花火玉。
15 件の小説花火玉。
小説作家が夢のバリバリ中学一年生男児! 小学校四年から六年まで「縦式」使ってました! ここにきて、これに切り替えることに! よろしくおねがいします! 夢のため、率直な感想がガンガン欲しいです!
翠の本音
やっちゃったな。 私ったら、またこうかいした。 圭に勘違いされた。 あの時、壁ドンならぬ木ドンをされたから、つい、気分が…ね。 勘違いされちゃうの、わかってたのに。 圭、私…バカだね。 いつか、その勘違いを治すから。 待っててね。圭
雑談
軽い雑談しませんか? 中一でまだ忙しいので、返信等遅れるかもしれませんが、気になる!って人、ぜひコメントをして、あわよくば俺の小説をご覧いただければ嬉しいです。
第一回NSS 臆病を殺す
夜へと足を踏み出す。 俺は、霧島悠。小6。いじめの関係で最近引きこもりとなった。 俺は夜明け前の夜の外に繰り出していた。夜だけが、俺の友達。 静まった公園、静かに灯る街灯、そこに集まる虫たち。 俺は公園の方に出向いた。近づけば、それはセミの羽化。夜、散歩をしていたらよく見るのだ。 「悠君?」とっさに声をかけられ、視線は変えずに「誰?何?」と答えた。 「凛。セミの羽化を見に来たんだけど…悠君も来てたんだ」 凛?あぁ、クラスのヒロインって感じの子だ。一緒のクラス。 そのまま彼女はそっと俺のそばにやって来た。 「……なんか、落ち着くな」 「うん。わかる。自分を形にしたものみたい。 あと少しを頑張って、乗り越えようとする姿が」 すると、日の出が来て、「それじゃ」と俺は家に帰る。 …今日は、学校に行こうかな。また、あの子に会いたい。 そして、やって来たら。 「おう、いじめられに来たか、悠」といじめリーダー、レオンが言う。 「やめなよ、悠君は気持ちを乗り越えて来たんだよ?いじめることは許さないから」と言って庇ってくれた。 俺は、臆病という殻を破った。
初めまして!大好きだよ。
急に、こんな事を言われた。 一体何を言ってるんだ、この人は。 初対面で、名前も知らない人間に、急に「初めまして!大好きだよ」だなんて。 私の名前は、手嶋メイ。中一。 「弟からずっと話を聞いてて…その、顔も知らないのに、好きになったというか… で、この人だっ!て思って…」 「人違いでは?私は手嶋…」 言いかけたところで、ヤツは遮る。 「メイさんですか⁉︎あってた!」 …マジで私かよ。 確か、クマから逃げるには…「目を逸らさずにゆっくり後退」……だっけ? その通りに私は行うが、ドンッと後ろから何かが当たる。 しまった!後ろは交差点だった! 「すみませ…あ!秋!本当にごめん…」 同じクラスで…その……私の、好きな人? 芹沢秋だ。 「うん、だいじょう…兄貴⁉︎」 「おう、秋!」 まさか、私の情報を流した弟って…秋君⁉︎ 私は秋君と結ばれたい。 一体、どうしたらいいの?
