Cana
10 件の小説Cana
どうも初めまして。Cana(カーナ)と申します。投稿メインにできたらなと思いますがおそらく下手な作品になるでしょう(小説書くの初めてです)。名前がややこしいですが男性です。年齢は15です。投稿不定期。僕はゲームをテーマにした作品を作ろうと思っています。ただ、まだ高校生なので、あまり文章力がありません。試行錯誤をしながらの作成となりますのでご了承を。ある理由で、作品をよく思っていただくことよりも、作品を知っていただくことを優先したものになるかもしれません。どれくらい書けるかわかりませんがよろしくお願いします。
魔王向けキャラだけど勇者な女 八話
八話 [フェニックス] 少し前、プレイヤーの動きを監視している者たちがいた。 ??1「この王国一つに、5人もプレイヤーが集まっている…………どう思われますか。ゲームマスター。」 ゲームマスター?「気にするな。サラザンド自体、広いわけでもあるまい。まだ最初のテストプレイなのだ。しばらく様子を見て、こちらに不利益があるならば、処置をしろ。」 ??2「ではこの、リタという者の監視は続行ですね。」 ??3「他のプレイヤーはいかがしますか。」 ゲームマスター?「捨ておけ。今はこの者の感じている違和感の正体を探れ。我々の想定にない事象は見逃せぬ。」 (リタ、其方の力と成長、我の想像を遥かに超える逸材。其方ならば、奴らにも………) 〜エルフォーン城〜 リタは、部屋でブナフェルと雑談していた。 リタ「そういえば、画面表示の話の時に、他のプレイヤーって言ってたけど、それは誰だったの?」 ブナフェル「この城には居ないな。白い長髪の男で、カーベルって人から聞いた。他の人にも聞かなきゃな。」 リタ「ふ〜ん。話変わるけど、待ち合わせしてた人って、男?」 ブナフェル「おう、そっちはゲームだっけ?何買おうとしてたんだ?」 リタ「ま、"魔勇者クエスト"。」 ブナフェル「え?聞いたことねえんだが。」 リタ「それもそうだと思う。あまり一般的には知られてないから。」 ブナフェル「一体どんなゲームなんだ?」 リタ「えっと、魔王の力を持つ勇者見習いの女の子が、大魔王を目指してる仲間と切磋琢磨しながら、世界を冒険するっていう物語。」 ブナフェル「おいおい、それってまんま俺たちのことじゃないか?」 リタ「えっ、どういうこと?」 ブナフェル「お前はほぼ魔王みたいなもんだろ。そして俺は、お前が勇者なら大魔王になってクリアする気だ。」 リタ「確かに、似ているのかも。」 ブナフェル「ファンか何かなのか?」 リタ「私が初めてやったゲームなの。中学1年生の頃、友達に薦められて。シリーズが好きになって。でも、二部しかやったことなくて、一部を買おうとしてたの。」 ブナフェル「いやなタイミングで厄介なことに巻き込まれたな。それで、一部の内容は知ってるのか?」 リタ「だいたいはね。最終的には、主人公と仲間が、お互いに目的を達成して、なんやかんやあって異界で暮らすことになって、なんとその後結ばれるって感じ。」 ブナフェル「ほーう。俺たちもそうなるかもな。」 リタ「ちょ!それどういう……」 ブナフェル「悪いって、ハハハ。お前はからかわれると弱いんだな。」 リタ「ぐっ、あんたねぇ!」 ブナフェル「二部はどんな内容なんだ?気になる。」 リタ「ああもう………えっと、今度は二人の子供が、世界を冒険する話。二部では、一部で登場した人の名前がわからないの。だから一部をプレイして、二部のわからなかったところを探ろうと思って。」 ブナフェル「おお、それは是非とも、シリーズを通してやってみたいものだな。」 仲が良い二人のやり取りの中、兵士が知らせに来た。 兵士「お二人方、昼食の準備が整いましたので、用意を済ませてください。」 リタ「はい、ありがとうございます。もう向かえる状態ですので、参りましょうか。」 先程の食堂に足を運ぶ。集められた冒険者たちは、すでに全員席に着いていた。食事は配置されており、広い空間を、高級感あふれる料理たちの匂いで充満させていた。 しかし一席だけ、用意されている皿の量が人間離れしている。ゲルマーガの席だ。あまりの量に、机が引き伸ばされ、椅子の間隔は離されている。ゲルマーガは泣きながら文句を言っているようだ。 ゲルマーガ「ねえ!なんで席を近づけてくれないのぉ………。みんなとお話したかったのにぃ………うぅ。」 わがままなところもあるようだ。これでドラゴンなのだから、恐ろしい。 料理人「さすがに、この量の料理を食べるあなたを、他と近距離で相手できませんよ。」 ゲルマーガは泣き叫んでいる。まるで子供みたいだ。 兵士「あちらの席でございます。今回は親睦会を兼ねるとのことですので、どうぞお楽しみくださいませ。」 兵士は、リタとブナフェルがならんで席に着いたのを確認すると、食堂を後にした。席は対面となっており、目の前は、ジンとレイが座り、リタの隣にはルキューレ、ブナフェルの隣にはオルディスが。ジンとレイを挟むように、ヒナとヤヒムが座り、ヤヒムとオルディスの隣は、少し離れてゲルマーガの席があった。しばらくはお互い静かにゲルマーガのやり取りを聞いていたが、ルキューレとリタが話し出したのをきっかけに、ちょこちょこ会話が始まっていった。 ルキューレ「マガちゃんってやっぱり可愛いところあるよね。幼いというか。」 リタ「ね。あんなに泣いちゃって。でもさっきも食べたのに、まだ食べるなんて、ドラゴンの食欲はすごいね。」 ブナフェル「この辺の方々、男同士、仲良くしていきましょうぜ。」 ジン「そうですね。今日はいろいろ語り合いましょうか。」 ヤヒム「ホッホ。酒を美味しくいただけそうじゃな。」 ゲルマーガ「そう!今回はもう、この量で我慢する!だから、くっつけてよ〜〜〜〜。」 和やかな雰囲気の中、一人の、鎧を着た女性が食堂に現れた。 ディーナ「皆様、お初にお目にかかります。わたくし、このお城に仕える国内警備隊隊長の、ディーナと申します。この食事会は、挨拶を終えた皆様の、最初の食事会ということも併せて、親睦会とさせていただきます。これよりは、共に戦う戦友です。この機会に親睦を深め、より結束力を高めましょう。」 兵士の合図に合わせ、全員での食事が始まった。食事中は、画面表示の話は忘れていた。すると、ヒナがリタに話しかけてきた。 ヒナ「あっ………あの、肩………についてる………それ………」 リタは首を傾げ、ヒナが指差す左肩に目を向ける。 肩には、ビー玉ほどのサイズの球体がバランスよく立っていた。これが何か全くもってわからないリタは、とりあえずはらって落とした。 〜別所〜 ??2「バーカ、フェオンス、お前、何そんな見つかりやすいとこにカメラ置いてんだ。」 フェオンス?(??3)「何を言い出すか、ラッサル。もう用事は済んだのだ。不死鳥め。子神の力の産物も管理に困る。それより、脚は治ったのか、デオジムソス。」 デオジムソス?(??1)「ふん、無機修復が完全ではない。破壊のエネルギーが不足している。ゲームマスターに申し出なければなるまい。ラッサル、貴様の失敗が鉱物体の構築を妨害しているのだぞ。」 ラッサル?(??2)「奴らの残党がいるとは知らなかったのだ。仕方があるまい。」 ゲームマスター?「どうした、通常種ども。」 フェオンス?(??3)「ってその小さい瞳、その呼び、何千年ぶりですか。」 ゲームマスター?「リタの監視ご苦労。4つほど新界を滅ぼした。この場の者は、破壊のエネルギーをこの内一つで分け合え。」 〜エルフォーン城〜 それぞれが笑い話を持ちかけ(ヒナのみ特技披露)、最高の雰囲気の中、ヤヒムがリタとブナフェルに聞く。 ヤヒム「そこの二人さん、付き合っとるんか。」 リタ「ええ!?いや、別にそういう訳では………。」 ブナフェル「いや実は、まだ組んで一日なんすよ。」 レイ「結構お似合いだと思うよ〜。羨ましいったらありゃしないよ。」 ジン「なんだって?女が良かったか。お前はそういう願望もあんのか。」 レイ「人様の前でそんなこと言うんじゃない。僕がそういうやつみたいじゃないか。」 オルディス「にしても驚きだな。昨日組んだばっかとは。」 ゲルマーガ「私てっきり、元々知り合いなのかと思ってたよ。」 昼食もそろそろ皆が食べ終わる頃で、ダイタスが食堂にやってきた。 ダイタス「数名、初めましてですな。私は騎士団長のダイタスです。親睦会は如何でしたかな。」 リタ「とても楽しかったです。企画された方に、感謝したいくらいです。」 ダイタス「おお………それは非常に素晴らしいことですな。この場で申し訳ないですが、一つご報告を。」 ダイタスは少し余裕のない表情で話し出す。 ダイタス「我が騎士団が、不死鳥を上空にて捕捉いたしました。」 ブナフェル「んなバカな。神殿にいるはずじゃなかったのか。」 ダイタス「不死鳥の様子は伝えられているものとは明らかに違ったと報告が。不死鳥は本来、赤い火を纏うそうですが、目撃されたものは、暗闇のように黒く変色している火を纏っていたと。さらには研究者も聞いたことがない叫びをあげていたそうです。」 リタ「暗闇………叫び………まさか………」 リタの頭をよぎったのは先程の呻き声……。あまりにも悲痛に、助けを求めている声。途端、貫かれるような激痛が全身に走った。 リタ「うっ……あ……がぁ……」 ブナフェル「おい、リタ?リタ!」 