白痴

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白痴

寝起きに見る僕の肘にはいつも歯形がついている。 いたるところに青く変色した肌を纏った君と同じ脛に傷があって、納豆とカレーが嫌いだ。 あの日違う場所で見上げた流れ星はどこか寂しそうに、どこかへ向かい消えるように遠くの山の影に消えた 週に一回は必ずあるようなすべてを投げ出したくなるような瞬間、発狂しながら待ちゆく人々を金属バッドで殴りたい。 明日死ぬと思って生きろなんて、僕にはなんの名言でもなくて 明日死ぬならとにかく人を殺すんだ。 ずっとしなかった事もなんだってできる、 風呂場でシャワーを浴びながら小便だって出来るさ、燃えるゴミと燃えないゴミの分別だってしない お化けなんて一切怖くないさ。 死を決心した時ほど、世界が綺麗に見えるのは何故 もう死ぬことにした瞬間、この先の未来に対する不安も後悔まみれの過去はいずれすぐ砂になる。 だからそんな雑念などは消えてこの世界のいいところばかりに目が入ってしまう。 それは僕の虹彩が焼けるように輝いていた。 もう少し生きてみよう、なんて言葉は言い飽きた。 死ぬと心に決めた日、写真フォルダいっぱいのエロ写真はすべて消してしまったのに。 ただ死ねてないだけの現状が長続きしすぎている みんなそうなのだろうか、 醜い異形の僕に全てを教えてくれ、人間を いや、 それよりもパンツを見せて。 僕が怠惰を極めた休日にも、パパや同じ地元の人は汗を流している。 あんな大人にはなれない、あんなに立派には。 本当に僕を苦しめるのは孤独な夜じゃなく 鳥の囀りが聞こえだした明け方 神は言った、『お前みたいな無抵抗でカスなやつの命なんかいつでも奪えるねんアホンダラ。 後回しや、別にこっちの世界にも来て欲しくないしな。まぁせいぜい頑張れや。』 僕は言葉に出来ないかつ、やり場のない感情に包まれた。 この命、生きる権利はあれど生きる価値はなかったが死ぬ価値すらないらしい。 散らかった部屋、Selfishに転がるまだ使えそうなティッシュで鼻を噛んだ。 3日前の残りかけコーラ、灰皿に入り切らず散らばった灰と毒のある毛虫の死骸に似たEchoの吸い殻。 ループで聴き続けるエールソングが僕の心に寄り添ってくれないような気がしたとき、 鏡のない目の前に僕の顔が映った。 神よ、優しさで僕のことを殺してください。 全ての雑念から洗われた僕のありのままはきっとそっちの世界のが性に合う気がします。 やっぱりドラえもんは金曜日の夜がいい。