俺なんかがスパイでいいのかな? ノベルズ
朝だ。とっさにそう思い、頭を上げる。 時刻は6時30分0秒。 俺は、なぜかスパイのエージェントになった14歳、日比谷裕司。 戦闘能力0の俺がスパイとして雇われた理由。 ただの大陸の調査だからだ。 スパイの仕事はかけ離れているが、俺の所属する「ナイト・アイ」が情報を知りたいとのことだった。 昨日出発して、今日ついた。 人が住み、近未来都市として全体的に発展している。 大陸の名前はノベルズ大陸。 昨日少し見ただけで、精神と体が追いつかない。 こっちのスマホは浮かせられ、3Dに発展。 車は空を200キロで走り、電気に変わる強い力、シムシムを手に入れた。 そして、今日は年に一度の国が開催する夏祭り。 俺はいそいそと着替え、外に出た。 …ハ? 日本風の夏祭り。 屋台、ちょうちん、りんご飴… 「どうだい、日本らしいだろ?」 この大陸で初めて日本語を聞いた。 振り向けば、いかにも外国人っぽい人がいた。 …ん?どっかで…… 国王陛下だ! 俺はすぐに片膝を立てる。 「お会いできて光栄です。国王陛下」 「いや、そんなじゃ無いさ。 見てろ」 そう言い、国王は顔を…剥がした。 「国王陛下⁉︎」 「まーだわからんか? …久しぶりだな、裕司」 「なぜ俺の名を⁉︎」 「大黒レノン…忘れたか?」 大黒…景レノン⁉︎ レノンっつったら、俺の親友、幼馴染。 「お前、いつからそんなすげー人間になったんだよ!」 「さーね。 …裕司。「約束」を果たしてもらおうか」 「……ゲ、まさかアレか?」 「そう、アレだ」 アレとは…小5の時、アイツは転校した。 その直前に、アイツは「王になってまた会おう!」と言った。 俺が「無理だ」と言った。 その時、レノンは「じゃあ、なれたら俺の国で暮らせ」「おう、いいとも」と啖呵を切った。 「つまり……俺は、これからノベルズに住みつけ、とな」 「そーゆー事だ。話が早い」 そこから5秒くらいの沈黙が流れ、レノンが口を開く。 「まあ、今日はこの祭り、親友という肩書きで一緒に回ろう」 「確かに、オメーはその顔だ。ゼッタイ気付かれないって」 そう言い、俺たちは大笑いした。 りんご飴、わたあめ、焼きそば、たこ焼き、射的、金魚すくいなど見渡す限りの屋台とお神輿。 「レノン、そういや住むっつってたがよ。家はどこだ?」 急展開すぎるが、アイツはそこも考慮してる…ハズ。 「王宮に決まってるだろ」 王宮…なんで⁉︎ 「そんなの、お前の結婚相手でも無い限り住めねーよ!」 「……まさか、だけど……」 可能性1。…俺がレノンのけっけけっ結婚相手になる⁉︎ 「…その、まさかだよ」 顔を逸らすが、その耳は赤い。 なんでさ… 俺は、レノンの事、友達としか思ってないのに。 「第一、お前男だろ!王の嫁が男⁉︎勘弁してくれ!」 「えっ?」 レノンが驚いたのは一瞬、みるみる怒った顔。 「わ・た・しは!女‼︎」 …嘘だ。嘘だ嘘だ嘘だ‼︎ 「言葉遣いとか、どっからどー見ても男だ!」 「私にアレは無いよ!」 「…うそ〜ん……」 未だ信用できない。 自分のことを5年までは俺と呼んでたいかにも男に見えたのに? 気分を逸らすために俺はりんご飴を買う。 「あんちゃん、カップルだろう?ボーイッシュで可愛い子連れて。一本おまけしておくぜ」と英語で言い、俺に渡す。 …別にカップルじゃ無いのに。 そう思っていたい。 「レノン、やるぞ」 りんご飴を一本、レノンに差し出す。 今までだと当たり前の光景が、今となっては顔を逸らすほど恥ずかしい。 いつか、俺たちは「ふつう」に仲良く暮らせるのだろうか。 常識を無視したこの大陸で、俺は心を決めた。 「ああ、そろそろ始まるぞ、「イベント」」 イベント? 「イベントっつーのは、いわゆる未知の自然現象? 私たちもまだ解明出来てないんだ。 ただ、すごく綺麗だから見て欲しい」 そう言って、空を指さす。 すると、すぐに空が黒く染まり、色とりどりの粒らしきものが浮く。 「綺麗…」 「告白とかにこの粉を使ったり、こういう時に告るのがうちの風習」 なら、今告ったら良かっただろうが。 そう思っていたら、俺の頭にとんでも無い一言が走る。 なら、俺が言えばいい。 まだ答えてないからな。 「レノン」 「何?」 うっとり、やっぱりいいなって顔をイベントに向けながら、俺に尋ねる。 「さっきの…その……けっけけっ結婚相手になるってヤツ? なってやっても……いい、かな」 「いいの⁉︎」 かっこわり。 レノンの方がよっぽど男前だ。 そう思いながら、「イベント」の粉を手に集め、水を少し入れて、固めて搾る。 「プレゼントだ。3年分の」 そっと、俺はレノンの掌に、イベントの塊をのせた。 「ありがとう」
