花火玉。  海月様の一味 犬?(海月さまについて行きますっ‼︎)

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花火玉。  海月様の一味 犬?(海月さまについて行きますっ‼︎)

小説作家が夢のバリバリ中学一年生男児! 小学校四年から六年まで「縦式」使ってました! ここにきて、これに切り替えることに! よろしくおねがいします! 夢のため、率直な感想がガンガン欲しいです! それと同時に、みなさんと親密な関係を築けることを願います! 追記 始めたのは2025年4月27日

『リセッター』

 中村 裕樹 様    皆様。こんなことなければ良かった、こうすればこうはならなかった、と後悔が溜まった生活をしていませんか?  弊社ではこの後悔を無くす「リセッター」というものを開発しました。  悔やんでいる過去に何度でも戻り、やり直せるという機能性を持っています。ですが……これはまだ未完成の試作品にすぎません。  そのため、弊社では予測のつかない副作用が起きる可能性があります。    ※この手紙•品物が届いたあなたは、他言することはできません。    ※元犯罪者であるあなたを匿うのはなぜか、考えないようにしてください。        ユタラネ•プルーインズ社 より ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  この手紙が届いてから三日。俺は家の中でうずくまっていた。 「過去をーーやり直せる?」  なら、俺が選ぶのはあの時だ。     *****   「お前……母親を助けたいなら、銃を運べ」 「……それで、母さんは助かるのか?」 「ああ。約束しよう。その代わり、お前は今から俺の人形だ」 「……やってやろうじゃないか」 「決まりだ」     *****    あの時に、俺は戻ってみせる。あの、犯罪劇の始まりに。  カチっと音がして、奇妙な感覚に陥る。例えるなら……そう。幽体離脱とでも言おうか。自分の体は現在にいるのに、心が…「熱」が俺を離れていく。  そしてーー   「もってあと三ヶ月でしょう。直す術はありますが……二〇〇万円、必要になります」 「……そう、ですか」  母親と医師が会話している。  あの時の、会話に……  とりあえず、俺は前回と同じように対応した。  でも、もう俺はあそこに行かない。ふつうに帰路について、ふつうに生活していればいい。  そして、電車に揺られていると、意識が遠くなった。    目が覚めれば、そこは俺の家……じゃなかった。  公園の一角。尻の下にはダンボール。理解するのには時間がかかった。 「まさか……」  銀行に入っているお金全部はたいて手術を施し……ろくに生活できずに、ホームレスになったのか? 「くそっ……!リセッターなんて……リセッターなんて……‼︎」   ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  読者 様    これはファンタジーでしょうか?それとも架空のことでしょうか?  ……さぁ、どうでしょう。次はあなたの元へこの手紙をお送り致します。    正しい使い方をして、幸せになり、そして……悔いのないよう、ここを去るように。    さて、今回あなたにこのような商品を授けさせていただきます。  今までの後悔を無くすおまじない……ただ、これは試作段階。どのような副作用が出ても……弊社は責任を負いません。  この商品の名は……         『リセッター』

