gina

39 件の小説
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夢物語もあれば経験上のものもあります。 更新が遅くなる時がありますが、 見てから感想などがあれば教えてください。

天才探偵学校 ー セイクレア

ガチャっと音を立てて扉が開く。 凪沙先生がゆっくりとした足取りで歩いてきた。 「待たせてごめんね。これから色々と決め事があるから始めるよ。そこに座って」 凪沙先生が指差した方向には陽が差し込む大きな窓と、その前にソファが置いてあった。 凪沙先生と向かい合うように三人で並んで座る。 そして凪沙先生はどこからか大量に資料をテーブルの上に置いた。 「それじゃあ、始めるよ。まずは、三人には学校の1日の流れを理解してもらうよ。基本は9時から4時までが学校の時間だよ。そのあとが部活、もしくはフリータイムに入る。まぁ、6時ぐらいまでだけど。三人はどうする?」 そう言うと、凪沙先生は部活の紙とフリータイムの説明書を渡してきた。 なになに、色々と部活が揃ってるんだ。凪沙先生の言い方だと、部活に入らなくても良いのか。 「フリータイムって何?」 洸夢が口を開いた。 「フリータイムは、自由に歩けるんだ。図書館に行くもよし、部屋で過ごすもよし。街を歩いて買い物をするもよし。普通に自由行動だね」 「ふーん」 「部活に入ったらフリータイムは過ごせないのか?」 陽太も凪沙先生に質問をする。 「そうだね。まぁ、どちらでも構わないよ。美雨は質問はないの?」 急に私に質問が飛んできたのでびっくりする。 「えーと、街に行くとしたときはどこまでが出て良い範囲なんですか?」 「まぁ、範囲はこの辺りかな」 学校の外を出て良い範囲が書いてある地図を見せてもらった。意外と広い。 「あとは質問はいいかな?そろそろ決めて欲しいんだけど」 「私は決まったよ」 「俺も」 「俺も」 三人ともフリータイムを選んだ。理由は様々だ。 私は図書館や街を歩きたかったから。洸夢は探索をしたかったから。陽太は部屋で過ごしたかったから。 凪沙先生から聞いた話は、大体学校の内容だけだった。そして、『最後に』とあるものが私たちに渡された。 「これは、大切なものだ。絶対に離さないでね」 そう言われて渡されたものは、三人とも違った。 「美雨にはブレスレット。洸夢にはネックレス。陽太には指輪ね」 「ちょ、ちょっと待て!」 「何?どうしたの?」 陽太が凪沙先生を止める。 「なんで俺、指輪なの!俺はブレスレットがいい!」 呆れたような顔をしながら洸夢は陽太を見る。凪沙先生はニコニコと笑って言った。 「まぁ、そう言わないで。色々と理由があってそれなんだから」 理由?こんなものに理由なんてものはあるのか。 そっと、自分に渡されたブレスレットを見る。 そこにはさっきも見たリングのマークがついている普通のブレスレットだ。 「見ての通り普通のアクセサリーだよね」 私の心の声を読んだように話を始める。 「でも、ここは探偵学校だ。普通の人に情報を渡すことはできない。だから、“普通”に見せかけたアクセサリーになっているんだよ」 「普通に見せかけた?」 「そう」 返事をした凪沙先生は手を出し、自分の手袋についている宝石のようなものを見せてくる。 なんだろう?と思って見ていたら洸夢が口を開いた。 「これもリングが作ったもの?俺たちと全然違う感じだけど」 あはは、と笑って凪沙先生が話をする。 「ま、僕は先生だからね。リングの全体の情報をちゃんと管理しないといけないし。あ、ここを見ててね」 凪沙先生は宝石のようなものに軽く触ると画面が出てくる。 おお、と三人で声を出して見惚れる。 「これを使うことでデータを見ることができたり、個人の長所を生かしたこともできるんだ」 「え、長所を生かしたこと?」 「そう。例えば、美雨のブレスレット。君はよく本を持つだろう?それで君が本の記憶したことを口で話すよりも、そのブレスレットが記録したことをそのまま他人に伝える事ができるんだ」 ⁉︎そんな事ができるんだ。それの方が楽でいい。「百聞は一見にしかず」というように私がいつも口で話してもなかなか理解されることがなかったからとても楽だ。 「嬉しいって顔をしているね。じゃあ、次は洸夢だね。洸夢は2人みたいに特殊な力はない。だから、勝手にデータとして残せるように君の首にかけて記録できるようにする。それと−」 その後は聞こえなかった。なぜなら、凪沙先生が洸夢の隣にきて、洸夢にしか聞こえない声話したからだ。 多分、洸夢も何かを隠している。陽太も、そして私もだ。 「さて、じゃあ、説明を終わ−」 「ちょっと!俺の指輪の説明は⁉︎」 「え?」