リタは眼を全開させ、頭を抑え、地に顔を向け倒れた。意識が遠のく。恐怖と悲しみが全身を覆う。視界は暗み、あの呻き声が再び襲いくる。 謎の声「ギ………ガァァ…………ワ………ガ………ホ………ノオォォォ………鎮メタマエ…………ナン………ジ……ハ………ウンメ………イノ………ギギァァァァ!!」 リタは、自分の前を、這いずりながら必死にやってくる、鳥のような何かに気づいた。アンガン・ダルテの刃が光らない。このことから、リタはあることを考えた。 (これは……共鳴………私が……ツタエナキャ) リタは手を伸ばす。その何かの、熱い羽に触れた瞬間、完全に意識を失った。しかし周りからは、ただ暴れて、急に動かなくなったようにしか見えなかった。 ルキューレ「リタ……ちゃん?」 ブナフェル「部屋の時も、こうだったのか。クソ!俺が気づいてたら!」 ブナフェルは急いでリタの体を起こす。顔は泣いているようにも見えた。 ブナフェル「リタ…………?」 そんな時、突如リタは眼を開けた。 リタ?「オ………オォ………」 ダイタス「リタ殿!その眼は?」 リタの眼は完全に黒く染まり、ゾンビのように、不安定ながら、自力で立ち上がった。 リタ?「共鳴………ツタエネバ………」 リタの意識はない。今は別物だった。 フェニル「我ハ………フェニル………神殿ノ……奥地ニ………住マウモノ………。」 ダイタス「なんと!リタ殿の意識が、不死鳥に乗っ取られたと言うのか!」 フェニル「彼ノ………神殿ニハ…………悪シキ………マジョガ………オリタッタ………ア……ガァァ!」 フェニルは身震いを起こし、踏ん張ると、リタの体に適応したのか、平然に振る舞って見せた。 フェニル「はあぁ……その魔女は、我が聖なる炎を穢し、炎は神殿から生命力を送り続けている。」 ブナフェル「そいつが、俺たちが目標にする魔物か。」 フェニル「汝らに、頼みがある。」 ルキューレ「魔女を倒せばいいの?」 フェニル?「そうダ。コノチヲ……………スク………イ…………ソシ………テ………ワ…………レ………………ヲォォォ…………」 ダイタス「?」 リタ?「…………コ…………ロ………………セェェェェェェ……………。カハァ!はあ、はあ、はあ。」 リタは、眼に色が戻り、粗い呼吸と共に、意識を取り戻した。そして同時に思った。 (不死鳥は、この地の救いを望んでる。自分がこの地を守れない悲しみが、不死鳥を襲い、それが私に伝わった。でもどうして……) リタは疲れで、そのまま眠りについてしまった。親睦会は素晴らしい空気では終わらなかった。だがそんなことを言っている場合ではない。 ダイタス「衛生兵!リタ殿を医療室へ!急ぐんだ!」 ブナフェル「………リタ……………それに、フェニル………………」 ブナフェルとしては、仲間が突如異変を起こし、気が気でないところもあった。 不死鳥はこの地の生命を守る存在。リタの人生の冒険の中で、不死鳥が大きな役割を果たすことを、この時、いや、ある時まで、誰も知らない。
自己紹介と質問返答
どうも、Novelee始めて2ヶ月弱の、小説読み書きが下手なユーザーです。 今回、大変遅ればせながら、自己紹介をすると共に、募集させていただいた質問に回答していこうと思います。最後の質問は相当長いです。皆さんが望む回答じゃないでしょう。 では、まずは僕の自己紹介から! 名前↓ Cana(カーナ)! 性別↓ Boy、男だ!名前もアイコンも紛らわしくてごめん! 年齢↓ 15〜16、つまり高校一年生!誕生日10/25です。 在住↓ 東京都です! 特技↓ 頭突き対決なら負けません!(そんな機会普通ないです) 少し前の特技↓ 一人劇を作ったりしてました。完成まで全ての工程を一人で担当しました!(中学の体育館の大スクリーンで公開したことも……) 自分を動物に例えるなら↓ 自分では勝手に、自由気ままな猫かなと思っていますが、友達には「焼き魚」と言われたことがあります。(いや動物じゃないだろ!) 得意教科↓ 中学では数学と社会が比較的点数が高い傾向。高校では、数学Aで定期テスト100点の経験あり。 中学の部活↓ バドミントン部に所属して三年間ちゃんと通いましたが、運動音痴が治らなかった…… 選択実技科目↓ 自分は音楽です。歌唱は、カラオケではAI採点90点前後が普通なのである程度自信ありです。(「女々しくて」うろ覚えで91点!) 身長体重↓ 超痩せてます。身長167.9cm、体重44.9kg。しかもこれでも前より2kg太った方です。 てなわけで、自己紹介(詰め込み)が一通り済んだので、ここからは、募集した質問に回答していこう! まずは質問の回数だけ、隠し必殺「大ジャンプ」! Canaの大ジャンプ!Canaの大ジャンプ!Canaの大ジャンプ!Canaの大ジャンプ! 今回四つ回答させていただきます! さて、質問の内容ですが、答えごたえのあるものですね。さっそく"長文"で回答しましょう! 質問者「Noveleeをやろうと思ったきっかけは何ですか?」 Cana「はい、僕は、物語を考えるのは小学1年からずっとしてきたのに、文章を書いたり、考えたことを伝える力がなかったので、その練習ができる場がないかと探したところ、Noveleeを見つけました。参考になる先輩方の小説がいつでもいくらでも見れるのは自分が書く上でも役に立ちますし、自分の想像力をよく刺激してくれる環境が整っているので、自分は運がいいなぁと思ってます。 あとは、今現在自分が取り組もうと考えているお話を実際に形として作って、より掘り下げていく場としても最適………今はこのくらいにしておきます。」 質問者「名前の由来は〜?」 Cana「これには軽いエピソードがございまして、まず、由来は本名であることをお伝えします。ではどういう経緯でこの名になったのかと言うと、中学時代に通っていた塾で、先生に質問をしたのが始まりでした。英語圏の、あだ名の法則ってなんですか?と聞いたら、言いやすければ良いと返ってきました。〇〇だったら、[Cana]かな〜と、提案されたのが、大きな理由です。以後少しづつ使っていて愛着が湧いたので、固定しようと考えました。今では大好きな名前です。」 質問者「デーデン!ズバリ!推しは!?((推しがいなかったら好きな曲は?」 Cana「推しですか……………いない……。ゲームばかりしていたり、そのゲームでも、推せるほどのキャラ等を見つけられないんですよね。では好きな曲は何か。ゲームのBGMになりますが、ペルソナ5の、[Life Will Change]ですかね。小学4年生でペルソナに触れて、かなり印象深い、未だ大好きな一曲です。ゲームをプレイすると、ボーカルの歌詞がより迫力を増すんです。シリーズでも神曲が多いのでぜひ聴いてみて欲しいです!」 質問者「なんでゲームメインの作品を書くことにしたんですか〜?」 Cana「かなり長くなります。少し可能性に賭けすぎている話ですが、簡単に言うと、僕の将来のイメージを掴むためです。どういうことか。僕は将来、自分が苦手な、読み書きが伴う、物語を考案する職業に就きたいんです(今の実力は絶望的)。先程の質問の際、Noveleeの場は、実際に書いて、物語を掘り下げていくということをするのにも最適と言いました。ここに行き着く前に、僕は一つのゲームを考案しました。そこで、意外と自分は、連想する力、話を作ろうとする意思はあるのかもしれないと勝手に思いました。考えたゲームの話をしていると、また新たな発想が出てくる。自分はそうやって、物語を考えて、共有する仕事をしたいと気づいた(気がした)んです。まだ全然ビジョンはないですが、そういう生き方をしてみたいという意思は確かにあります。ならば、自分にできそうな物語はどんなものか。やはりゲームに関するものだろうと思い、新たな物語の考案を始めました。その物語は[魔王向けキャラだけど勇者な女]ではないです。そして超重要な情報ですが、自分が今書いている、リタとブナフェルによる、ゲームの世界[サラザンド]のお話は、あくまでまだ練習であること。これとは別に、取り組んでいるお話があること。そしてそのお話こそ、自分が真に完成させたいと考える作品であることをここで明かします。その作品が作られる過程で今の、言いやすくするなら[魔王向け勇者]の作品が活きてくるんです。つまり、これで練習ができた時に、それを踏み台にして真の物語を制作できるという話です。あまりにも、上手くいくだろうという可能性に賭けすぎな話でしたが、[真の物語]を制作するための[魔王向け勇者]という情報を伝えたく、長文に長文を重ねました。ここまで漠然とした目標が、いつの間にか強くなり、それが結果的に、ゲームメインの作品を作っていこうと、はっきり方針が決まる理由になりました。なので、Noveleeを活用する上で、[魔王向け勇者]以外の作品を書くことはほとんどないかもしれません。実際、今は両方の作品で手一杯です(おい)。ただ、やらないと限ったわけではないので、頑張れるだけ頑張ってNoveleeを活用していきたいと思います。かなり長文で、しかもいきなり将来について語り出したりして、申し訳ありませんでした。以上が質問への答えです。」 はい。まさかはっちゃけずに真面目に回答してしまうとは……。夢を語ったところで、質問への回答は以上となります。質問してくださって、ありがとうございました! 