ネコ2号

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ネコ2号

元気付けられるようなお話を作っていきたいです!よろしくお願いします(*´-`) 不思議なお話作るの好きです!

ぼーっとしている間にも

私は何もしていない時間が好きだ。 私がぼーっとしている時も時間は流れている。 散歩をしている人もいれば、働いている人もいる。なかには好きな人に想いを伝えようとしている人もいたり、誰かに叱られて落ち込んでいる人もいたりする。そして心臓だって私がぼーっとしている間も一生懸命働いているのだ。 みんな生きるのに頑張っている。誰が1番頑張っているかなんて順位はつけられないし、1番怠けている人なんてどこにもいない。 それでも思想や価値観、偏見や誤解があるから、みんなは自分自身を低く評価したり、周りと比べて自分は劣っていないと考えたりする。 きっとそう考えるのは苦しいだろうし、良い気分ではないと思う。 私は全ての人が素敵な一面を持っていると思う。そしてそれは天秤では計れないもので、誰かにあげられるものでもない。ましてや盗むこともできない。 だからこそ、自分自身の強みとなるものをみつけて欲しい。 自分の素敵な一面をみつけることは「自分は価値のあるものだ」と知ることに繋がる。それは生きがいにもなると思う。 当たり前だと思っていたことだって強みになるかもしれない。 ここまで文を読んでくれたことも強みだと思う。ここまで読まなかった人もいるなかで、ここまで集中して読んでくれたことは凄いことだ。 小さなことでも自分の素敵な部分に気づくことは大切だと思う。みんなそれぞれ素敵で素晴らしいんだ。 それを少しでも多くの人が知って欲しい。 そして今日も私はぼーっとする

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ぼーっとしている間にも

良いところは隠れている

(今日の会議の発表ミスったなぁ。みんなの反応薄かったもんなぁ。そういやこの前も駐車場の段差につまずいて痛い思いしたなぁ。昨日だって知り合いかと思って手を振ったら全然知らない人だったし…。) 「あー!最近ついてなさすぎだろ!」 そう言うのを待っていたのかというくらいにグッとタイミングで頭上から雨が降ってきた。 「くそー!」 俺は最近ついていない。何やってもだめだめだ。だからふと思ってしまう。俺に生きる価値はあるのかと。 「あの、よかったらどうぞ。」 俺が自分に悲観していると、小学生くらいの子どもが雨で濡れた俺にハンカチを渡してきた。 「あ、あぁ。あ、ありがとうな」 「おじさん元気ないの?」 「あ?あぁそうだな。」 いや俺まだ20代なんだが!?おじさんはないだろ!今時の小学生はこんなにも失礼なのか!? いや、俺が疲れすぎて老けてんだ。ああ自分が気付かぬ間に俺は老化してるんだ。 俺は益々気持ちが落ち込んでしまった。 「何かあったの?僕でよければ聞くよ!」 「いや、君に言ったって分からないさ。」 「そんなことわからないじゃんよ。僕にだってわかることたくさんあるよ。」 なんだこいつ。確かにだな。確かに子どもだからといって何もできないわけではないか。それは子どもの能力を下に見てしまっているだけなのか。 そう思って俺はこいつに今日のこと、この前あったこと、昨日のこと。全ての失敗談を話した。 話すとなんだかスッキリした。別に解決したわけでもないのに。 「うーん。僕だったら駐車場のとこにある石みたいなのにつまづいたら泣いちゃうかも。絶対痛いもん。おじさん泣かなかったんだね。すごいや」 そう言ってそいつは俺を褒めてくれた。失敗したのに褒めてくれたんだ。なんていいやつなんだ。 馬鹿にするわけでもなく、それは可哀想だと同情するわけでもなく、俺が泣かなかったということを褒めてきた。 俺はそれが無性に嬉しかった。誰かに褒められることがこんなにも嬉しいことだったなんて。 「お前。ありがとうな。こんなおじさんの話聞いてくれて。お前もなんかあったらおじさんに言えよ。」 「だって、だっておじさん辛そうな顔してたんだもん。お母さんに言われたんだ僕。誰かが困ってたら助けなさいって。協力することは大切なんだって。」 そうか。この子は善意を持って俺の話を聞いてくれたんだ。なんて良い子なんだ。 「あとさ。どうしておじさん「こんなおじさんの話聞いてくれて。」って言ったの?おじさんは、こんなおじさんってほどのおじさんではないよ。おじさんにはおじさんの良いとこあるんだからさ。それに自分が気付かなきゃ。」 そしてそいつは俺に貸したハンカチをポッケに入れてじゃあねと俺に手を振って帰って行った。 そうか。俺は俺自身が自分の価値を下げていたんだ。俺はそう気づいたんだ。俺は価値のあるやつなんだ。それに俺以外だけじゃない。人には人それぞれの良いところがあるんだ。だが、人は良いところよりも悪いところを探しがちだからこそ、良いところが隠れてしまう。勝手に隠してしまうんだ。だから良いところに目を向けていくべきなんだ。 次の日の会議、俺はまた盛大にミスをした。 だが、以前ほど落ち込まなかった。その会議ではミスもあったが、会議で使う資料は全員分忘れなかったし、なによりも最後まで自分の伝えたかったことを言い切ることができた。 小さなことでも良いことを探すことで、自分の価値を認められるんじゃないかなと思う。 俺はあいつのおかげで少しは明るくなれた気がした。それにおじさんよりからお兄さんにグレードアップできた気もする。 これからも俺はミスをするし失敗もするけど、なんか頑張れる気がした。

