度払い落したのを確認し、立ち上がった。  川の反対側を見ると猫はくつろいでいた。 「じゃあ、帰るね!」  手を振ってみたが、猫は反応せずくつろいだままだった。  家に着きそっと玄関を開けたが両親は起きてこない。  喉が渇いたので冷蔵庫に飲み物を取りに行った。よく飲むただの炭酸水を手に取り二階の自分の部屋へと帰っていった。  ~次の日~  母親に起こされた。 「いい加減起きな、昼は時間なかったからカップ麺でも食べといて。」 「はーい、行ってらっしゃい。」  寝ぼけながら答えた。布団から起き上がりながら昨日の夜中のことを思い出していた。 『あれは夢だったのかな?』  ぼやーっと覚えてはいたが寝ると記憶は薄れていた。  リビングに行き机の上に置かれた菓子パンを手に取りテレビを付けた。  たいして見たいものもなく、YouTubeに切り替えた。  父親のアカウントになっていて釣りの動画で溢れかえっていた。  意味もなく一つの大きなバスを釣っているサムネイルの動画を再生しながらパンを食べた。  ぼーっとしすぎ、パンが喉に詰まった。 『やべっ、牛乳。』  と机に目線を落とした。  寝ぼけていて牛乳を入れていない……。  胸をドンドンと叩きながら冷蔵庫へダッシュ。  牛乳パックに口を付け喉に詰まったパンを流し込んだ。  「ゲホゲホッ。」  何とか一命をとりとめたが、牛乳は両親にバレたら怒られるだろうなと思った。 『ま、あとで飲み切ろう。とりあえず父さんにライン送っとこう。』  『今日、牛乳無くなった。帰りお願い。』  冷蔵庫を閉め、牛乳パックはそのまま机に持って行った。  釣りの動画を見ながら机に戻っていたら何か違和感があった。  そう、テレビの横の窓に何か見えるのだ。  机に牛乳パックを置き、レースカーテンをめくった。  「あっ、猫じゃん。」  その猫を見た瞬間昨日のことを完璧に思い出した。  窓をゆっくり開けたが、音にびっくりして逃げ出してしまった。  『日向ぼっこの邪魔したかな?』  夕方になり、日差しがマシになったので昨日の川まで三毛猫を探しに行った。  「あっ。」  昨日と同じ場所に三毛猫はいた。猫はこちらを見たがすぐにくつろいだ。 『この猫は僕に警戒しないのか?』  不思議に思いつつ、今朝の牛乳の残りと紙皿を持って川を渡った。  そのままゆっくり猫に近付いたが逃げなかった。  猫の横に紙皿を置き、牛乳を注ぎ少し離れ様子を見た。  木の日陰でしゃがみ込み少し待つと牛乳をペロペロと飲んでくれた。  それから僕は事あるごとに三毛猫へ会いに行った。  毎回は会えなかったが、合いに行くと必ずいつもの岩にいるのだ。  変わった猫だが、不思議と一緒にいると落ち着いた……。  夏休みも終わり文化祭と体育祭のダブルイベントで忙しく三毛猫へ会いに行く時間もなかった。  文化祭はかき氷店をし、好評だった。  帰宅部の僕は準備や、当日も店番をさせられたが達成感はあった。  悲劇は体育祭だ。  障害物リレーで押されて平均台に頭を強打。  そのまま病院へ直行し意識朦朧の中、三毛猫が夢の中でさようならと言った。  びっくりし、起き上がるとズキン。と頭に激しい痛みが走った。  母親と担任の先生が心配そうにこちらを見ている。 「ここどこ?」  障害物リレーの話をされ、押してきた奴は反省していない。謝りにもこないらしい。  よほどだ。  もちろん仲のいい友達もいないので学校で来てくれたのは担任だけだった。  頭の怪我は精密検査も問題なく、一晩入院したら退院できるみたいだ。  三毛猫の夢は気になったが病院ですることもなく、早くに眠りについた。    また夢を見た。  さよならと言った三毛猫が背中を向けてお座りをしている。 「おーい、さよならなんてさみしいこと言うなよ。また川に会いに行くから。」  すると三毛猫はこちらを振り返らずに歩き出した。  追いかけても距離は縮まらず、疲れて立ち止まった。  猫が向かった先は体育祭で突き飛ばした奴の家みたいだ。家の場所も知らないのに何故かそれだけは分かった。  そこで目を覚ました。 『あの夢は何だったんだろう。』  退院して川に行ったが、あの三毛猫には会えなかった。  翌日から突き飛ばした奴は学校に来ていないみたいだった……。  それから一週間、三毛猫にも会えず、突き飛ばした奴は欠席ばかり。  噂を聞くと何故か猫が怖いと外に出られなくなったらしい。  きっと三毛猫が見守ってくれているのだろう。  あの日から会えなくなった三毛猫へ今日もお礼を言いに岩へ向かうのだ。 “自主企画<リクエスト大会>” 星降夜(ホシフルヤ)先生よりリクエスト 猫と川で書きました。

