しん

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しん

アラフィフおばばですが、頭の中は小学2年生。好きな小説ジャンルはファンタジー。魔法とか大好きです。 pixivはhttps://www.pixiv.net/novel/show.php?id=18759061

17話 心に蓋をしたままで2

17話 心に蓋をしたままで2  俺の心に、ちくりと何かが刺さった――  暖子(はるこ)さんの口から出た、『彼女さん』と言う言葉。何となく聞きたくなかった言葉。  他の人からは別に何も感じないが、暖子さんに言われるのはなんかちょっと気が引ける、と言うか、何て言うのか――とにかく暖子さんだけからは、『七海(ななみ)』に関する事を聞きたくないと思った。  その思いが態度に出たのだろうか、 「俺に、彼女が出来たから朝の時避けたってワケ?」  自分でも驚くほど低くて挑発的で嫌味を含んだ声色。  あ〜…駄目だ。心に余裕が無くなるといつもこれだ。不機嫌になって周りに攻撃的になってしまう。学生時代の『癖』がまだ抜けきれていない。  こんな風にすぐに態度に出てしまう俺を見て暖子さんとはまた距離が離れていってしまうだろう。  俺はすぐに後悔したが、吐き出してしまった以上引くに引けない状態になっていた。  俺が自分の悪い癖にあれやこれやと考えを巡らせ少し俯いていると、暖子さんからは予想だにしない言葉が返ってきた。 「ん? 私、避けてたっけ?」 「え? だって朝挨拶したら逃げるようにトイレ行ったし……」  朝の状況を思い出した俺は、その時の不快感もあってか眉をしかめてしまった。 「ああトイレね!」  と。暖子さんも思い出したのか急に笑いはじめ、暖子さんのそんな態度に少しイラッときた俺は殊更不機嫌な声色で、 「なに?」  なんて聞き返してしまう。  俺……。  本当に短気すぎる、と思うがやっぱり表情を出してしまったので後に引けなくなって気まずくなってしまう。  そんな不穏な空気を作り出した俺の失態(?)を払拭するかのように、 「だって」  思い出し笑いをしているのか暖子さんはお腹を抱えて、 「雪斗くんタイミング良すぎっていうか悪すぎだよ! あの時私すごくトイレ行きたい時だったのに!」  言葉を途切れ途切れで喋りつつ、それでも笑いのツボにハマった暖子さん。 「いきなり『おはよう』って言われても私トイレって思ちゃってて」 「なにそれ」  暖子さんがあまりにも可笑しそうに笑っているので俺も先ほどの嫌な気持ちを忘れて釣られて笑ってしまっていた。 「『あ〜もう早くトイレ』って思ってて多分私焦ってた」  笑いがおさまり少し気恥ずかしそうにする暖子さん。 「だから雪斗くんごめんね」 「ふぇ!? な、なにが?」  バツ悪そうな顔をして急に謝ってくる暖子さんに俺はびっくりして声が裏返ってしまった。 「え、朝のこと。私多分焦ってたから雪斗くん嫌な思いしたのかなぁって」 「ー…ッ、暖子さん……」  暖子さんのその言葉に俺はハッとした。  勘違いとはいえ、『避けられてる』と手前勝手な思い込みをした俺。それに何の打算もなく暖子さんは素直に謝ってくれた。  なんでこの人はいつも俺の『最高に欲しい言葉』をドンピシャにタイミングでくれるんだろうか――

