るり
17 件の小説マイ・プラネット
ー高1の夏。私は、宇宙に恋をした。 8月の中旬頃、部活で合宿に出かけた。私は部活自体が嫌いだったが、暇だったから行ってみた。普通にめんどくさいという理由もあるし、人間関係がめんどくさい言った理由が大きいだろう。部活に馴染めなくて1人だった。合宿のといは誰か話しかけてくれるかなと思ったが、ずっとひとりだ。 私、このままずっと1人なのかな…… 2日目の夜、部員全員でBBQをした。みんな美味いとかワチャワチャしてるけど、私はいつも通り1人だ。 『ごめんね、私おなかいっぱいだから先戻ってるね。』 『大丈夫?ゆっくり休みなよ。』 『うん、ありがとう。』 またやってしまった。あまりにも周りに合わせられなくて逃げてしまった。これだから私は友達がいないんだよ… しばらく歩いてもホテルに着かなかった。まさか迷い込んだ?!どうしよう…。ふと上を見てみた。すると、そこには満点の星空。東京だと絶対に見れない星ばかりだ。私は思わず、“綺麗…”と言ってしまった。 高校1年生の夏。私、馬場宙は宇宙に恋をした。
涙をいつか…
私は、雨が嫌いだ。なんとなく、憂鬱になるから。それが理由だ。 それに、雨に近いものも嫌いだった。中でも“涙”だ。これも雨が嫌いな理由と同じ、憂鬱になってる・憂鬱になるから。 涙を流せば、気持ちが楽になれると聞いたことがある。 でも、涙なんか流しても楽になれなかった、なんにも変われなかった。 ただ、自分が憎いということがわかった。自分を見つめると、なんで私がこんなにストレスを溜め込まないといけないのかと胸が苦しくなったり、頭が痛くなったりと大変だった。 雨はが止むと、空が見える。それはいつにも増して綺麗だ。 という話を耳にしたことがある。 となると、涙もそうなのではないか。 涙は、希望になるのかな? となると… 涙をいつか…希望に変えたい。
リアル人生ゲーム
とあるお泊まり会の話。 私は同じクラスの友達とお泊まり会をしていた。ボードゲームに飽きてきて、そろそろ恋バナでもしようかと言う時に1人の子がとあるゲームを誘った。 『ねね、人生ゲームしようよー!!』 『おー!!いいね!しよしよ!』 そう、人生ゲームだ。人生ゲームって結構時間かかるけど意外と楽しいのだ。 友達が人生ゲームを取り出す。私はコマをみた。するとなんということだ。すっごいリアルなことしか書いてない。 取り扱い説明書を見てみるとこうだった。 《そのコマについた際、そのプレイヤーの意識は一時的に異空間に飛ばされ本当にあったかのような感覚を覚えさせます。》 何書いてあるか分からないかなったが、“そのコマのストーリーを私たちが味わう”ってことなのではと解釈した。 人生ゲームがスタートした。自分のターンになり、ルーレットを回す。すると、コマは“教師になる”。すると、他の場所に飛ばされ、自分が教師免許を取る為の試験を受けているところが映っており、さらに合格という紙が届き、喜ぶ自分が見えた。あのトリセツは本当のようだ。私は怖く感じた。 ーーーー そろそろ終盤。 しかし、私の手持ちは残りわずか。これ以上お金を払うなら借金しないといけない。 ルーレットを回す。すると、お金を払わないといけないマスに進んでしまった。 仕方なく借金する。 次のターンで“借金がある人はここで働いて返済する”というマス。そして、意識は飛んで変な砂漠のようなところに落とされた。当たりを見渡すと働いている人がたくさん。 『お?見慣れんやつだ』 と男の人が。 『お前もここに来てしまったか。ここは返済できるまで永久に働かせる場所だ。』 と告げられた。エイキュウ?ハタラク?突然真っ白になった。 うそでしょ?ねぇ、みんな助けて!!みんな!!!!!と心の中で思ったがみんなには届かない。 お願いだから…誰か…助けて…。
ギャンブルバーガー