ショッピングモール
ガヤガヤ、と音を立てているこのショッピングモール。 今日、彼女であるリナと俺、誠也の二人でここに来た。 俺たちは、つい先週付き合ったばかりだから、ぎこちない。 「誠也…その……て、繋いでいい?これ、デートでしょ?なら、いいでしょ?」 顔を赤らめて聞くリナに、俺は固まる。 おそらく、頭からは湯気。 「ダメ…かな?」 「いや、いいよ……」 ついつい答えてしまった。 ベンチの上の手をゆっくり…リナの方向へ。 向けたのに。 リナは、その手をガシッと掴んだ。 …なんで俺がリードされてるんだ? それからどれだけ経ったか。これ以上リードされてたまるか、カッコワリィ! とヤケクソに回ったものの… なんで、指輪を買いにココにいるんだ? 確か、リナがトイレに行ってる間に決めて、サプライズしようと…… その時、一つの銀のリングが目に入った。 銀色のボディ。宝石はなく、翼のように膨らんだ模様。 俺は、とっさにこれを手に取った。 …いつ渡そう。予定では、次回るのが最後。 迷っていたら、ポケットの中にある指輪に指が当たる。 …ああ、周りきってしまった。こうなったら。 「ちょっとこっち来てくれる?」 「いいよ」 人気のない駐車場の一角で。 俺は、リナを抱きしめる。 「えっ?ちょっ、誠也⁉︎」 迷ってるリナの唇に、そっと… 「ごめん、急だったから…でも、嬉しいよ、誠也」 「喜ぶのは早いんじゃないか?」 そう言い、俺は片膝をついて指輪を差し出す。 「受け取ってください」 「えっ、えっ?いいの?本当に?」 「お前以外の誰に渡せって言ってんだよ」 「ありがとう…」 そう言い、リナはそっと薬指を差し出したのだ。
失恋
なぜ、恋なんて感情を抱く?生存本能?なら、それは独占欲だろう。俺は、ちがう。 未知のまま、俺は恋する。 俺の名前は、下村圭。中一なりたてだ。 幼馴染の篠宮翠に恋をしている。 そして、今は兄であるレンと、俺と、翠と一緒に公園のベンチあたりで休憩している。 「なあ、レン兄。本当にレン兄も座りなよ。クタクタだろ?」 「それはお前と…翠もだ。別のところに行って何かあっても困るから、兄貴として俺は役目を果たすさ」 「そう、ありがとな。レン兄」 チラッと翠を見ると、顔が赤い。 「あ、私お手洗い行ってくる」 …チャンス。一つ確かめたいことがあった。 「オレも行くよ。楽しくて忘れてた」 そして、用を足すまでは何もしなかった。 そして、翠が出てきたところを、話し掛ける。 「ちょっといいか?」 「ん?いいよ」 変わらないボーッとした顔のまま、答える。 林の木に守られるところで、俺は聞いた。 「お前、レン兄の事が好きだろ」 途端に、クワッと目に力が入る。顔の赤さが頂点に達し、湯気が見える。 「ちっ違う!そんなんじゃ…ないから。……ね?」 ドンッ 「……本当か?」 気付けば、壁ドンならぬ木ドンをしていた。 「だっだから、その……本当に、違うから…ね?」 「…すまん、怖がらせた」 そうか、翠はレン兄が好きなのか。 俺は、振り向いてその場から去ろうとする。 「…やっちゃったな…」 という翠の声が聞こえる。 俺に知られるのがイヤだったんだろう。 いつか、俺の方が好きだって、言われたい。
またいつか会えたなら。