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鼻

雪の像

2021/12/24 夜中に目が覚めた、スマホで時間を確認すれば 2時57分、待ち受けに映るチャップリンと目が合った。 腹元に違和感を感じ、眠い目と陰茎を擦り焦点を合わせると 僕の腹の上で飼ってる猫2人は近親相姦していた。 雌の母猫とその息子の雄猫の大交尾、 人間だったら本当のMother Fuckerだ 僕が起きたことを確認するや否や、雄の猫は逃げていった。 先程までの異様な程に速い腰振りはどこで覚えたのだろうかという疑問も虚しく、 まだ僕の腹の上で犯され待ちの体勢をしている雌猫と数秒間見つめ合った後僕は目を開いたまま眠りについた。 少し経てばまた僕の腹の上でピストン運動が行われている。 雄猫は去勢をしていたはずだ。 性欲が減退した上で産みの親をfuckできる気持ちに少し引いた。 ずっと可愛がってた君だから。 朝、目が覚めた頃僕は遅刻ギリギリの時間に起きた。と思ったら冬休みで安堵した。 エアコンが壊れているので外の気温を感じやすい部屋で寝ていた。 刺されるような痛みに似た寒さ、 窓を開けてみると雪が降っていた。 そういえば今日はクリスマスイブか、 と唱え猫もクリスマスに交尾をするのかと少し親近感を覚えた。 僕のいる街がリフォームされたかのように 慣れ親しんだ景色は綺麗な白色を纏っていて、 空にはシャンプーをしていない神様が頭を擦っている。 俺をこの地獄に突き放したくせして、 頭を洗うことを怠った奴に苛立ちを隠して 股間は隠さない この世界の何が良いのか分からない。 大人に今幸せかという質問を訊くとみんな幸せという。 僕はどうしてもそう思えない。 毎日自分のためではなく社会に、家族の為に働いて休息はほんの少しでそんな中笑えている彼らは痛みの感覚が麻痺しているのか、僕が弱すぎるのか理解ができなかった。 心無い事を言ったが僕は神を崇めるよりも彼らを崇め讃えたい。 僕は外に出て猫の交尾を雪で建てた。 この爆発しそうな鬱憤をなにか形にしないと 気が済まなかった 親の車の前で建ててしまったので邪魔になるだけだった。 こんな世界音痴の僕に分け隔てなく接してくれる人間に理解ができないまま、この生に嫌悪 遠くで聞こえるジジイの鼻歌はまだ何の歌か知らない。 また来世であなたと会えばまた迷惑をかけるでしょう、その時は是非とも殺してください。 俺が死ねばこの街の雨が止み春が訪れる 咲く花々は陰茎の反り勃ちに似て ヤリマンのパンティー柄を纏った蝶は夜まで踊り 月さえも笑う。 話は戻って近親相姦、猫は本能に従って交尾をするらしく珍しい話じゃないらしい。 滅亡を招く人間に比べれば増えて嬉しいもの。 神はきっと人間に増えてほしくなかったのだろう。 高IQの人間の排出率を上げ、発明による終焉を望んでいるに違いない。 神のmistake 野獣の淫夢game 心のlake、映るは僕のugly face 抜け出すmaze 成功してほしくなかったパパの射精aim 僕はちゃんと座って小便をする いつだって。

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雪の像

架空世界

「100億年ボタン」を押すと、何もない空間で100億年を過ごし、記憶が消える。 その結果、100億年が過ぎたという感覚は一切残らない。 ただお金がもらえるだけだ。 もし、この100億年ボタンのような状況が、今の自分の生きている現実とするなら、 今の自分の意識や感覚があるのが不思議だと感じる。 だって、記憶がなくなるとしたら、時間が経った感覚は消えてしまうはずだから。 もしこの世界が仮に100億年ボタンのようなもので、 死後に記憶が消えるなら、今感じている「生きている感覚」自体が 実は何もない空間で過ごしているようなものではないか? その感覚が存在すること自体が矛盾しているのではないか? つまり、今この「生きている」という感覚が続くのは、死後に記憶が消えることと矛盾しているように感じる。