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天才探偵学校 ー セイクレア

生きることへの疲れ

今日も毎日疲れが溜まる 今日も毎日ストレスが溜まる 生きる意味がわからない 〇〇だから仕方ない 〇〇だからやらないといけない そんなこと言われたって無理に決まっている どんだけ我慢しても我慢を増やしてしまう 休む?そんなことできてたら苦労しない あぁ、疲れたよ

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天才探偵学校 番外編 ーセイクレアの自己紹介ー

(美雨の自己紹介) こんにちは、星美雨です。 特技は、全てを記憶することです。 趣味は、空を見ることとです。寝るのも好きです。朝に弱いです。 よろしくお願いします。 (洸夢の自己紹介) こんにちは、白旗洸夢です。 特技はないです。 趣味は人間観察です。美雨の寝顔を眺めるのと、陽太のパソコンをいじることです。 よろしくお願いします。 (陽太の自己紹介) こんにちは〜森田陽太です。 特技は、いっぱい書かれてある文字を瞬時に読むことと……あ、あとはまだ言えません。 趣味は、パソコンを使うこと。(なんかいつも勝手にパソコンのロックが開いているのは不思議だけど)あと、ゲームもよくやる! よろしく!

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天才探偵学校 番外編 ーセイクレアの自己紹介ー

我慢をする理由

辛いと思う人はたくさんいる。 その辛さを発散することができない人もたくさんいる。 そんな毎日でもずっとストレスは溜まっていく。 それをずっと我慢している。 辛いのに、苦しいのに我慢をする。 誰かに言われる「我慢しないで」 そんなこと言われなくてもわかっている。でも、 我慢しないと無理なんだ。 結局無理をして苦しんでしまう。 『どうすれば我慢しなくなる?苦しくなくなる?』 誰かに聞く。 「言いたいことを言えばいい」 言えないから、無理だから困っているのに。 もう、わからないよ! そう、叫んで苦しんで辛いと思ってしまう。

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我慢をする理由

天才探偵学校 番外編 ーセイクレアの噂ー

セイクレアの三人が校長先生に案内をされている時に他の生徒たちは三人のことを見ていた。 そして、外交的なグループは他のグループと交流し、内向的なグループはセイクレアの性格や特徴をグループ内で話していた。 「ねぇねぇ、入ってきた三人の中の男子たちイケメンじゃない!」 「あ、それは思った。かっこいいよね」 「いや、女子も可愛かったぞ」 「それな」 たくさんのグループが交流できる場所に一位のグループであるスターメトリがやってきた。 このグループは外交的なグループでは無いためその場にいた人たちは驚いてしまった。 その中の1人である風明の双子の姉である子が口を開いた。 「あのグループは危険。油断できない」 「「え?」」 急に言った言葉は全体に広がった。 「雷明ちゃん、それはどういうことなん?」 そう、双子の姉の名前は雷明(らいあ)という。 雷明は首にかけていたネックレスを掴み、手をかざす。そうすると資料が出てきた。 「星美雨。この人は全てを記憶するハイパーサイメシア」 「「!?」」 「嘘だろ、マジかよ」 「次に白旗洸夢。この人は資料に書いてないけど多分ギフテッド。隙がないね」 1人で話を進めていく雷明にみんなは視線を送りながらコソコソと話を進める。 「最後に森田陽太。多分この中で1番知識は低い」 「じゃさ、雷明はこの3人が入ったことをどう思ってるの?」 雷明と同じグループの男子が話をする。 「風明と同じ学校で色々と話は聞いているけど、私たちも油断すると一位を取られるかもしれない」 「「!!!!」」 その場にいた全員が固まってしまった。 「あくまで可能性の話なんでしょ?じゃあだいじょぶやん」 雷明と同じグループの女子も話に入る。 「うん」 その後、学校にはセイクレアの噂は広まった。