回答が長すぎると感じた方は、練習作品も読んでもらうとわかります。一話ごとのボリュームがどんどん増えていってます。つまり、僕は短文で話を進めるのが苦手ということです。そういったところも含めて僕を応援してくださると嬉しいです♪ 自己紹介で3000字とは何事だと思いましたよね。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。 追加の質問がある場合については、コメントでお願いいたします。その場で回答させていただきます。 では、またの機会に〜。 リタ「別に、私たちが練習に使われる程度の人間ってわけじゃないんだけど………」 ブナフェル「そう思われるのもまあ、仕方ねえさ。Canaがやりたいようにさせとけば良いんじゃないの?もしかしたら、初作ってことで、後に優遇されて登場できるかもだぞ?」 リタ「その時は、本当に来るのかしらねー。まあ、私も、2023年は期待することあんまなかったし、いっか。」 リタ?「でも、もう22年経ったの?私たちがゲームクリアしてから。」 ブナフェル?「そんなに経ったのか。まあ、いろいろあったしな。あいつらに恵まれたり、お前は結局仕事就かなかったりな。」 リタ?「就職の時期にあんたがちょっかい掛けに来るからでしょ。」 ブナフェル?「それはまあ、悪かったけどよ、結果論楽しいから良かったろ。」 ??「はあ、あんたのそういうとこ、まだ治んないんだ。」 千里「それにしても、風太の帰りが遅いのが……………………………………」
僕についての質問募集
えー、未だ情報がとても少ない僕についての質問を募集させていただきます。(おっそ) どうしてこのタイミングか?恥ずかしかったんです。まともに文を読み書きしてきてない人間が、急にポッと現れていきなり投稿しちゃったもんですから。もう2ヶ月弱経ってますが、このたび自己紹介も兼ねて、質問を募集させていただこうと考えました。質問内容はなんでもいいのですが、他の方の名前を使った質問や、個人を特定できてしまう質問、犯罪行為となる不適切な質問はお控えください。 コメントにて送ってくだされば、次の投稿でその質問に答えさせていただきます。答える際ははっちゃけるでしょう。 明後日0:00までに質問が全然集まらなかったら………自害します(嘘)。 作品についてでも構いません。意味不明なところも結構あるので。 よければぜひ質問をしてみてください。コメントは質問だけでなくても構いません。同時に複数の質問をしても構いません。書き込む際は、質問内容をわかりやすく分けて書いてください。 集まれば集まるほど僕は喜んで、隠し必殺「大ジャンプ」を使用します。 それではコメントで〜〜
魔王向けキャラだけど勇者な女 七話
七話 [状況整理] 謎の呻き声の後には、部屋に広がる静寂と、リタの粗い呼吸のみだった。 ブナフェル「たーだいまー。ん?おいどうした!そんな青ざめた顔して!…………泣いてるのか?」 リタは呻き声と共に感じた悲しさに涙していることにはじめて気づいた。 リタが感じたのは、悶え、苦しみ、自由を奪われた辛さをのせた悲痛なる呻き声。しかし声自体はかすれてはいるものの、悪い存在の気配はなかった。この正体について考えるべきだったが、呼吸が落ち着かず、冷静に考えられない。 何かを伝えようとしている。それはわかるのだが、とても冷静に言葉を聞き取れる状況ではなかった。こんな状態では対話もままならない。ブナフェルに少し眠ると伝えた。 リタ「まだ時間あると思うから、仮眠とるね。」 ブナフェル「ああ、あんま無理すんな?」 目を閉じ、心を無にして眠りに向かう。 リタが目を覚ましたのは、1時間と少し経った頃だろうか。リタの顔は、寝ている間も泣いていたのか、赤くなっていた。ブナフェルは心配で、ずっと隣にいたという。 ブナフェル「なあ、何があったんだ。無理のない範囲で教えてくれ。」 リタ「あまりにも、悲痛で、得体の知れない呻き声が、私に襲ってきた。でも、聞こえた声は、決して悪意があるようには思えなかった。」 ブナフェル「悪意がない?助けを求めてるってことか。」 リタは冷静さを取り戻した。ただ違和感を感じていた。ずっと何者かが近くにいる気がする。怖い感情も強かったが、警戒心の方が優った。それはリタが、ゲームの世界において優秀である証拠だ。 すると、部屋に他の冒険者が挨拶にきたらしい。7号室に入った人のようだ。その容姿は、すぐにプレイヤーとわかるものだった。身長はかなり低く、だいたい140cmくらいに見える、白い服装に白いフードを被った女性だ。ほんの少しだけ目は鋭い。しかし驚くべきことに、彼女はなんと天使のような翼を生やしている。 ルキューレ「初めまして。私も協力させてもらいます。ルキューレです。って、その格好!」 リタ「リタと、ブナフェルです。プレイヤーの方ですよね?」 ルキューレ「そうです!あなたたちもなんですね。職業は"天宮騎士"を選びました!」 ブナフェル「こっちは"勇者"で、俺は魔王です。」 ルキューレ「えっすっごい不思議な組み合わせしてる。というか、この城には、もう5人もプレイヤーが集まってるんですね。」 リタ「えっ5人?」 ルキューレ「あ、まだ戻ってないから、挨拶してないのかな。ずっと来客者用食堂で食事してて、厨房を困らせてるんですよ。」 3号室の人だろう。挨拶や、食堂の下見も兼ねて、違和感を感じつつも、行ってみることにした。 着いた頃には顔も元通りだった。食堂はかなり広く、厨房は大忙しのようだった。どうやら一人がとんでもない量の注文をしているらしく、奥の一席は皿の量が尋常ではなかった。 ???「ハグ、バク、ゴクン。超美味しい!飽きが来ない!」 声から女性だと判断できた。横まで来てやっと姿が見えてくるぐらいの皿の量。これだけ食べるならいかつい人なのかと思ったが、意外にも細身だった。食べ方はとても綺麗で、ナイフとフォークを器用に使っている。容姿については、ルキューレのように、驚く点があった。まずはかなり歪な形をした角が生えており、腰あたりから、トゲトゲした尻尾が伸びている。身長は高そうで、髪は長い。赤い、若干チャイナ服っぽい服装の美人だ。 リタ「初めまして。一緒に協力させてもらうことになりました。リタと、ブナフェルです。」 ???「んぇ?あぁ、よろしくお願いします!」 食事に夢中になっていて目も合わせてくれない。 ルキューレ「ちょっと、マガちゃん!挨拶はちゃんとしようよ!」 ???「あ!ごめんなさい!あまりに美味しいもので………」 ナイフとフォークを置き、こちらに体を向け、膝に手を当てた。 ゲルマーガ「私はゲルマーガ!3号室です。マガちゃんって呼んでもらえると嬉しいな!あなたたち、もしかしてプレイヤーかな?」 リタ「はい、私が"勇者"、ブナフェルが"魔王"を選択しました。」 ゲルマーガ「何その組み合わせ!超面白いじゃん!」 明るく活発な人といったところだ。話しているうちに、違和感は気にならなくなった。 ゲルマーガ「私はね、なんとなんと、"ドラゴン"で〜す!いいでしょ〜〜。」 ブナフェル「ドラゴン!?どおりでこの食欲なわけだ。でもそれって職業なのか?どっちかって言うとモンスターだと思うんだが?」 リタ「そうね、でも確かに、ドラゴン感はありますね。」 ゲルマーガ「もう!タメでいいよ〜!」 フレンドリーなところが人気を呼びそうだ。そこでルキューレがあることを提案する。 ルキューレ「マガちゃん、この二人の他にも、もう一人プレイヤーさんがいてね。」 ゲルマーガ「ほほう、じゃあ、プレイヤーだけで何か話せないかってこと?」 リタ「確かに、この状況を整理するのにもちょうどいいし。二人の意見に賛成ね。でも、謁見までどれくらいなの?」 ブナフェル「さっき部屋に来た兵士によると、明日の朝方になるそうだ。プレイヤー同士で話すなら、いい機会だな。」 リタ、ブナフェル、ゲルマーガ、オルディス、ルキューレの5人が揃ったこのタイミングを、誰も無駄にはできない。そもそもプレイヤーがどれくらいいるかわからないが、この人数なら、かなりの情報交換ができそうだ。ゲルマーガが食堂を離れるとわかって、厨房は安堵していた。 兵士に、集まるならどこがいいか聞き、部屋の奥にある応接室がいいとわかった。オルディスを呼び、全員で応接室で対話することになった。 ルキューレ「じゃあ、5人揃ったこのタイミングで、状況を整理しましょう。」 ブナフェル「なあ、気になるんだが、みんな、この世界に来る前、どこにいた?」 ゲルマーガ「私は、友達と遊んだ帰りに渋谷歩いてたよ。」 オルディス「マジか。俺も乗り換えのタイミングでたまたま通ったところを、だ。」 リタ「嘘でしょ。私も渋谷です。」 ルキューレ「待ち合わせで渋谷にいた。」 ブナフェル「俺も待ち合わせだ。なんてこった。全員渋谷かよ。」 オルディス「てことは、みんな同じようにこっち来たって考えられるのか。」 リタ「渋谷であることに理由が……?」 ゲルマーガ「はいはい!私の意見なんだけど、人が多いから、こっちに引き摺り込んでも、バレないと思ったんじゃない?」 ルキューレ「確かにそうかもね。人混みの中なら、ある程度はバレないし。」 ブナフェル「一体なんの目的でこんなことしてるんだ?」 リタ「コソコソと攫ってこんなゲームをしてるなら、知られたくない事情があるのかも………」 オルディス「ああ、そうだろうな。