秋沼 文香
26 件の小説特別コーナー
キャラ紹介(chatGPTに聞いた結果 名前は自分で考えました) 白泉未希(しらいずみ みき) 2月19日生まれ 魚座 A型 INFJ 24歳 妹が1人 下川勇(しもかわゆう) 10月10日生まれ 天秤座B型 ISFJ 24歳 妹が1人 乙葉志乃(おとはしの) 9月9日生まれ 乙女座A型 INTJ 28歳 姉が1人 白泉未花(しらいずみみか) 7月3日生まれ 蟹座O型 ISFP 22歳 姉が1人 岩澄正人(いわすみまさと) 11月21日生まれ 蠍座O型 ISTP 41歳 佳川天音(よしかわあみ) 5月14日生まれ 牡牛座 AB型 ENFJ 31歳(死亡時) 弟が2人 質問コーナー お気に入りのキャラは? 乙葉しっかりしてるのに末っ子というギャップが あと、名前の響きが好き 何をきっかけに生まれた作品ですか? 緑黄色社会さんのLITMUSを聞いて思いついた作品 書いてて大変だったとこは? 4話と6話 キャラ別質問コーナー 乙葉の苦手なものは? 虫(特にくねくねしてるやつ) 乙葉の好きな動物は? ハリネズミ 乙葉のスマホの待ち受けは? 天音さんとのツーショット 下川の学生時代の部活は? 中学ではバレー部、高校ではバスケ部 下川の好きな動物は? 犬(サモエド飼ってます名前はコハク) 下川の趣味は? スポーツ観戦 岩澄の趣味は? 洋画鑑賞 岩澄の好きな食べ物は? どら焼き 岩澄の家族は? 両親が居ます。一人っ子です 未希は下川のどこを好きになった? やさしいとこ一途なとこ 未希の学生時代の部活は? 中学ではバトミントン部高校では天文部 未希の苦手なものは? おばけ(ホラーとか絶対観ない) 裏話 緑黄色社会さんのLITMUSを聴いてた時にこれ物語にしたら面白そうだな、曲が切ない感じだから切ない話にしようと書いたらこんなに重たい話になってしまいました。 変更したとこもたくさんあるんですけど、天音さん死亡は最初から決まってました。 あとこの作品いろんなとこに仕掛けがあるんですけど、気付いた人いるかな?私も書いてる時は気付かなかったけど、chatGPTに言われて初めて気付きました。
おまけ2-2
高校時代 放課後体育館で勇がバスケをしている。ボールはバスケットゴールに吸い込まれるように入り、勇は部活メンバーとハイタッチした 体育館にはボールが弾く音、声援で溢れ、下川の額には汗が光っていた。 「下川くんおつかれ」 「白泉さん、ずっと待ってたの?」 「うん、下川くんと帰りたかったから」 「そう?僕、汗臭いよ?」 「いいの!」 未希は勇の腕に抱きついた 勇は少し驚いてはにかんだ 「私たち、大人になったら結婚して子どもも出来て、幸せになろうね」 「うん、子どもかわいいだろうな…」 勇がそう呟くと未希はニヤリと笑い、勇の顔を覗き込んだ 「私に似て?」 「え、えっと…それは、うん」 「えへへ下川くんに似たら、かっこいいだろうな」 「僕ってかっこいいかな?」 「かっこいいよ!下川くん、女子から人気なんだよ?」 勇は夜空を見上げぼんやりと浮かぶ月を指さした 「白泉さん、今日は月がキレイだね」 未希も空を見上げた 「あれ、朧月っていうんだよ、ぼやけてる感じが幻想的でキレイだよね…私こっちだから、またね下川くん」 「またね、白泉さん」 お互い手を振り、未希は名残惜しそうに勇の背中を見つめた 「お姉ちゃんおかえりー」 「未希、夕飯出来てるから制服着替えたら降りてきなさい」 「はーい」 夕飯はシチューとレタスのサラダ 「お姉ちゃん、将来何になりたいとかある?」 