とあるファストフード店。そこのハンバーガーはとても美味しいと有名だ。だが、一部の人はそこのハンバーガーを食べると二度とこの世界に帰ってくることはないとか。また他の一部の人は毎晩うなされるとか。何も起こらなかった人もいるだとか。まるでギャンブルのようだ。 とある日。友達に『美味いもんがあるんだよ、食わせてやるから着いてこいよ』と言われ着いてきた。ギャンブルのようなハンバーガーを売っているファストフード店だった。恐らく、彼はあのハンバーガーを食べさせるに違いない。 『僕おなかいっぱいだから要らないよ?』 『そー言っても、お前さっきからお腹鳴らしてるの知ってる?』 あっ、お腹、空いてたんだ。 『あぁ!用事思い出した!!帰らないと…』 と言って逃げようとすると、 『逃がさねえぞ』 と腕を掴まれ店に入った。 彼は僕の思った通り、あのハンバーガーを頼んだ。 『ほれ、食え』 『あ、あぁ…』 正直、食べたくない。こんな、ギャンブルに人生かけたくない。でも、友達からだから、勿体ないよね。食べるか。 ひと口食べた。 何コレ、めっちゃ美味い!!! いつの間にか僕は完食していた。 『そろそろ、お暇しようよ』 と言い立ち上がった瞬間、クラーと目眩がした。立ちくらみか?すると、急な激痛が頭、胸などに襲ってくる。何…これ…。意識…が…。そして、僕は倒れた。 『やっと、死んでくれたね。』 えっ?何を…。 『このボタン、色んなモードがあってさぁ。お前ウザったいから、この激痛・毒モード押しといたよ。おかげでいい結果がとれた。ありがとう。あっ、これは結果だけじゃないよ?君が死んでくれてありがとうっていう意味でもあるんだ。』 親友に裏切られ、ショックのまま僕はこの世を去った。
舞子さんは、キレイだった。
僕は旅行で京都に来ていた。京都だなんて、修学旅行以来でとても懐かしい。 夏休みなのかお盆なのか、たくさんの人で賑わっていた。そんなに大賑わいのところが好きじゃない僕にとって、ちょっと嫌な気持ちになってしまった。 ーーーー スタスタと道を歩く。風情をみる為に前を向いて歩くのもいいが、僕はたまに道も見たいので下を見て歩くこともある。 僕は下を見て歩いた。この道は下にも気をつかっている。 すると、 『あの!』 と女の人の声が聞こえた。 振り返ると舞子さんが。 『僕になにか御用でしょうか?』 『こちらを落としておりませんか?』 と舞子さんはハンカチを手渡してくださった。 『あっ!これ僕のです。ありがとうございます!』 とお礼を言った。 すると、舞子さんは満面の笑みを浮かべた。 舞子さんは、キレイだった。
支配人形
とある骨董品屋で人形を見つけた。 明らかに古い日本人形で、女の子。おさげで着物をを着ている。 そして、じっと僕を見つめている。僕も見つめた。 あれ?急に頭がぼんやりしてきた。何も…考えられない…。ここは、ドコ?僕は…誰? すると、勝手に腕と足が動いた。止めようとしても、止まれない。何かに、支配されているみたいに体が動く。 そして人形を取り、“これ、ください”と勝手に口が動いた。 そして、勝手に金を払い、帰って行った。 翌日、捨てようとした。すると、捨てられない。腕が動こうとしない。 どうしたんだ、僕。 “君は一生私のモノだよ” と聞こえたような気がした。
シェアバイク
私がよく通るコンビニ。 そこには、一輪の自転車があります。結構な年月が経っているらしい。 でも、ずーーーーーっとそこに置かれてるのではない。たまに消えて、数日後には元の位置にあるのだ。おそらく、だれかがその自転車を借りたのだろう。“シェアバイク”と私は思っていた。 ーーーーー ある日、いつものようにコンビニを通ると、自転車は無くなっていた。 あぁ、今日はだれかが借りてるのかなと思っていた。 しかし、1週間、半月、1ヶ月過ぎても自転車は帰ってこない。どうしたのかな? すると、知らない主婦たちの会話を盗み聞きしてしまった。 『コンビニの自転車、無くなってたわよね?寿命で壊れたのかしら?』 『恐らくそうでしょうねぇ。来週には新しい自転車が来ると思いますけど…。』 正直、私はよくわからなかった。この町に住み慣れてないからかもしれないが、なぜコンビニの前に自転車が置かれているのだろうか。普通、シェアバイクならば、業者とかに頼んだり、もう何台か足すのではないか?なんで、1台しか無かったのか。 この町、なんかある。触れてはいけない何かが。 私はこの町が、怖くなった。
卵かけご飯