だが、こんなゲームをさせて、得する奴なんているのか?」 ルキューレ「このゲームはまだテスト段階なんじゃなかった?」 ゲルマーガ「私たちがそのプレイヤーって話だったね。」 リタ「テストプレイをさせるため、でもそれを隠す必要性は……」 ブナフェル「この世界の存在自体知られるのが怖いんじゃないか?」 ルキューレ「あり得るね。ゲームの、"運営"とでも言えばいいんだろうけど、こんな世界があることを知られたら、そりゃ日本は混乱だしね。」 だんだんと運営の考えに近づいてきた気がする。それと、互いにどんなことができるのか、情報交換をした。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ☆リタ 職業:勇者 スキル:黒刃、捕食、召喚、瞬時回復 武器:アンガン・ダルテ ☆ブナフェル 職業:魔王 スキル:生物分析、魔力回復、スキル共有 武器:魔大剣グーガロシュ ☆ゲルマーガ 職業:ドラゴン スキル:龍化、暴風ブレス、活力増強、咆哮 武器:ドラゴンクロー ☆オルディス 職業:ブレイカー スキル:地裂、一文字破壊、吹き飛ばし 武器:ハルバード ☆ルキューレ 職業:天宮騎士 スキル:飛馬召喚、輝天斬、光魔法 武器:ライトレイピア 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 だいたい何ができるか共有できたが、重要なことがもう一つあった。 リタ「何をすれば、ゲームのクリア条件にあった、勇者か大魔王になるのか、わかった人はいる?」 この世界から抜け出す唯一の手段だろう。それがわからなければ、どうすることもできない。 オルディス「俺は、世界を冒険するって話に従うなら、何かしらヒントを得て来いって話だと思うな。」 ゲルマーガ「なるほど。確かにそれも、ゲームの流れとしては自然だね。冒険の中で探していく的な。」 ルキューレ「なら、いろんなところを見ていった方が効率は良いのかな。」 ブナフェル「いや、そうはいかないと思う。」 リタ「どうしてそう思うの?」 ブナフェル「今みたいに、王国の危機を背負う身にもなってみろ。あちこち冒険するのはきつい話だ。相当時間がかかる。だから、情報をうまく聞き出して、目的地をしっかり作っていった方がいいだろう。」 オルディス「一理あるな。今はこの問題に集中して、終わってから、情報を頼りに目的地に向かう。それなら手っ取り早いな。」 リタ「あんた以外と頭いいじゃん。」 ブナフェル「あのな……お前は俺をナメすぎなんだよ。」 リタ「ごめんって、アッハハ。」 からかうように笑うリタ。ブナフェルで遊ぶのが楽しいのだろうか。 ブナフェル「ったく、お前が強すぎるのも困った話だ。」 ゲルマーガ「二人はめっちゃ仲良いね!」 リタとブナフェルは見つめあって、恥ずかしそうに話題を戻した。 ブナフェル「よ……よし、とりあえず、全力を尽くそうぜってことで、終わりだな。」 ルキューレ「まだ確認したいことがあるなら、また明日かな。」 リタ「そろそろ昼食の時間だろうから、部屋に戻ろうか。」 それぞれ部屋へ戻り、のんびりとくつろいだ。リタの調子は完全に戻り、違和感は無くなっていた。この時点では。 プレイヤーが集まったことで、これから何が起こるのか。運営は何を考えているのか。考えることは山積みだった。
魔王向けキャラだけど勇者な女 六話
六話 [呻き声] 朝過ぎの太陽は、森の中の木や葉、キノコを煌めかせ、ところどころ影を作らせていた。村の隣国であるエルフォーン王国に向かって、リタとブナフェル、そして兵隊を率いたダイタス騎士団長が道を征く。ダイタスは騎士という名の通り、馬を連れていたが、馬に乗る様子はなく、綱で引いて歩いていた。 ダイタス「森を抜けてしばらくは草原が広がりますが、そのあとは紅葉が綺麗な地域が続きます。エルフォーンは、その中心部の湖に隣接しております。小麦の栽培が盛んで、神殿にお供えに行くことも、昔はあったんです。」 ブナフェル「昔は………?」 ダイタス「はい。現在では、神殿に魔物が多く棲みつくようになり、一掃しなければ立ち入るのも危険な状態で。」 リタ「なんで早く手を打たなかったんですか?」 神殿に多少の魔物がいても、王国レベルの戦力があれば解決は簡単なはず。 ダイタス「神殿にお供えにいく以外、神殿内に立ち入ることは禁じられております。三ヶ月に一度、特によく育った小麦を、オルーゴ神に供えにいくためにのみ、神殿の入り口を王自ら開くのです。そのため、魔物の侵入を知るのがあまりにも遅れてしまった。」 そもそも王国はこの事態を把握できなかったのだ。神殿自体に人が立ち入れないのが難点であった。 リタ「魔物の数はどれくらいなんですか?」 ダイタス「王国の生物研究所は、魔物の繁殖力から考えて、200〜300はいると………」 ブナフェル「!?………なんだよその数」 ダイタス「それゆえに、腕の立つ冒険者様に手を貸していただく必要があったのです。」 リタ「……………」 リタは内心、数に問題はないと考えていた。それよりも気になるのは、神殿にいる、不死鳥のことだ。 リタ「それで、不死鳥というのは、なぜこんな影響を与えたんですか?」 ダイタス「もともと、神殿を守護する守り手として、古くから崇められていたのが不死鳥です。ですが、何かの原因で悪しき魔物が侵入し、不死鳥の聖なる力が穢されてしまったと、生物研究所は言っております。聖なる力が穢されると、力の制御が効かなくなり、暴走します。」 リタ「不死鳥には、どんな力が?」 ダイタス「簡単に言えば、生命力の生産の管理でしょうか。不死の体であるためには、生命力を増やす力が必要です。不死鳥が蘇るための炎からそれが地下に流れます。しかし、炎が強力になると、生命力が多すぎるがあまり、人工の作物を育てるには栄養があり余っている状態になってしまうのです。」 ブナフェル「なるほど、作物が育ちすぎて、逆に状態が悪くなっちまうのか。」 ダイタス「その通りです。不死鳥の状態が正確に確認できないこの状況を打開するため、お二人や、他の冒険者様にも力を貸していただきます。」 不死鳥に関しての情報は今は十分だ。だが他の冒険者という言葉に惹かれた。他の冒険者とはプレイヤーのことなのか。それを聞こうとは考えたが、その確認を王国がしているとも限らない。その人たちを見て判断する方が良さそうだ。 (あっ。もう紅葉地帯だ。) 日本ではよく見る紅葉がところどころに生えた、落ち葉だらけの道を歩き、そうこうしていると、ダイタスが話しかけてきた。 ダイタス「左手に、山が見えますが、あの頂上手前に、神殿の祭壇がございます。祭壇の手前には、閉ざされた扉があり、そこに不死鳥は降り立つそうです。」 続けて今度は正面を指した。 ダイタス「そして、正面に見えますのが、我らが王国、エルフォーンでございます。」 リタたちは王国の規模に驚いた。畑が多いと思いきや、かなり立派な壁に覆われた広大な王国が佇んでいる。村を離れたその日にこんな場所を目にするとは夢にも思わなかった。 王国の入り口に着くと、見覚えのある兵士が警備と話をしていた。森で助けた兵士たちの一人だ。リタやダイタス騎士団長を見るやいなや、すぐさま足を開き、左腰と左胸に、それぞれ左右の握った拳を当てた。これが敬礼のポーズらしい。 リタは会釈をして、王国内に足を踏み入れた。国の入り口正面は、広い道に市場が並び、子供が追いかけっこをして遊んでいるのもうかがえた。市場を抜け、大階段を登ると、湖がよく見える高台に作られた、立派な城が顔を出した。 ダイタス「ここが、我らが王のいる、エルフォーン城です。これより数日は、作戦会議と準備に時間を割きますので、しばらくお二人には、この城で過ごしてもらうことになるでしょう。 ブナフェル「お城に泊めてもらえるんですか!?」 リタ「(いいから感謝しなさい!)そこまでしてくださってありがとうございます!期待には必ずお応えします。」 そう言って城の中に入る。 中に入った途端、中には兵士たちが並び、ダイタス騎士団長の合図と同時に敬礼、歓迎をした。 兵士たち「よくぞいらっしゃいました!エルフォーン城へようこそ!」 兵士の一人がダイタス騎士団長の馬を預かり、ダイタス騎士団長は城の左手へリタたちを案内する。 ダイタス「こちらの場所は、お二人が泊まる施設です。他の冒険者様もおりますので、挨拶回りをして待っていてください。お部屋は、6号室です。」 リタ「分かりました。他の冒険者さんたちは、どれくらいいますか?」 ダイタス「5組ほどです。では、私は謁見の準備に。」 ブナフェル「よし!挨拶すっか!」 リタ「そうね。まずはそうしましょう。」 1号室から順に入室しているらしいので、その順にまわることにした。 リタ「初めまして。一緒に協力させていただく、リタとブナフェルです。よろしくお願いします。」 1号室の人は爽やかな二人の男だった。 ジン「どうも。俺がジンで、こいつがレイだ。」 レイ「よろしく〜!」 優しそうな二人だ。続く2号室には、ローブを着た一人の女性がいた。 ヒナ「あっ……どうも……ヒナです……よろしくね……。」 ちょっと恥ずかしがっているのか、声は小さい。杖を持っているようで、雰囲気的にはヒーラーのような見た目をしている。次の3号室は不在らしく、4号室に行った。