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川に住むネコ

*自主企画<参加型リクエスト大会> リクエスト募集。先生方もリクエストから小説書きませんか?

 Noveleeでの更新を連載を今書いているもののみにして5000文字までの短編のみ投稿しようと思います。  また、Noveleeでたくさんの先生型と交流を出来たらと思い、こちらのコメントにリクエストしていただいた先生に書く旨を返事でお知らせ下さい。 それに伴いリクエストを募集します。 今回の「ギター」みたいになお題だけから、 登場人物の名前やストーリーをしっかり考えていただいても大丈夫です。 イラストはAIイラストを使用しますが、提供していただければそちらを使用します。 交流(ストーリーズ)に投稿していただければイラストを保存して使用します。 リクエスト募集期間 ~2月15日(土)23:59まで~ リクエスト執筆時間 ~募集終了後、確定します~ 交流に1日1~2回投稿します。(たくさんの先生方に見ていただくために) ※他の先生方にもリクエストで小説を書くことが可能ですのでご了承下さい。 ※他サイトにも投稿したいのでこのサイトのみの場合は一言「他サイトNG」など入れていただきますよう、お願いします。 <他サイト ・Nola ・小説家になろう ・ノベルアップ+>

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*自主企画<参加型リクエスト大会> リクエスト募集。先生方もリクエストから小説書きませんか?

ギター

 僕は高校受験の歳に勉強に疲れたから息抜きにリビングへ行こうと階段を降りながら両親に言われたことを考えていた…。 僕はそこそこの高校に行こうと思っていたが偏差値の高い高校が家の近くにあり、その高校が両親の憧れの高校だ。僕の通ってる中学からは毎年数人しか受からないような学校。 でも両親に後ちょっと頑張れば届くから受けてくれと言われていた。 当の本人である僕は、お試し受験で受かる気はなかったんだ、この後のことがおこるまでは…。 リリビングに着き扉を開けると、母が開いたのに気付いた。「りょうちゃん、この子15歳なのに凄く歌が上手なの。」 と言った。  テレビに目をやると何処にでもいる普通の女の子、背が小さいのだろうか?アコースティックギターが大きく見える。 すると、ちょうどサビだろうか?その子は大きく息を吸った…。  “……“ 時が止まったと思った。歌詞なんて耳に入って来なかったけどギターの音と声が凄すぎて息が詰まった。  母「ねっ、すごいでしょ?」 と自慢げに話しかけてくる。 (今 とても良いとこなんだ、ゆっくり聞かせてくれ!) 歌が終わった時には頬に涙が流れていた。男なのにこんなことで泣くなんて…と思うかもしれない。でもそれくらい感動したんだ。  両親に涙なんか恥ずかしくて見せられないから急いで自分の部屋に戻った。 SNSで検索してみるとトレンド上位を独占していた。  WEBドラマの主題歌らしく、熱狂的なファンと一部の人しか知らなかったみたいだ。  同い年でメジャーデビューしたて、でこんなに人気出るなんてすごいと思った。  次の日学校では案の定、その話で盛り上がっていた。ほとんどの人がリアルタイムで見てなかったみたいで動画の拡散で見たらしい。  (可哀想に、あの感動を味わえた僕は幸せ者だ。)  と内心勝ち誇っていた。でもその話は学校では長く続かなかった。だって受験生だもん。  皆んなそそくさと家に帰り勉強をした。一部諦めて遊んだり、部活の推薦で自分の力を磨いたり…。 (カッコいいな…。) と内心思ったが、僕は大人しく家に帰って勉強をした。ヘッドホンであの日の曲をガンガンにして聴きながら。 そして月日は流れあの高校から受験結果が届いた。僕は柄にもなく、ジャンプをして喜んだ。 -合格- の二文字に!そしてその日のうちにある場所へ行ったんだ。 実はあの日、寝る前に約束したんだ。 あの高校に受かったらギター買ってって。両親は合格を喜んで買ってくれたんだ、決して安くないけど…。 そのギターを持って僕は今みんなの憧れの武道館で歌っている。あの感動を今度は皆んなに。 どんなに苦しくても幸せが、感動があるんだよって。

