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10 件の小説
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secret

木綿のハンカチーフのその後

恋人よ 僕は旅立つ
東へと 向う列車で
はなやいだ街で 君への贈りもの
探す 探すつもりだ

いいえ あなた私は
欲しいものはないのよ
ただ都会の絵の具に
染まらないで帰って 染まらないで帰って

恋人よ この都会には
君の住む街よりもずっと
光輝くダイヤが見つかる
君に 君にも見せたい

いいえ 星のダイヤも
海に眠る真珠も
きっとこの街の人ほど
きらめくはずないもの きらめくはずないもの

幼馴染よ 口紅付けた
美しい 人がここに居る
僕の晴れ姿を君に送るよ
写真 写真を見てくれ

いつも 二人
寄り添っていたつもりだったの
でもあなたの姿は
私を置いて行くの 私を置いて行くの

恋人よ 助けておくれ
ぼくはずっと間違えていた
あの頃の僕は 都会に埋もれていた
ぼくは ぼくは帰れない

これで 最後のお手紙
幸せを願うわ
今 私の隣に
運命があるもの 運命があるもの ねえ 涙拭く木綿の
ハンカチーフ送るわ ハンカチーフ送るわ

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木綿のハンカチーフのその後

またね。 そう君に伝えてから、四年が過ぎた。 また、会えたね。僕が生まれた時から君は居るけど、君は僕に四年に一度しか顔を見せない。 今日、一日中君を堪能しよう。いつもより一日長いこの日を。また、明日から君は四年間僕に顔を見せない。きっと、まちわびる。 また会おう。四年後に。僕の眼が潤う。 二月が一日だけ長くなる日。その年だけ、一年が366日になる日。 閏年。

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閏

White.

鳴かぬから 諦めるのが 今の時代 嫌な時代 どうしたい こうしたい ああしたい でも叶えれない ピーチクパーチクつくづく思うが 嫌な言葉が並んでる この世界 だけど 隅から隅まで綺麗な言葉が並んでいりゃ それはそれでつまらない 自分の人生つならない くない 明後日の方向に謝るぐらいなら俺の目を見ろ顔を見る 「人生山あり谷あり陸地なし」 それを言う奴意気地無し 暗い位の方がいいクラクラグラグラ グラスに注いだままの仔犬が居場所を探して追いかけ廻る。 嗚呼ゝ誰かが言っていた「明日には笑えるように」 まだ、明日まで終わらない。歌は終わらない guitarの一本壊す位じゃ魔だ魔だ

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White.

彼の気持ちになって

やっぱ私が好きな人しか聞かないから? 貴方に嫌われたのは 私が恋なんてなんて簡単とかいったから? あなたに嫌われたのは 大口叩くやつだなみたいに思われた? もういやだ 反省してますほんとに 申し訳ないです   誰にも言えないこの辛さ   誰にも見えない心の棘   あぁ愛してなんて言わないから   許して   嫌われるとか避けられるとか闇を作ってしまうけどさ、こころに穴が開くほど痛くない きっとそれが出逢いになるから 「きっと上手くいく」なんて信じないけど 「君を信じてる」なんて嘘だけど 自分の道を壊されてる訳でもないんだし まぁいいか、 、

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彼の気持ちになって

彼の気持ちになって

やっぱ私が好きな人しか聞かないから? 貴方に嫌われたのは 私が恋なんてなんて簡単とかいったから? あなたに嫌われたのは 大口叩くやつだなみたいに思われた? もういやだ 反省してますほんとに 申し訳ないです   誰にも言えないこの辛さ   誰にも見えない心の棘   あぁ愛してなんて言わないから   許して 嫌われるとか避けられるとか闇を作ってしまうけどさ、こころに穴が開くほど痛くない きっとそれが出逢いになるから 「きっと上手くいく」なんて信じないけど 「君を信じてる」なんて嘘だけど 自分の道を壊されてる訳でもないんだし まぁいいか、 、