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16話 心に蓋をしたままで1

16話 心に蓋をしたままで1  俺が七海(ななみ)と付き合いだして約三ヶ月ほど経った。その頃にはもう会社全体では周知になっていたし、帰りも七海を送っていくことがしばしばあった。  俺は彼女が出来たことで心と身体の欲が満たされ充実した日々を過ごしていた。だから――暖子(はるこ)さんに対する想いは単なる趣味が合って話しやすいからだと思うようにし、あの淡い初恋のような感覚を、押し殺すように心の奥底にしまい蓋をした――その筈だったのに。  やはりどうやら俺は普通の恋愛は出来そうにないらしい。七海があんな女だったとは、女ってのは恋愛が絡むとこうも変わるものなのかと、この時ほど痛感した事はない。 「あ。暖子さん、おはよう」  仕事場への出勤時、七海は体調不良なのか休みのようで、昨日会ったが何も聞いてなくて少し不思議に感じたが、暖子さんの姿を見つけた俺はいつものように暖子さんに挨拶をする。  俺に彼女が出来たとしても暖子さんとの交友関係は続くものだと思っていた。 「あ……。お、おはよ、雪斗(ゆきと)くん」  暖子さんは俺に声をかけられたのが意外だったようで少しびっくりしてこちらを見てきた。 「え、そんなにびっくりする?」  いつものように気軽に笑いかければ、暖子さんは落ち着きなく辺りをきょろきょろと見やり、 「あ、あの……私ちょっとトイレに行くね」  そう言い、急足でその場を去ってしまった。    あれ?  俺もしかして暖子さんに避けられている?  ここ最近七海とずっと一緒だったからあまり喋ってなかったけど、でも急すぎじゃね?  そんなあからさまな態度を出されるとなんかちょっと腑に落ちない。そう思ったが、『また帰りにでも話かければいいか』と安易に思っていた当時の自分に腹が立つ。  終業時間になり七海が居なくて手持ち無沙汰のような感じがした俺は丁度タイムカードを切ろうとしている暖子さんに話しかけてみた。 「暖子さん何か久しぶりだね」 「え?! あ、雪斗くんか。びっくりした〜」 「相変わらずびっくりの仕方独特だよね」  目を丸くして驚く暖子さんがやけに懐かしく、また、嬉しさも感じて照れ隠しもあってか少しの嫌味を含めて笑ってみせる。 「でもびっくりはしちゃうよ、急に話しかけられたら」  と。少し不貞腐れたように困り顔になる暖子さん。  普通に話して何ともなく会話が弾む――この緩やかに上昇していく心の高揚感がすごく新鮮で居心地が良い。暖子さんとのこの時間をまだ共有したくて、 「暖子さん今日は自転車?」 「え? そりゃあそうだけど」  唐突に聞いた俺に不思議そうな表情をみせる暖子さん。 「そっか。送っていこうかと思ったんだけど」  俺が残念そうにそう言うと暖子さんはさらに目を丸くして、 「え? 何で?」 「『何で』って、普通に送っていこうかなぁって」 「やだ。そんなの彼女さんに悪いよ」  少し困ったように遠慮がちに言う暖子さん。

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悩み

 悩みっていうか自分の本当に駄目なところがあって、それが貯金ができず散財してしまう癖。  何十年経っても、後悔してちゃんとしようとしても頭では分かってるのに散財してしまい貯金ができない。  やっぱり、『なんとかなる』って心のどこかにあるから駄目なのかな。    それで家族、旦那や子供たちに散々迷惑をかけてるしカードローンとかもちゃんと返済できてないし、それでも旦那には捨てられずにいるから、旦那は相当我慢してるんだと思う。  なんとかしたい……。  こんな自分はもう嫌だ。  変わりたい。  なんかとりあえずお金の使い方から見直していこうと思う。  あと、次女ちゃんにもキーボードを買ってあげたいから。  頑張ってみる。こんな自分とはオサラバしたいんだ。そんなんだから好きなこともちゃんとできないんだよ。  こんな私だけど、みなさんこれからも仲良くしてください。