「んー…ないかな…」 「私は建築関係の仕事!自分が考えたのが、建物になって、みんなが使って、それで、そこの人たちに私が考えたんだよって言うのが夢」 未花が建築関係の仕事をしたいのは、父親の影響を受けてからだ。 「いいじゃない、未希もなんか夢持ったら?」 「いいよ別に」 「そうそう、お姉ちゃんにはイケメンな彼氏いるもんね」 「未花!」 「何?彼氏?未希彼氏いるの?どういう人?」 「同じクラスの子…下川くんっていう子」 「へー下川くん…あの、バスケ部の子でしょ?可愛らしい顔の」 「そうだよ」 「その子と付き合ってるの、いいじゃない、青春してるわね、お母さんも学生の頃に戻りたいわ」 玄関のドアが開きお父さんが帰ってきた お母さんがお父さんに未希に彼氏が出来たと言いかけた時未希が慌てて止めると、お母さんは「はいはい」と言いお父さんは首を傾げ不思議そうにした。 「お、シチューか、ラッキー!シチュー!」 「お父さんって本当シチュー好きだよね」 「当たり前だろ、お母さんのシチューは世界一なんだから」 「他のはふつうってこと?」 「いや、もちろん全部、世界一!」 食卓は家族の笑い声で溢れ寒い冬の空気も少しだけ温かくなった
おまけ2-1
乙葉は小学生の頃、刑事ドラマにハマっていてテレビの前で目を輝かせて観ていた。 「志乃、冷蔵庫にショートケーキあるわよ」 「やったー!ママ、私大きくなったらこの刑事さんみたいになる」 「今から勉強たくさんしないとね」 乙葉は頷き、ケーキを一口食べると頬に手を当て幸せそうな顔をした。 そして大人になった乙葉は子どもの頃の夢を叶え、捜査一課に配属した 乙葉が食堂で天丼を食べていると佳川が声をかけてきた 「ここいい?」 「はい、いいですよ」 「乙葉、さん?っていいかな?呼び方」 乙葉は口の中の物を飲み込んだ 「好きに呼んでください」 「じゃあ、志乃」 「え、呼び捨て?」 「いいでしょ?私の方が先輩なんだから」 「えーじゃあ、天音さん」 「何?志乃」 「天音さんってどうして刑事になったんですか?」 「刑事ドラマ観て、かっこいいなと思って」 「え、私もです。私もそれがきっかけです」 「本当?そうだ、見て私の弟」 カメラ目線でウインクをしピースサインをしてるのが陽太、その隣で恥ずかしそうにカメラから視線を外してるのが一番下の弟の清太(せいた)だ 「2人ともかっこいい、絶対モテるでしょ?恋人とかいるんですか?」 「いないよ」 「いそうなのにな、話さないだけじゃないですか?」 「いや、いない私には分かる。絶対いない」 「なんですか?その自信あはは」 「志乃って笑うとかわいいね」 乙葉は少し赤くなり、そうですか?と聞いた 「うん、志乃は兄弟いる?」 「姉がいます」 「お姉さんいるんだ、確かに志乃、末っ子って感じするもん」 乙葉は頬を膨らませた 「どこかですか?」 佳川はそんな乙葉がかわいいのが、ケラケラ笑い揶揄った。 「そういうとこ!本当志乃ってかわいい!私も妹欲しかったな、私の弟うるさいし、もう1人は話しかけただけで、話しかけないでとか言うし…志乃、私の妹になってよー」 「嫌ですよ」 「えー」 2人は笑いあった 天音さんの隣でずっと笑っていたい、そう心の中で乙葉は思った。
7話