天の川の伝説を知っているかい?七夕の。 あれは、おとぎ話だ。くだらない。と思う人もいるかもしれない。 だが、似たような事が現実で起きているとしたら? 俺がそうだ。守屋レン。小6。 毎週日曜、俺は河原に行く。 そこで、必ず俺の恋人……狭間ルナに会う。 どこが七夕なんだ?いつでも会えるだろと思ったかい? ところが、それ以外の日に河原に行こうとすると鍵が開かなくなることや、何かで大行列が俺の行手を阻むようにできていたりと、本当に会えない。 ただ、日曜は必ず会える。 「学校で会えるから良くね?」と思ったら大間違い。 川の逆に住むルナと俺では、学校が違う。 ……さて、会えない理由は他にもある。 俺たちは、とある本を持っている。 題名は、織姫様と彦星様が小学生だったら。という本。 それには、「ある日、河原で織姫様と彦星様が出会い、二人とも恋に落ちた。 そして、その七月七日の日曜日から、毎日会おうと河原に行こうと、どうにも進めません。 会えるのは、日曜日だけ」という文がある。 最後に。 会える最後もあるんだ。「一年後の七月七日のみは、何曜日でも会えました。二人は、口付けを交わしましたが、それをたまたま見た二人の親は、一人は北海道、一人は沖縄に引っ越させてしまいました。それからもう二度と、会える事はありませんでした」ともある。 因みに、この本はいわゆる「ルールブック」のようなモノだと本屋のおじさんに言われた。 今は、あと五回で終わる計算。 つまり……あと五回会ったら、もう会えなくなると言う事だ。 ……どうしよう
愛と哀
私には、彼氏がいる。 高身長、成績優秀、運動神経バツグン…なはずもなく、平凡なただの中学生。 私、夢野愛は一般的な中学一年生。 告白されて、断るのも申し訳なく付き合った間宮カナタは、いつもは静かだが、時々私に対してだけトクベツな笑顔をむけてくれる。 その度に、心臓を射抜かれたように動けなくなるんだけどね。 今となっては、付き合って正解。ダイスキなカレシだ。 …でも。最近、どことなく寂しそうな顔をする。 まるで、今にも倒れそうなぼろぼろの枯れ木に見える。 それなカナタくんに、 「大丈夫?」 と聞いても、「心配しないで、俺は平気だから」と返すだけ。 手に傷はあるし、クマもヒドイ。 でも、私は知ってる。 カナタくんは、こういう事は絶対話さない。 だから、私も「無理しないでよ」の一声で終わらせる。 そんなある日、カナタくんは何も言わずに一人で帰ってしまった。 きっと、何かあるんだ。心を落ち着かせるために河原に行こう。 と歩き出したのに。 気がつけばカナタの家の門の前に私は立っていた。 もう、どうすればいいのかわからないよ…… ヤケクソになって、私はインターホンを思いっきり押した。
ドリームカーニバル
一恋 恋愛観覧車 私はベッドで寝そべっている。そんな中、このような通知がなった。 「当選しました」という通知を見て、思わずベッドから飛び起きる。 そうだ。一ヶ月前、新しくできた遊園地、「ドリームカーニバル」という遊園地ができたのだ。それが、もう、忘れかけたところだった。彼氏、羽山実と私、香川由衣で、デートへいこう!と、抽選に応募したのだ。 早速、実に電話をかける。 「…どうした。いつもお寝坊さんなのに」 「お寝坊さん」という言葉が引っかかったのだが、そんなのどうでも良かった。 「いや、それより覚えてる?ドリームカーニバル!」 「ああ、それがどうかしたか?」 「どうかしたか?じゃない!当たったの!当たった!」 「ああ、当たったのね、当たった…⁉︎」 一瞬、無視しようとしたらしい。 「あの、抽選にか⁉︎冗談⁉︎」 言っておくが、羽山の前で、私は嘘をついたことがない。だから、疑われたのがちょっとショックだった。 「あ、ごめん。いや、まさか本当に当たるとは……」 「でも、残念ながら、当たったのは私だけだったの。ごめん、その日は行ってきていいかな?」 「ちょっと期待外れだったな。でも、俺は構わん、楽しんでくれ」 実くん、有り難う。その言葉を返した。 その日から一週間後、そのドリームカーニバルへやってきた。 「おおぉ…」 とても大きい遊園地だった。 そして門の前には顔を前髪で隠し、妙なオーラを放っている人が一人。話しかけ、スマホを見せた。そうすると、あっさり中へ入れてくれた。 「ようこそおいでくださいました。ふむ。やはりこれはあなたやはり大きな悩み事を抱えていますね?」 なんで?確かに、実は最近出張が多くて、ちょっと冷たくなったけど。