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15話

15話  りゅうちゃんの自室は僕が想像していたのとだいぶ違った。おもちゃとかゲームとかいっぱい置いてあるのかなぁとか思ってたんだけど、すごくすっきりしていて余計なものがない。 「俺着替えてくるからその辺座ってて〜」  言いながら、りゅうちゃんはラグ(敷物)が敷かれた大きなソファを指差す。ソファは両側にあってそれを挟んでローテーブルまであった。 「あ、うん。分かった」  僕は戸惑いつつ持ってきた荷物をソファの横に置き静かに座った。 「多分メイドが茶菓子持ってくるだろうから適当に食べてろよ〜」  間延びしたようにりゅうちゃんはそう言って奥にある扉に入っていく。  急に静かになって落ち着かなくなったからりゅうちゃんの部屋を少しだけ見渡してみた。  部屋の真ん中あたりに僕が座っているソファがあって、入り口から向かって左奥にりゅうちゃんがさっき入って行ったもう一つの部屋があるみたい。  それよりも気になったのは、部屋の右側にあるスポーツ器具だった。どこかのジムにあるようなランニングマシーンとかダンベルとか色々あって、りゅうちゃん身体鍛えているのかなとか思っちゃった。  そういえばしばらく見ないうちにちょっとだけりゅうちゃんの身体つきが良くなった気がする。  そんな事をぼんやり考えていたら、扉がノックされて少しかしこまったように綺麗なメイドさんがお盆に何かを乗せて入ってきた。  僕がびっくりして目をパチクリとさせていると、 「いらっしゃいませ、直往(なおゆき)様。お紅茶とクッキーでございます」  そう言って、ローテーブルにそっと紅茶と上品なお皿に入ったクッキーを置いてくれた。 「あ、ありがとうございます……」  僕が頭を下げてお礼を言うとメイドさんは爽やかな笑顔と共に、『いいえ。ごゆっくりとお寛(くつろ)ぎなさいませ』と言って僕に一礼して部屋を出て行ってしまう。 「はぁ〜…」  なぜか緊張していた僕は気を抜いて大きなため息をはいた。  でも。  こうやってみると、やっぱりりゅうちゃんは僕と住む世界が違うんだなぁって再認識させられて急に不安になって心が沈んでしまう。

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14話

14話 「お前なにそれ、変な言葉」  りゅうちゃんが僕の隣でお腹を抱えて笑っている。 「だって……」  そんなりゅうちゃんに少し腹が立った僕はムッと口を尖らせて俯いた。  そんなの仕方ないじゃないか。あまり面識のない人、(でも小学校のころは倉田さんがりゅうちゃんをよく迎えにきてたっけ)に名前呼ばれたらびっくりしちゃうよ。  門からりゅうちゃん家(ち)の敷地内を通って玄関みたいな大きな扉が開けられる。  中に入ると玄関ポーチがあって中央には左右に分かれる大きな階段。そこを登って右側の奥がりゅうちゃんの自室になっているみたい。  僕は映画でよく見るメイドさんたちが並んで、『おかえりなさいませご主人様』とかあるのかなって想像してたんだけどそんな事はなかった。  思っていたのと違っていたけど、やっぱり僕とりゅうちゃんは住む世界が違うんだなぁって、まじまじと見せつけられた感じがして僕の心は少しだけ息苦しくなり俯いてしまう。 「……想像と違ってた?」 「え?」  突然聞こえた声に反応して顔をあげれば、ちょっとだけ悲しそうに笑っているりゅうちゃん。その表情を見た僕はさらに胸が締め付けられて、 「ううん。ちょっとだけびっくりしてた」  慌てないよう不自然にならないように小さく首を横に振って大部分は本音を言う。『住む世界が違う』も本当のことだけど、昔からりゅうちゃんは勘が鋭いから、自分の本音を先に言ってしまえばだいたいはそれで納得してくれるから本心だけは言わないようにしてる。  住む世界が違うなんて、りゅうちゃんと親友になる前から分かりきっていたこと。それをただ今日本当に現実を見せられただけだ。  だから――この先もこのままりゅうちゃんとの関係は崩したくない。りゅうちゃんのこと好きだけど、その想いがバレて嫌われるくらいなら想いを知られず親友という言葉でずっと繋がっていたほうがまだいい。 「そっか」  りゅうちゃんは軽く頷いてくれた。    これでいいんだ。りゅうちゃんに嫌われて側にいられなくなるなら友として一緒にいたほうがいいから。この関係を壊したくはないから。