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架空世界

混乱の渦巻くこの世界に、ひとときの愛を

しがない高校生活を送っている17歳の俺は、3時間目の保健体育の授業を聞かずぼんやりと空を眺めている。 方や今、放尿中だ。僕の尿道から溢れ出てくる尿は 内股をつたい、座っている椅子からポタポタと垂れ落ち続けている。 どうして今おもらしをしているのか教えてあげよう。 これは4年前に遡る。 思春期と第三次世界大戦の狭間に微かに存在していた 1人の少年と、使い捨てストローが巻き起こす 大恋愛物語。 これはワニがリスカをしていた頃の話 高校3年生の今から4年前に遡る中学3年生、 少しの勉強と少しの運動、何も変わらず平凡な暮らしをしていた俺は夜な夜な革命を企てていた。 まぁ、これといって具体的に何をするかなどは決めていないのだが、自分が渦中の人間になり世界から大注目され、一躍時の人となる妄想を昼夜問わず脳内で繰り広げていた。 総理大臣にパンチを食らわせてみたり、 国会議事堂で全裸で踊ってみたり、 渋谷区に爆弾を落としてみたりなど、 どれも行動に移すには難しいものばっか。 結局妄想で終わるものなのだが、中3の2学期前の夏休み、俺にとって忘れられない出来事が起こったのである。 7/31、夏休みが始まりウキウキしていた。 こう見えて宿題は初日になるべく頑張るタイプで、もう半分以上は終えていた。朝ベットから跳ね起き、勉強道具と宿題を用意し 朝飯のバナナをむさぼりながら 少し屁をこき、課題を着々と進めていた。 すると後ろから何やら声がする。 「おー…………た…………て……れー…!」 後ろを向くが、人影のようなものは見えない。 自分の乳首をクリクリいじりながら窓を開け 外の様子を見てみたが、いつもどうり 隣の家の築8億年のボロい民家と臭い電信柱があるだけだった。 何か刺激を求めていた俺にとっては、何もなかったことに少し残念な気持ちになりながら窓を閉め、 また宿題に手をつけていた。 順調に問題を解き、一旦トイレに行こうと思ったとき また先ほどのような声が窓の外側から聞こえてきた。 「おーーー…だ……………かー! た………く………ぇー!」 少しの高揚感と、どうせ何もないんだろ?という感情が脳の中で殴り合いを続けている。 しかし窓を開けてみると、高揚感は一瞬にして消え去った。 いつもと同じ景色がくっきりと目の前にあるだけだった。 小便に行くのも面倒くさかったので、その場で ジョロジョロと放尿をしながらまた声が聞こえるまで ずっと外を眺めていた。 しかし、景色が変わるとすれば朝にウォーキングをしている健康に気を使い始めたハゲの70代ほどのじじいと、犬の散歩をしている腰が180度に曲がったババアしかいなかった。 くだらない風景だけが流れるだけなので 何も心の退屈は埋まらなかった。 何も起こらないと悟り もう窓を閉めようと思ったそのとき、 「おーーい!誰か助けてくれー!!!」 さっきとは全く違い、鮮明に助けを求める声が 自分の耳へと走ってくる。 「だれかー!!俺を助けてくれー!」 何度も何度も繰り返している。 どうやら男が大声を出しているようだ。 そこで俺は少しニヤついた。 おそらく男性が隣の家の民家に監禁されている これを助け出せば一躍ヒーローとして大歓声を浴びるだろう。 何か刺激を求めていた俺にはまるで5年間砂漠を彷徨っていて、もう死ぬ寸前にオアシスを見つけたようだった。 俺は来ていたパジャマを脱ぎ捨て、 全裸でその民家へと向かっていった。 下の階で洗い物をしていた母親のおはようを無視し、 一目散に玄関へと向かい、飼っている2匹の子犬を 靴にして外へ飛び出た。 隣の家の民家には、表札で佐々木と汚い文字で書かれている。 ノックをせずドアを開けようとするが 鍵が閉まっている。仕方なく窓の横についている 霞みすぎて何も見えなさそうな程に汚れた窓ガラスを蹴りで割り部屋の中へと侵入した。 すると外見とは裏腹に家内はとても綺麗で 入ってすぐに大きくて丸いテーブルと 奥に台所があり、台所の奥の方に冷蔵庫がある。 死んだザリガニのようないい香りがして なんとなく気分もよかったので冷蔵庫へと向かい、 アイスなどがないか冷凍庫を調べた。 するとそこには小学生くらいの年の男の子の死体が体育座りをした姿勢で横向きにジップロックに入れられていた 夏なのでアイスが食べたかった俺はがっかりした様子で冷蔵庫の全てを開けっぱなしにして 大きなテーブルの横にある扉へと向かった。 扉を開けようとしたが鍵がかかっていた 恐らく家主は留守なのだろう。 今のうちに監禁されている人を助け出そうと思い扉を屁の空気圧でぶち壊した。 