病院のベッドの上で未花が仰向けになり、ボッーと天井を眺めている。 「未花、お見舞いに来たよ、病院のご飯美味しい?見て未花、未花の好きなプリン買ってきたから冷蔵庫に入れとくね、あとパジャマも持ってきたよ、それと退屈にならないように本も三冊買ってきたよ。未花明日も来るからね」 未花は天井を見上げたまま何も答えなかった。表情も変わらない、だけど、目を微かに動かしたり、あ…あ…と口を動かし未花なりに意思疎通をしていた。未希は未花が言いたい事は分からないけど、多分「ありがとう、お姉ちゃん」と言ったのだろうと思うようにした。 話を終え、取調室が静まり返った 今から言うことは刑事として正しいのか?乙葉は自分に自問した。 「辛かったね、ずっと苦しかったよね、あなたには今回のことで人生を無駄にしてほしくない、自分がやったことを後悔しないよう、妹さんに胸を張れるように、生きていきなさい」 未希の手が震え、足元を見つめ答えた。 「今でも、はっきり覚えてるんです。あの日の感覚…」 「大丈夫、あなたは間違ってない、妹さんのためにやったんでしょ?」 白泉の目には大粒の涙が浮かんでいた 「あなたのような刑事さんに、話を聞いてもらえて良かった。ありがとう」 「現場に鳥のストラップを置いていたのはどうして?」 「勇くんに、気付いてほしかったから」 「どうして、私に話を?」 「だって、勇くんに話したら、勇くんを傷付けると思ったから、家族が悪く言われるのは…きついですからね」 未希は乙葉から視線を外し、ガラス越しの勇を見た 「私たち、出会わなければ良かったね、ごめんね、勇くん」 未希は静かに涙を流し、涙は雨のように流れ落ち、乙葉がハンカチを差し出した。 二年後 「下川、仕事ばっかりしてないで、たまには出会いの場にも行けよ。今年で26だろ?」 「いいっすよ、そんなの」 「そうですよ岩澄さん、下川くんは一途なんだから」 あの日勇は未希と約束をした。 「未希!僕待ってるから、戻ってきたら結婚しよう」 未希は驚き、そして嬉しそうに頷いた。 遠ざかる未希の背中を勇はじっと見つめた [完]
6話
夢だった建築会社で妹が働くことになった 憧れの場所に夢と希望を抱いて、一歩前へ足を踏み入れる。 「お姉ちゃん、私の企画通ったよ!」 「本当?良かったじゃん、お祝いに未花の好きな物たくさん作ってあげるね」 「やったー!オムライスとハンバーグとショートケーキと」 「もう、欲張るね」 夕飯は未花の好きな物を作り、ケーキも用意して、盛大にお祝いした 笑い合う二人、幸せな空間が二人を包む -建築会社- 「あの、私の企画がキャンセルされたってどういうことですか?」 「は?お前みたいな新人の企画が通るわけないだろ馬鹿じゃねーの?早く仕事戻れ」 「…はい」 納得が出来なかった、悔しくて未花は唇を強く噛んだ 今に始まったことじゃない、こういう暴言は以前から続いていた。宗一は息を吐くように未花に暴言を吐いたり、理不尽なことで叱っていた 未花の心は少しずつ削られていき、やがて笑顔も少なくなり、口数も減っていた。 「未花、最近元気なさそうだけど、なんかあった?」 「…何もないよ、私寝るね」 「あ、うん…」 未花の様子が気になる未希は未花の部屋へ向かいドアを叩いた。返事がない…嫌な予感を感じ、息を飲み込んだ。ドアを開けると未花が倒れていて、周りには白い玉の薬が散らばっていて、薬の瓶が二つ置いてあった。 「未花!」 未希は病院に電話をし、未花は病院へ運ばれた 意識不明の重体で目を覚ますかは分からない状態だ。 家に戻った未希は未花の部屋の机の上に置いてあった日記を読んだ 《建築会社に就職!頑張るぞ!》 キレイな字がページを巡ることに殴り書きのように汚くなっていく 《上司から嫌なこと言われた。下川宗一っていう人お姉ちゃんの彼氏さんのお父さんだからお姉ちゃんには秘密にしないとこれ知ったらお姉ちゃん絶対彼と別れるって言いそうだからお姉ちゃんには幸せになってほしい》 《大丈夫まだ笑えてる》 《私なんでこの仕事してるんだろ?