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良いところは隠れている

似たもの同士

とある日のお話をしましょう。 私はお腹を空かせて商店街にある料理屋さんを片っ端から眺めていました。そんな私が血迷って近くにあった食品サンプルを食べようと手を出した時のこと。 そのとき誰かと手が触れたんですよ。そのときぶっちゃけ思っちゃいましたね。 (なんなのこいつ!!!絶対譲らない!!!) いやね、引かないでくださいね。お腹空いてたんでね。理性なんて保てるはずがありませんでした。 そして、そいつの顔、覚えてやろうと思って見てやったんです。 そしたらなんとびっくり、その食品サンプルを置いているお店の店員さんでした。 いやお恥ずかしい。食品サンプルの埃を取ろうとしただけなんですって。 でも、その店員さんは私を見てこう言ったんです。 「この食品サンプルいいですよね。僕もこの食品サンプルに出会わなかったら、この店でなんて働こうとしてなかったです。」 「え!そうなんですか!私以外にもこの食品サンプルを魅力的に思っている人がいて嬉しいわ!」 「いや、僕も嬉しいです。これはなんで言うんだろう。奇跡とでも言うんですかね。」 「そうね。これは奇跡なんだわ!」 「食品サンプルで奇跡のサンプルなんちゃって笑」 「ユーモアもあるなんて!素敵だわ!」 そんな話ばかりして、いつのまにか私と彼はすぐに打ち解けていったの。 そして私たちは付き合うことになった。 「食品サンプルのおかげで君と出会うことができて本当に嬉しいよ。」 「私もそのときお腹が空いててよかった!」 「本当に君はお茶目だな笑」 そう言って彼はクスッと笑った。 でも、幸せというものは長く続かなかった。 「僕、転職することにしたんだ。」 「えっどうして!?あそこのお店はもういいの!?」 「うん。もういいんだ。」 彼はどこか寂しげだった。 「ねぇ。教えてよ。どうしてなの?あんなにあそこのお店の食品サンプルが好きだったのに。」 「実は、他に好きな食品サンプルができたんだ。」 「…!」 私はあまりの衝撃で言葉が出なかった。 「それで、君には悪いけどこれを機に別れて欲しいんだ。前の店の食品サンプルが好きな君と今の僕の価値観は合わないだろうから。」 「そんな…!あんまりよ…!」 そして私たちの、食品サンプル恋愛?奇跡のサンプル劇場の幕は降りた。 今思い返すと奇跡のサンプルってなんだよ。と思います。 食品サンプルを食べようとした私が言えたことじゃ無いだって? そんなことないわ。そんなはずない。まさかね。 まあ要するにあれですね。めでたしめでたし。

