よる

23 件の小説
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小説が好きな学生です🙌 フォロバ目的のフォローはしません! 「あなたのお悩み、お聞きします」連載中

命の天秤 #0

「ようこそ。桜井一歌さん。あなたは、一生に一度あるかないかのチャンスを、掴み取りましたよ」 突然少女の前に現れたのは、幼い子供。その正体は…… 20XX年4月。新たに危険なゲームが、動き出した。 日本の人口はおよそ1245億人。その中から選ばれた15人の少年少女たち。 彼らたちが何を目的にゲームへ挑むのか。それは……ある願い。 「このゲームで最後まで生き残れたのなら、なんでも願いを叶えてあげる」 でも…と子供は言った。 「生き残らない、ということは、死ぬということ」 次第に明かされていくゲームの真相。命と願いを天秤にかける少年少女たち、そして幼い子供の過去とは。 命をかけたデスゲームが今、始まる。

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命の天秤 #0

あなたのお悩み、お聞きします #2

〜1人目 マリーゴールドの悲しみ②〜 「実は私…学校でいじめられていて。クラスにいわゆる陽キャ?1軍?みたいなグループがあって、リーダー格の叶って子がいるんだけど、その子の好きな男子が私のことを好きみたいなことを言ってたらしくて……。ある日突然ものを隠されたり無視されたり」 由亜は少し俯き気味で言った。 「そっか。それは理不尽な理由で、理不尽なやり方だね。辛かったでしょう?」 そして私はいたずらっぽく笑った。 「でも、きっとその子はね、由亜が可愛くてただ嫉妬しちゃっただけなんだよ。由亜はみんなにそんなことをされたのは辛かったと思うし、誰にも話せなかったのも苦しかったと思う。何も分からない私が言えることじゃあないけど、大丈夫。由亜はきっと、みんなとやり直すことができる」 由亜はポロポロと涙をこぼした。 「私…私っ…!今まで誰にも言えなかったっ……! でも、今日星桜に話せて、心の中の異物がなくなった気がした。すっきりした。まだ学校への怖さがなくなったわけじゃない。お母さんに話す勇気が出たわけでもない。でも…っ、なんとかなるって思える気がした。私ならできるって」 由亜は泣いていたけれど、きらっきらな笑顔をこちらに向けた。 「私、頑張ってみる。もう1回、叶とちゃんと話してみる」 「うん、頑張って、由亜。応援してる」 「星桜、今日はありがとう。また…会えたら良いな」 由亜はそう言って手を振りながら帰って行った。 私は朝見た花壇へもう一度行くと、一輪のマリーゴールドの横には真っ白なエーデルワイスが咲いていた。 マリーゴールドの花言葉には『悲しみ』という意味がある。 そこからエーデルワイス『勇気』へと変わった。 「あの子はもう大丈夫そうだね。 さぁ…次はどんな子が来るのかしら」 〜マリーゴールドの悲しみ 完〜

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あなたのお悩み、お聞きします #2

感情

辛いのはあなただけじゃない。痛いのはあなただけじゃない。 そう言われるけれど、私はいまいち納得できない。 そりゃみんな辛いだろう。痛いだろうよ。でもさ、違うんよ。私が言いたいのはそういうことじゃなくて。 確かにみんな負の気持ちは感じるよ。 でも例えばさ、誰かに酷いことを言われたとするじゃん。それをどう感じるかは人それぞれで。 別になんとも思わない人もいるかもしれないし、すごく、すっごく傷ついて泣いちゃう人もいるかもしれない。 私が言いたいのはそういうことなんだよ。 みんな辛いのは分かってる。でも、私はみんなよりも感じ方が強いだけで。 別に同情しろって言ってるわけじゃない。慰めてほしいわけでも、煽ってほしいわけでもない。 ただ、みんなそれぞれが他人の感情を尊重して、罵り合ったり暴力を振るい合ったりしてほしくないだけ。 それが伝えたかっただけ。 なのに、誰にも理解されない。 だから私は今から空を飛ぶ。このビルの上から。 今、みんなと世界に伝えたいことがある。 今までありがとう。そして、私を殺した世界、みんな。 たとえ私が生まれ変わっても、全てを許すことはないからね。