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13話

13話 「あの、さっきの事なんだけど」  慌てて俺の隣まで来た直(なお)は少し戸惑いながらそう聞いてきた。 「さっきって?」  直がなにを聞きたいかはもちろん分かっているが、俺は少しとぼけてみることにした。 「え……、りゅうちゃん家(ち)に来ないかってはなし」  目をぱちぱちと瞬く直。 「あーうん。さっき倉田(くらた)から直のおふくろさんに連絡して許可もらってるから」 「え……」  直の足が動きを止めてその場で立ち尽くす。 「一週間も家に一人って危ないだろ」 「それは、そうだけど……」  直のほうを向いてそう言えば、直は少し戸惑ったように呟いた。  良かれと思って提案したけど、直にとっては迷惑だったんだろうか。遠慮している感じがして俺は少し苛立ってしまい、 「お前が嫌だったら別にいいんだけど」 「え。いや、そうじゃなくて」  立ち止まったまま俯き首を横に振る直。 「とりあえず、着替えとか取りに行こうぜ」  俺はそう言って少し強引に直の腕を掴んで足早に歩みを進める。 「……わ、分かった! 分かったからりゅうちゃんちょっとゆっくり歩いてよ〜!」 「おう、悪い」  背中で慌てた声をあげる直に気付き俺はピタリと足を止めた。 「ちょ……っ」  俺にぶつかる寸前で直も足を止める。 「りゅうちゃんいきなり止まんないでよ! そういうところ、全然変わってない!」  そうやって大げさに喚く直もあまり変わっていなくて俺は自然に笑ってしまい、 「そういうお前もぜんっぜん変わってないのな」  振り返って直の顔を少し上目で意地悪く見てやった。 「僕たち全然変わってないね」  と言い、直がおかしそうに笑ったので俺も一緒になって大声で笑い合った。  直の家により必要最低限の荷物を持った直と一緒に俺の自宅へと向かう。俺の自宅はこの地域では豪邸と呼ばれる屋敷で、直が住むマンションの隣にある。  大きな鉄扉の門の前に立つと直の足がピタリと止まり、 「どうした?」 「あ、ううん。別に」  直はそう言いつつ緊張しているのだろうか、顔を少しこわばらせている。  そりゃそうだよな。いきなりこんな屋敷目の前にしたらそうなるよな。  俺は一人で勝手にそう思い込んで、人が出入りする小さな入り口の横にあるインターフォンを押す。軽快な呼び鈴と共に玄関ドアカメラと一緒に設置してある画面に倉田が映る。 「ああ。龍治(りゅうじ)坊ちゃんおかえりなさいませ。直往(なおゆき)様、お待ちしておりました」 「ひゃい?! ご無沙汰でございます?!」  倉田に突然微笑みかけられた直はびっくりして飛び上がり妙な言い回しと同時に画面越しに頭を下げていた。

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140字小説10

今日は運のいい日だ。 朝からうんこが茶柱のように立っていたのだ。 垂直にプカリとベン壺に浮いていたのだ! やっぱり今日は運のいい日だ。 運がついてるのだ! 嬉しいあまりに尻拭くの忘れたため、本当に 『うん』がついてしまっていた。 しまった。 やはり今日はうんがついてる日だった。 『うん』

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外伝1の4【美琴の能力1】

外伝1の4【美琴の能力1】 「ねえ進(すすむ)! それって破壊(クラッシュ)出来ないの?!」  真人(まさと)は、四人を同時に空中浮遊(レビテーション)させているため両手が塞がっており身動きが取れない。武雄(たけお)もまた周りを防護(シールド)しているのでサンダードラゴンの対処はできなかった。 「それは最初にやった! それでも瞬時に構築されたから停止(ポーズ)するしかなかった! 利用(ユース)は俺の力じゃ制御出来ないのは分かっていたから!」  目の端で真人を捉えつつ進は焦りを隠せず真人に叫ぶように返した。 「だろうな」  進と真人の様子を見つつシンは事もなげに言い放つ。 「本来、能力分析(サイコエナリシス)は『人間』のみにしか効かない」  そこまで言ってシンは指を軽く鳴らす。それと同時に武雄の防壁、真人の空中浮遊(レビテーション)と進の能力は跡形もなく消え去った。 「…ち、力の強制解除……ッ!」 「こうも簡単にできるものなの?!」  武雄が悔し紛れに呟き、真人は驚きを隠せないでいた。 「さて」  シンは少し意地悪そうな笑みを浮かべ右手から徐に炎を発現させる。 「お前たちには一度、灰にでもなってもらおうか」  この状況に飽きてしまったのだろうか、シンは発現させた炎を真人たち四人に向かって投げつけた。  シンの産み出した炎は直径三メートルくらいの火球と化し、真人たち目掛けて迫ってくる。 「クソッ!」  低く唸り武雄が間一髪で、防壁を展開させる。 「僕にだって! 相殺くらい出来るッ!」  真人はそう叫ぶと同時に両手からパイロキネシスを発現させる。  シンが産み出した火球と、真人が発現させたパイロキネシスは互いにぶつかり合い接触すると同時に跡形もなく消え去った。 「まあ、お前ならそれくらい出来て当然だ」  シンは少し楽しげにそう言い、今度は右手から炎を左手からは『風』である手のひらサイズの竜巻を発現させる。 「炎の嵐でもぶつけてみせようか」  愉快そうな薄笑いを浮かべ、四人に目掛けて『火』を纏った竜巻を投げてつけた。その際、先程から微動だにしない美琴(みこと)をチラリと見やる。 『美琴、お前は何も出来ないのか?』  まるで彼女に問い掛けるような、そう言いたげな視線を美琴に向けていた。 「分かったわよ! やればいいんでしょ?!」  美琴は投げやりに怒鳴り、右手の人差し指と中指でカードを挟むようにして差し出すとそこにはニ枚のカードがいつの間にか挟まれていた。  それはタロットカードで大アルカナの『法王』と『吊るされし男』だった。それらのカードは自然界におけるエネルギーを属性(エレメント)として、法王は地、吊るされし男は水のエレメントを持つ。