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『リセッター』

僕が愛した殺人犯

  一日目 出会い   「轍、コイツはお前が見ろ」  そう同僚の瀬戸に言われ、一つの牢屋の前に来た。 「あなたが、私の看守か」  そう言ったのは、一人の女性。30歳程だろうか。  美人だな、と思いつつ、なめられないようにキリッとした調子で「そうだ、笹ヶ谷轍という。よろしく」 「ご丁寧にどうも。私は長戸絵美だ」 「轍、見た目に惑わされるな。お前も知ってるだろうが、コイツは人間を5人も殺した死刑囚だ」 「し、知ってるさ」  そう、知ってた。……見惚れて忘れてたけど。 「それじゃ、俺はここを出る……そうそう、そのボタンのことだ。死刑執行までしばらくあるが、もしもの時はそれを押せ。電気が牢屋中に流れるようになってる。誘惑してくるようだったら……わかるな?」  「そう、か」  ーーこんな掌に乗る小さな赤いボタンで。僕は、人を殺せてしまうんだ。俺は、看守であり、処刑人だから。  カツーン、カツーン、カツーン、と靴が立てる音は次第に遠くなっていった。 「ねぇ、長戸さん。私、どこで死ぬの?どこへ向かってるの?」 「……ここ、北の一角……斬首の台地」 「あなた、優しいのね」 「やめてくれ」  ゆらゆらと揺れる船の中。僕は、頭がいっぱいだった。 「僕はこんなボタン、押したくないんだ」 「……そう、ね。まぁ、誰だってそうか。私だって……いや、なんでもない」 「……パン、まだいるか?」 「いいの?」 「ほれ」  そう言って僕のパンを分け与える。  ……本当に、君がやったの?  そんな疑問を押し殺して、俺はパンをかじった。     二日目 心に刺す鎖    キィ、キィ、と船が揺られている。  僕は、囚人はみんな悪いやつだ、生きてちゃダメなやつだって考えていた。  でも、本当にそうなのかな。絵美も、実はそんなに…… 「轍さん?」 「……どうか、した?」 「それ、こっちのセリフ。なんか今日変だよ」 「そう、かな」 「うん。風邪引いた?」 「いや、なんでもない」  窓から入る月光に照らされた彼女を見て、僕は確信した。  僕は、好きになってしまったんだろう。  皮肉なことに。もう、あと二日で死ぬのに。  知りたくないことを知った。それな気がして、僕は羽ペンで左手に小さくこう書いた。「忘れろ」と。  こんなの、忘れられるわけない。むしろ、このせいで忘れられなくなるかもしれない。でも、僕はこう思った。「これは、僕自身との戦いだ。好きになったのは僕の罪。本当はこんな感情を抱いてはいけないんだ」と。そう思うと、さっき書いたことは僕の心への戒めの鎖になっているのかもしれない。     三日目 私が死んだら   「ねぇ、看守さん」 「何?」 「これ、私が死んだら看守さんが持ってて」  そう言って差し出したのは、イルカのガラス細工。 「なんでだよ」 「私の宝物だから」  そう言われて、何も言えなくなってしまう。  そんな中、僕は交渉を持ちかけた。 「なら、僕の質問に答えて」 「わかった」 「君はーー長戸絵美は、本当に人を殺したのか?」 「っ……!」  それは、数秒の沈黙。それが、僕にとっての立派な答えだった。 「待ってて」  そう言って、僕は……俺はこの席を立ち、同僚の元へ「代わってくれ」と頼み込んだ。 「別にいいぜ。でも、どうしてだ」 「あの子は無実だ。それを証明するために事件の詳細をもう一度知りたい」 「……お前が言うんだ。そうなんだろ。わかった。あいつは俺が見る」 「約束だぞ」 「もちろんだ」  そう言って、ガラス細工は受け取らずに、俺はパソコンに身を乗り出した。 「それは、今は貰えない。それをもらったら、俺とーーいや、なんでもない」 「ねぇ、看守さん」 「……何?」 「助けて」  涙を流して心から懇願する姿。あれこそ、彼女の本当の姿だ。 「絶対、助ける」  カタタ、タタタ、タン、カタ、カタタタ……     最終日 処刑人なんて、大嫌いだ   「完成、したぞ!」  港に着く直前の直前。俺たちは船を降り、斬首の台地へと向かう準備をしていた。 「これを見てください」 「なんだ、これは」  上司はそう言った。 「彼女の無実を証明する資料です」 「……君には期待していたんだがな。轍」 「これは、受け取れない」 「なぜです!