二話 檻から外へ①

 長い階段を登り続けて数分、相変《あいか》わらずオークの背中しか見えない苦痛に限界が近づいて来た晋太《しんた 》だったが、背中の隙間《すきま》から光が見えてきて 『ようやく手錠から開放される』と晋太は思ったが声が出せなかった。  ……遡《さかのぼ》ること数分前、階段を登る前の少し広い部屋にてオークから一言。 「生きていたかったら、これから一言でも話すな。首が飛ぶぞ!」 と言われ口にテープを貼られたからだ。  オークに続いて階段を登りきると甲冑《かっちゅう》を着た兵士が待ち構えていた。  晋太は外の光に目をくらますと立ち止まった。しかし、立ち止まったのも束ノ間《つかのま》兵士に腕を引っ張られ、痛みにたまらず移動した。 『光で前が見えないし、腕が痛い。あの兵士腹立つから後で殴《なぐ》ろう』と晋太が思った時に。
月明 ルナ
月明 ルナ
初めまして、月明 ルナ(つきあかり るな)です。他のサイトで小説を書いているのですが、案が出て来すぎて執筆が進まない為、こちらにて消費、長文を書く練習をしています。  200〜1000文気まぐれで更新予定です。