4号室には、マントのついたローブのおじいちゃんがいた。 ヤヒム「おうおう、挨拶参りか。わしはヤヒム。ここいらでは、有名な魔法使いじゃ。よろしくな。」 親しみやすそうだ。5号室はわかりやすくドアが開きっぱなしで、案の定不在だった。自分たちの部屋に入るリタたち。なんとかうまく解決できそうな面々ではあって安心した。部屋は広く、一般的なマンションより少し広いが、部屋にトイレが付いていない。共用トイレの案内紙が貼ってあった。ベッドは二つあり、置き鏡に物入れまである。この世界では風呂は入る必要がないのか、なぜか浴場の案内がない。今思えば、村にも風呂はなかった。 ブナフェル「すげえな、広いや。」 リタ「はしゃがないでよ。」 ブナフェル「しねえよ。」 リタ「しそう。」 ブナフェル「おい!しそうってなんだ!俺が幼稚だとでも?」 リタ「あんなに注意させられればそう思うって。」 ブナフェル「確かに。」 そんなやり取りの最中、部屋のドアが勝手に開けられた。誰か入ってくる。 男「ん?あれ、部屋間違えたか?」 リタ「あの、ここ6号室なんですけど………」 男「うわ、悪い、トイレ帰りで部屋間違えたわ。」 ずさんな性格が表に出ている。おそらく5号室の人だとすぐわかった。青がメイン、黄色のラインの入った鎧の、ブナフェルより体格のいい男だ。 オルディス「まあいっか。挨拶ってことで。俺はオルディス。なんか他と格好ちげえなお前ら。」 リタ「私はリタ、こっちがブナフェルです。まあ、この服は事情が………」 オルディス「お前らって、もしかしてプレイヤーか?」 リタ「えっ、あなたも?」 オルディス「おう、職業"ブレイカー"だ。」 リタ「私は"勇者"です。」 ブナフェル「"魔王"選びました。」 オルディス「ん?は?なんで魔王と勇者が一緒にいるんだ。」 ブナフェル「まあ、縁あってですね。」 混乱するのも無理はない。魔王が城に泊まるなんて聞いたことがないからだ。 オルディス「まあいいや。他にプレイヤーがいるって知れただけでこっちはありがてえ。部屋戻るわ。悪かった。これからよろしくな。」 若干申し訳なさそうに部屋を出た。 ブナフェル「わりぃ、トイレ行ってくるわ。」 リタ「行ってらっしゃい。」 リタはかなり順調なスタートをきれたと確信していた。しかしそんな時、予想をしていなかった出来事が起こる。 謎の声「鎮メタマエ…………コノ………チカラヲ………ホ………ノ…………………………………………………………………キギャアアアアアアアアア!!!」 あたりが何もない闇に包まれ、完全に暗み、謎の呻き声と恐怖感がリタを覆う。冷汗と鳥肌が瞬時に来た。この声の数秒後、アンガン・ダルテの刃が輝く。空間を斬ることで、なんとかこの声から逃れた。何が起きたのか理解できない。ブナフェルがいないこの状況で起きたのは危なかった。 (いまのは………共鳴………?) なぜかリタの頭にはその単語が浮かんでいた。しかもどこか悲しさまである。只事ではない。 この声が後にリタをどのように振り回すかは誰も知らないのである。
魔王向けキャラだけど勇者な女 五話
五話 [隣国へ] 長の話にはとても惹かれる。たった1、2分の話なのに汗が止まらない。もうブナフェルのことなど忘れていた。 (一体どうなってるの?あの黄色いコートの人はなんのためにここへ連れてきたの?) 謎が謎を引き寄せた。長が窓際に寄り語りだす。 「不思議なものでしょう。向こうの世界には、魔物も、スキルも、その一切が無いそうですからね。命の危険を感じることも少ないでしょう。」 長の後ろ姿は暗く、悲しく見えた。 「あなた様がここへ来る以前にも、村民が危機に晒されたことがありました。こんなちっぽけな村には強い戦士などおりません。犠牲は見過ごせませんが、どうすることもできないのです。」 ここはゲームの世界のはず。しかしいざ人の命が関わり、目の前でその駆け引きを体感すると、ただの娯楽としては見られなくなっていく。この世界では、決して軽くはない命が次々と失われていく危険があるのだ。当時の現実世界で考えても恐ろしいことだ。 と、リタが考えながら、長が話し終えると、家の戸を叩く音が聞こえた。ブナフェルだ。 「すみません、急に。勇者さんはいますかね?」 多少失礼な感じもするが、彼のそういう性格も受け入れるしかない。夫婦が優しく迎える。ブナフェルはリタを見つけてすぐに、説明をして家にあがった。 (これ以降、キャラクターが多いので「」の前に名前を入れさせていただきます。) ブナフェル「いやあ、遅くなって悪い。」 村の長「これはこれは、もう一人の冒険者様。ご無事でおられたのですな。これも神の加護かもしれませぬな。」 リタ「この世界には神様がいるんですね。」 村の長「ええ、この村や隣国の周辺では週に一度、オルーゴ神に祈りを捧げる風習がございます。」 すっかり忘れていたが、村を離れた後には隣国へ行くのがいいだろう。そう考えていたリタは、ちょうどいいと思い、隣国の情報について聞いてみる。 リタ「あの、その隣国についてなんですが、入国に何か手続きが要るとかはあるんですか?」 村の長「ああ、隣国へ行くおつもりですか。現在あの国は、不作に陥っておりまして、とても立ち入れるような状況ではございませぬ。」 ブナフェル「そうそう、俺も隣国に行こうとして、追い返されたんだよ。」 リタ「だからわざわざ村の方向に来てたのね。」 ブナフェル「ただ、俺らは兵士を救った身だ。今なら歓迎してくれるかもしれない。」 確かにそうだ。だが入国時にそれが証明できなければ厳しい話だ。そうこうしていると、もう日が赤く染まっていた。長は一言感謝を述べて家を出た。ようやくブナフェルと話ができる。不明点はまだ多い。 リタ「あんた、いきなり人の家に押しかけて、ちょっと失礼なんじゃないの?」 ブナフェル「ああ、すまん。それより、さっきはまた助けられちまったな。」 リタ「はいはい。礼はいいから、もうちょっとお互いについて話させてちょうだい。」 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 <リタ> 年齢:17 ここへ来る前:渋谷でゲームを買いに行っていた。 <ブナフェル> 年齢:22 ここに来る前:渋谷で友達と待ち合わせをしていた。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ブナフェルはリタよりも年上だった。しかしすでにリタの方が立場は上なため、敬語など一切気にしない。だが本題はここからだ。ブナフェルを協力者として仲間にしなければならない。 リタ「その、もしよければなんだけど、あんたと一緒に旅がしたいの。ついていくことはできないかな?」 ブナフェル「それ俺も言おうとしてた。リタと一緒に冒険できるなら、こっちから頼みたかったところさ。」 リタは安心した。冒険において、ブナフェルさえいればなんとか戦えるだろうと考えていたリタは、ブナフェルを信頼できる人間として認めようとしていた。 リタ「じゃあ、お互い仲間として一緒に冒険するってことで大丈夫だね?」 ブナフェル「おう!これからよろしくな!」 リタ「こちらこそ、よろしく。」 腕相撲の組み方で意気投合した二人。しかしそれは、なぜかお互いの力試しに変わっていた。同時にしゃがみ込み、床に肘をつけ互いの腕を押し合う。なぜそうなったのかは二人にも分からない。本能的に互いが高め合おうとしているのかもしれない。 リタ「ふ……ん……」 ブナフェル「くっ………ぅ………」 若干リタが有利だ。すると、ブナフェルが顔に血管を浮かばせ、本気を出した。リタはそれを手首で傾けて無力化してみせた。それからは一瞬でリタの勝利となり、お互い笑ってみせた。 ブナフェル「やっぱやるな!」 リタ「ブナフェルこそ、意外と強いじゃん」 仲は良いようだ。これが二人の仲間としての最初の挨拶である。 翌日、宿に泊まっていたブナフェルと村の入り口で待ち合わせ、話していると、長や夫婦、そして調子が良くなった村民など、複数人が村を送り出してくれた。 長「どうか、お元気で。無事に現実に帰ってください。」 夫婦「これをお持ちください。テレの麻で作られた袋と、食料です。テレの麻は、どんなものでも楽に、いくらでも収納できるように使いました。冷蔵などはできませんが、どうぞ。」 村民「命を救っていただいて、本当にありがとうございました!村には僕が語り継いでいきます!」 とても温かい村だ。リタとブナフェルは感謝しながら村を後にする。 リタ「ありがとうございました!みなさんお身体に気をつけて!」 リタとブナフェルは周りの木や草に目を配り、雑談しながら森まで歩き、あと数十メートル進めば森の入り口という時に、この前の兵士たちとは違う風格の、屈強な騎士が、兵隊を引き連れていた。騎士はリタとブナフェルを視界にとらえたと同時にこちらへ駆け寄ってきた。 騎士「あなたたち、旅の者ですかな。」 リタ「はい、そうですけど……」 騎士「おお、やはり。私はエルフォーン王国の騎士団長を務めております、タイダスと申します。」 ブナフェル「騎士団長!?位たっか!」 リタ「(うるさい!黙ってて)」 ダイタス「現在エルフォーンでは、大変な不作が続いており、混乱が絶えませぬ。しかしその原因が、王国の近くにある神殿に住んでいるとされる不死鳥であるとの報告がありましてな。現在、周辺地域を旅している旅の者に、その討伐の援助を依頼してまわっているのです。しかしなかなか腕の立つものがおらず………」 まさにリタの出番である。ダイタス騎士団長の直々の依頼とくれば、王国の高い地位の人間に接触できる可能性も高い。受けて損はあまりないだろうと考えた。 リタ「その依頼、受けさせてもらえますか?私はリタ、勇者を名乗ってます。腕には自信があります。」 ブナフェル「俺はブナフェル。リタの仲間として、俺も協力させてください。」 ダイタス「おお!引き受けてくださいますか!」 ダイタスは頼もしい二人を歓迎する姿勢をみせた。 ダイタス「お二人のことを国王へ報告するとともに、謁見や、後日の作戦会議などがございますので、着く頃には良い時間ですし、王国へ送りましょうか。」 リタ「はい、ぜひお願いします。」 なんとも簡単に王国へ入れてしまった。ただこれもまだ冒険の序章でしかない。ここから、二人の壮絶な冒険が始まったのだ。