彼女は人を殺してなんかいない!なのに……なんでこんな仕打ちを受けなければいけないのですか⁉︎」 「馬鹿者!」  胸が焼けるような激痛。ぐつぐつと煮えくり帰った腹。これが、怒りなんだ。  そんなことをこんな時に考えてしまう自分が嫌いだ。 「お前の気持ちはわかる!だがな……!俺たち看守は……『処刑人』は!裁判と!政治に!従わなくちゃ、いけないんだ……!」  そう言った看守長の瞳からは、涙がボロボロと崩れるように流れていた。  そこで、隣にいた男……身なりからして、ヨーロッパのお偉いさんだろうか……が、こう言った。 「……お主の名はなんという」 「……!はっ。我が名は笹ヶ谷轍と申します」 「……お前が、あの死刑囚を殺せ」 「……は?」  唐突で、死ぬほど、いや死ぬより嫌な命令。  そんな命令を下した当の本人はーー笑っていた。 「でも、俺は……!」 「殺せ」 「あの人は!」 「殺せ!何度言わせればいいのだ?俺はコイツにガキを殺されたんだよ」 「それは、嘘だ!俺の作った資りょ……」 「嘘じゃない。というか、そんなのどうでもいいんだ。殺せよ。その銃を持って‼︎さぁ、さあ‼︎」  俺たちがそう言っている間に、長戸さんは十字架に括られてしまった。 「さぁ、轍!引き金を引け!」 「無理で……」  パァン!という音がどこからか……いや、俺の手元から聞こえた。 「……嘘、だろ」  あの男の家来らしき男が俺の指を押して、引き金をーー引いてしまった。 「あり……と、わだ……さん」  血を吐きながら。彼女はそう言い残し、がくっとうなだれた。  キーン、カラカラ……  音を立てて俺の足元にーー血飛沫がかかったイルカのガラス細工が転がってくる。     十年後 まだ死ねない    ヒュオォ、と雪が悲鳴をあげ続ける。  そんな中、俺は十年変わらず、あそこへ向かった。 「長戸さん。もう、あれから十年だ」  俺は、処刑人を辞めた。  彼女が死んだ北の斬首の丘に住んでいる。そして、墓を作った。勝手にだけど、悪いとは思わなかった。  そして、首に下げたイルカのガラス細工をそっと墓にかけた。 「あなたが生きていたら、俺と結婚して欲しかった。なんて言っても……誰も、何にも言ってはくれないか」  そう言ってさぁ、家に帰ろうとした時だ。振り向けばーーあの時の君がいた。 「ーー長戸、さん?」  向こうも丸い目で俺を見つめる。 「長戸、絵美さんだよね?」 「……!いえ、私はーー、長戸絵美の、娘です。名を長戸刹那と言います」  そこからしばらく、吹雪の音だけが響いた。 「そう、か。はは、そうだよな。会えるわけないんだ。長戸さんには」 「あなたが、笹ヶ谷轍さんですか」 「そうだが……その名を、どこで?」 「瀬戸圭吾という看守……あなたの元同僚から聞きました。あなたに伝えたいことがありまして」 「その前に、こちらからいいですか?」  彼女の親族にもしも会ったら絶対に伝えたかった言葉。それが、俺にはあった。 「どうぞ」 「……助けると誓ったのに、彼女を、長戸さんを助けられずに終わってしまったこと、本当に申し訳ございません」 「いえ、気にしてないと言えば嘘になりますが……尽力して助けようとしていたと、瀬戸さんから。だから、ありがとう、と伝えたくて」  それは、俺を励ます嘘だったのかもしれない。  なんにしろ、俺は今刹那さんに救われた。 「どうぞ、彼女の……長戸絵美さんの墓です」  木を十字にして石で周りを囲んだだけの拙い墓。そんな墓に、刹那さんはただ歩み寄り、雪の上に正座して手を合わせーー涙を、流していた。 「瀬戸さんがあなたと少しの間、看守を変わっていたでしょう?」  立ち上がった刹那さんはそう言った。 「はい、そうですが?」 「母は、彼にこう言ったそうなんです。『もうすぐ私は死んでしまうのに。なんで、轍さんを好きになってしまったんだろう。もしも私が生きていたら、あの人と再婚したいな』と……」  その言葉は、俺を十年ぶりに泣かせる言葉だった。 「遅すぎるよ、絵美……!わかった、わかったよ……!でも、今はまだそっちには行けないんだ。俺は、そっちに行くまで……娘さんの面倒でも見ておくよ……!」  ズッと鼻を啜る音が聞こえたら、それは刹那さんからだった。 「ありがと。義父さん……!」 「当たり前だ」  そうして、たった三日間のせいで氷漬けになった俺の時間は再び動き出した。