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天才探偵学校 番外編 ーセイクレアの噂ー

謎が多い科学者

ーある王国には噂があった。王国の王女様が失踪したという。それから三年が経とうとしていた。一体王女様はどこへ行ったのかー 「という記事が届いたんだけど、リリアは知ってる?」 僕はユウ。貴族や王族などという身分が高い人たちとは程遠い存在の平民だ。そして、ココアを飲んで僕の質問に吹きだしているのがリリアという一つ上の科学者だ。 「知らないよ〜」 この人が科学者なんて僕は思いたくないな。僕たちは小さな細い通りの中にある研究室で研究をしている。その研究とは、生物についての研究だった。生き物にはなぜ寿命があるのか。どうして生きる使命があるのか。などを研究していた。 まぁ、僕はほぼ助手のような感じなんだけど。 リリアと会ったのはちょうど三年前。路地裏で寝ていた彼女を助けたところから始まった。 リリアの格好はとても身分が低いように思えなかったが、ボロボロのワンピースを着ていたため、身分が高いとも思えなかった。 それから彼女が研究をしていると聞き、僕らの研究生活が始まった。 「ユウ。マカロン買ってきて」 「え?さっきもチョコレートを二箱も食べたでしょ?もう糖分はダメだよ?」 するとリリアはこちらに近づいてきた。 「ダメ?脳を働かせるには糖分が大切なのに?」 こんな目で見られて断れる人はいるのだろうか?「ダメ」ときっぱり断ることができる者はいるのだろうか。 「わかったよ。一つだけだよ」 結局甘やかしてしまう。いつもはフワフワと抜けている所があるが、研究が始まると周りがとても見えなくなってしまう子だ。 はぁ、とため息をついてから僕は外に出てマカロンを買いに行った。 「やぁユウくん。今日もリリアちゃんのお使いかい?」 「こんにちはおばさん。聞いてよ!リリアさ、チョコレートを二箱食べたのにマカロンを買ってこいって言うんだよ!ひどくない?」 「あはは、今日も仲良いね」 おばさんが笑いながらマカロンを手を足してくれた。 僕は「ありがとう」と言いながら研究室に戻るために歩き出した。 そこである異変に気づいた。 不思議な服装をした人たちがウロウロと歩き回っている。剣を腰に当てて、綺麗な服を着ているため騎士だと思った。 「なんでこんなところに」 僕は不思議に思ったが、すぐにリリアの元へ戻った。 「あ、遅いよ!クッキー食べるところしたじゃん!」 「遅いじゃないよ。クッキーは食べても良いけど、マカロンは僕がもらうからね?」 ええ、と驚いたような表情でマカロンを手から奪い取るリリアを見て僕は笑ってしまった。

