半田珠子の証言
三,慰め
こういう時は『「一旦、落ち着いて」等《など》の励ましをしないように気をつけましょう』といつか見た自己啓発本に書いてあった。私は別に良いと思うが、今回の場合私自身も落ち着いていないので別の意味で言えない。だからといって、無言でこのまま引きずるのも趣味ではない。
「——。」
『どうしたの。なにか話があるの?』
流石、親友だ。いや、黄彩だから気付いたのかもしれない。やっぱり、黄彩に“この話”をした方が……。けれど……。いや、今の黄彩だからこそ尚この話をした方がいい。しなければならない。それが私が黄彩を慰めることが出来る唯一のことだろう。
「…あのね、実は私も黄彩に話があって、」
『うん。』
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カテゴリー: ミステリー
投稿日時: 2024/2/4 9:18
最終編集日時: 2024/2/5 9:17
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