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似たもの同士

ヘンゼルとグレーテルとクマさん

ヘンゼルとグレーテルは両親に森へと連れられ、そのまま置いて行かれてしまった。ヘンゼルは帰り道が分かるように、森へ行く途中、パンをちぎって道に捨てた。 「グレーテル。パンをたどって帰ろう!」 そう言ってヘンゼルは妹のグレーテルと一緒に森を降りようとした。 しかし… パンをたどっていくと、なにやら大きいぬいぐるみのようなものがパンを拾っては食べていたのだ。 ヘンゼルはそれを見て怒って言った。 「おい!パンを食べないでおくれ!」 するとぬいぐるみはヘンゼルの声に気付いた様子で、ゆっくりと後ろを振り返った。 それを見てヘンゼルとグレーテルは驚いた。 それはとても大きなクマだった。 「おいらだってお腹が空いているんだ。食糧を分けてくれよ。」 そう言ってクマはおんおんと泣いた。 「クマさん。お腹が空いているの?どうしてかしら?」 グレーテルはクマに近づいて聞いた。 「今年はおいらの大好物のドングリが大不作だったんだよ。」 そう言ってクマは涙を拭いた。 「そうか。グレーテル、今は地球温暖化が進んでいるんだよ。ドングリはその影響で成長できなかったんだ。今の気温では暑すぎてしまって、ドングリが実らなかったんだよ。」 ヘンゼルはそうグレーテルに言ったが、グレーテルはまだ幼かったため、難しいことはよく分からなかった。 「おいら、このままだとお腹が空いて冬眠できないよ。」 「お兄ちゃん。このままだとクマさんがかわいそうだわ。でも、私たちにはどうすることもできないわね…」 ヘンゼルはそう言って涙を浮かべた。 「ん?なんだか甘い香りがしないか?」 突然、クマがそう言った。そして、2人と1頭は甘い香りがする方へと歩いていった。 徐々に歩いていくに連れ、甘い香りは強くなっていった。 すると、甘い香りの先に家のようなものが見えた。 「まぁ!素敵だわ!!きっとお菓子で出来ているんだわ!」 グレーテルはそう言って甘い香りのする家に走っていった。 「おーい!待っておくれよ!」 クマも後に続いて走っていった。 クマは家の屋根を鷲掴みし、なんと二口で平らげてしまった。 「まぁ!クマさん凄いわ!私も負けていられない!」 グレーテルも負けじとほっぺいっぱいにクッキーを詰め込んだ。 「すごい…きっと誰かの作品とかそういう類いのやつっぽいけどお腹が空いたから仕方ないよね」 そう言ってヘンゼルも一緒になって家を食べた。 「ん?おい!お前誰だ?」 またもや突然クマが木に向かって話しかけた。 すると木の後ろから老婆が出てきたではないか。 「お前さん。わしの家はうまかったかい?」 そう言って老婆はドアを食べているクマに話しかけた。 「あら!これおばあさんのお家だったの?ごめんなさい。」 グレーテルは申し訳なさそうに言った。 家は跡形もなくなくなっており、そのほとんどをクマが平らげてしまった。 「おいばあさん。おいらまだお腹が空いているんだ。食べ物をおくれ。」 クマはそう言って老婆にねだった。 老婆はクマを見ても驚きもせずにクマを見つめた。どうやら老婆は目が悪くてクマだと分かっていない様子だった。 「わしの家を全て食ったのはお前が初めてだ。今度はわしがお前を食べる番じゃ!」 そう言って老婆はクマを殺しにかかったがクマは突進してくる老婆をひょいっと持ち上げた。 「おいらのために食糧になってくれるのか!優しいばあさんだ。」 そう言ってクマはペロリと老婆を飲み込んでしまった。 ヘンゼルとグレーテルは何が起きたか分からず口をあんぐりと開けて固まった。 「おまえさんたち。おいらに食糧をたくさんくれてありがとう。お礼に森で拾ったお金をあげるよ。人間がゴミを捨てによく森へ来るんだ。そのときにゴミと一緒にお金が混ざっていることがあるんだよ。」 そう言ってクマは2人の手のひらには収まりきらないお金をたくさんくれた。 「クマさん!ありがとう!また春に会おうね!」 そう言って2人はクマに別れを告げ、家へと帰っていったとさ。 めでたしめでたし。