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謎が多い科学者

笑うピエロはいつも辛い

「キャハハ……キャーハハハ」 いつものように観客が笑っている。僕もいつものように演技をする。 仮面をつけて女のピエロをいつも以上に演じる。 「いかがだったでしょーか!回るゾウは楽しんでいただけたでしょーか!」 パチパチと拍手が鳴り、観客たちが大声で笑って立ち上がる。 『流石はピエロのルーヤ!可愛らしいなぁ!』 『やっぱりきて良かったわね!』 観客たちが喜んでいる。 「最後のメインパフォーマンスは〜!私の〜空中綱渡りでございまーす!」 最後にしてはピッタリだと思うパフォーマンス。 みんなはそれを期待する。僕はその期待という名のプレッシャーを感じながらパフォーマンスを始める。 怖い。でも、喜ばせなくちゃ。 『いいかい?ルーヤ。お前はピエロになると決まっている。たとえ怖い壁が襲ってきても笑顔を崩してはいけないんだ。わかるかい?』 『いいえ。わかりません』 『それはなー』 ー笑いを崩せば観客は笑顔を無くしてしまうー そう父さんに教わってきた。 僕は女のピエロとして観客を笑わす。笑顔にする。例え、怖くて恐ろしい壁が目の前にあったとしてもー ショーが終わった後に必ず向かう場所がある。それは、父さんの墓だった。 「父さん。また、失敗してしまったよ」 実際のパフォーマンスは成功した。だが、途中で笑顔を崩して無口になってしまった。 観客席からは動揺の動きが見えた。 そのあとは静かに反省会をしたが、 「僕は、父さんのように完璧な才能は持ってないよ」 気づいた時には父さんの前で弱音を吐いてしまった。 すると、一つの光と共に地面に手紙が置いてあった。そこには達筆な父さんの字が書いてあった。 “ルーヤへ”としか書かれていなかった。 あれ?と疑問に思った。この紙…昔、父さんがよくマジックとしてパフォーマンスで使っていた紙だ。 ということは、これも父さんのパフォーマンス? 僕はポケットの中からマッチを取り出す。そして、その手紙に火をつけた。 その火が通った場所から文字が浮かび上がる。そして『苦しいを超えろ』という言葉のみが書かれていた。 あぁ、僕は辛いと自覚していた。それを気づかないふりして笑顔で過ごしてた。ただ笑顔だけだと観客も飽きるに決まっている。 なら、僕が最高に楽しまなくちゃいけないんだ。 「ありがとう、父さん。苦しいを超えてみせるよ」 僕はそこから手紙を握りしめて練習場に向かった。

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笑うピエロはいつも辛い

天才探偵学校 ー セイクレア

凪沙先生が来る間、私たちは準備をしながら話をしていた。 「ねぇ、一つだけ気づいたことがあるんだけど言ってもいいかな?」 すると陽太と洸夢がこっちを見て、口を開いた。 「俺もあるぞ」 「俺も一つある」 二人も何か気づいたことがあるのかと思い、一人ずつ話すことになった。 「私から話すけどさ、最初に来た時に、学園長の頭の中には全ての情報が入っているって凪沙先生言っていたよね?あれって私と同じハイパーサイメシアなのかな?」 私の発言に陽太は驚き、洸夢は首を傾げた。 「その可能性は低いと思う。ハイパーサイメシアは数が少ない。あの学園長は40代ぐらいだから、登録されていてもおかしくないはずだ。でも、日本の情報には学園長の名前は載っていなかったから多分違う種類の記憶力だ」 た、確かに。洸夢が言うと説得力あるなぁ。なんか嫌だけど。 まぁ、後々わかればいいか。 すると陽太が手を挙げた。 「その学園長なんだけどさ、凪沙先生と学園長って血が繋がっているんじゃね?」 たしかによく考えると凪沙先生も学園長も「皇」という名字だ。 学園長も何らかの能力があるとすると、血が繋がっていると思えば私達の能力に気づく何らかの能力があることに納得がいく。 「有り得るね。凪沙先生の能力は何かわからないけれど、二人のオーラが似ていたしね」 これはただの勘だ。でも、雰囲気が似ていたことは本当だった。 そして、最後に洸夢の気づいたことを聞く。 「俺が気づいたことなんだけど、あの少女。風明の双子の姉じゃないか?」 『!?』 いやいや、有り得ない。そうだとしたら、風明ちゃんも知って……いや、待って。確か風明ちゃんが言っていたような。 《天才になることは私には無理だった》あの言葉ってもしかして。 「陽太。小学校って風明ちゃんと同じだったよね?」 「あぁ。そうだけど、確か双子の姉は病院で入院してるって言っていた気が…あ、そっか」 「そうだ。もしもその双子の姉は障害を持っている天才だとしたら、入院生活が退屈でここに来たのなら」 「風明ちゃんはどうしてもここに来たかったってことか」 そこでやっと気づいた。風明ちゃんはここに来たかった理由。天才になりたかった理由。 もしかして会いたかっただけなのかな? その時、扉の方からコンコンとノックをされた。 「やぁ、待たせたね。僕だよ。担任の凪沙だよ。入るね〜」