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彼の気持ちになって

名のない世界で

“生きていることが辛い”、“私は生きている価値がない人間です”と、友人が住んでいるボロアパートのテーブルの上のレター用紙に描いてあった。咄嗟に私は友人の気持ちを思うことより先に、これ、私があげたやつだ、と思ってしまった。それから、これ何?と台所にいる友人に悠長に聞いてしまった。その上、なんとも思わない私が今度は怖くなって私は身震いを始めた。脳をこんなにはやく回転させるとさすがのアインシュタインでも追いつけないだろう。あぁ、駄目だ。思考が動かなくなってしまった。なんで私はこんなにもマイナス思考なのだろう。 『今更、なにを言っている』 “私の中のもの“が冷静に答える。今考えてみれば友人が私のあげたレター用紙にこのようなことを書いたのも私のマイナス思考がうつったからなのかもしれない。それなら、本当に償いのし難いことをしてしまった。 「そんなことないよ。」 え? 私は突然の声につい驚いてしまった。 「アタシがこんなこと書いたのは君のせいじゃないよ。それに人は皆マイナス思考を何処かで必ず飼っているものだよ。」 「そ、そうだね。」 私はわたしの悩みをまるめられたみたいで動揺した。しかし、それを背に友人は続ける。 「私ね、今の自分に満足できなくなっちゃって、もういいかなって。小さいときから“この能力”のせいでいつも,周りから避けられていたし。だから、せめて最後にでもわたしのことを理解してくれそうなあなたも呼んだの。こんなわたしを受け止めてくれて本当にありがとうございます。」 「いやいや、とんでもない。こちらこそ有難う。」 ココロが読める友人はその後もわたしの悩みや思っていることを解決してくれた。一人しかいないボロアパートの中で。 そして、今日も名前のない私達は友人の記憶の中で今日もひと時を過ごす。

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名のない世界で

半田珠子の証言

三,慰め こういう時は『「一旦、落ち着いて」等《など》の励ましをしないように気をつけましょう』といつか見た自己啓発本に書いてあった。私は別に良いと思うが、今回の場合私自身も落ち着いていないので別の意味で言えない。だからといって、無言でこのまま引きずるのも趣味ではない。    「——。」  『どうしたの。なにか話があるの?』  流石、親友だ。いや、黄彩だから気付いたのかもしれない。やっぱり、黄彩に“この話”をした方が……。けれど……。いや、今の黄彩だからこそ尚この話をした方がいい。しなければならない。それが私が黄彩を慰めることが出来る唯一のことだろう。    「…あのね、実は私も黄彩に話があって、」  『うん。』  「私ね、実は……」  チリンリンリン、、、 いらっしゃいませ。お二人ですね。こちらへどうぞ。  なんで今入ってくるの。こんなドラマみたいなことある?誰だか知らないけど腹が立つ。  黄彩も同じような気持ちなのだろう。多分、今私は黄彩と、同じ顔をしているのだろう。  『ごめん。なんだっけ。』  「あぁ、私ね実は、三日前に知らない人に尾けられて刃物で刺されそうになったの。」  『え?』  

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半田珠子の証言

半田珠子の証言

ニ,《告白》  ガチャ。チリンリンリン、、、いらっしゃいませ。  黄彩?「黄彩。ねぇ、黄彩。黄彩!」  『ん?あぁ、珠子。久しぶり。といっても一ヶ月振りか。フフ。』  「え?黄彩?本当に?なにかあったの?」  『いや、なにもないよ、、、』  「ねぇ!なにがあったの。絶対、なにかあったでしょ!」  『だからぁ、なにもないって。』  「だって今日、黄彩の誕生日なんだよ!」  あまりの私の大声で店内が騒ついている。駄目だ、私も正気を失っている。  スー。ッ  ハー。アァー。  「ごめん。急に叫んだりして。だって、いつもの黄彩と違うんだもん。なんか頼んで良い?」  『ううん。ワタシもごめん。そんなにいつもと違っていた?私もちょうど今来たところだから、なんか頼も。』  「う、うん。」  私たちは、いつもなら考えられない下向きに無言で日替わりサラダを頼んだ。    『日替わりサラダです。』そんな店員さんの声と共に、私は心の陰を裏に替えて黄彩に訴えるかのように焦茶色《こげちゃいろ》の箱を突き渡した。  「今日、誕生日でしょ。はい。誕生日プレゼント。」  『あぁ、そうそう。ありがとう!けど、ワタシたちももう三十八歳かぁ。』  「そうか。同い年だもんね。」  そうだ。私はもう三十八なのだ。親に結婚しろと、毎日のように言われていたのを思い出した。はぁぁぁ。心の中で仕事終わりの中年男性のような吐息が出る。まぁ、私も中年なのだが。  しかし、黄彩が元気になってよかった。  「さっきまで、なんであんな元気なかったの?」  『ワタシたち“親友”だよね。』  「ん?う、うん。そうだと私は思ってるけど。」  『なら、これから話す話は二人だけの秘密にして。』  「う、うん。分かった。」  『実はワタシ、ストーカーにあってるの。』  「え?」それだけ言うと、彼女は急に泣いた。全く意味が分からない。友達、親友の誕生日だから、私は奮発して誕生日プレゼントを買った。その袋に資料が入ることを気付き、私なりに素晴らしい発明だと嬉しくなった。ただただどうでも良い、けれど私たちにとってはとても大事な時間を過ごすつもりだった。なのに、ストーカー?意味が分からない。頭の中は【?】で埋まっている。とりあえず、目の前で泣いている黄彩を慰《なぐ》めないと。  「え、い、いつから?」  『一ヶ月前から。珠子と会って二日後。』  黄彩の声が次第に震えているのが分かる。  「どんな人?知り合い?」  『全く知らない。会社の人でもなさそうだし。もうワタシどうしたら。』  黄彩から溢れてくる震える声と涙。それを、拭うことしか出来ない私が悔しい。悔しくて、辛い。もし、私が変わってあげれたら。どんだけ黄彩は楽なのだろか。突然の告白に戸惑う私の心を読んだように彼女は何度も同じことを呟く。  『なんでワタシが……』