もう分からないや》 《明日が怖い辛い死にたい》 《誰かに助けてほしい消えたい楽に死ねたらな…》 未希は日記を閉じ、未花の部屋を出た。 未希は宗一の行動を観察し、事件があったあの日、未希は歩道橋で宗一と言い争っていた 「白泉未花が自殺しました。どうしてか分かりますよね?」 「は?知らないよ」 「あなたのせいですよ」 「俺?普通に教育してやっただけだぞ?最近の若いやつは…話は終わりか?」 「死ね…」 白泉の口から無意識に出た言葉 「今なんて…」 気が付いた時には、下川宗一は階段の角に頭をぶつけ、そこから血が水のように流れ出ていた。開かれた目が白泉を責めてるようで、白泉の手が震え出した 暗闇の空には朧月が妖しく浮かんでいる。 白泉は鞄から鳥のストラップを取り外そうとするが、上手く外せない、なんとか外してその場から離れた。
5話
「昔話だけど、少しだけ聞いてくれない?」 勇は乙葉の方を向いてはいと答えた 「私ね、大好きな人を亡くしてるの、その人の分までがんばるって決意してるの、だからしっかりしないといけないでしょ?」 勇は乙葉から視線を外し、前を向いて答えた 「たまには笑ってもいいと思いますよ。乙葉さんがしっかりしてることは僕たちがちゃんと分かってますから」 乙葉のハンドルを握る手に力が入り、乙葉は俯き「ありがとう」と呟いた 車を止め、中へ入る。 ソファに座っていた未希の前に勇が立ち、その隣に乙葉が立っている。 勇はほんの少しの迷いから躊躇った後、未希の腕に手錠をはめた 「署で話そう」 未希が空を見上げるとあの頃と同じ朧月が浮かんでいた -取調室- 「歩道橋の階段から被害者の下川宗一を突き飛ばした。間違いないですか?」 未希は頷いた 「どうして突き飛ばしたんですか?」 「どうして?どうしてかな?どうしてだろうね?」 「何があったのか、説明してください」 「そんなこと言われてもな…なんて言えばいいかな?」 未希は乙葉の方を向いた 「私、この人と話したい、この人になら話せるかも」 乙葉と勇が席を変わったが、未希は話そうとしなかった。未希は少し笑いながら答える。 「勇くんが居ると話しにくいよ」 勇は仕方なく取調室から出ていき、未希と乙葉の二人だけになった 「どうして、被害者を突き飛ばしたんですか?」 「…私ね、妹がいるの」 「質問に答えてください」 「答えてるよ、ちゃんと話すから…」 乙葉は腕組をし話を聞いた 「妹ね、今入院中なの…明るくていい子だった、今は話すことも動くことも出来ない。自殺したの…」 「どうして、自殺したんですか?」 白泉は天井を見上げ、ゆっくり深呼吸をしてから話を続けた。
4話
五年前 「志乃、最近仕事どう?」 「楽しいよ、皆いい人だし、お姉ちゃんの方はどうなの?」 「私は普通かな…仕事なんて給料のためにやってるもんだから」 乙葉が所属してる捜査一課には岩澄や佳川が居た 乙葉は佳川によく懐いていた。 佳川も乙葉を妹のように可愛がっていた 一緒に昼飯を食べたり、世間話で笑いあったりしていた。 ショピングモールで刃物を持った男が暴れてると通報が入り、A班からD班に別れそれぞれの配置に着き男を確保する作戦だ 乙葉はA班で岩澄と同じ班だ 男の特徴は身長175cmぐらいで細身の体型、白い帽子を深く被り全身黒コーデ 一階の広場に居る四歳の娘を母親が抱き寄せていた。男は二人の親子の元へ刃物を振り下ろした 刺さったのは、母親でも娘でもなく、佳川のお腹だ。佳川は冷たい針が体の奥に届いたような痛みを感じ、刃物を抜かれた瞬間傷口をえぐられるような痛みに佳川は崩れ落ち、お腹を抑え倒れた。