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ギター

二話 檻から外へ③

「では、これよりオークションを開催する。この度15組の冒険者が集まった。冒険者の入場じゃ。」  すると真正面の客席下から檻の扉が持ち上がった。『ガガッ』すると出て来たのは大小様々なタイプの冒険者だ。15人ちょうどしかいないところを見ると代表者(リーダーかな?)のみみたいだ。  王様「それでは早速端から行こうかの。男のエルフから、はい、5からスタート。」  皆それぞれに金額を言う。てか、歓声が五月蝿すぎて聞き取りにくい。  結局13になった時には手を挙げているのは一人だけだった。 「じゃあ、13で『カラーエンジェル』に決定。」と王様が言うと。  観客からは割れんばかりの歓声が聞こえた。  晋太は『最強じゃん、巨乳美人に引き取られらぜ。奴隷と聞いて不安だったがこれからハーレムの未来が見えるぜ!』と心の中で叫んでいた。  晋太が内心喜んでいる間にオークションは着々と進んで行った。気づけば最後の一人になっていた。  「100、まだ3組残っているの、まぁ巨人の女で美人ときた。そりゃ今回の最高額じゃの〜」  王様は大台の100になり嬉しそうに金額を釣り上げている。結果、最終135で金髪イケメンが競り落としていた。晋太は浮かれて気づいていないが、9人の中ではダントツで安かった。他は20以上が当たり前、平均は45くらいだ。 競り落としたリーダー達がお金を払っていた。普通こんな観客の前でお金出さないだろ、と思ったが、晋太を競り落とした美人は二人分の支払いをしていた。  全員が払い終わり、それぞれのリーダーへ引き渡されてオークションは終了した。  晋太はハーレムを期待して、でも実際は絶望の始まりだったのだ。 “二話 完”

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再出発(近況報告)

皆さまお久しぶりです。 近況報告になります。 本職が忙しくストーリーを考える時間もなく... しかし新しい物語のプロットばかり思い浮かぶ日々。 その数は約がヶ月で10以上も... いざ執筆しようとすると新しいプロットばかりで執筆中の分が書けないという、 そう、スランプと言うやつです。 挙句の果てに体調不良が続き気力まで持っていかれました。 2月頃から再出発しようと思います。 またよろしくお願いします。 月明 ルナ

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二話 檻から外へ②

『俺様を何だと思っている。あ、ステータスを確認していなかった。”ステータス、オープン”』  しかし何も起こらない。諦めずに小声で「ステータス、オープン」何も起こらない。 ショックを受けた晋太はコロシアムの闘技場にガベル(オークションなどで使われる木槌《きづち》)が無いことに気づき、焦りは収まった。  相変わらず観客は騒ぎ続けていると、晋太たちを連れてきたオークが足元に置いてであろう斧を二本持ち上げクロスさせた。すると皆一斉に静まり、風の音以外何も聞こえなくなった。続いてオークが斧を晋太へ掲げた。突然の指名に一瞬殺されるのかと思ったが、観客が一斉に盛り上がった。『やっぱり俺、勇者じゃないか』とニヤつくとオークが大きな声で。  「|跪け《ひざまずけ》~」  『観客と鎖で繋がれた他の九人と兵士までも跪いていい気分だ。これこそ転生だ!』と喜んだのもつかの間。  先程睨んでいた兵士に小声で「お前、さっさと跪け。オークに首ちょん切られるぞ。」と脅されてみんなが見ている方を見た。  白いひげを蓄え、体は三メートルくらいある大男が赤いマントを翻し《ひるがえし》、頭には王冠だ。 『やべ、俺じゃなく王様か』 と気づき、急いで跪いた。王様が晋太の横に止まり、心臓をバクバクさせて一言目を待った。 「皆の者、長らく待たせた。」  思っていたより声が高くてちょっと気が抜けた。『こんな人が奴隷とか言う訳無い』と一息ついた瞬間。  「待ちに待った奴隷オークションの開催じゃ~」  と高らかに宣言した。一縷《いちる》の望みは絶たれた。『マジで奴隷か』とショックでうなだれる晋太に対し、臭いゴブリンの奥にいたタラコ唇の魚人と思われる男が。 「奴隷なんかやってられるか。帰るぜ。」と言いながら唾を吐いて『ガチャンッ』と音がして手錠を壊した。 「けっ、雑魚共《ざこども》。あばよ。」とギザな発言をした。晋太は『それは俺みたいなイケメンがいう言葉だ、てか外せるならなぜ残ってたんだ?』と不思議そうにしていると。 『パーンッ』乾いた音が一回だけ響いた。あれほど騒いでいた観客はいつの間にか静まり返っていたのだ。 『ドサッ』と音と共に倒れた魚人は血を流しそれきり動かなかった。 『あ、これマジなやつだ。おとなしくしておこう』そう晋太は誓ったのだ。