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感情

あなたのお悩み、お聞きします #1

〜1人目 マリーゴールドの悲しみ-①〜 「よし、準備おっけー」 私は南 星桜(みなみ せいら)。一応15歳。「心悩堂」っていうカフェの店長をやっている。 でも普通のカフェじゃない。 え?15歳がやってるんだから普通じゃないって?そりゃそうか。 なんせ私は歳をとらないからね。そう、魔女なの。あなた魔女なんて存在しないと思ってるでしょ。するんだよそれが。 って、こんな話してる場合じゃない。開店しなきゃ。 今日もたくさんの悩みが舞い込んでくるのかな。 「…今日はマリーゴールド……深い悲しみや絶望が来るみたいだね」 このカフェには、毎日違う花が咲く。その花の花言葉で、その日に舞い込んでくる悩みが分かる。 それから数時間2階の部屋の掃除をしていると、下からドアが開く音がした。 「あの…」 「はーい、いらっしゃいませ」 入ってきた子は、中学生っぽい制服で、真面目そうな女の子だった。 「急にすいません…気づいたらここの前に来てて…」 「そりゃいきなりここに来たら驚くよね。でも、ここはそういう場所なの。選ばれた人しか来れないのよ」 「選ばれた人…?」 「えぇ。もっと詳しく言うと、人には相談できないような悩みを持っている人ね」 「人には相談できない悩み……」 その子は表情を暗くして俯いた。 「じゃあまずは、名前から教えてくれる?」 「あ、はい。佐々木 由亜(ささき ゆあ)です。よろしくお願いします」 「由亜ねよろしく。私は星桜」 私は由亜を安心させるように、ニコッと笑った。 「もう本題に入ってしまうけれど、何か悩みはある?」 「…親に相談できてないことはあります」 私は由亜に椅子に座ることを勧めながら話を聞いた。 「でも…人に話すことは…怖い」 「あのね由亜。さっきも言った通り、ここは悩みを話す場所よ。私は人の悩みを聞くことが仕事。由亜の悩みを他の人に話すこともないし、たとえどんな悩みでも由亜のことを責めたりしない。だから安心して話して」 由亜はしばらく黙って俯いていたが、決心したように顔を上げた。 「分かりました。星桜さんが聞いてくれるなら、話します」 〜1人目 マリーゴールドの悲しみ①                ②へ続く〜

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あなたのお悩み、お聞きします #1

僕は君の正体に酔い焦がれる

僕と君は似たもの同士だった。 クラスでも一匹狼で友達もいない。 僕は君を愛していた。とても、とても愛していた。運の良いことに、君も僕を愛してくれた。 そうして僕らは一緒になった。 でも、それから約1ヶ月後。彼女が僕以外の男と歩いているのを見た。 僕は悲しかった。苦しかったし、昨日まで愛しいと思っていた君に怒りさえも覚えた。 僕は君に罵声を浴びせた。でも君は平然とした顔で僕の顔を見つめていた。 「ずっと黙ってるけどさ、なんか言うことないの?」 彼女は少し微笑んでふっと笑った。 「あなたさ、まだ気づいてないの?私の正体」 「君の正体…?」 不思議に思って見ると、君の頭には、尖った鬼のようなツノ。尻のあたりには、悪魔のような尻尾が生えていた。 「それ……」 君は僕に見せつけるように、くるりと一周回って笑った。 「私と一緒に堕ちてみる?」

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僕は君の正体に酔い焦がれる

あなたのお悩み、お聞きします #0

〜プロローグ〜 ここは誰も来ないような森の奥。…正しくは、普通の人は来れない森。そこには、小さい木でできたカフェがあって、中では1人の少女が働いている。 その名も「心悩堂(しんのうどう)」。噂では、誰にも相談できないような悩みも聞いてくれるらしいわ。それだけではなくて、いいアドバイスとかもくれるそうよ。他にも何かアイテムをくれるとか。でもそれは行ってみてからのお楽しみね。 え?私は誰かって?さぁ、誰でしょうねぇ。働いている少女の仲間、とでも言っておきましょうか。 あ、そろそろ心悩堂が開店する時間よ。今日はどんなお客さん…いえ、悩みが来るのかしら。 さて、心悩堂、開店です。