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半田珠子の証言

チューインガムの彼女とキャンディーガムの僕

「チューインガムって呑み込まないよね。なのになんでキャンディーガムは呑み込めるの?」 『知るか。』 彼女のいつもの疑問口調な会話に自分の話題がのみ込まれそうで怖くなる。彼女は僕にとってはチューインガムなのに彼女は僕のことをキャンディーガムだと思っているらしい。口に入れたら表面の味だけ楽しみ後は胃に流して消化する。歯に詰まったものはほっておいて後で水で流す。 僕も最初はそのつもりだった。周りと変わらないいつまでも自分にへばりつくガムだと思っていた。だが、彼女はその白々しい考えを逆に味わい始めた。こんな感覚は生まれて初めてだった。この人には勝てないと僕の危機感メーターが最大の危険を知らせた。だから僕はあえてキャンディーガムで居続けることにした。 いつか、裏切る。元はと言えば我々の組織は彼女を狙っている。いつか、彼女を仕留めるときが来る。その時まで暫く味わせてあげよう。私の表面の味を。 「どっちが先だろうね。私が呑み込めなくなるか。貴方が消えてなくなるか。」 『え。』

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チューインガムの彼女とキャンディーガムの僕

半田珠子の証言

一,《私》  ——なんでワタシが……      ***  あれから幾《いく》つ時が過ぎたのだろうか。某株式会社に就職している私は、ごく普通の会社員、いわばOLというやつだ。だかつい最近、いや、今から約七十二時間前の出来事だ。その出来事のせいで私は、ごく普通からはみ出した。かと言って周りから白い目で見られている訳ではない。巷で私が噂で溢れかえってる訳でもない。なんなら、ニュースにも報道にも私の顔も名前すら載っていない。だが、私の中では一線をこえてしまったのだ。  私は、何をしているんだ。誰もいないのに誰かに語るように考えごとをしてしまった。  「まぁ、いいか。」 この目の前にある書類を綺麗に鞄《かばん》に片付けれるのだろう。縦向き?それとも、横向き?この書類が元々鞄に入っていたものであれば、どれほど楽だったのだろう。これを挟むファイルも見当たらない。どうする、どうする。この後の予定をずらす訳もいかない。ん? あ、そうか!  急がないと、もう待ってるかな、、時計は、、まだ、十七時半。大丈夫、六時までまだ三十分ある。そう思うとなんだか気持ちが楽になったな。少し歩くか。  しかし、この世の中は摩訶不思議《まかふしぎ》なものだ。ソリティアと競輪《けいりん》しか映っていないパソコンに夢中になりながら、私の隣の席の新人君にどーでもいい文句を垂れている上司や、とりあえずリップだけ塗りたくった同僚。そんな私にとっては異星人《いせいじん》の様な人達に加え、最近は新型なんちゃらが溢れかえっているこの世の中。「実に、摩訶不思議だ」と、頭の中に浮かんだが、某有名科学者みたいな台詞《セリフ》なので恥ずかしくなり取り消すことにした。  もしかすると、こんな世の中なのだから映画や漫画でしか見たことがない“ココロが読めるエスパー”的な人が実際居るのかもしれない。もし、それが本当ならさっきの“あの台詞”も聴かれていたのだろうか。  聴かれていたなら仕方がない。〈聴こえてますか。私の名前は、半田珠子《はんだ たまこ》。《 》年齢は三十六と言っている。体重は教えない。今からこの人生で唯一の親友(まあ、友達も知り合いも居ないけど)とその子の好きな隠れ家的なレストランで会う約束がある。その子の名前は、和田黄彩《わだ きいろ》という。彼女とは月一から月二の頻度で会っているが、何度会っても飽きないのが彼女の魅力だ。〉  なにをやってんだ私は。誰も聴いている訳ないだろう。こんなことをしている間に着いてしまった。『おーい。聴こえてますか。此処《ここ》が彼女オススメの店よ。』  「ふっ」本当になにをしてるだ、私は。  ガチャ。チリンリンリン、、、いらっしゃいませ。こっち、こっち。久しぶり!こんにちは。もう、相変わらず変わらないんだからぁ。ふふふ。フフフ。ハハハハ。  こんなことを想像していた。

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半田珠子の証言