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天才探偵学校 ー セイクレア

生きる選択を

ーわからない自分ー 学校に着く。本来なら5分もかからないが、20分もかかってしまった。 毎日足が重たいまま校舎に向かう。 『おはようございます!!』 今日も生徒会の人たちが挨拶運動をしている。その中には星輝がいる。 笑顔を作らなきゃ…… 「おはようございます!」 笑顔のまま中に入った。 「おはよぉー喜空」 「おはよ真里(まり)」 違う小学校から来た人ともちゃんと話せている。大丈夫だ。 でも、『帰りたい』という言葉しか頭にはなかった。 今日は珍しく早く帰れる。でも、家に帰るのも憂鬱だった。どこかに行けたらいいのに。 そう思いながら自転車を押していた。フラフラと歩いている。 『危ない!!!!』 …………え? 「「ガッシャーン」」 な、なに? 「びっくりした、悪い悪い」 「青(せい)?」 ぶつかってきたのは青季(せいき)だった。 「どうしたの?帰る方向逆じゃない?」 「あーそうなんだけどよ、羽生(うい)の奴に返さないといけねえものがあったんだよ」 羽生…久しぶりに聞いた。 「……そうなんだ」 あれ?でも、羽生の家はこっちじゃないのに? 「本当に羽生のところに行こうとしてた?なら、家はこっちじゃないよ?」 青季は驚いた顔でこちらを見ている。 「まぁ、そう思うよな?陸矢(りくや)の家にいるらしいんだよ。俺は行くな!じゃ」 一瞬にして青季はいなくなってしまった。 嵐みたいだった。 あんな風に元気に過ごせたらいいのに……。 そうしたら、何も考えずに楽しく過ごせるかな? でも、今の私は、楽しいも嬉しいも面白いも悲しいも感情はないと思う。 《憂鬱》その言葉しか頭になたった。 毎日同じことの繰り返し。私の心なんかわからなかった。 何がしたい? 〔わからない〕 何を食べたい? 〔わからない〕 どこに行きたい? 〔わからない〕 わからないことだらけだ。やりたいことも食べたい物も行きたい場所も全てがわからなかった。 人は絶望すると絶望の壁から登れなくなる。 私は、もう登るのを諦めてしまった。