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ヘンゼルとグレーテルとクマさん

手のひら惑星 2話

1話あらすじ 父の居場所を探るべく、守川歌はホシという謎の男の家に訪れた。ホシは現在父がいるであろう「名前のない惑星」への行き方を知っていると言う。歌は父を見つけるためにホシに家へ案内されるがまま着いていくことにした。 2. 「ここが俺の研究室だ」 ホシがそう言ってドアを開けた。 「わぁ…」 研究室には今まで見たことがないような興味深い置き物やキラキラと輝く石などが飾られており、まるで宝箱のようだった。 「ここで惑星について調べているのですか?」 「そうさ。今は惑星へ行くためのハシゴを作っているんだよ」 「ハシゴを…?」 そう言ってホシは机の上にハシゴを置いた。 そのハシゴは想像していた通りの足場が幾つかある木で作られたハシゴであった。しかし、惑星へ行くには無理があるように思えた。 「あの…私の父もこのハシゴで惑星へ行ったんですか?」 私は訝しげにホシを見つめた。 「ああ。ただ、嬢ちゃんの父ちゃんが使ったハシゴはもう使えないんだよ。」 「なぜですか?」 「そのハシゴは惑星への扉が開いて数日経った後に姿を消したんだ。」 「扉…?」 「まぁ簡単に言うとな、ハシゴを登ると扉があるんだ。ハシゴは俺らが行きたい惑星の扉まで連れてってくれるのさ。そして、その扉はハシゴを立てることで現れる。」 「ハシゴは登ってる時に倒れないのですか?」 「ああ。このハシゴはな、扉の到達点にいる者にしか取ることはできないんだ。だから扉に誰かがいない限り途中で倒れることはない。」 「つまり、私の父は自らハシゴを取ったということですか?」 「そうだったらいいが。」 ホシはボサボサした髪をかき上げて少々意味ありげなことを言った。 「父のいる惑星には既に誰かいると言うのですか?」 「まだ研究が浅い惑星だから生き物がいるかもしれない。だが、もしそうならば、俺らもその惑星に行ったら帰ってはこれないだろうな」 「『惑星へ行くためのハシゴ』はどうやって作るんですか?」 少しの沈黙が続いた後、私は気がついたらそう口走っていた。ホシは少し驚いた様子だったがすぐにニヤリと笑って言った。 「それは簡単さ。ハシゴは恒星の光によって特殊な力が与えられる。そのためにはハシゴを一晩俺の家の屋上に置いとけばよいっちゅうわけ。」 「恒星の光で扉が開く…」 そんな簡単に惑星へ行けるのだろうか。私は未だにホシの言うことを信じることができなかった。 「よし!ハシゴは一晩置いとくから嬢ちゃんはさっさと帰りな!明日は平日だぜ?」 ふと時計を見ると時刻は18時を回っていた。中学生であった私にとってそれは一日の終わりを告げるものであった。 「また明日来ます。」 「きーつけて帰んな。」 そう言ってホシは玄関まで見送ってくれた。 to be continued…

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手のひら惑星 2話

思い

ある人は言う 「障がいがある人は大変だ」と。 私はその意見に対して、確かにそうであると思う。一方で全部が全部、大変に感じているわけではないとも思う。 障がいを持つ人はその障がいがあったからこそ、その人の人生がある。 障がいがあるからこそ、その人独自の世界を見ることができる。 それは障がいがなくても同じことが言える。 ニンゲンという個体は同じでも、歩んできた道のりは違うのである。 松尾芭蕉は言った。 「松のことは松に習え」と。 松ではないニンゲンが松の気持ちが分かるはずがない。 そしてそれは障がい者にしても同じことが言える。 つまり、障がい者が大変だと思っていることは障がい者にしか分からないのである。 私は少しでも多くの人が一人一人の持つ意見を大切にして欲しいと思う。