息をするだけでも痛みが走り、上手く呼吸が出来ない 男は驚きと動揺で尻もちをついた 周りの警察官の思考が一瞬停止し、すぐに仕事モードに切り替わる。 「落ち着いて行動してください!」 「おい!誰かこっち手伝え!」 「佳川、病院に連絡したから、もう少しだけ耐えてくれ」 周りの声が少しずつ遠のき、視界もボヤけていく 「各班に告げる。犯人確保」 無線から響く声は微かに震えていて、次の言葉を聞いた乙葉は岩澄の呼び止める声を無視して走り出した。 血を流して倒れている佳川の姿が見えた 「天音(あみ)さん!」 「…志乃…」 「すごい血…大丈夫ですか?どうしよ、血が止まらない、天音さんしっかりしてください!」 佳川は残りの力を振り絞り乙葉の頬に手を添えた 「大丈夫だから、仕事に戻って」 「嫌だ、こんな血出てるのに放っておけないよ」 「…仕事に私情を挟んだらダメよ、行きなさい…志乃…」 腕がだらんと落ち、目線もどこか遠くを見つめゆっくりと瞼が閉ざされた。 「天音さん?待ってよ!ねぇ、起きて、天音さん!」 時間が止まったような、世界が崩れたような感覚がした。 人目を気にせず、乙葉は佳川の胸に顔を押し当て子供のように泣いた 取調室で確保された男から岩澄が話を聞いていた。 どうしてあんなことをしたのか?岩澄が聞いたところ、人生に嫌気がさし、むしゃくしゃしてやった。自分も死のうと思っていたという身勝手な理由だった 「あの女の刑事がいきなり目の前に来た時は驚いたよ、ヒーロー気取りか知らないけどさ、あんなことしなければ死ななかったのに…余計なことしたせいで、あんたらのお仲間さん死んちゃいましたね!俺は悪くねーけどな!」 岩澄は唇を噛み男を睨みつける 乙葉の強く握った手も震えていた。 乙葉は椅子を蹴飛ばし男の胸ぐらを掴んだ 男はヘラヘラした顔で乙葉を見る 「なんだよ?」 「汚い口を閉じろ、死のうと思ってた?そう思うなら人を巻き込まず、勝手に一人で死ねば良かったのに!」 男は両手を上げ更に乙葉を挑発した 「警察がそんなこと言っていいのかよ?皆さーんこの人に死ねって言われましたー!」 「お前のせいで、天音さんは死んだんだよ!」 「やめろ!乙葉、冷静になれ!」 後日 佳川のデスクを乙葉が寂しげな目で見つめている 「乙葉、お前の好きなショートケーキ買ってきたぞ」 「ありがとうございます」 味がしない… 乙葉は一口だけで食べるのをやめた。 「岩澄さん、残り食べていいですよ」 「え、いいのか?」 「…はい」
3話
勇の肩を乙葉が叩いた。勇は振り返りなんですか?と聞く 「被疑者が分かった」 「…誰ですか?」 乙葉は少し間をおいてから答えた 「白泉未希」 聞き違いだろうか?下川はもう一度聞いた 答えは同じだ 「白泉は家に居る?今連絡取れる?」 勇の返事が一瞬遅れた 「待ってください、何かの間違いですよね?」 乙葉は呆れたようにため息を吐いた 「婚約者だから捕まえてほしくないの?仕事に私情を挟まないで」 「そんなこと分かってますよ!でも、どうしたらいいか分からない…冷静な乙葉さんには分からないですよね?」 「…白泉とは私が話を聞いてくる」 乙葉が立ち去ると廊下に居た岩澄に呼び止められ、乙葉は足を止めた。 「乙葉お前は正しい、だけど真面目過ぎる。自分を閉じ込めすぎてる」 「何が言いたいんですか?」 「昔のお前はこんなんじゃなかったのにな…あまり無理するな、いつか壊れるぞ」 乙葉は岩澄から視線を外した 「私の心は、もうとっくに壊れてますから」 乙葉は岩澄の前から立ち去った。岩澄は呼び止めることも追いかけることもせず、乙葉の背中を心配そうに見つめ、岩澄は勇の席に向かった 「乙葉のことで話がある」 岩澄の話を聞いた勇は乙葉のとこまで走り出し駐車場に居る乙葉に向かって叫んだ。 「僕も捜査に入れてください、何があっても未希とちゃんと向き合います」 乙葉は少し考えてから答えた 「乗って」 「はい!」 二人を乗せた車は夜の街を切り裂くように未希の元へ向かっていた。