するとその先には風呂とトイレが一緒で 隣にドラム式洗濯機があった。 風呂とトイレが一緒の家はこの世には存在しない方がいいと思っていた俺は顔から皮脂をふんだんに出し油の変わりにさせた。 そしてあらかじめ肛門にしまっていたマッチに火をつけ部屋一帯を燃やし尽くした。 8億年も続いたであろう部屋を自分の手で終わらせたスリルは今も忘れない程に興奮した。 口から滴る唾液は大雨のように地面に当たる音を発していた。 なんとか心が落ち着いた彼は最初の部屋に戻り、テーブルの上に立ち、一息ついた。 するとその瞬間、鍵が開く音がした。 恐らく家主が帰ってきたのであろう、 一旦屁をこいて玄関への扉を開けると ちょうど家主と鉢合わせた。 家の築年数とは違い20代程の女性だった。 全裸の自分に驚いているのか口をポカーンと開けながら家の鍵を靴置き場に落としていた。 僕は悪い人じゃないと知らせたくて自分の髪を1本抜き、家主へと差し出した。 だが受け取る様子はなく呆気に取られていた。会話が取れなさそうだとおもった俺は 茶道部で習った暗殺術を家主にかけ、 2秒もしない間に息の根を止めた。 また家に1人になった俺は部屋を満喫しようと先ほどは鍵が閉まっていけなかった玄関先の奥へ向かおうと足を運んだ。すると 「おーい!誰かいるんだろ!僕を助けてくれ! 頼む!死にたくないんだ!」 そんな声が聞こえてきた。 てっきりとその事を忘れていた俺はめんどくさいながらも声が聞こえる方向の扉のドアノブめがけ4発屁をふりかけ、扉を開けた。 扉を開けた先は、どうやら人間を誰にもバレずに殺す部屋らしい。何人もの様々な年齢や性別の人間の死体が転がっていた。壁は元々白色だが吹き出した血に染まったせいか、 赤色の壁紙のようになっている。 大便を我慢していた俺はラッキーな気持ちでいっぱいになり一番奥に転がっていた死体の元へ駆け寄り糞便を放り出そうとした瞬間、 天井に吊るされていた死体が地面へ大きな音を立て落ちてきた。 気にせず脱糞を続けていた俺は爪を噛みながらツムツムのログインボーナスを受け取っていた。 ログインボーナスも受け取ったし、死体の髪の毛で尻を拭こうとしたその瞬間、天井から落ちてきた死体が僕に喋りかけて来ていたことに気づいた。 声を聞く感じ、自分の家で聞こえてきた声は そいつのものだろう。 そいつの元に駆け寄り一度キスをして 事情を聞いてあげた。 どうやら彼は死体ではなくギリギリ生きていた。 名前は近藤直樹というらしく、自分と同じ中学の後輩の中1だった。 思春期にできるニキビなのか拷問された傷なのか分からなかったが、言葉にはせず近藤直樹の屁の音を聞かせてほしいという旨を自分のおでこに書き、相手に伝えた。 すると相手は納得しなかったが、納豆のような匂いはした。 そんな彼に恋心を抱いていたのも気づかないまま。 会話をしていく内に、どうやら深夜になっていたらしい。人を殺す部屋を出て大きなテーブルがある部屋に行き外の様子を見ると空は真っ暗だった。 時計を見てみると1時26分だった。 日付の変わりを感じながら、腹が減っていたであろう近藤直樹に自分の靴にしている飼い犬の1匹を振る舞ってあげた。 何日間も飯を食べていなかったらしく、涙を流しながら犬の臓物をむさぼっている。 そんな彼を見ながら俺も涙に似た小便を 少し垂れ流していた。 8/1、家に帰るのも面倒だったが、暇だったので 寝ている近藤直樹を殺した後、自分もテーブルの上で眠った。夢は何も見なかった。 起きた頃には5時8分を指している時計が目に入った。 ショートスリーパーの俺にしては寝過ぎたなと反省はせず屁をこいて自分の家へと帰った。 30秒もしない間でつく距離だったので 前々まで感じていた面倒臭さとは別に案外苦労をせず着いた。 玄関の扉を開ければ静かな空気が漂っていた。家族はみんな寝ているのであろう、 一旦屁をこき、靴を脱いだ後自分の部屋へと向かい宿題を再会させようとした。 階段を駆け上がる。 自分の部屋の前にたどり着いた頃には さっきあった隣の家での一件は忘れていた。 しかし彼の脳には少し違和感を感じていた、 なぜかいつもとドアノブの触り心地が違う。 気のせいかと思い込むことにし、 喉につっかえて出てこなかった言葉は飲み込み胃を通り、腸を渡り、肛門の出口へノックをし屁に形を変え、ケツから出た後空気に紛れどこかへ行った。 そんなことを突然思い出した高校2年生、 あれが初恋だったと思い出し、小便を漏らしながら ぼーっと空を眺めていた彼の目には 近藤直樹の顔に似た雲が浮かんでいる様子だけが目に映っていた。 こちらを見ながら、優しい笑みを浮かべている。 次第に形を変えながら食いかけの綿飴のように途方へと消えていった。