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僕が愛した殺人犯

🎆第一回S2グランプリ結果発表🎇

 まず、ご参加いただいた皆様へ。  まさかここまで参加者が集まるとは思ってもおらず、嬉しい誤算となりました。どの作品も丹精込めて作られた素晴らしいものばかりで、甲乙つけ難かったのですが……悩みに悩んで結果がとうとう出ました。  それでは、結果に移りたいと思います。尚、上位3名のみの点数を明かしたいと思います。  ※ ネタバレを含む感想があるので、気になる方はスキップしたり他の参加者の作品を読んでからこちらをご覧いただくことをお勧めいたします                        第三位 高梁ガニ 様 あいびぃ 様(同率) 51点   (高梁ガニ 様)  しっかりとウォルターが「生は、渡されるものだ。死は、終わりじゃない。次に託すための、静かな合図だよ」と明記していて、強いインパクトを与えてくれました!  さらに、隠れて光を人生に例えているのでは?と思い、そこも評価させていただきました。   (あいびぃ 様)  事前に「共犯」と言う一作の続きと聞いて、それも評価対象として入れました。 「生きながらに死んでいる」のセリフから、「息をしていて歩いて食べて寝るだけでは生きていると言い切れない」と伝えたかったのかな、と思いました。  意思や希望を持って動くなら、それは「生きて」いて、それらを抱いていない人は「死んでいる」と言うのが、あいびぃ様の考え方なのかな、と推察させていただきました。   (お二方)  極めて珍しい同率三位となりましたが、どちらもインパクトが強く、死と生の考え方を強く認識できました。ありがとうございました!                                    第二位 中二高二病 様 52点    この一作では、死、生、死と生の三つの章に分かれていて、死の章では生を怖く感じ、死の章では生を強く感じる……そして、最後の死と生の章ではそのことがまとめられている。整っていて、しかも黒髪の子を「死ぬ人」主人公を「生きる人」と真逆の二人を繋げたのも面白いと思いました。  死ぬことと生きることは実は隣り合わせで死に近しい時に生を、生に近しい時に死を恐れるという考えを上手く表していると思い、この順位となりました!          それでは、第一回S2グランプリの優勝者を発表したいと思います。      第一位は……  叶夢衣緒。/海月様の猫 様です‼︎ 53点    まず最初に、一つ、個人的に感想を伝えさせていただきます。  ……一体どれだけ自分を泣かせるんですか?最高すぎです。    ……はい。死にたいけど生きてる主人公に、生きたいけど生きられないみつき……この二人、最初こそ暖かくって希望の物語だな、と思ったら春の夜のみつきのセリフにグッと心を動かされました。  生きることは、とても残酷な現実でもあるな……とさえ感じました。生きることと死ぬことは表裏一体……中二高二病様の死と生.kと似たことなのかもしれませんが、伝えたいことは全く違うんだろうな、と考えました。  あまりここで憶測を書いてもアレなのでここまでにしておきますが、改めて。本当におめでとうございます!🎉         (この次のページにて次回以降の相談があります。可能な方はご回答ください)  今回のように審査員がゼロとなる事態が次回も起こる可能性があると思い、自分は二つの案を考えてみました。ご覧ください。    Aパターン  今回と同じスタイルで続行    Bパターン  審査員と自分、参加者が一人100点ずつを配点するスタイル(自分以外に配点)    ちょっとしたアンケートですが、回答していただけると幸いです。この度は、わざわざご参加いただきありがとうございました。