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あなたのお悩み、お聞きします #0

私は深呼吸をして、画用紙の前に座った。 「よし……」 一言つぶやいて、私は筆を手に取った。 絵の具をつけて、線の1本1本丁寧に描いていく。 2時間ほど経っただろうか。 「描けた…!」 目の前には、躍動感のあるペガサスが描かれていた。窓から降り注ぐ光で、絵の具がキラキラと虹色に反射している。 この絵は、ちょうど1週間後の文化祭に使われる。 「この絵が…文化祭で飾られるんだ……!!」 その絵をもっとちゃんと見たくて、私はカーテンを全開にした。 すると絵はより反射して、キラキラと輝いた。 私は1週間後に飾られるのを想像して、息を吸った。

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優しい両親

「あのね、私のお父さん34歳なの」 「みほちゃんのお父さん若ーい!!」 「若すぎて変な女の人がつかないか心配でたまらなんだよね」 満足そうに笑いながら言うみほちゃんに、私は愛想笑いをしながら答えた。 最近のみほちゃんは、親の年齢がどうこう言っている。 そんなのどうでもいいじゃないか、そう言いたいけれど、みほちゃんは、いわゆるクラスの1軍。余計なことを言えば、いついじめられるか分からない。 でも、みほちゃんの言葉が毎日耳に聞こえてくれば、やはり影響を受けるだろう。 いつしか私も親の年齢を気にするようになっていた。私のお父さん、みんなより歳を取っているとか、浮いてないかとか、自分の感情を親にぶつけるようになっていた。 ある日、みほちゃんが大泣きしながら学校へとやってきた。お父さんが浮気して、両親が離婚寸前の状態らしい。 そこで私は、ハッと気がついた。 そっか、年齢なんて関係ない。私のお父さんとお母さんは、世界一優しい人なんだから。

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優しい両親

隕石

明日この世界は終わる。隕石が落ちるとかなんとか。 世間のみんなは死にたくないとかどーのこーの叫んでるけど、僕は嬉しいよ。なんてったって死ねるんだから。 僕はね、つくづく運が悪いと思う。小学校から高校まで、ずっといじめられてたから。でも、明日でいじめっ子たちはみんな死ぬ。僕も死ぬ。解放される。楽になれる。 本当にに嬉しいよ。最高。 そう、昨日世界は終わるはずだった。なのに、いつまで経っても隕石は落ちてこない。落ちてくるって言ったじゃん。僕、楽しみにしてたのに。 みんなは喜んでるけど、僕は最悪。過去一機嫌の悪い日だよ今日は。 あのね、隕石は落ちなかったのに、僕は堕ちちゃったんだ。