なんでわかったの? 「…お心、お察ししました。あなたには、私がエスコートする必要があるようです」 何もわからず、言われるがまま、私はその通りにした。 「まずは、『赤い糸引く観覧車』などは、どうでしょうか?」 「わかりました!そうします!」 何もわからない。だけど、そこに行かねばと本能が叫んでいる。そこにつくまで、ずいぶんいろいろなことを話した。 その人がここの園長で、その人の名前が林道遊さんだということや、ここには悩みがある人が来れる遊園地だとか。 そうこう話していると、ついた。 「それでは、どうぞお入りください。運命の人が見つかるといいですね」 運命の人…自分を本当に愛してくれる人を見つけるところなのかな。 そう思い、中へ入っていった。 グワン!とゆっくり観覧車が上がっていった。そして、私のところが1番上に来ると、止まって、私の胸から赤い糸が飛び出てきたのだ。そしてそれは下へ降りていき、遊さんの胸とつながる。一方、今度は青い糸が伸びていく。なぜか、私はそこからの景色が見えた。それは、実だった。糸の上に、「別れるべき 浮気」と書いていた。私はショックだった。でも、薄々感じていた。そう思ったときだった。遊さんの胸の上には、「今日夜九時 告白」と書いてあった。それを確認すると、観覧車は動き始めた。 そして、私は観覧車から降りる時がきた。 降りると、遊さんが話しかけていた。 「いかがでしたか?これから付き合う方がいいひとや、今の彼氏の相性はわかりましたか?」 わかったけど…何かがおかしい。 「はい…」 その後、午後九時まで気が気でなかった。 二恋 告白と白状 そして、その時だ。花火が打ち上がる。 ああ、これだなと、私は思った。そして、最後の花火が打ち上がる。ちってゆく。 その瞬間、時計のはりが九時を指した。 そして、私は話しかける。 「遊さん」 「はい?」 「私、この時間、運命の人に告白と書いてあったんです」 「え!あ、あぁ、大変申し訳…」 「謝らないで。鈍感ね」 「え?」 「ああもう!遊さんが好きってこと!」 「すいません、ぼく、運命の人じゃないと思うんですけど」 「だから、あなたなの!」 これ、本当に大丈夫だろうか。そう思いながら、半分、いや、とても期待していた。実際、遊んでいる間に好きになってしまった。 「…すみません。『あなたを僕は好き』それは事実です。それでも、付き合えない理由というものがあるんです」 信じられなかった。私も遊さんも両思いでしょ?どうして? 「…見せる時がきましたか。この前髪で隠している顔を」 言われてみれば顔はずっと隠したままだ。 こちらが返事するまもなく、前髪を持ち上げた。 「!……傷跡…?」 その額には、大きくて妙なオーラを放つ傷跡があった。 「…これは、私が戦場にいた時の話です。その時にこの傷を負ったんです。私は、五年前あたりでしょう。私は日本から一年間とある国へ行き、戦争を手伝いました。悪霊を追い払え、しかも人々の願いを叶えられる能力ともう一つ…教えてくれなかった未明の能力を渡すという条件で…そのために、何人もの人を殺めてきたのです。ですので、あなたを不幸にしてしまいます。そのため、お断りしました」 信じられなかった。私と同じくらいの男の人がそこまでのことをして、このような傷ができたこと… 「話を続けます。そのように殺めてきた僕自身、生きる理由は一つしかないということ…それは、『償い』です。私は戦場に行く三年前、いうことを聞かず、道へ飛び出し、兄、父さん、母さんを死なせてしまった。その時は小学三年生でした。償わねばと思い、親戚の家に行くこともできず、一人で生きていくことにしました。そして三年後、サバイバル技術を磨いた僕は、その国のことを知るとすぐにいくと決めました。そして、その一年が終わり、僕は何よりもしてはいけないことをしてしまいました。なので、一つ目の願いを願いました。家族に初めての墓参りをさせてくれと。そして、ついたと思ったら、その瞬間、僕の背中に、三人の悪霊がとりつくのを感じました。能力で追い払うこともできなくて、家族とわかりました。その霊は、今も僕のすぐそこにへばりついています。