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🎆第一回S2グランプリ結果発表🎇

アカとシロ

 プシ、ゴキュゴキュ…薄暗い部屋に、紅白歌合戦と共にビールを飲む音が響く。  紅白初出場の「鷹馬」というアーティストは、俺が前から好きだったアーティスト。白組で出ている。 「紅組なんて、ぶっとばしてしまえ」  赤色は、嫌いだ。先週死んだ「アカ」を思い出す。  アカは可愛い猫だった。保護猫で、赤茶色をしていた。その時、保護犬ももらったんだよなぁ。 「寂しいよなぁ、シロぉ……」  くぅん……と大人しく返事を返す。 「今日はなぁ。縁起がいい日なんだ。だから、俺たちがたっぷり笑って、天国にいるアカも笑わせてやろう」  すっかり酔い潰れた大の男に、雪のように白い犬のシロ。それとは別に、おでんとお酒が乗せられたお盆がある。   「アカは、見えなくてもきっといる。俺たちは、あいつの分まで幸せになって、あっちに行った時に自慢してやろう」  そう言って、またビールを一缶開けた。

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アカとシロ

地球という名の監獄 第六章 白のガーベラ

 違和感が津波のように押し寄せるけど、何もヒントがない。思いつかない。  そして……月奈さんが消えたという情報。  わからないことだらけで、はぁ、とため息が出る。  こんな日曜には、したくなかった。  そう思って、ふらりと外に出る。きっと、おれの顔は今、恐怖と疲れに染まっていることだろう。  母さんにも、驚きの顔を向けられた。  話しかけられると面倒なので、さっさと外に出る。  すると、ひやりと冷たい風が目の前を走った。 「……!タツナミ、くん」  詰まり気味に俺の名前を呼んだのは、レン兄。月奈さんの彼氏。  最初こそは「天才役者」と聞いてビビったり気を使ったりしたが、意気投合して今では兄弟のように仲がいい。 「レン兄……」 「……月奈の話は、聞いたかい」  その話題が出て、ただでさえ暗かった空気が鉛のように重っ苦しくなる。 「…………トウカから」 「……そうか」  煌々と輝く太陽とは裏腹に、レン兄の顔と瞳には、光が宿っていなかった。  その代わりに、闇が宿っている。こんなレン兄は初めて見た。  その手には、三本の花。名前は忘れてしまった。 「その花、なんて言うんです?」  この空気がイヤで、レン兄の手にある何色にも染まっていない純白な三本の花を見つめて、そう尋ねた。 「ガーベラ」  あぁ、ガーベラか。 「いいんです?三本で」 「いいも何も、三本以外に選択肢にあると思うかい?」 「……いえ」  三本の白いガーベラ。  白色には希望とか、そんな感じの明るい意味がある。  そして、三本という数字の意味は、「私はあなたを愛しています」だ。  不器用でまっすぐなレン兄らしい色と数。  でも、この花のように何色にも染まっていなかったレン兄の瞳には、影が差した。純白に気高く咲いていた一本の花は、黒く、黒く、染まり始めている。  それに気がついて、背筋が凍った。  それからは、精一杯会話を繋げようとしたけど、二人とも一文言い終えると、しんと静まる。  それを繰り返していたら、いつのまにか月奈さんの病室の前まで来ていた。 「え?」  唐突に抑えきれなかった声が漏れると、レン兄はきょとんとしてこちらを伺う。 「ど、どうしたんだい?