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手のひら惑星 1話

私の父はこの世の全てを知りたがるような少し変わった冒険家だった。しかし、私は自分の好きなことをどこまでも追求する父が好きであり、いつしかそれは尊敬にかわっていた。 そんな父はいってらっしゃいという私のかけた言葉と共に帰ってこなくなってしまった。 私は父が今でもどこかで冒険を続けているに違いないと思っていた。というより、そう思いたかったのかもしれない。 そして私は父の居場所の手がかりはないのか探すべく、父から入るなと言われていた父の書斎の鍵を開けた。 物語の始まりはここからであった。 書斎の埃が気管に入り私は咽せた。 書斎には森や山、海や川、宇宙、銀河など様々な書類が山積みになって並べてあり、まるで小さな図書館のようだった。 その中でも、まだあまり埃を被っていない本を見つけ、本に付いていた少量の埃を手で拭った。 「名前のない惑星…?」 私はその本のページをめくるも、次第にその手は止まっていた。 その本には何も書かれていなかった。 「なに、この本…」 ふと私は、この星に父がいるのではないかと心のどこかで強く思った。 そして私はまた本をパラパラとめくった。 すると、めくったページの中から一枚の名刺が落ちた。 「謎の天体を探す…迷子の天体探索所…ホシ サガシ…?何これ誰?」 私は名刺に他に何か記載されていないかと名刺を裏返した。すると、名刺の所持者であろう人の住所が手書きで書かれていた。 「え、近所じゃん…」 私は本と名刺だけを持ち、家を飛び出した。  「急に来ちゃったけど…まあいいか」 私は呼吸を整えつつインターホンを押した。 「んお?こんちゃ!俺に何かようか?」 するとドアから出てきたのはモジャモジャ頭で瓶底眼鏡をかけた細身の男だった。見た目的に30代後半だろうか。陽気な口調と名刺の適当なペンネームからしてこの男が名刺の人物で間違いないようだ。 「あの、私、守川康夫の娘の守川歌です。」 「おお!康夫のね!まあ上がんな嬢ちゃん。」 ホシは私に家へ入るようにとドアを大きく開いた。 「いや、私はただ、父の居所を知ればそれでいいんです。」 私はホシを拒んで言った。 「…そうかい。」 ホシは私が抱きしめている本に目をやりながらそう言った。 そしてホシは最初の陽気さを忘れ、どこか果てしない場所を見つめているかのような目をした。 「あいつぁちょっと冒険バカだったからなぁ。俺は止めたんだぜ?」 「………どういうことですか?」 「あいつは誰もが研究をしたがらない惑星に興味持っちまってな。その惑星について詳しい俺の所へ来よって、気づいたときにはそいつの姿はもうなかったよ。」 ホシはドアに肘をつきながらそう話した。 「つまり、私の父は今その惑星にいるんですか…?」 ホシは数秒の沈黙の後、頷いた。 「ありがとうございます。」 私は深々とお辞儀をしてホシに背を向けて走り去ろうとした。 「おい、嬢ちゃん。まさかその惑星に行こうとしてるんじゃあねえだろうな?」 ホシはどこか楽しげにニヤリと笑って言った。 「行く手段あるんですか!?」  私は目を大きく見開いてそう聞き返した。 正直私は行こうとしていなかったため、ホシの言葉に驚いた。確かに、この男によって私の父はその惑星にいる。つまり、普遍的な繋がりによって惑星へ行くことができるのではないか。 「その好奇心旺盛な目は父親譲りだな」 ホシは私の真剣な顔を見て笑った。 「もし嬢ちゃんが父親に会いたいっちゅーならついてきな。だが、安全の保証はしねぇ」 するとホシは私を家の中へ案内した。 Continued

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手のひら惑星 1話

一人一人の世界

彼は私に昔体験した話をよく聞かせてくれた。 滝修行をしたときに、上から魚が降ってきた話 滝修行をしたときに、溺れかけた話 滝修行をしたときに、河童のようなものを見た話 一見同じ話に聞こえるが、少し違う。 いつしか私はそんな彼の物語の虜になっていた。 しかし、彼はいつも昔のことばかりで最近のことは話さない。 なぜなら彼は認知症患者の1人であったからだ。 彼らは自分の中で出来事を作り変え、まるでその事が起きたかのように語る。 したがって、同じ内容に感じるが少し違うのである。 また、彼らは一人一人の自分の世界を持っているため話す物語は様々であり、またそこが実に興味深いと感じる。 今日も私は彼らの冒険話を楽しみにしている。