魔王向けキャラだけど勇者な女 四話
四話 [危機] リタの手からは見たことのある大きなモンスターが放たれた。首が八つのモンスター。そう、森での戦闘の際、リタが捕食のスキルを使用して吸収したモンスターだ。捕食して何の意味があるのか不明だったが、ここで真価を発揮した。八岐大蛇が岩の塊を押さえつけ、八つのうち二つの首で豪快にはたく。標的がいれば勝手に攻撃してくれるようだ。 しかし岩は崩れない。傷が多少ついた程度で、八岐大蛇が持ち上げられ、投げ飛ばされた。だが岩の塊は何故か、自分を殴り始めた。驚くべきことに、まだ姿を残していたようだ。巨大な六角形の石柱に、謎の生き物の彫刻が付いた見た目のモンスターが現れた。 どうやら本気らしい。すかさず黒刃を飛ばす。石柱の彫刻一つが欠けた。攻撃は有効らしい。しかし猛攻は止まらない。彫刻から火の息が溢れ、リタの全身を焼き尽くす。 何かおかしい。火の中にある影は微動だにしない。普通なら溶けているところだ。それが何故か形を保って動かない。ブナフェルはスキルを使用しながらこれを見てかすかに笑みを浮かべる。 「なんてこと考えるんだこの人は」 全てリタの計算通りだった。 ブナフェルが使用したスキルは [スキル共有] これは、"他人に自身の持つ他スキルを使用可能にするスキル"である。 リタはなんと、ブナフェルが持つ、魔力回復のスキルと自分が持つ、瞬時回復のスキルを連続で何度も使用し、無理矢理耐えていた。しかしこれさえできてしまえばモンスターなど怖くはなく、スキルを使用しつつ大きく跳び上がる。 リタの火傷がみるみる治り、短剣を後ろに構える。アンガン・ダルテの刃は洞窟の暗さに反して白銀の光を漏らしていた。それが振られたのは瞬きよりも速かった。石柱の真ん中を抉り、斬るよりも叩き割るようにして、砕いた。だが彫刻から火は出続けている。そこにブナフェルが跳びかかり、彫刻の口を砕いてまわった。 強敵であった。たしかに旅人が近寄れないわけだ。ブナフェル一人ではとても倒せなかった。石柱を見ると、光っている。捕食できるようだ。リタはブナフェルの共有されたスキル、生物分析で名前を見る。"ガーゴイル"だった。すぐさま捕食にかかる。 (この人といれば魔力が足らないことはないんじゃないかな) ブナフェルと一緒に行動することで、自分が好きに立ち回れるようになる。ブナフェルもここまでくるとさすがにリタと行動したくなった。だが一旦は薬草が優先だ。薬草を取り、ブナフェルが持ってきた袋に入れる。村に急いで戻らなければならない。そこでブナフェルは、こんな提案をする。 「リタ…だっけ?森でもそうだったけど、あんた、足速いみたいだから、これ持ってなるべく早く届けてやってほしい。」 ブナフェルはお人好しなのだ。リタは了解し、袋を手に再び全力で駆ける。 2分ほどで村に着き、急ぎ薬草を医師に渡す。数秒で調合が終わり、すぐさま青ざめた村民に薬を飲ませる。準備がすでに整っていたようだ。リタはそれを見届けると、ご馳走してもらった家に行った。 「バタバタしちゃってすみません。お礼も言えないまま。」 温かく迎えてくれた二人は、 「いいんですよ、まだまだ返しきれない恩がありますから。」 と返してくれた。その家に村の長が入ってきた。 「おお、冒険者さま、先程はありがとうございました。助けていただいた者は、少しずつですが、容体が安定しております。」 長がそう言うと、夫婦は言う。 「また村の者を救ってくださったんですね。度重なる危機に幾度も協力してくださり、感謝しかありません。」 リタは赤面する。すっかり人助けが癖になっていた。今夜はこの家に泊めてもらえることになった。だが、まだやることが残っている。それは二つ。 1:長にこの世界について聞いてみる。 2:ブナフェルに協力を申し込む。 長に話を聞きたいがなかなかブナフェルが帰ってこない。不安だが先に長に聞いた。 「この世界は、なんなんですか?」 長は理解したように話しだす。 「ああ、あなたはプレイヤーの方でしたか。」 衝撃の言葉だった。この世界の住人が、プレイヤーの存在を知っていたのだ。 「どうしてそんなことを知ってるんですか?!」 「少し前に、この世界をお造りになられた、今はゲームマスターと名乗るお方から、通達がありましてな。その時に、ゲームやプレイヤー、そして現実世界についての説明をいただきました。」 この人は現実について知っている。ならば話は速い。 「もう一度聞きますが、この世界は一体なんなんですか?」 「現実にお住まいのプレイヤーの方から見れば、人が持つ想像力が具現化した世界ですかな。我々の世界を作ったゲームマスターも、現実の人々の力を集め生み出したとおっしゃっておられた。」 あまりにもまずい状況であることがわかった。 まず、リタは現実とは異なる世界に飛ばされてしまっているということ。そして自分だけでない多くの人間がこの世界に囚われている可能性があること。最後に、それを監視している何者かがいるということ。 これらの可能性が、非常に高い今、リタやブナフェル、その他の人間が危機に直面していることを表していた。
魔王向けキャラだけど勇者な女 三話
三話 [不明点] 小さな魔物の亡骸は、時間をかけて謎の塵となって消える。目の前で倒れている八岐大蛇も、同じように消えると思っていたが、むしろ若干光って見える。これはなんなのか。リタはブナフェルに聞く。 「ねえ、なんでこいつは光ってるの?」 するとなぜかブナフェルはこう答えた。 「えっ?光ってるって?こいつが?俺にはそうは見えないけど。」 予想外の回答だった。自分にしかそう見えないのだ。顎に手を当て考える。何か意味があるはず。自分にしか見えない理由が。そう考えた時、リタの頭に一つの可能性が降りてきた。 [捕食] 詳細不明のスキル。捕食といっても、実際に口にするのか怪しい。目の前で魔物を 食べるような真似はしたくなかった。何か他にスキルの使い方がないか模索する。一番に頭に浮かんだのは、手をかざすことだった。八岐大蛇に手を向け、意識する。すると八岐大蛇の亡骸がピクピクと動き出し、だんだんリタに近づいてくる。リタは意識してやってはいなかったが、魔力を使えると理解した時から踏ん張っていた。最終的には八岐大蛇がリタの手の中に吸収されていった。 「ハァ………ハァ………」 正直運動に関してはかなり得意な体質になっているようだが、魔法はある程度しか強くないらしい。どうにかしてこれを補完しようと考えたリタだったが、先にやることがあることを思い出した。 「えっ?あんた八岐大蛇を吸収した?!」 「それは今関係ないから、一度この人たちを移動させないと。」 倒れた兵士たちの中にも、動ける者はいた。それぞれ一人担いで森を歩く。全員が森を抜けた先のキャンプで休息を取れるまで、リタは走り続けた。薪を取り、石を集め、火打石を探した。キャンプでは、火が要る。夜は冷え込むからだ。アンガン・ダルテは、八岐大蛇の尻尾を斬り、攻撃を力任せに弾いたが、一切傷ついておらず、相変わらず白銀の刃が煌めいている。リタは火打石の打ち金としてこれを用いた。火をおこすこと自体は容易だったが、恐ろしいことが起きた。 "グシャ" なんと火打石が砕け散った。信じられないことだった。今までこんな恐ろしい物を腰に携えていたのだ。八岐大蛇の尻尾を容易く斬れたのもこのためだろう。リタは唾を飲んだ。 「バタバタしててちゃんと話せなかったけどよ。」 ブナフェルが腰掛けたリタに話しかける。 「あんた、やることの一つ一つがイカれてるな。」 リタは失礼な彼に対し少しムスッとしていた。しかしブナフェルには興味があった。初めて出会ったプレイヤーだから当然だが、ゲームについて何かわかることがあればメリット以外の何物でもない。 「ゲームについて何か説明みたいなことをされたと思うんだけど……」 「ああ、あれな、運営が説明を付け足してたよ。」 「えっ?」 修正した内容をどう確認したのか気になる。 「なんでそんなこと知ってるの?」 「一部のプレイヤーに、画面表示ができないバグがあるそうだ。このゲームもテストプレイの段階らしいし仕方ない。」 唐突に色々情報が更新されて、リタは頭がパンクしそうだったが、じっくり考えて整理した。 「画面表示ができないって、普通はできるの?」 「そうらしいけどな。でも俺も出せるわけじゃないからわからん。別のプレイヤーに聞いただけだ。」 