タツナミくん」 「月奈さんは行方不明にって——」  今度は、レン兄がきょとんとする番だった。 「そうだけど」 「じゃあ、なんで」 「ああ、そこだけ聞いていたんだ」  納得したようにレン兄が呟いて、話を続けた。 「月奈は、さっき病室に現れたんだ。何事もなかったように」 「えぇ⁉︎……まぁ、なら良かっ——」 「でも」  切羽詰まった苦しい声。心をどこかに落としてしまったかのような哀しい目。俺は思わず固唾を飲んだ。 「容態が、悪化した」 「……え?」 「じ、じゃあ、今治療を——」 「してない」  ……は? 「おいおいおいおい!は?何してんだよ、ヤブ医者め……!」 「……いや、仕方がないんだ。病名も治療法も見つかってないんだから。やりようがないんだ」 「でも……!」  そう言って、ハッとする。こんな状態の月奈さんをみてレン兄が俺より悲しまないはずがない。  レン兄は、行き場のない怒りをしっかりと封印してるんだ…!  ……何をやってんだ、おれは。 「ああ、いや……タツナミくんが気にすることじゃない」  そう言って、三本のガーベラを花瓶に活けた。  ……でも、そうじゃないだろ。月奈さんは。いつもレン兄を揶揄って、笑って、幸せそうだった。  なのに。  なのに。  レン兄がそんな顔をしてなんになるっていうんだ……!  空気を察したのか、レン兄が「帰ろうか」と手を差し伸べ、俺は何も言わずにその手を取る。  でも、いいのか。レン兄の隣が俺で。  いいわけないよな。  ここは、月奈さんの居場所だ。  それなのに、その手を取ってしまう自分が嫌いだ。 「……ねぇ」 「何、レン兄」 「……いや、なんでも無い」  俺が何かを言う前に、レン兄は話題を変えた。 「そういえば、最近トウカの様子が変なんだ」  これが終わったら追求してやろうと思ったが、その気は失せた。 「そりゃ、月奈さんが行方不明になって戻ってきたと思ったら容態が悪化したんだ。おかしくならないわけがない姉じゃないか。それも大好きな」  そう言った俺に、レン兄は「違う」と返した。 「逆なんだ」 「ぎ、逆……?」 「そう。逆。何か物忘れがあったり、ポヤポヤした雰囲気がなかったり、とか。そんなことが、まるでない。  逆に、キッチリとして冷静、いや残酷とか冷酷が似合う瞳になった」  あのトウカが、冷酷で残酷な瞳をしていた。  それを聞いただけで、きゅうっと胸が綱引きの綱で思いっきり縛られたように苦しくなる。 「トウカ、いまそんな感じなんだ……」  さっきまでは気が付かなかったが、きっと今おれはからっぽになったんだろう。  トウカという大事で大好きな親友をなくしてしまいそうで。 「やっぱり、タツナミくんはトウカのことが好きなんだね」 「そりゃ、ほっとけないだろ。あいつ。しかも今そんな感じなんだろ?なら尚更だ。それに……」 「違う」  今までのことが嘘のように瞳に熱と力がこもった。 「君は、トウカのことを恋愛対象として好きだ。違う?」  言われてみて、心を綺麗に射抜かれたような気にさえなった。 「行ってあげなよ」  俺は無言で頷いて、レン兄に言葉をかけた。  小さかったけれど、聞こえたかな。そう思って足を止めると、後ろには優しく微笑むレン兄が寂しげに、それでいて吹っ切れたように立っていた。 「ありがとう」  もう一度、俺はその言葉を繰り返して、駆け出した。  目の奥から、つつつ、と涙が頬を伝って、弾ける。その途端、俺は人差し指の爪くらい大きな涙をぼろぼろこぼした。でも、俺はその涙を止めることができなかった。