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混乱の渦巻くこの世界に、ひとときの愛を

花殻

自分の意思とは関係なく、この狂った世の中に 産み落されて。 苦労を強制され、快楽を制限され、 本当の僕を出すこともできないの。 常識が僕を汚染していく。 強く縛られ、身動きが取れずに 叫ぶ事も許されず あの日の僕と再会できるのは 夢の中だけ どうか神様、女なら 僕の顔の上に跨って 爆裂な屁をこいて。

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花殻

エーデルワイス

今年で高校3年生になる僕には、9年前 祖母がいた。 祖母は僕にお菓子やおもちゃを沢山買ってくれた。 祖母は言葉の素晴らしさを教えてくれた。 祖母は自慰行為よりも性行為の方が素晴らしいと体現し、僕に味合わせてくれた。 そんな祖母の最後の言葉は 「あぁ〜ゔぅ……ゔぇ…」だった。 最後まで僕の手を弱い力で握り締めていた。 田舎にあるヤモリや蛾が湧いている病院の一室で息を引き取った祖母を思い、空を眺めながら おうちへと帰った。 その日の夜、僕は悲しみに明け暮れ イッテQを見ながらピザポテトをむさぼっていた いつの間にか眠りについており 朝起きた頃には憂鬱な月曜日があった。 僕の悲しみは無かった事のようにただ進んでいく世界の非情さにうんざりしたので、その日は学校をサボった 11時頃、ゲーセンに行き、母から貰ったお金でUFOキャッチャーをしていたとき 後ろから僕の肩を誰かが叩いた。 それを無視し、狙いのものを取ることに成功した僕は商品を手に取り、満足したので帰ろうとしたら先ほど僕の肩を叩いたであろう人間が僕に話かけてきた。 その人は警備員の服を纏っており、 僕になぜこの時間帯にゲームセンターにいるのかという疑問を呈していた。 すごく肌が黒く、ゴキブリと見間違えた事にして踏み殺し、ゲームセンターを後にした。 帰り道にすれ違うおばあさんが僕の祖母と重なり、涙が溢れ落ちそうになるので かけられた挨拶を無視し、膝カックンを残し 家への帰路を辿った。 家に着いた、両親は共働きで家にはいなかったのでテレビゲームをした。 自分でも驚くほどに熱中していた為、 親が帰って来ていることにも気付かなかった。 時計を見れば5:38だった。 夕暮れの空がリビングを橙色に照らし、 母が作ってくれている料理のいい香りがした。 少し経てばテーブルに家族分の料理を置いてくれた。父はまだ仕事でいなかったので 母と2人きりでいただきますを言って おいしいご飯を食べた。 2分ほどして食べ終わった後に 風呂に入り、歯磨きをして寝る準備をした。 一瞬の逃避行も彼方へ消え、 朝の清々しい感覚は一昨日に置き去りのまま 淀んだものが僕の心に纏わりついている。 憂鬱な気分で登校をし、朝のホームルームの頃 尿検査の結果発表が行われた。 