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外伝1の3【深層領域3】

外伝1の3【深層領域3】 「それが、お前の深層領域(サイコフィールド)という訳だな」  シンは薄く笑いつつ、能力に開眼した武雄(たけお)を見つめた。 「まあ、お前の能力(ちから)は、領域内での保護防壁(ほごぼうへき)が作り出せる訳だな」 「……『保護防壁』?」  武雄が眉をしかめシンの言葉をおうむ返しすると、 「そう」  シンは一言頷き、 「領域内における如何なる攻撃に対しての障壁を作り出しーー」  シンがいったん言葉を切ると、それを合図のように武雄の産み出した障壁は音もなく静かに消え去り、 「対象を保護するという、いわゆる『バリア』というものだな」  そう言いつつ、シンも武雄と同じように自身の身体の周りにバリアを張った。 「ちょッ、障壁が消えた?!」 「いや! かき消された!」  真人(まさと)と進(すすむ)が口々に言い、今度は下側から鋭利な円錐形の土の塊が次々と飛び出してくる。 「も、もう一度!」  武雄が叫び、開眼した時と同じように四人の周りに障壁を作り出す。 「でも下から来るんじゃあ……!」  真人が自身の足元を見て喚き、 「そうか! もしかしたら!」  何かを閃いたかのように、徐に両腕を真上に掲げて、 「みんな! 浮け!」  そう言うと真人を中心に進と武雄、美琴の四人の身体は、まるでシャボン玉に包まれたかのようにフワリと宙に浮いた。 「これッ、空中浮遊(レビテーション)?」 「うん。僕一人なら普通に使ってたけど」  美琴(みこと)が困惑しながら呟くと、真人は少し照れた笑いを浮かべ、 「みんなを同時ってのは少しコツがいるみたい」 「超能力ってのは、術者の精神力と基礎の応用で能力戦闘(サイコバトル)が優位になる」  シンはそう言いながら、真人たちと同じ位置に身体をレビテーション(空中浮遊)させていた。  次は徐に人差し指を出し何かを指示するように指を動かすと――  ――グオォォォォッ!  ビリビリビリィッ! バチバチバチッ!!  稲妻で構成されているだろう巨大な蛇――否、『龍』が二頭、浮かんでいる四人に向かって左右目掛けて襲ってくる。 「クソッ! 能力分析(サイコエナリシス)!!」  進が龍を押し止めるように両手を水平に構え、 「停止(ポーズ)!!」  短くそう叫ぶと、稲妻の龍はその場で動きをぴたりと止めた。  「ほう」  シンは興味深げに片眉を跳ね上げた。 「対象である能力を瞬時に分析し即座にいずれかの形で相殺させるという、能力の応用技術だな」  シンの言葉に今度は進が少し眉をひそめた。 (俺のこの能力は真人しか知らないはず。このシンという男は一体何者なんだ……?)  シンが放った稲妻の龍、サンダードラゴンと言うのだろうか――それを相殺する形で動きを止めた進は、目の前にいるシンに密かに疑念を抱いた。  

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2024年、十月十八日、金、今日の夕飯

今日の夕飯はですね、 ご飯、サラダ、ハンバーグと茹で野菜と トマトスープです。 今更ながらに私、スープ系の食べ物が結構好きな事に気づいたのです。 現場からは以上です。

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2024年、十月十八日、金、今日の夕飯