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隕石

ありのままの私

私は昔からみんなと違った。男なのに可愛いものが好きで、服もズボンよりスカートの方が好きだった。 幼い頃はまだ良かった。かっこいいものより可愛いものが好きなただの子供で済んでいたから。 周りからの視線が変わり出したのは小学4年生頃。可愛いものが好きなだけ。それだけだったのに、周りの親は我が子に 「りんくんは少し不思議な子だから、近づかないようにしなさい」 という。『不思議』っていう言葉なだけで、言い方を変えれば『変』とか『おかしい』と同じこと。 私はだんだんと人目を避けるようになった。 学校の制服はできるだけズボンに。長かった髪はせめてショートにした。それでも視線が怖くて、昼は屋上へ向かうようになった。 そこで出会ったのが君だった。名は莉菜(れな)と言った。 黒髪の綺麗な女の子で、私の『個性』をわかってくれた。楽しいことも、嬉しかったことも、悲しいことも苦しいことも、全部聞いてくれた。 私はいつしか、学校で莉菜を見かけると目で追うようになっていた。その感情が恋だと知った。 でもある時気がついた。莉菜が誰からも見られていないことに。あれだけ綺麗な顔立ちだ。みんなの興味が湧かないわけはない。単純な好奇心から聞いてしまった。 「莉菜って、本当に人間なの?」 我ながら変な質問だったと思う。でも、莉菜の顔を見て、しまった、と思った。 「あ、ごめん。変なこと聞いちゃった。気にしないで」 そう言いかけた時だった。 「そうだよ」 「え?」 「私は人間じゃない」 いつのまにか莉菜の服は赤色に染まり、綺麗に結ばれていた髪は解けて乱れていた。 「私ね、6年前にこの学校で自殺したの。いじめを受けててね。死んだらこの世界からは解放される、楽になれる。そう思っていたのに」 途中で莉菜は立ち上がって空を見上げた。 「なのに、成仏できなかったの。それからはずっと1人よ。楽になりたいなのになれない。私のことを見てくれる子もいない。寂しくて、苦しくて、辛かった。あなたにこの気持ちがわかる?」 莉菜の声は前のように高くて可愛らしい声ではなく、低くて恐ろしい声に変わっていた。 私は今までとは違った莉菜を見て、恐ろしくて震えていた。 「怖いよね、私のこと。知ってたんだ、本当は。偽りの自分を見せても、いつかはバレるんだって。もういいよ。ありがとう。楽しかった」 莉菜は振り返ることもなく去って行った。 次の日から莉菜は現れなくなった。どれだけ名前を呼んでも出てきてはくれなかった。 あの日、莉菜の後ろ姿を黙って見てるんじゃなくて、引き止めれば良かった。 そして私は、休みの日に学校へ忍び込んで屋上へと向かった。すると莉菜が1人座って、空を眺めていた。 「莉菜!良かった、会えて」 「りん?!どうやって学校に…」 「こっそり入ったの。莉菜に会いたくて」 莉菜は警戒してこちらを見ていた。 「私ね、嬉しかった。莉菜が私のことを男としてじゃなくて、女として見てくれてることが。私も、周りから差別を受けてきた。辛かった。酷いことにね、親までそんな目で見てくるの。生きてることが嫌だったりずっと死にたかった」 でも、と私は1歩踏み出した。 「莉菜に会って、学校に来たいと思うようになった。あと私ね、恥ずかしくて言えなかったけど、莉菜に恋してた。でもそれは、私が男として好きなんじゃなくて、心は女のまま好きになった。なんて言うんだろう。言葉が見つからないけれど、自分のありのままを受け入れてくれる人なんて初めてで、とにかく嬉しかった」 気づけば私の目からは涙が溢れていた。 「私はどんな莉菜でも大好き。だからさ、莉菜もありのままを私に見せていいんだよ?絶対嫌いになったりしない。こないだの莉菜は急すぎてびっくりしたけど、今は莉菜の違う一面を知れて嬉しい」 莉菜も声をあげて泣き出した。 「ごめんっ…ごめんねっ、りん…っ!!」 私たちは抱き合った。お互い号泣していた。 そのときだった。莉菜の体が透けていた。 「私、透けて……」 「莉菜っ、どんどん体が…っ!」 莉菜の体は、私たちの気持ちを考えることなく、どんどん崩れていった。 「私、成仏するんだ。たぶん、私の願いが叶ったからだ」 「願い……?」 「うん。それはね?」 莉菜が消えかけた時、最後に聞こえた言葉。それは。 「私の願いはね、親友を作ること」 私が握っていた莉菜の手は、いつしか消え去っていて、前にいた女の子の体もなかった。 「女の子……?」 名前が思い出せない。その子が消える時、悲しくならないよう記憶も持ってっちゃったのかな。名前はわからないけれど、私があなたの分も生きられるように。空から見守っていてね。 あ、名前はもしかして…… 「莉菜………?」                『ありのままの私』 end…

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ありのままの私