僕はひっかかったので腹が立ってそのまま 家へ帰宅した。 帰り道、小学生の僕には高すぎるタールの煙草は肺にいれず、ふかして外へ吐き出した。 冬の白い息と混じり合い、景色へと溶けていく。 儚くも綺麗でそれを眺め、こき散らした屁が空気に混ざり帰る頃には虚無に帰っていった。 祖母の命のように。 帰宅し、冷凍のナポリタンを食した後、 洗面台がある部屋に向かい鏡で自分の姿を見ると 口の周りに着いたナポリタンの色がジョーカーのメイクのように見えた。 悲しみに打ちひしがれて、立ち直れないでいる僕にとっては自分に酔うことができた 俺は悲劇の主人公なのだと思い込んだのもつかのま、屁を我慢できずにその酔いはすぐに消え去った。 排水溝を掃除する歯ブラシに少量の自分の鼻水を垂らし入念に歯を磨いた後、自室へ戻り、 自分の陰茎を上下にしごき倒した後 ぐっすりと眠った。 するとその日の夢には祖母が映った。 祖母は何やら僕に対して言葉を投げかけている 耳と肛門を凝らし、聞いてみると祖母は 「この街に咲くエーデルワイスの花のように、あなたも力強く、勇敢に生きなさい。」 この街にそんな花は無かったので、 祖母は虚言癖だったのかと心底落胆し、 唾を吐いたところで記憶は途絶えていた。 朝起きると、お漏らしをしていた。 僕の尿で家は水没していたが、気にせず 学校へ向かった。 学校へつき、ランドセルから教科書を 自分の机に入れていたとき3つ隣の席にいる 女子に話しかけられた。 「君、最近学校早退したり休みがちだよね? 何かあったの?」 タイプじゃない子だったので無視し、椅子に座り 机にうずくまったまま眠った。 頭蓋骨に痛みが響き渡る。 担任が僕を起こす為ゲンコツを喰らわした。 銀縁のメガネをかけ、ほぼハゲていて 空色のポロシャツを着ている50代の担任だ。 そんなことはどうでもよくて ただ、僕の辛さを理解してほしかった。 ただ、少しの間休んでいいよという言葉が欲しかった。 ただ孤独の中、悩んでいる僕を誰か抱きしめてほしかった。 そんな考えがとめどなく脳内でタップダンスを 踊っているとき、夢に見た祖母が言っていた言葉を思い出した。 「この街に咲くエーデルワイスの花のように 力強く、勇敢に生きなさい。」 やっぱり意味が分からなかったので 現実逃避を兼ねた睡眠の世界にまた入った。 祖母の事が忘れられなかった。 次の日も、その次の日も。 今でも忘れられないでいる。 祖母と遊んだ日々を。 ただずっと忘れられないでいる。 忘れたくはないが、ずっと悲しみの中にいたくない。 ギャルの唇を舐め回す夢、まだ見れていなんだ。 誰かが喜んでいる顔を見ると、生きていることが辛くて、そんな感情を抱いている僕に似た誰かに対し、拠り所になればとても嬉しいと思う。 そして僕が祖母から貰ったこの言葉が誰かに伝わり、少しでも誰かの元気になれば僕がこの文を書いた意味はあるだろう。

