体長160cmのナメクジ
6 件の小説体長160cmのナメクジ
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過酷
次の日、弱子はいつも通り学校に行った。すると、靴箱から上靴がなくなっていた。 「ちゃんと入れたのに...。きっと誰かが隠したに違いない。」弱子はそう思った。しかし、弱子への嫌がらせはそれだけではなかった。 「おはよ...って黒板消しを仕掛けたの誰?粉まみれになったんだけど!」 「あらー弱子おはよー。あなた名前通り弱いねー。弱いからこんな事されるのよ。」 そこにいたのは、鬼杉密代(おにすぎみつよ)だった。密代はクラスの問題少女である。密代の両親はモンスターペアレンツであるので、密代の言う事に逆らう事はできないというルールは小学校の頃からあった。だから、弱子は当然密代には逆らえない。さらに、机の中には手紙が入っていた。その手紙には、弱子に対する悪口が書かれていた。 「弱子のバカ、アホ、ブス、クズ、カス、ゴミ、弱虫、泣き虫、木偶の坊、役立たず、死ね、消えろ、この世からいなくなっちまえ!」 弱子は泣きそうになった。しかし、ここで泣いたらまたいじめられる。だから、弱子は泣くのを我慢した。
うまくいかない毎日
委員会決めから一ヶ月半が経った。他の人は委員会や係で活躍していることに対し、弱子はみんなの足を引っ張ってばかりいた。 「これは前の黒板に貼るんじゃなくて後ろの黒板に貼るの!」 「そんな下に貼ると見えないよ!」 「丸いマグネットは使っちゃだめ!細長いマグネットがあるでしょ!」 みんなの言葉は弱子の心を傷つけた。弱子が足を引っ張っているのは係の仕事だけではない。勉強やスポーツだってそうだ。 「弱子さん!あなたがテストのクラス平均を下げているのですよ!そのせいでこのクラスは勉強ができないクラスと言われているんですっ!」 「弱子さん!五十メートル走のタイムが十秒を切っていないのはあなただけですよ?他の子達はみんな八秒台なのに。かっこ悪いよ!」 弱子は努力しているのにも関わらず、成果が出ず、ただ怒られるだけの毎日が続いていた。 そして、ある日の放課後、事件が起きた。弱子はいつも通り帰ろうとしていたところだった。その時、靴箱の裏から、声が聞こえた。 「弱子。オメーは木偶の坊だ。このクラスからいなくなれよ!」 弱子は怖くなった。
委員会決め
学級委員選挙から一日が経ち、弱子のクラスでは委員会決めがあった。 「入った委員会で少しでも全校生徒の役に立ちたい。」弱子は気を取り直した。 弱子の学校には、生活指導、清掃、保健、環境、図書、放送、給食といった七つの委員会がある。各委員会各クラス二人である。決め方は学級委員と違って委員会はジャンケンで決める。そして、ジャンケンに負け続け、最終的に委員会に入れなかった者は黒板係、牛乳パックを洗う係、掲示係、配達係といったクラスの係を担うことになる。かなり狭き門であるが、弱子は何かしらの委員会に入るためにジャンケンをした。しかし、弱子は負け続け、最終的に委員会に入れなかった。 「私はこんなに恵まれていないんだ…。」弱子は昨日よりも泣いた。 結局弱子は掲示係になった。 「クラスの役に立つしかない。」弱子はそう決めた。
中学校生活最初の学級委員選挙
中学校生活3日目。弱子のクラスでは今日、学級委員選挙があった。 「生徒会長になるのであれば、まずは学級委員に挑戦したい。」 弱子は女子学級委員に立候補すると決めた。 男子学級委員は立候補者が木登太陽(きのぼりたいよう)だけであったため、すぐに決まった。しかし、女子学級委員は弱子以外にも町内の人気者・高木望(たかぎのぞみ)が立候補していた。それでも弱子は諦めなかった。 「私が女子学級委員になりましたら、このクラスをよりよくしていきます。そのために、クラス目標を掲げ、それを達成するために、まずは自分が率先して行います。一生懸命頑張りますので、投票よろしくお願いします。」 弱子の演説は、熱意があるものであった。 しかし、弱子に投票してくれる人は、誰一人いなかった。そして、女子学級委員は望に決まった。 「なれないと分かっても学級委員になりたかった。」 弱子はたくさん泣いた。
きっかけは一冊の漫画
あれは一ヶ月前のこと。弱子は小学六年生だった。 「はぁ。今日は休日なのに何もやることがないよ~!仕方ない。お母さんの漫画でも読むか。」 そう言って、弱子は一冊の漫画を手に取った。その漫画のタイトルは「100%主義の中学校へ」。主人公の光沢黄金(ひかりざわこがね)が中学校の生徒会長として、大荒れしていた学校をパーフェクトな学校に変える物語である。弱子はどうせ自分に向いている話ではないだろうと思っていた。しかし、読んでいるうちに、光沢黄金の姿に心を打たれた。 そして、弱子は決めた。 「私も中学生になったら光沢黄金のような生徒会長になる。」 生徒会長になることは簡単ではない。しかし、弱子は絶対になりたいと強く思っている。 果たして弱子は生徒会長になれるのか…。
中学校での目標
時は令和三年四月六日。青黒弱子(あおぐろよわこ)は今日から中学生になる。 勉強、部活動はもちろん、弱子にとっては生徒会活動が一番楽しみであった。全校生徒の役に立つ。これが弱子の目標である。 「弱子おはよー!中学校生活楽しみだね。弱子は特にこれを頑張りたいとかあるの?」 友人の上目笑(うわめえみ)が突然弱子に話しかけた。 「と、特にないよ。」 「私は部活を頑張りたい!バスケ部に入って青春するんだ。」 「なるほど。楽しそう。」 「お互いこれから頑張ろうね!」 「うん。」 こうして、弱子の中学校生活が始まった。