2話
勇と未希が出会ったのは高校生の時 勇は未希の真っ直ぐで人柄の良さに惹かれた。 雑貨屋で見かけた白い鳥のストラップ、羽の部分に赤い糸でMと刺繍されていた。それを見た勇は未希のイニシャルであるMに運命を感じ、プレゼントすることにした。その隣には自分のイニシャルのYもあり、それも購入し店を出た。 明日これを未希に渡して告白する 勇は何度も頭の中でシミュレーションをした 「あ、これ…」 「え、ありがとう」 勇は心を落ち着かせるように息をした 「あのさ!白泉さんの事、す、好き!です…」 声が裏返った。頭の中では完璧だったのに 勇は恥ずかしくて耳たぶをいじった 未希の顔が見れなくて自分の足元を見つめる。 「付き合ってみますか?」 勇が顔を上げると、未希が少し口角を上げ上目遣いをしていた。頬も少し火照っている 「は、はい」 勇と未希が付き合って一週間もしないうちに、二人が付き合ってることはいろんな人の耳に届いていた。中学の頃はカップルを見ると揶揄う人も居たけど、高校ではそういう人は居なかった。むしろみんな勉強の事で頭がいっぱいらしく、他人の恋愛事情にはあまり関心がないのだろう 「下川くん、将来何になりたいとかある?」 「警察官」 「警察か…いいじゃん!かっこいい!なんで警察になりたいの?」 「えっと…四歳の頃、一人でおつかいに行って、道に迷った時に警察の人に助けてもらって、僕すごい泣いて、安心して、僕も誰かを助けられる人になりたいと思って」 「そうか、下川くんならなれるよ、私応援する。 じゃあさ、もし私が悪いことしたら、下川くんに捕まえてほしいな」 勇は驚いた顔でえ?と聞くと未希は揶揄うように笑い嘘だよと言い勇の背中を軽く叩いた
1話
きっと誰もが秘密を抱えている。 その秘密は永遠に自分の中の奥底に沈んだまま 誰に見つけてもらうことも気付いてもらうこともない だけど、大切な人との関係が壊れるぐらいなら、秘密は秘密のままでいいと未希は思った 「僕たち同棲して一年経つけど、そろそろ結婚とか考えてみない?」 その言葉を聞いた未希は少し微笑んでから、一瞬勇から視線を逸らした。未希は勇とは夫婦になれないと思ったから、だけどそれを話したら勇を傷付けると思い未希はなんともない顔をして答えた 「うん、そうだね」 未希はコップに水を半分入れ飲み干した 未希が勇にだけ言えない秘密、それは勇の父親を殺したこと 「下川くん、お父さんの事大丈夫?」 乙葉が心配そうに聞いた 勇は一言はいとだけ答えた。 被害者は下川宗一 歩道橋の階段から転落し死亡 現場から岩澄が戻ってきた 「目撃者から話を聞いたら、被害者と加害者が何やら言い争ってた様子だったらしい、それから、ストラップが落ちてた」 白い鳥の羽の部分にMのイニシャルが刺繍されたストラップを勇がじっと見つめた。 「下川くん、どうしたの?」 「あ、いえ、なんでもありません」 白い鳥のストラップ、勇が婚約者の未希にプレゼントした物と同じ物だ。同じ物を持ってる人なんて他にも居るだろうしこれだけでは未希を疑うことは出来ない、というよりも疑いたくない 本人に確認するのが怖い、もし本当に未希が犯人だったら……?勇の心は振り子のように揺らいでいた