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探検家と見知らぬ生物

皆さんは「ネコ」という言葉を聞いて何を思い浮かべますか。 ネコそのもののカタチ、ネコの鳴き声、耳やヒゲなどの特徴的な部位、あるいは「猫」という漢字を思い浮かべるでしょうか。  このように皆さんが「ネコ」に対して何かを思い浮かべる事ができるのは「ネコ」という物体に名前があるからだと感じます。そして、名前は言語が生まれたから存在するのです。 そう考えたところで、もし、世界に言語が生まれなかった場合、そして名前をつけるという風潮がなかった場合、どうなるのでしょうか。  これはまだ名前がないとある惑星のお話です。    ◯月×日、世界を旅する探検家の私は世界だけでは物足りず、とある惑星に降り立った。 この惑星は地球以外で唯一水がある惑星であり、植物も生い茂っていた。しかし、研究データはなく、誰もこの惑星を知らずにいた。 惑星に着いた私は考えなしにこの地を歩いた。 ガサガサ… すると茂みから物音がした。私より先にこの惑星に踏み入れた人間はいないはず…。そう思いつつ、息を呑んで茂みの方に顔を向ける。 ガサガサ… 生い茂る植物の間から地球では見たこともない生物と出会った。 そいつには顔がなかった。それとも顔が見えなかったのだろうか。その生き物には二本の足と二本の腕がついていた。体は胞子と例えた方がよさそうなふわふわとした見た目で少し黄色く見える。というかどこから食べ物を食すのかすら疑問である。 私はそいつをNo.1と名付けることにした。 No.1は私の顔を見て動かない。 「こんにちは」 私はNo.1に挨拶をした。 「コ、ココ、コ」 するとNo.1はどこからか声を出したのだ。私はこれには驚いた。 「こんにちは」 私はまた挨拶を復唱する。 「こんにちは」 No.1は今度ははっきりと言った。 するとじっとしていたNo.1が急に私の手を握り、どこかへ案内するかのように引っ張っていった。 No.1の手はまるでふわふわとした毛布に包み込まれるかのような暖かさと安心感があった。 No.1に案内されて着いたところは川だった。 川の周りには光る花が一面に広がっていた。 「花綺麗だね」 私は花を指差しながらNo.1にわかりやすい言葉で話しかける。 「花綺麗だね」 No.1は今度は間違えずに、いや完全に日本語を話していた。No. 1の言語の発達スピードは尋常ではなかった。 「…凄い」 私は驚きのあまり声を漏らした。 「凄い、凄い、凄い!」 No.1は褒めの言葉と分かっているかのようにキャッキャキャッキャと飛び跳ねて言った。 「花綺麗だね凄い、綺麗凄い、花凄い」 今度は学んだ言葉を繋げて話していた。 「ああ君は凄いよ。君は天才さ。」 私は微笑みながらそう言った。私はまるで子どもに言葉を教えているかのような感覚にあった。 「君凄い。天才。」 No.1は徐々に使える言葉を増やしていった。 何日が経っただろう。 No. 1は会話ができるようになった。 会話ができてからのNo. 1は毎日をとても楽しく過ごしているように見えた。 ある日には私に素敵な木の実を見せてくれたり、またある日には私を素敵な場所へと案内してくれた。 私の寿命が尽きるまで、No. 1は私を楽しませてくれた。 私が深い眠りについた頃、No. 1はニコニコしていた。 人間は人が「死ぬ」と「悲しい」という言葉が生まれるであろう。しかし例外は認める。 私はNo.1に死を教えていなかった。これは私にとって唯一の心残りとなった。私はNo.1をこの地にたった独り残すことになるのだ。私が一生動かないことをNo.1は知る事ができるのだろうか。 そしてNo. 1がそれを死と呼ぶことを知る日は来るのだろうか。 ×月◯日、私の旅は終わりを迎える。

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探検家と見知らぬ生物

出会い

僕にはずっと前から思いを寄せている子がいる。 そいつと出会ったのは小学生の頃だろうか。 僕はいつもの公園へ行き、いつものブランコに乗ろうと心を躍らせながら公園へ急いだ。 するとどこからか誰かの声が聞こえてきたのだ。その声は公園に近づくにつれ次第に大きくなっていった。 そこには独りで泣いている女の子がいた。 僕はその姿に酷く心を打たれてしまった。 つまり僕のハートを掴まれたのだ。 これが恋ってやつなのかと当時は思った。 だが今考えると早く声をかけてやれと言ってやりたい。 僕は何秒か経った後、そいつに声をかけた。 しかしそいつは泣いてばかりで全然わからない。 気づけば時計の針は五を指していた。 僕はお母さんに怒られることを前提にそいつを家に連れていった。 お母さんはそいつを見てとてもびっくりした顔をしていたが、呆れたようにため息をつき僕のとった行動を許してくれた。 お母さんはそいつの親が公園へまた探しに来ているかもしれないと言い公園へ行ってくれたがそいつの親の姿はどこにもなく、結局その日は諦めて家に泊まらせた。 しかし、そいつの親が見つかる事はなく月日が経つばかりだった。 行くあてもないそいつは親が見つかるまで僕の家で共に暮らすことになった。 そいつにとっちゃ嫌かもしれないが僕にとってはすごく嬉しかったのを覚えている。 そして僕はそいつを何がなんでも幸せにしたいと思うようになった。 と言った感じで僕とそいつにはそんな思い出があるのだ。 だがそいつは僕と目が合っても興味無さそうにあくびをする。 僕の気持ちを知らずに。しかし誰がなんと言おうと僕はそんな彼女が大好きだ。 そして今日もまたそいつはニャーと鳴きながら尻尾を立てて僕の手をめがけてスリスリしてくる。

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出会い