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エーデルワイス

落花星

午後の紅茶レモンティーの2Lの空きペットボトルをめがけ、自分の尿道から尿が勢いよく噴き出している。先ほど飲んだレモンティーが丸ごと体内を経由しそのまま出てきているように 一切の色を変えず濃い黄色の液体がペットボトルに溜まっていっている。 2時間にもわたる放尿時間を終え、 陰茎の先をティッシュで拭き取り 遅刻していた学校へ向かうためにスクールバッグ代わりのローソンで貰ったレジ袋を手に取り 2階にあった自室から下に降りた頃には 両親は既に仕事に出掛けており いってきますを言う労力を屁に変え、 1発こいた後、外に出た。 今日は高校2年生になって初めての学校だ。 部活をやっている生徒は15:00まで学校にいるのだが、何の部活もやっていなかった自分は 12:00で家に帰ることができてラッキーだったが数日もすればまた夕方に帰る生活をすると考えるとそんな気持ちはすぐ打ちひしがれた。 いつもより2本遅いバスに乗ると、 バスの中は人でギュウギュウだった。 これなら小便を漏らしても人の影に隠れて誰にもバレないだろうと思い、ニヤつきながらバスへ 入り、吊り革を口で掴んだ。 ポケットからメルカリで買った偽物のAirPodsを 取り出し、片方を耳に付けYouTubeで無断転載されている水曜日のダウンタウンを聞き流す。 2時間遅れているが、いつも通りのルーティンのおかげで遅刻していることを忘れ、罪悪感はなかった。 安堵と共に小便を5L垂れ流した。 自分の内ももをつたい、靴の中に入り込む尿もいればズボン側をつたってバスの床にポタポタと落ちる尿もいた。 様々な種類の尿がいて、まるで人間のようだな。と思っていた頃には学校の前に着いていたので、 バスに詰め込まれた人間を蹴飛ばしながら運転手の隣にある扉を降り、無賃乗車を終えた。 校門を越え、始業式が行われている体育館へ 向かうともうすでに終わっていた。 新入生を祝う飾り付けはもうとっくに撤去されており、春特有の初々しい雰囲気に包まれた学校は 次第にまた普通の日常へ戻り始めている事を 少し実感したので、1Lだけ放尿をした。 教室に着いたとき、2時間遅れてきていたのは 僕だけで扉を開けたと同時にクラスメイトの目線は僕に集まった。 みんなの注目の的になり有名人になったような 気がして一番後ろの窓際にいる渡辺くんの顔に 少し尿をかけ、自分の席についた。 担任の先生は去年と同じで、馴れ馴れしく僕を 叱った。 叱られた恐怖で涙に似た尿が溢れ落ちそうになったが、小便ばかりではクドいので大便を少し 先生の机にした。 11:42、僕は帰る準備をしていた。 部活動に行く生徒はダルそうにホームルームの 先生の話を聞いていた。 ダルそうにしている隣の席のサッカー部所属である歯田 毛ノ助くんを横目に小便を垂れ流した。 先生の話はくだらなかったので、僕は無視をして 先に帰った。後ろで鳴り響く担任の怒号は 僕のBGMにすぎなかった。 自分の教室は2階にあったので階段を降りるとき、一段一段を噛み締めるように屁をこいた。 校門を出てバス停を見たとき、まだバスは着いていなかった。 歩きでも10分で着く距離なのでバスは使わず 徒歩で自分の家へと向かった。 歩道を歩くのも楽しくないので車道を歩きながら尿を垂れ流す。 後ろを見ればアスファルトに自分の尿がかかり そこだけ色が濃くなっている。 これで道に迷わないという安心感から 追い上げの尿が勢いよく噴射した。 僕の陰茎が張り裂ける程に。 僕が車道を歩くおかげで進めないでいる 大勢の運転手達の声はとても大きく、 中には僕自身に対する侮辱の内容もあった。 大勢の人の注目の的となった僕に嫉妬をしているのであろう、気にせず我がもの顔で歩いていった。 家に着き、玄関を開けると飼い犬が僕をお出迎えしてくれた。うるさかったので殺して 自分の部屋に行き、やり忘れた春休みの宿題に手をつけた。 自分が通っている高校は自称進なもんで課題の量はありえない程多かった。 怒りの気持ちを表すためにさっき殺した犬の血を インク代わりに、指に少量付着させながら 回答を記していった。 3時間程経った頃だろう、課題を終えた。 