「でもさっき表示させてたじゃない。」 出せるのか出せないのか曖昧な回答に少しイラつき気味に言う。 「あれは俺が選んだスキルさ。そういえば、お互いについてあまり話してなかったな。」 言われてみればそうだった。リタとブナフェルはそれぞれの武器やスキルについてわかったことを語った。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 <リタ> 武器↓ [アンガン・ダルテ] スキル↓ [捕食] 倒した一部の敵を吸収できるスキル。 [黒刃] 黒い斬撃を飛ばせるスキル。 [瞬時回復] 一瞬にして傷を元通りにするスキル。 職業↓ [勇者] <ブナフェル> 武器↓ 魔大剣グーガロシュ スキル↓ [生物分析] [魔力回復] [スキル共有] 職業↓ [魔王] 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 無駄にブナフェルにイラついたのは、ブナフェルが魔王だからだった。しかしもっと恐ろしいのは、魔王はてっきり城から始まって待っているのだと思っていたが、普通にそこら辺を歩いているのだ。急に魔王となったプレイヤーと戦うことだってあり得る。一人で冒険を続けるのはリスクがあった。 (あれ?なんかすごく眠い。) 急に疲れが出てきた。体力の消耗はあまりしていなかったが、魔力が不足していた。その日は兵士たちの療養も兼ねて、野宿することにした。 翌日、兵士たちはピンピンだった。傷を負った者も、すっかり回復している。これがゲームだからなのか鍛えられた兵士たちだからなのかわからないが。リタもすっかり元気になっている。不思議な世界だ。しかしブナフェルの姿がない。兵士たちに聞くと、 「あの冒険者様ならば、森の先の村へ行かれたそうですぞ。」 太陽が昇った今は、もうあまり魔物の心配はいらないと判断したリタは、村に戻ることに決めた。まだしっかりと情報を聞き出せていない。 (村でもまだやり残したことがある。) 森を歩いていた際には、植生が特殊なことに気づいた。青白く光るキノコが生えている。まさにはじけて癒されそうな見た目だ。買った食料とまとめて、いくつか持っていった。村に着くと、少しざわめいていた。村民の一人が毒に侵されてしまったようだ。村民の長曰く、 「ただの薬草では効かぬ。森とは反対の方向に、洞窟がある。その奥には、どんな毒も治ると言われる薬草が生えているそうな。しかしその洞窟には、強力な魔物が棲みついているという噂がある。誰も近づけないのだ。すでに一人、その洞窟に向かってしまってな。」 リタの頭の中で、いかつい鎧の魔王が必死に走る光景が浮かんだ。勇者でもないのに人助けをする。人間の温かさにリタは学ぶ。 今度は万屋で、高かった盾を購入する。高いといっても、おそらくは普通の冒険者が手にするような序盤レベルのものだろう。急ぎ洞窟に向かう。入り口に着くまでは、3分もかからなかった。洞窟の入り口には、わかりやすくボロの看板に"危険"と書かれていた。男が雄叫びを上げる声が聞こえる。ブナフェルの声だ。 "カッカッカッカッ" リタの足音が、湧き水の滴る音を掻き消す。下へ下へと降っていく。明かりがないはずなのに、なぜか見える。 「うぉぉぉぉぉ!りゃぁ!」 ブナフェルが戦っている。相手は岩の塊だ。しかしブナフェルはなかなかに強い。しばらくリタは見ていたが、居ても立っても居られず、乱入する。 「あんたは!森で助けてもらった!」 「別れも言わずに消えるなんてほんとに失礼!まだ話も終わってないし、借りはいつか返してもらうからね!」 ブナフェルにキツく叱る。年上かもしれない相手にこんなことを言うほどブナフェルには気分を狂わされる。 "ブォォォォォォォ" 大きく腕を振りかぶる岩の塊。黒刃をリタが使うも、なんと弾かれた。そんな時、リタの頭の中で、謎の声が響いていた。 "新たなスキル習得!" [召喚] また詳細不明のスキルがいきなり現れた。だがこの状況を打開するにはこれに頼るほかない。何を召喚できるのかも知らない状態だが、やるしかない。とりあえず手を前にかざす。しかし何も起きない。ただ何か反応が起きそうではある。今度は上にかざす。ついに光った。しかし岩の塊は猛攻を仕掛けてくる。リタはすぐ避ける。ブナフェルはリタの動きに合わせるように、素早く躱すことができていた。 そこでリタは、手持ちでできることがないか探った。護身用で短剣は要る。となるとあとは、買った盾しか無い。迷わず盾を、岩の塊の横に投げ、注意を逸らす。そしてついに発動する。 [召喚] リタの口からは、本人が意識せずとも、言葉が出ていた。その時あのスキルの意味が判明する。 「召喚…! 八岐大蛇!!」
魔王向けキャラだけど勇者な女 二話
二話 [出会い] 牛面の魔物を前に、獣もすくみ上がるほどの威圧的な目を放つ、青髪の女。後ろからの信じられないほど強い眼差しに、魔物は慌てて構えだす。しかし女はすでに短剣を引き、なんと魔物の急所と思しき胸の古傷に狙いを定めていた。ただ、慌てているとはいえ、相手は現実よりも厳しい自然競争の中を生きる存在。魔物はリタの後ろに素早く跳ぶ。 (あれ?私ってこんなに運動できたっけ?) 本人さえもこの異常に速い動きに違和感を覚えていた。周りが思ったように、リタのプレイングはやはり通常とは違うようだ。リタは、ゲームの天才と呼ばれるに相応しい人物なのかもしれない。しかしこれは完全なゲームではない。本人の性格によっても状況が左右される。リタ自身は心の中では少し軽い気持ちで戦っていた。魔物はすぐさまリタに覆い被さるように跳びかかってきた。その時だった。 (えっ?何これ!?) リタの武器、アンガン・ダルテが強く、黒い気を纏っている。リタはこれを、魔法か何かだと思った。しかしそれに構っている余裕はなく、反射的に、敵に届かないものの剣を振ってしまった。 "ブシャ" 赤い液体が飛び散る。その主は………… なんと魔物であった。そう。リタはこの時初めて、"スキル"を使用したのだ。黒き三日月型の斬撃が、牛面の魔物の古傷に直撃し、一瞬で倒れ伏した。このスキルこそ、相手に対して斬撃を飛ばすスキル、 [黒刃] 安全確認のため、すぐさま洞穴に駆け寄る。中には女性が頭を抱えて屈み、震えている。声をかけると、安堵した様子で、 「あなたが助けてくれたのですか!ああ、なんとありがたきことでしょう!命を救っていただきありがとうございます!」 リタは照れていた。人助けはあまりしたことがなかったからだ。その女性を連れて村へ向かう最中、方角をコンパスで調べ、歩いてはコンパスを見る。この繰り返しで、道のりを考えながら歩いていたリタは、神に祈っているかのように感謝を囁いている女性の声など聞こえておらず、自分がとんでもない速さで走ってきた草原を見て、自分に圧倒されていた。村に着くと、 「妻の命を救っていただき、本当にありがとうございました!この礼は、今日の夜にさせてください!」 男はこう言った。その夕方、リタはボロい宿屋で、短剣を眺めていた。物を切ってすらいない白銀の刃に、窓から入る夕日が反射する。自分の身体能力が異常に高いことに驚きを隠せないリタは、原因を考えた。 ゲームのキャラクターは、初期段階でここまで強いことなどなかなかない。大抵は、弱いモンスターを倒して、レベルを上げてからある程度強いモンスターと初めて対面するが、リタの場合はこれを大幅にスキップしている。例えるなら、ゲーム中盤からまともに戦えるようになるフィールドボスを、某スライムのような感覚で倒したようなものだ。 (意味がわからない。ついさっきまで渋谷にいたはず…) そもそもなぜこんな場所にいるのかもわからない。とにかく今は、成り行きに任せて生き残るしかない。正直リタは、そのハードルを舐めていたが、実際、問題ないということはリタではない別の人間が知っていた。 (確か、選んだスキルは…) スキルについて考える。生存率を上げるために。 [捕食] [黒刃] [瞬時回復] この内、捕食と瞬時回復については、何もわからない。ただ、主な攻撃手段を知ることができたのは、リタにとっての大きな収穫だった。その夜、 「さあ、今日は存分に召し上がってください!妻と僕の手料理です!」 とても村民の腕で作られたとは思えないほどの豪華な料理にリタは興奮していた。リタは、戦闘を行ったせいか食欲がとても湧いていた。 「こんなにご馳走していただいていいんですか!?」 「ええ、命を救ってくれた方には、これくらいでは足りません。なんでも言ってください!」 "勇者"の職業を選んで正解だったと、この時リタは確信していた。子供がいない家庭のようで、机はあまり大きくなかったが、村にしては綺麗な家だった。そんな家に、ある報せが来る。 「おい!森の方で魔物の大群が、隣国の兵隊を襲っちまってるみてぇだ!」 リタの目は輝く。牛面の魔物を一撃で仕留めたリタにとって、魔物の大群など大したことはなく、スキルを試すにはちょうどいい。腹も満たされたため、礼を言い即座に宿へ戻る。荷物を手で持ち、短剣を携えて再び村を出る。 (うわ、こんなにいっぱい。) 夜の外出が危険というのはあるあるだが、魔物が、軍のように大量発生した草原を見て危機感を感じた。村の入り口には魔除けがあるようなので、村のことは気にせず、森へ一直線に、チーター並みの速度で駆ける。 