『ただいま』 家に帰ると、親も、妹も、誰もいなかった。親は仕事、妹は塾だろう。みんな夜遅くに帰ってくる。 今夜はラッキーだ。よし、今日こそ誰にも見つからずに死のう。って言っても、家の中だから結局見つかるんだけどね。 どうしようか。どうやって死のうか…。 迷いながら冷蔵庫を開ける。すると、卵があった。 ツイてるツイてる。卵を食べて死のう。 好都合なことに、僕は卵アレルギー。それも重度のやつだ。口に入れれば生死をさまようほどに。 食べることが出来ないものを食べて死ぬのも悪くは無いな。最後の晩餐だ。 でも、卵を使って何作ろう…。 もう少し冷蔵庫を漁る。すると冷たいご飯が出てきた。 そうだ。卵かけご飯を作ろう。 妹のを見てきたからレシピは大体わかる。 ご飯をレンジでチンする。その間に卵と醤油と塩(?)を入れて混ぜる。ご飯が温まったら取り出して真ん中に穴を開けて卵諸々を入れれば完成。 我ながら完璧だ。 手を合わせ、箸で卵かけご飯を口に入れる。まずは噛む。おっと、蕁麻疹がでてきた。まぁ、味は不味くはないけど、卵ってこんな味なんだな。 そして、飲み込む。少しずつ食べていく。 そして数分後。 いきなり胸が苦しくなった。息が…出来ない…。身体中も痒い。これが、真のアレルギーなんだな。うわぁ、辛いな…。 でも、これでようやく死ねるんだ。なんだろうなこの気持ち。 そして、意識が遠のいていく。 最後に“ありがとう”と心のなかで呟き、静かに永遠の眠りに着いたのだった。
ドリュアスの足跡
何かに困ったり助けて欲しい時、僕はとある公園の大木に向かう。そして、その木の幹に手を添えて、思い・願いを心の中でつぶやく。 すると、緑色の光が現れ、とあるもの・場所へ導いてくれる。ベンチやカフェ・滑り台など。導かれたところに行くと、100%解決するのだ。 ーーーー ある日、友達に相談してみると、 『それ、ドリュアスが導いてくれてるんだよ。“ドリュアスの足跡”的な?』 『ドリュアス??』 『ドリュアスってのは、ギリシャ神話に出てくる木の精霊のこと。普段人前には姿現さないんだけど、美しい男の人だと姿を現し、木の中へ誘惑するらしいよ。木の中で1日過ごした気がしても外では何年・何十年・何万年かかってるらしいよ。ちょっと違うけど浦島太郎だね。だからもうやめな?』 『うん』 でも、あの木に依存してる僕は出来なかった。 ーーーー 5月の半ば、父親が死んだ。 元々病気で余命宣告も聞かされ、覚悟は出来てたのに…。やはり辛いもんだ。 そして、僕は本能的にあの大木に向かい、思いを唱える。 辛いです、何やってもいいからこの苦しみから解放してください… すると、美しい女性が目の前に現れ、僕に手を差し伸べた。 思わず手を取ってしまい、彼女に引っ張られる。 そして、連れてこられた場所は…木の中?ああ、そういう事か。あの女性、いや、あの光こそドリュアスなんだ。 ドリュアスの足跡の先は僕だったって言うことか。 もう、どうでもいい。辛いことを忘れられるのであれば、 僕はどうなったって構わない。
モーニングコール
私の楽しみ。それは朝の時間に起きる。 朝の5時半。スマートフォンから電話がかかる。大好きな彼からだ。私は急いで起き、スマホをとって応答する。これが私の楽しみの時間、モーニングコールをする時間だ。 ーーーー モーニングコールを取り始めたのはおよそ7ヶ月前のこと。 付き合ってもうすぐ2年が経つ頃、悲しみの出来事が訪れた。 彼が、海外に転勤することになったのだ。 泣いていた私に彼がそっと手紙を渡してくれた。 『来週の月曜から朝5時半連絡取り合おう!』 との事だ。これが、私と彼がモーニングコールをやり始めたきっかけ。 ーーーー ある朝、彼からのモーニングコールがかかってきた。応答すると、なぜだか彼の元気はなかった。 『ごめん、多分、これが最後のモーニングコールになると思う。』 と彼が話した。 『え?どうゆうこと??』 『親が勝手に結婚相手を決めてしまったらしいんだ。僕の親のことだ、すぐに式は挙がる。勿論猛反対したさ。けど、結局親は僕の意見なんか何一つ聞かずに決まってしまったんだ。本当に申し訳ない…。』 嘘でしょ、冗談じゃないの?? ねぇ、嘘って言ってよ!!ねぇ?!ねぇ?!ねぇぇ?!?! 結局、返す言葉が無いまま、私は一方的に電話を切った。 ーーーー あれから、生きた心地がしない。世間的に言う“病み期”というものだろう。 楽しみを他人に奪われたような感じ。 辛くて、辛くて、苦しくて…私、生きる意味ってあるのかな? 誰か、私を助けて…。 苦しみや辛さを解放して…。 *この物語はフィクションです。