窓を開け外を見ると部活で下校をしている生徒が見えた。お疲れ様、という意味を込めて 2階から尿を降り注いだ。 下校中の生徒の頭をめがけエイムを定めると 我が尿の軌道に肖り、虹が架かっていた。 僕の尿で彼を幸せに導いているようで なんだか自己肯定感が上がり yeah!と声を出したかったが家で1人そんなことを叫んでいるのは哀れなので、叫ぶパワーを 小便に変換し、少しでも下校中の生徒に幸せを ふりかけようと思った。 かれこれ1時間ほど幸せをふりかける事をしていると疲れたので風呂に入ろうと思った。 階段を降り浴槽に自分の尿を入れる。 湯気が立ち、僕の陰茎もそれを見て立っていた。 だが疲れのせいか早く寝たくて結局浴槽には使わずシャワーを浴びるだけにした。 体を拭かず全裸で自室へ戻ろうとした頃 リビングで物音がした。おそらく母親が帰ってきているのだろう。 僕はおかえりという言葉を屁に変換し、リビングへ尻を向け4発放った。 自室の扉を開け、ベッドに着く前に疲れのせいか 気絶するように眠っていた。 起きた頃には5ヶ月が経っており、既に夏休みだった。 自分の記憶としては、つい先日まで春休みだったのでまたすぐ大きな休みがやって来たので嬉しかった。 机を見るとクラスメイトの誰かが自分の家へ届けてくれたであろう山積みの課題が置いてあった。 親がそれを受け取り、自分の部屋の机へ置いてくれたのだろう。感謝を込めて母親がいるであろう下の階のリビングへ向かった。 リビングへの扉を開ける寸前に気づいたのだが 椅子が軋む音が聞こえていた。 おそらくお父さんとお母さんが交尾をしているのだろう。感謝を伝えるのはまた後にし、 虫取りがしたくなったので一旦自室へ戻り 私服へ着替えてから外へ向かった。 太陽が僕の為にギラギラと微笑んでいる。 針刺さるように痛い高温は一瞬で僕に汗を噴き出させた。 と思ったら汗腺から尿を出しているだけだった。 近くにある雑木林へ向かっている途中、 犬の散歩をしているおばあさんに出会った。 首ひもが繋がれていて可哀想だったのでおばあさんを殺して犬を解放してあげた。 喜んでいるようで僕に対して吠え続けている。 犬の咆哮を背にまた雑木林へと向かっていたが 何の目的で雑木林へ向かっているのかは忘れていたのでただ無心で歩き続けた。 雑木林へ着いた頃、空はすっかり暗くなっていた。ギラギラに照っている太陽はシフトを出し 夜勤の月に交代していた。 木々とすれ違い、少し奥の方に見えた 木の幹にロープをくくりつけ、首吊り自殺をしている30代ほどの男性がいたので、そこの下で お昼ご飯を食べることにした。 お昼ご飯といってもリビングで作ることはできなかったので、自分の糞便をむさぼった。 食べ終わった頃、ふと小便をしたくなったのでコンビニのトイレを借りることにした。 ここから3km程歩いたところにあるコンビニへ 向かい歩いていた頃、月と目があった気がして 軽く会釈をした。 コンビニへ着き、自動ドアを通ると 眠たそうな顔で頑張っている店員さんが目に入った。 「トイレ借りますね」と言いトイレまでの道に沿って陳列する商品を少し万引きしたあと、 トイレの個室に入り用を済ませた。 飲み物を持って来てなかったので喉が渇いていた僕は、逆立ちの体制になり尿を絞りカス同然の量を口に入れた。 店員さんに感謝を伝え、コンビニを後にした僕は 何も買わないのにトイレだけを貸してもらう罪悪感が僕に纏わり付いた。 それを忘れた頃、家に着いていた。 とても長い旅路を終えた達成感から糞尿が 溢れ出る。 自称進な事もあり、勉強に追い込まれていた僕にとって旅というものはとてもメンタルが回復して 尿道から涙がほろりほろりと溢れ落ちた。 ふと空を眺めると小便が溜まった便器のような形をし、尿色をした月が僕を静かに見下ろしている。周りには飛び散った尿がキラキラと僕を見ている。僕は今にも落っこちてきそうな空に浮かぶ物体たちに投げキッスを空に放ち、風呂に入らず 歯磨きだけをして台所で眠りについた。 きっとこの先も、平穏な暮らしが待っているのだろう。 これからも僕を産んでくれた親に感謝し、 世界を創ってくれた神様に感謝し、 一日一日を感謝しながら生きていこうと思う。

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落花星