そして、また罪を深くした。そこで、許されるわけではないですが、この遊園地を願い事で今まで殺めた人の数、遊具を作り、そこにその人だちの死霊が宿っています。しかし、僕はこの遊園地から出ることはなくなりました」 …私よりも一つや二つ上の人が、そんなに苦しんでいること、耐えられなかった。なんで、有り難うと思わないのとおもった。 「私…さ、あなたの事情とかはあまり知らないけど、言えることはあるよ。なんで、『償おう』じゃなくて『その分も生きよう』と思えなかったの?なんで、罪を深めたの?だから、家族はあなたに強くへばりついたんじゃないの?いけないって。それを考えたら、あなた、幸せじゃないの?殺めちゃった人のために生きようと思わないの?」 涙が出る私の目をハンカチでふいてくれながら、返答する。 「申し訳ございません、その通りです」 「幸せじゃないならさ、余計私と付き合ってよ。あなたが幸せじゃないと、私も幸せじゃないんだよ。私が幸せにしてあげるから!それが私の今の願い。あなたしか、叶えられないの」 その流れに、遊さんも耐えきれなかった。 「私などで、本当によろしいんでしょうか?この後、後悔してしまわないのならば、かまいません」 「はい!ぜひ、付き合ってください!」 その後、実とはあっさり別れることになった。 そして、私は遊と同じ、遊園地に同棲することになった。 どうやらその申し込みから誰が苦しんでいるのかわかるらしい。それを見て招待する人を決めるシステムだった。 そこから、私は一人一人、お客さんをうまく案内や接客ができるようになった。 そのある日、異変が起きたのであった。 「ほう…まさか林道がこのようなものを作るようになったとはな」 そこには迷彩服を着た軍人がいた。私にはよくわからないが、危険人物だと悟った。 「あなた、誰ですか?」 「…なるほど…ね。林道をよんでこい」 ゾッとするような声音だった。その時だ。遊さんが来た。なんというタイミング!私は信じられなかった。 「おーい!由…は?」 「久しぶりだな。林道」 「由衣、下がってくれ。…なんのようだ。片目の鬼将軍…花村春輝」 状況がわからなかった。でも、一つ質問したいこと 「この人、何者?」 三恋 黒歴史の裏 鬼の感情 「こいつは例の戦争に誘ってきた春輝だ。俺と同じ能力を持っている」 それを聞いて私は背筋が一気に冷たくなるのを感じた。怒りと悲しみと悔しさで胸がいっぱいになった。 「どうした。こっちへ来い」 余裕の笑みを浮かべながら、わたしたちを挑発してくる。 「は?」 足を踏み出す。 「お、とけたか」 急に優しい口調で話しかけてきた。 「何がだ?」 「呪いに決まってんだろー。その足元、目を凝らしてよく見てみろ」 よく見ると、一歩、遊園地から出ていた。 「あ、…でもなぜお前がそんなことをするんだ?」 「…俺と同じ思いをさせたくなかった」 その言葉には相談してくれた遊の口調に似ていた。 「あの、どういう意味ですか?」 「俺は昔、奴隷として元々あの国…崖っぷちのようなあの国というか、組織。『願い星』そこで俺は働かせられた。そして、俺は人殺ししかできないような人間兵器になっていたんだ。それを変えてくれたのが、林道…お前だ。昔の俺とそっくりの目をしていた。後悔そのものの目。それを見て、一年どころか一生働かせようとしていた。俺を動かしてくれた恩人だ」 「だからなんだろうと、俺には悪霊が…」 「俺からしたらゴマ一粒に満たない。俺は、払えない悪霊が何千といる。だから、お前を逃した。あのあと、俺はあいつに…俺をしごいた鬼の中の鬼、『無敗の洸』あいつは俺をつい一週間前、俺を追い出した。だから、ここにやってきた。お前がここにもいて欲しくないならかまわない。だから、頼む。俺をここに同居させてくれ。一生のお願いだ!」 その気迫には、なんとも言えない恐ろしさが隠れていた。 「……お前、何したか分かってんの?ここには俺の彼女も同居してるんだぞ…」 『彼女』その言葉に、私をそう思ってくれて良かったと思った。 「あの、私は大丈夫ですよ。プライベートの邪魔をしないなら」 こっちも怖いが、遊さんと全く同じで、許してあげたかった。 