「誰かいますかー?」 大声で森に呼びかける。外からでは何も反応を受け取れない。そこで迷わずリタは、森の中へ突っ走った。 「誰かーー!いませんかー!」 永遠にも思える長さの森の中、ある男の声が聞こえた。 「こっちだーー!数が多い!手伝ってくれーー!!」 すぐさま声のもとにたどり着いたリタは、また本能的に短剣を引き、今度は黒刃を、まだ姿を捉えてもいないのに発動する。 (標的は、あの魔物!) 魔物は30cmほどであり、蛇と竜を混ぜたような見た目で、うねうねと倒れ込んだ兵士に近づいていた。黒刃が放たれる。魔物は一撃で死んだ。他の魔物も、リタが現れてから一気に片付いていく。 「えっ?あんた、強っ…」 兵士には見えない、大剣を構えた男がリタに目を奪われる。その隙に、魔物が男に飛びついた。それをリタが瞬時に気づき、男を倒して身代わりになる。魔物は鋭い牙をリタの腹に突き刺した。かなり深く、焼けるような痛みに、リタはなぜか冷静になっていた。そう、ようやくわかった。 「こういう時が…スキルの使い所!」 短剣で魔物を斬り払い、スキルの使用を試した。意識するだけで、スキルの使用ができるらしい。ここで発動させたのは、 [瞬時回復] リタの傷がみるみる治り、服に染みついた血液がリタの体内に吸収される。この時点でリタはすでに通常のプレイヤーよりも圧倒的に強かった。男が感謝を述べる隙もなく、新たな脅威が近寄る。 「ギシャァァァァァ、シャァァァァ!」 木を薙ぎ倒し、派手に現れたのは、先ほどの魔物の特徴を持ちつつも、遥かに大きく、首が八つに分かれたモンスターだった。 「こいつは……、!、八岐大蛇!?」 男の目の前に画面がある。どうやら何かしているようだが、リタには関係ない。魔物が別々の首で順に噛みつきにきた。リタは軽々と避け、首を伝い、尻尾を斬った。 「グギヤァァァァァァ!!」 耳を裂く叫びが二人の頭を貫く。八岐大蛇と呼ばれた魔物は、最後の抵抗で噛みつきにかかるも、リタの謎の力量に弾かれ、息を絶やした。 「お前マジ、強えんだな」 男が駆け寄ってくる。リタはこの男を疑っていた。何せ、NPCではあり得ない、画面を表示する芸当を見せたからだ。 「私はち…えっと、リタ、あなたは?」 「俺は、ブナフェルっていうらしい。」 やはりだ。リタはこの男を、プレイヤーだと確信した。 「ブナ…なんて?」 「ブナフェルだ」 ゲームのキャラクターにこんな名前をつける人間はあまりいない。気になって聞いてみる。 「どうしてその名に?」 「ああ、名前を付けろと言われても、悩んじまったから、ランダムにつけてもらった。あっただろ?自動で入力って。」 リタはちんぷんかんぷんだった。リタはその項目に気づかなかったようだが、今更知ったことではないので無視した。 「おめえ、めちゃ強えな。」 ブナフェルは繰り返しそう言った。ブナフェルは、赤っぽいオールバックの髪に、ゴツい鎧の様な物を見に纏っている。背に担いだ大剣が、なかなかに風格を出している。 「あ…ありがとう。それより、あなたはなんでこの世界に?」 「そんなのこっちが聞きてえよ。」 状況はどちらも同じようだ。二人とも、訳もわからずこの不思議な世界に送り込まれてしまった。つまり、リタだけでなく、他の人間も同じようにここへ来たということだった。 この二人が、後に少し早く現実に帰ったのは言うまでもないだろう。
魔王向けキャラだけど勇者な女 一話
一話 [空想の世界へ] あんまりにも人が多い都会。夜中でも変わらず、革靴の音を鳴らす仕事人たち。そんな場所では、ある程度の犯罪はほとんど気づかれないことさえある。実際に、2001年の秋頃、同日に渋谷を通ったとされる何人かの男女が、一週間ほどにわたり行方不明となる事件が起きた。しかし奇妙なことに、行方不明者の内2名は、3日ほどで発見された。この話は、そんな二人の物語である。 「はあ〜!やっとお金貯まった!!」 休日の夕方にそう叫ぶ女子高校生。彼女がこの物語の主人公である。 「早く買いに行かなきゃ!魔勇者クエスト!」 彼女はゲームをよく遊んでいる。しかし彼女のプレイングは周りの想像の約45度斜め上をいくと言われている。そんな彼女が、早速買い物に出かけた。彼女の家から最も近いゲーム屋さんは今日は定休日。当時はスマホなどなく、簡単に情報が手に入れづらかったために、仕方なくたまたまゲーム屋の位置を知っていた渋谷まで行った。駅を出た途端に耳の中を通り抜ける、コツコツという音の集団。これが敵であるとも知らずに、彼女は人混みを征く。 「やっとみんなと遊べるなぁ〜」 そう思っていた彼女に、何者かが手を伸ばす。彼女の首に手が届いた。彼女がそれに気づいた頃には、その手の主に引き寄せられ、腹に何かを押し当てられた。途端、自分の体がその何かに吸い込まれ、中に入れ込まれてしまった。わけもわからず、なぜか意識が遠退く。彼女が最後に目にしたのは、黄色いロングコートにフードを被った人間だった。 頭の痛みにうなされている彼女は、目が覚めると、広大な草地に横たわっていた。 「えっ?ここ、どこ?」 混乱は度を増す。彼女にあるのは、不安と焦燥感。それまでの期待感など、思い出せもしない。あたりを歩いても、何もない。そんな時、彼女の目の前に、ホログラムのような画面が現れた。しかし彼女はこの画面が現れたことに対しては、驚かなかった。それよりも、その画面に反射して見える自分の姿が、見知らぬ者に変わっていたからだ。青いクールな髪に、紫色の長いローブが実に似合っていた。画面には「ガイド」と書かれており、指示があった。 "キャラクターの名前を決めてください" 彼女には、これがゲームだとすぐにわかった。 「えっと…じゃあ、"リタ"で。」 不器用に、そう入力した。リタの名は、彼女がゲームを遊ぶ際によく使う名前で、本名ではない。彼女の名は、これからリタとなる。次に出た指示は、 "武器を選んでください(表示されるものは抽選で選ばれたものである)" その言葉の通り、画面上には3つの武器の名と、抽選し直しの項目があった。その中から、興味をそそられるものをすぐにリタは発見した。 [アンガン・ダルテ] そういったものに反応する年頃のリタは、迷わずこれを選ぶ。その時にも、焦っているのか手は震えていた。三つ目に出た指示は、 "スキルを3つ選んでください(こちらも同様に抽選となります)" ざっと数えて10個ほど表示された。この中では、特に目に止まるものはなかったが、次にもう一度抽選をすると、ちょうど3つ、気になったスキルが並んだ。 [黒刃] [捕食] [瞬時回復] スキルと武器がある時点でほぼそうなのだと感じていたリタは、ゲーム内で自分が戦うことを確信して、強そうなこれらのスキルを選択した。最後の指示は、 "職業を選んでください" スキルを先にして職業を後に選択させることに違和感を覚えたが、そうであるならばと、いろいろ探した。彼女は「魔王」の字と、その次にある「勇者」の字に悩んでいた。スキル的にはいかにも魔王という技もある。見た目も魔王がしっくりくる。しかしリタには、悪役にはなりたくないという謎のプライドがある。リタの震える指が、「勇者」の項目に触れた。 "サラザンドへようこそ" サラザンドとは、この物語の舞台であり、リタはこの世界について説明を受ける。 "サラザンドが位置する空間は、人間の空想の世界にあります。本ゲームは、あくまでテストプレイですが、プレイヤーがゲームを放棄しないよう、現実に帰ることをクリアとし、その条件を、世界を巡り、大魔王もしくは勇者となり、大魔王として勇者を、勇者として大魔王を倒すこととします(ここでの勇者は職業の勇者ではなく称号)。空想世界内での時間は、現実よりもはるかに遅いです。なので、数週間、数ヶ月で1日か2日ほどだと考えてください。以上で説明を終了します。では、良い冒険を" なんとも長い文章を細かく読む。内容をよく頭に入れ、ついに冒険をスタートという項目が現れた。その項目を選択した瞬間、自分の手元に、鋭そうな短剣と、硬貨のようなものが出現し、見知らぬ村に飛ばされた。 「とんでもなくやっかいなことになったな〜」 早く現実に帰らなければ。その気持ちがリタを埋め尽くす。村の人々は、まさにNPCのような雰囲気を出している……………… わけではなかった。普通のように会話を行い、リタが話しかけるときちんと毎回、受け答えをしてくれた。 「冒険に役立つアイテムはどこで手に入りますか?」 すでにゲームのシステムをほぼ理解していたリタは、早速アイテムを揃えようと考えていた。するとおじさんが、 「村の入り口近くにある、万屋に行くといいよ」 と、優しく教えてくれた。リタはきちんと礼を言い、万屋で薬草や食料、なぜか村の方角を指す不思議なコンパスを購入した。マップのようなものはなく、メニューなどもない。意外とアナログなのだ。そうこうしていると、魔物が暴れていると叫ぶ男がきた。 「妻が!魔物に襲われて、洞穴に隠れてるんだ、いつ襲われるかわからない!」 これは出番だとリタがすぐに向かう。先ほどのような草地が広がり、ところどころ木が生えている。森の手前で、牛のような顔をしたモンスターが、洞穴の入り口を叩いている。短剣を取り出したのは、そのモンスターが視界に入った瞬間だった。そう、リタはなんと、本能的に戦闘に入ろうとした。これがリタの冒険の始まりである。