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地球という名の監獄 第六章 白のガーベラ

開拓者

 いやだ。生きたくない。でも、死にたくない。怖い。    俺はどうすればいい?どう変わればいい?    ただ恐れるだけの弱者で。    とても大事なところで猫かぶって嘘をつく。    俺は、なんで生きてんだ?    俺に生きる価値なんてあるのか?    そんなことを考えてても、結局馬鹿馬鹿しくなって周りの空気を読んでは適当に返してる。   「今日も、いいことなかった。とりあえず勉強しようか?いや、でもめんどくさい。てか、塾だるい」と言ったことばかりを考える。    ダメ人間というレッテルをいくつも貼られたこの体で、一体何ができるというのだろうか。    でも、変わらなくちゃいけない。人は、人生を開拓し続けなければならない。    不器用で、自分に勝てない弱者でも。    もがいて、もがいて……世界で一番幸せな男になりたい。    人間関係を築くのが苦手。    めっちゃネガティブ    猫かぶり    デカいくせに照れ屋で泣き虫    恋愛ものそれなりに書いてるくせに恋愛に弱い    で?  だから何?    それで終わりたくないんだよ。      だから。        俺は、ただ一つ持っている「ハングリー精神」で人生を開拓する。

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開拓者

これが「リアリティ」

 ぽつりぽつりと点のように灯る街灯。照らされた一部が、赤く染まる。 「狂ってる……!」  そういうのは、酔いが覚めた哀れなサラリーマン。彼の目に、僕はどう映っているのかな。  腕と胴がなき別れになった今、どう思っているのかな。  どくどくと血が流れる気分は、一体どんなだろう?   「ねぇ、今、どんな気持ち……?ねぇ、お・と・う・さ・ん?」  彼の目から光が消える間際、僕はそう尋ねる。ただ、返答はなく、「あ、あぁ、ぁ……」とただ怯えていただけだ。    こんな時、サスペンスドラマのように誰かが解決するか?いや、しない。あんなゲテモノ、「リアリティ」がないんだよ。    恐怖に染まり、絶望に染まり、黒を残して死ぬ……それこそが、人間としての美学だ。   「昨夜、広島県広島市の路地にて殺人事件が発生し、警察はーー」 「あら、ここのすぐ近くじゃない」  彼女は、テレビにそう返す。彼女は、その被害者が僕の父さんだと知らない。 「おう、元気してたか!」  ニカッと笑ってこっちにくる親友。この人も、知らない。    次は、どっちの鳴き声を聞いたらいいかな。どっちの方がいい鳴き声を出すのかな。  ここを去るとき、いったいどんな瞳をしているのかな……?いや、ならいっそどっちも試してみようか?    これこそが、真の「リアリティ」であり、人間の本性……!  二人がテレビを見ている中、ポケットに忍ばせたナイフをそっと持ってくる。 「ねぇ二人とも……」        「ちょっと、死んでみてよ」    次の日、二人の遺体と一人の快楽殺人者が発見されたという。それを発見した警察官は、いったいどうしたのだろうか。決まっている。    人生を、諦めた

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命の鼓動

 トクン、トクン。    この心臓が生きている事を告げている。    イノチって、何?    生きるための魂か?宇宙の神秘か?    答えは未知。    昔から生き物は、「自分の種族を未来に残す」ために進化してきた。    偶然か?はたまた神の気まぐれか?    自分は、「イノチ」が生まれてくるのは「生まれてくるべき使命があるから」だと思っている。    でも、その最初のイノチは、何を考えたのだろうか。    孤独だったのかもしれない。自由だったかもしれない。    もしかしたら、感情を持たずに消えいってしまったのだろうか。   「イノチ」とは、欠陥品だ。    たかが一瞬。一瞬で、イノチの灯火は消え去ってしまう。その一瞬に、どれだけの人がどれだけの時間を費やしたかも知らずに。    イノチは、いずれ来る時のために。託された使命を託している。それもまた使命だから。    ただただ、何のために「生きよう」としているのかもわからない。    そう。    わからないんだ。    この世の中には謎が多すぎる。そんな俺も、トクン、トクン。    使命を果たすのは俺が生きている時か?それとも使命はまた託されるのか?      トクン    トクン      この音は、使命に対する覚悟に対する表れとも言える。    なにせこれは、生きている証。イノチの鼓動なのだから……