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生きる選択を

ガーナ・ウォーリー

今日から一ヶ月間王宮に行くことになった。 この国の王女様、リール・ユーナ殿下のところで私たちがしていた暮らしを話すだけで500マイルを下さると話してくれた。 私とナギ兄とセイル兄は朝早くに起きて準備をしていた。 「き、緊張してきた。2人は平気なの?」 風の力で髪を乾かしていたセイル兄がこっちを見て笑った。 「ま、緊張はしねぇよ。昨日だって緊張しなかったからな」 あ、確かに。しかも王女様にタメ口を聞いていたからな。 「ナギ兄は?」 「僕は王女様に会ってないからわからないかな。少しだけ緊張はしているよ……って、ガーナ?目が段々と閉じてきてるよ」 ………あ、確かに、やっぱ眠たい。 「ちょっと待ってね?能力使うから目を閉じて」 ナギ兄に言われた通りに目を閉じる。その瞬間、目が急に覚めた。 「さっすがナギ兄だな!俺にもやってくれよ!」 「はいはい」 セイル兄もナギ兄に目を覚ましてもらっていた。 「ねぇなんでセイル兄も目を覚ましてもらってるの?」 セイル兄は目が覚めるのはとても早かったはずなのに。 「ナギ兄の力をもらうと元気になるんだよ。お前、毎回やってもらっていたのに知らなかったのか!?」 「う、うん」 知らなかった。いつも眠たいとしか思わなかった。 そう話しているうちに教会の鐘の音が聞こえてきた。 「さ、約束の時間に間に合うように早くご飯を食べて行こう?」 ー王宮の中ー 「リール、なんか楽しそうだな」 ゆっくりと廊下を歩きながら鼻歌を歌っていたリール王女が振り返る。 「あ、お兄様。そうなんですよ。今日から一ヶ月間も、神に愛された孤児院育ちの方々が経験談を話してくださるんですよ!私とっても楽しみで!」 「リール。知らないもの達を王宮に入れるのか!」 「知らない者達ではございません。民たちの命を守った勇敢な方々です」 リール王女の真剣な眼差しを見て、ため息をつく。 「なら、俺も同行してもいいか?」 兄妹で話をしていた時、侍女長がリール王女を呼ぶ。 「リール様。お客様方がおいでになられました。どういたしましょうか?」 「あ、客間に連れて行って?あとは、カインドをお出しして?私は後から行くわ」 「承知いたしました」 去っていく侍女長を兄妹で見ていた。 振り返ったリール王女は兄と笑顔で向かい合う。 「ついてくるならお好きにしてください。ただし、お父様から許可をいただいているので勝手な行動は控えてくださいね」 ー客間ー 落ち着かない。とても落ち着かない。 「リール様は後からいらっしゃいますのでどうぞくつろいでいてください」 侍女長と名乗る方が紅茶と不思議なお菓子を目の前に出してきた。 「あの、すみません。このお菓子はなんでしょうか」 ナギ兄が代わりに質問してくれた。 「これはカインドという物でございます。とても甘いですが美味しく、リール様のお気に入りのお菓子でございます」 リール王女様のお気に入り?こ、これは食べないと失礼だよね? 「い、いただきます」 一口フォークですくって食べてみる。瞬間、口の中で溶け始めた。 「甘い………」 「そうだな」 「あぁ」 全員が同じ反応をしたため、周りにいた人たちが驚いていた。 「あ、すみません。とても甘くて美味しかったのでつい…」 「いえ、美味しいと言っていただきありがとうございます」 すると、コンコンと扉の音が鳴った。 「失礼します。遅れてごめんなさい」 入ってきたのはリール王女様と赤髪と赤い瞳の男性だった。 「紹介します。こちらは私の兄のルイ・ユーナ王太子です」 王太子?なんでここに?というか、お兄様がいただなんて。 「あ、自己紹介が遅れてすみません。ルイ殿下。私は水霊のガーナ・ウォーリーと申します。あとは、」 「風霊のセイル・ナイトです」 「光霊のナギ・ギタルです」 三人一斉に頭を下げる。二人も王太子が来るとは予想をしていなかったため、顔が険しかった。 「よい、頭をあげよ。今日はリールの付き添いできた。もしも貴様らが危害を加えた時にリールの身を守るためにな」 「お兄様。勝手なことを言わないでください。この方々は民の命を助けた方々だと言ったではありませんか」 二人の会話が、どこか孤児院にいた時の会話に似ていた気がした。 「あ、では、お話を聞いても宜しいでしょうか?」 その後、私たちはリール様とルイ様の前でたくさんの話をした。 それから一ヶ月が経とうとしていた時、あるお話を耳にした。 [おまけ]リール・ユーナへの質問コーナー 名前は? 【リール・ユーナです】 年齢は? 【15歳です】 好きなものは? 【カインドが大好きです】 ルイ・ユーナについてどう思う? 【お兄様ですか?お兄様は尊敬していますが、私はあまり好きとは思いません】

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