「…由衣が良いなら、俺は良いぞ。しかし、条件は守れよ」 「有り難う…このことは一生忘れない」 うまくいって助かった。私たちはまだ出来立てだけど、仲間なのよね。 とてつもなく力強い味方だ。 三恋 日常から非日常へ そして、この三人で馴染んできた時のことだ。 「林道、香川、そろそろ二人で美容室へ行ってきたらどうだ?そっちさえ良かったら、俺も同行したいが」 「私は賛成します。せっかくですし、花村さんも良いと思います」 「由衣がいいというなら」 そして、三人で行くことになった。その通り道のことだ。 「私、お手洗い行ってくるね」 「俺も行くかな。お前は」 「おう。行くぞ」 そして、お手洗いが住んで帰ってきたら、トイレ前には誰もいない。近くのベンチで待っていた時だ。 「?由衣?由衣!由衣じゃないか!一緒にカラオケ行こうぜ」 「…いやです」 最悪だ…実、なんでここであらわれる? 「いくんだよ!オラ!」 「きゃっ」 その手を阻むものがいた。 「その手、離せ」 「お前、誰だ?どっかいけ」 「こっちのセリフだ。由衣は俺の彼女だ」 「あんた良い加減にしなさいよ。実」 「おう!待たせた…なあ?」 「よお、手ぇかしてくれ。こいつ、由衣の元彼だ」 「…了解した」 「な、何いうんだよ!友達だよ、なあ、なあ!」 「…いいえ。警察!」 「あ、はい!」 そしてあっさり、実は捕まった。 その後、まず、遊たちが美容室へ行っていた。 そして、帰ってきた遊たちはとてもイケメンになっていた。傷をも活かした良い髪型だった。そして、私は見事に姿が変わった。そして、春輝さんとは別れ、遊とその後別れ、花火が散る中、よる、デートに繰り出す。 最後の花火が散ると、遊から提案が出た。 「あの…今日、一緒にホテル泊まるか?予約…した」 それに対して、ほぼ即答に近い形で返事を返す。 「よろしくお願いします」 そして、ホテルでそれぞれ風呂に入った後だ。そこで、重要なことに気づく。 「これ、大きいベットが一つ?」 「…みたいだな。春輝、企んだな」 二人、顔を真っ赤にしてそれぞれベッドの隅っこの位置をとり、緊張の中、眠りにつくのであった。 四恋 飛び越えた記憶 夢の奥深く …ここ、どこ? 「動くな」 「え?」 そこには、おそらく子供の頃の遊だ。傷がある。 その目は、冷たく、光なんてなかった。でも、私を庇ってくれている。 「お前、その左腕どうした。…あいつか。ちょっくら待ってろ」 ちょっと待って…言ってるのに、口が動かない……やめて ザシュ! 私は目を見開いた。彼が、切られたのだ。目を…傷がある、目を… …由衣… 由衣! ハッとして目が覚める。 「大丈夫か?今日は帰ろう!」 熱い額に私は手を当てる。 「あ…」 「無理すんな!行くぞ!」 「熱?」 「ああ、喋るな。体温が上がる」 じわっと涙が溢れてくる。そこで、意識が薄れていった… シュコー…シュコー… ん?ここ、どこ? 「由衣!待ってろ!電話すっから!」 「あんた、誰?私の名前を知ってるとか、何者?」 「は?」 「どうした?遊?…あ、目、覚めたんだ。説明するよ。まずは…」 「まった!」 「あんた、喋んな。何者?遊、とかいう人」 「…こういうことなんだよ。先生、どうなってるんだ」 「…記憶喪失だ」 真っ青な顔で、先生とやらはいう。 「記憶喪失?バッカみたい漫画じゃないのよ?で?状況は?」 「…あんたは何か思い出してはいけないものを思い出したんだ。高熱がでて、倒れ、この病院に連れてこられた。おそらく、こいつ、遊のことだろう」 はい?わけわからないんだけど 「…お前には、この前以上の『闇』が見えている。いつ、どうなるかわからない。俺は巻き込まれたくないんでな。じゃあな」 この前?闇?よくわからない。 「あんた、悪霊を払う仕事でもしてんの?」 「まあ、一言で言ったらな」 「じゃ、一つ聞きたいんだけど、私の左腕が痛いのはなんでなの?」 「!…先生、ちょっと。返事は今度だ。一ヶ月後!わかったな?」 「あ、うん」 もうなんなのよ! 「行くか。話とは?」 「…左腕のことだ。………でこいつを…たことがある。