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目立ちたがり屋の未希葉さん

 みんなが無邪気に楽しむ休み時間。  はぁ、と椅子の上でため息を吐いても、何かを言っててくれる人はいない。 「私だって、女子高生だもん」  たん、たたたん、とスマホをタイプする音だけが私の耳に届く。  新作、何を書こう。何をテーマにしよう。そんなことが頭を巡る。。  私だって、目立ちたい。楽しみたい。もっと、「J☆K☆」したい。でも、私は学校では空気。何かをする勇気がないまま、ただただそこら辺をふよふよと浮いている。  だから、私はこのNoveleeで輝く。目立つ。楽しむ。  私には、小説と音楽しかないんだ。私に、ネタを。私に、小説を。私に、自信を。  何も持ってない私は、また大した覚悟も持たずに「募集」をかける。  そんな時、ピロン!と通知が鳴る。ただ、それは正直大してほしくもない通知。「〇〇さんが…」と新作のお知らせだけだった。  キハミという私の名前をもじったアカウントネームが、いつのまにか本当の私になっているようにさえ思えてくる。   「美希葉さん」  唐突に声をかけられ、私だと理解するのに時間がかかる。 「え、私?」  その相手は、最近隣になったえっと…藤田さんだっけ。 「そうそう。それ、小説?」  ……しまった。  これは私の最重要機密情報。これを知られたらハブられて、J☆K☆する余裕なんて無くなってしまっ…… 「すご!てかそれってもしかしてNovelee⁉︎実は私も……」  そう言って見せられた画面は、最近私とSNS上で友達になった「べほいみ」さんだった。 「べ、べほいみ⁉︎私、キハミ(旧→キトリ)なんだけど」 「え、キハミさん⁉︎すっごい偶然」  こんな「⁉︎」が飛び交っているこの会話も、この空気に見事に溶け込んでいた。 「藤田さん、いいよね。あんなに作品読まれて。いいねされて。コメントされて。輝いてて」  流れで言った言葉が、私を縛り付ける。何を言ってるんだ、ただの嫉妬心だろう。そう、後悔する。 「あー……未希葉ちゃん、もしかして「目立ちたい、輝きたい」って思ってない?」 「んなっ……」  なんでわかるの?と言いたかったが、最初の「な」が変な「んなっ」になり、言葉が詰まる。 「だって、私がそう「だった」から」 「なんで過去形なの?」 「えっとね。私も実は、そう思っていた時って平均1いいね0コメントだったんだよね。でも、最近はちょっと違う」  そうか、変わったんだ。べほいみは。藤田さんは。そう、なんとなく察した。 「目立つことは実はただの称号で、結果。「私はこれが書きたい!」と思ったものを丹精込めて書いたもの。その時初めて、輝けるんじゃない?」  がつん、と……まるで、岩が私の頭目掛けて落ちてきたかのような痛みが走る。 「ありがと、藤田」  藤田と話したこの一瞬だけ、「未希葉」でいれた。この一瞬だけ、満たされた。そして、何よりも、私を縛っていた鎖から助けてくれた。  そう。「目立つこと」「輝くこと」は、あくまでも結果。目的じゃない。何にも解決していないはずなのに、妙に心がすっきりする。    私、書きたい。この一瞬を。  私が…………絶対に書きたい一瞬なんだ。  そして、今。久しぶりに魂を込めてとん、とん、とタイプして、とたた、と消す。それだけの作業だけど、私にとっては今までの何より大切なことなんだ。

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第一回S2グランプリ大会説明

 どうも、初めまして。あるいは、ご無沙汰しています。現役中学生の「花火玉。」と申します。  こちらをご覧になっている方々、まずはお読みくださりありがとうございます。詳しい参加方法等、ここに明記させていただきたいと思います。    〈参加方法〉    まずは、ここのコメントに参加表明をしていただけると幸いです。そして、S2グランプリでは、審査員も同じく募集したいと考えています。なので、「出場者側」か「審査員」側どちらで参加するかの明記をしていただければ幸いです。  尚、締切は12月25日とさせていただきました。そこから自分と審査員の方々でそれぞれの点数を決めます。その合計点が一番高い人が優勝となります。    〈審査員の方々へ〉    皆様には、自分の好きなものに好きなだけ点数を入れてください。ただし、その合計点数は100点になるようご協力お願いいたします。  尚、その結果は1月1日までにここのコメント欄に明記をお願いいたします。      出場者 現在9名   蒼 様             提出済み   叶夢 衣緒。/海月様の猫 様  提出済み  だked 様      提出済み  キハミ(旧→キトリ) 様 提出済み  実々 様             提出済み  洞田浮遊(うろたうゆ) 様    提出済み  高梁ガニ 様        提出済み  あいびぃ 様        提出済み  中二高二病 様       提出済み  審査員 現在?名      それでは、張り切ってご参加ください。    最後に、一つ。ここからは余談になりますが、この大会を開催した動機は、「自分が最近よく書いていて、周りの人がどのように死と生をとらえているか知りたい」というものです。出場者の方々も審査員の方々も、「死と生」の新たな捉え方を見つけられることを祈っています。

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第一回S2グランプリ大会説明