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二話 檻から外へ①

 長い階段を登り続けて数分、相変《あいか》わらずオークの背中しか見えない苦痛に限界が近づいて来た晋太《しんた 》だったが、背中の隙間《すきま》から光が見えてきて 『ようやく手錠から開放される』と晋太は思ったが声が出せなかった。  ……遡《さかのぼ》ること数分前、階段を登る前の少し広い部屋にてオークから一言。 「生きていたかったら、これから一言でも話すな。首が飛ぶぞ!」 と言われ口にテープを貼られたからだ。  オークに続いて階段を登りきると甲冑《かっちゅう》を着た兵士が待ち構えていた。  晋太は外の光に目をくらますと立ち止まった。しかし、立ち止まったのも束ノ間《つかのま》兵士に腕を引っ張られ、痛みにたまらず移動した。 『光で前が見えないし、腕が痛い。あの兵士腹立つから後で殴《なぐ》ろう』と晋太が思った時に。  『わぁー!!』  大きな声がした。急な声にビックリしたが、兵士に相変わらず鎖を引っ張られているため立ち止まれない。  歩きながら暗闇に慣れた目を光に慣らすため、下を向きながら瞬《まばた》きを繰り返した。  ようやく目が光に慣れて足元がタイルだと分かったとき、兵士が引っ張るのを辞めた。晋太は止まった瞬間に兵士を睨んだ。  兵士はこちらなど見向きもせずに前を見ていた。  兵士を睨む先が見えた瞬間晋太は『なんだこれ。』と周りを見渡した。  どこを見てもよく似た光景だ。自分が立っている場所は転生前に見ていたコロシアムみたいな場所の真ん中、戦う場所にいるのだ。  そして周り三百六十度全て人の観客が歓声《かんせい》や野次《やじ》さをとばしているのだ。  その観客の歓声や野次の先はもちろん晋太を含めた両手に手錠をされた10人だ。  「まさか、あの言葉の通りになるわけない。」  と地下でオークが言っていた、 "奴隷オークション"  と言う言葉を思い出した。

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好きな小説 ①ダークファンタジー

私の好きな小説です。 今回はダークファンタジー系で海外のものになります。 作名/作者 ・大まかなあらすじ ダレン・シャン全12巻/ダレン・シャン ・友達と一緒に行ったサーカス。あるものを盗んでしまい友達が危険な目に。  助けるために迫られた選択でパンパイアになるパンパイアの話。グロあり。 *漫画も出てます。小説1冊分を1巻の漫画にしてるため内容はギュッとなってます。 デモナータ全10巻/ダレン・シャン ・ダレン・シャンの後の作品になります。主人公が3人ですが、時代も場所も違います。キーワードはチェスと悪魔と******(ある能力名?)  内容はグロにかなり全振りしてますので、自己責任でお願いします。 セブンスタワー全6巻/ガース・ニクス ・弟を拐われた主人公、弟を助けるために冒険に出ます。 宝石を使い魔術を使用する世界観で、色により使える魔術の強さが変わる。 *詳しい内容は昔に読んだっきりなんで思い出せません(何故紹介した?)  でも面白かったです!! 番外編 トンネル全?巻/ロデリック・ゴードン         ブライアン・ウィリアムズ ・主人公は病気で太陽の光を浴びれない。  そんな彼の趣味は穴掘り。  掘り進めた先には地下の世界が、、、 *面白く、おすすめしたいのですが、日本語訳は途中で止まっています。個人的には将来、続きを翻訳して欲しいなと思います。

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