この……の…は……の時にできた…あいつは、由衣は、その…………たというわけ」 ちらほらとしか聞こえなかったけど、なんか、あの「遊」という人と私は深い因縁があるみたいだ。 「なあ、あなた、目に傷を負う瞬間を見たことはありますか?」 「なあに物騒なこと言って…」 ん?一瞬、頭の中に記憶がよぎる。鮮明に…… ザシュ!目から…血? 「ある…かも。もう、一瞬だったけど、蘇った!」 私にも詳しいことはわからない。でも、それは、あの人あったの? 「この人の目を見てくれ」 この人、雄さんを指していた。その目には傷があった。 「同一、人物。思い出した。私はホテルにこの人と泊まって…」 「思い出したか。春樹のことは?」 「覚えてます!」 「よかった」 「ありがとな。レイ」 「おう」 その次の日、私は退院した。 「ねえ、遊」 「ん?」 「レイって、何者?」 「一言で言えば、俺の、従兄弟だ」 従兄弟…え? 「親戚、話せないんじゃなくぃの?」 「…お、お前のことだからだよ!恥ずかしい…言わせないでくれ!」 ああ、もう…私のライフはゼロ!あ〜あ!なんてこと言っちゃってくれてんの? 「なんか…ごめん」 そのような感じで、帰ってきた、この遊園地は、あたたかかい。なぜか、そう感じた。 その、次の日、とんでもない悪夢を見るというのに。 五恋 恨み ドォン! 「なんだ⁉︎」 二人が起きる。それに反射するように、私は起きた。 ドォン! 「銃声だ!」 え?銃声? 「由衣は地下室へ!」 「あ、はい!」 急いで、地下室へ入る。 「遊!ここはまかせろ!お前も下に!」 「ワリィ、そうさせてもらうぜ」 ほっとした。でも、怖い。いま、私の胸の中はとても複雑になっている。 「キュイィン……おお!遊、春樹、そこにいるんだろう?出てこい!」 激しい口調だ。でも、冷たい。 「…洸!」 『⁉︎』 私は、気づかれないよう、小さく話しかける。 「あの人、春樹さんが言ってた?」 「…ああ。聞いてはいたが、俺も初めてだ。任せて正解だったな」 そこで、春樹の声が入る。 「…俺はここだ。力で戦いに来たか?」 「ああ!『第三の力』を解放される前にな」 「第三の力…?お前も持っていないのか」 「ああ。それを解放する方法もわかっていないが、占いで見た結果がこれだ。さあ!こい!」 「…どうだか知らんが、俺らの幸せを邪魔するな」 「逆らうとどうなるかは、お前が1番わかっているだろう?」 「…」 「そうだ。願いの力はこっちが上だ」 そこで、遊は信じられないことを口走る。 「…由衣、ここにいろ」 「え?」 意味はわかる。命をかけて洸を止めるということだろう。 「いやだ!行かないで!」 「…命はとっくのとっくに捨ててる」 「いやだ…」 「…第三の力とやら、使えるか賭けて見ようと思う」 「…死なないでよ」 「…ああ」 遊は、行ってしまった。 「洸!」 「ああ?」 「くるなと言ったろ、遊!」 「かけてみるんだよ」 「…おう、付き合う」 「願いの力で潰せばいいもの…⁉︎」 「ああ?どうでもいい。もう、命は捨てた。お前のせいでな」 「お前ら、もう、第三の力は、使ったな」 「え?」 「俺は、願いの力が消えた。これは、一回きりの能力だ」 「どういうことだ?」 「第三の力は一定の人物の願いの力をなくす力だ。一回きりの。副作用はそれだけじゃない。もう、お前たちも、『願いの力が使えない』ということでもある。これまで願ったことは残る。だが、もう、力は使えない」 それは、言い換えると、遊園地の人選びができないということでもある。 「…………ああ、そうか。あんたは自主しなよ。それとも、警察呼ぶか?」 「…わかった。じゃあな」 「由衣!出てきていいぞ!」 「はい…」 「どうした?元気がないが」 「もう、経営は…」 「できる」 エピローグ 帰ってきた日常 「え?」 「人選びはできないが、遊具の効果はまだ続いている。普通の経営だったら、できるはずだ」 じわっと涙が溢れる。 「よかった!」 「ああ、ありがとう」 もたれた胸は、温かいものだった。 その後、遊と由衣は、結婚して、子供もできた。その女の子の名前は、夢遊美《むゆみ》という可愛らしい願い星であった…