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黄泉VS京夜

『先生ラミアちゃん達大丈夫かな?』 工藤さんは心配そうに校長に質問した。 『大丈夫よ。黄泉ちゃんが付いてるんだから それにあの子はあの中の誰よりも強い』 『それでは行くぞ!』 そうして黄泉さんは俺との距離を詰めて、 手に持っていたクナイで攻撃した。 『おっと……やはり速いですね』 俺は後ろに飛び攻撃を避けた。 『これならどうかな?』 すると黄泉さんはくないを投げてきた。 『これくらいなら避けるのは簡単です』 それをまた避けたが俺の視界から 黄泉さんは消え、横から声が聞こえた。 『それはちゃんと相手を見てから 言った方がいいぞ』 黄泉さんはそこからクナイで 腹を刺しにきたがそれと避けた。 『これも避けられるのか…… 先ほど言ったことは訂正しよう 君はラミアちゃんより楽しめる』 『喜んでもらえて光栄ですが、 この勝負いつ終わるんですか?』 『私が疲れるか、君に攻撃が当たるまでだ』 『面倒くさ……』 俺を小さな声でそう答えると クナイを俺の顔の横を通るように投げ 『何か言ったか?』 と脅すような感じで質問してきた。 『いえ……何も言っていませんよ』 『なら良い……もっと楽しもうこの時間を!』 その後数時間俺と黄泉さんの攻防は続いたが、 一向に決着がつかなかったが、 その時は訪れた。 『そろそろ人間の体力ではキツくなってませんか?』 俺は汗を拭いながら黄泉さんに聞いた。 『そ、それは、じょ、冗談で、 い、言ってるんだよね?わ、私は ま、まだ全…然…た、たのしめ…るよ…』 黄泉さんは立っているのでやっとの状況だった。 そしてふらつきながら歩いていたが、 数歩歩いてから力尽きるように倒れ込んだ。 『終わった……』 そう言葉を漏らしこの場に座り込んだら、 黄泉さんの顔が見えた。 満足そうに笑っていた。 それを見て俺は負けたと感じた。 『なぜですか……どうして……理解できません… あなたなら気配を完全に消して俺に攻撃を当てられたのに』 俺は本気ではない黄泉さんに勝ったけど、 俺は避けるのですら能力を使わないと無理だった。 『勝負に勝ったけど本当に命の取り合いだったら……負けていた』

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はいその通りです

『それは俺と旦那様つまり黄泉さんあなたの父との契約で得た旦那様の能力です。 内容は先程黄泉さんがおっしゃった通りです』 『これお父さんのやつなんだ』 そう言って黄泉は刀を振り下ろした。 『契約内容は白波玉楼、服部命 (ハットリ ミコト)2人はその命が尽きるまで 服部黄泉を守ること』 『どうりで私怪我も病気もしないわけだ』 『そりゃ〜黄泉さんに傷が一つでもついたら、 俺と旦那様は死んでしまいますから 常に俺と旦那様能力を発動させてるんです』 『黄泉さんが能力を使ってるのではなく、 あくまでも黄泉さんの父親の能力って事か… しかも契約内容的に黄泉さんは守られているから実質的にダメージは0…無理ゲーじゃん』 『そっか……ならわたしとやらなければこの場でラミアちゃんの首を落とす』 そう言うと黄泉さんは持っている刀を ラミアの首に向けた。 『わかりました。やります…… けどどうやって決着つけますか? あなたには現時点では基本的にダメージはないので、俺があなたの攻撃を避け続けるならどうでしょう?』 『は?君が私に攻撃が与えられるとでも?』 『はい、その通りです。』 『君は吸血鬼になったばかりだから ラミアちゃんより危険度が低い』 『ラミアは現状ダルマの状態で動くことすらできないです…… 危険度で言うのであれば俺の方が上です…… それにあなたに傷がついたら玉楼が死ぬ 友達は殺したくない』 京夜は黄泉さんの目をまっすぐ見て話した。 『わかったよ!従うよだけど攻撃がかすりでもしたら私の勝ちだからな!』 『ではそれでお願いします』 そうして黄泉さんと俺は10メートルほど離れた

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参拾弐話 俺が説明するからとりあえず落ち着け〜

『さて……やろうか』 『なんじゃ?殺しあえばいいのか?』 そう言って2人は構えた。 『それは実に楽しそうだけど、 まだ君達を殺したくはないな』 『ではどう決着をつけるんじゃ?』 『どちらかが戦闘不能または、降参するまでとかはどうかな?』 『お主がそれで良いなら良い』 『決まりだね』 そうして2人は向かいかって戦闘態勢に入った。 『どこからでもいいよ』 と黄泉さんがラミアへ声をかけると同時に ラミアは黄泉さんとの距離を詰めた。 しかし黄泉さんは軽くラミアの攻撃を避けた。 『君の本気はそんなものではないだろ? ラミア・バトリー』 その後もラミアが攻撃を繰り返すも 黄泉さんは全ての攻撃をかわしている。 『教会から聞いている君の力からすると もっと楽しめる物だと思っていたけど…… この程度とは……興削がれてしまう』 するとラミアの攻撃の手が止まった。 『何を勘違いしておる?これは準備運動だ』 『そうでなくては面白くない!』 そうして黄泉さんは所持しているクナイを ラミアへ突き刺したが、ラミアは手で受けためたと思ったが、手には触れずに謎の液体が手を纏いそれでクナイを掴んでいた。 『私にはよく分からぬがこれは 濃硫酸と言う奴らしい。 そしてこれは私の意志で温度を調節できる』 『濃硫酸?それ私触れたらやばい奴じゃないか……』 『カミラから濃硫酸は熱したら銀を溶かせると聞いたから試してみたのじゃが、 これが私の能力か…… 嫌なものを思い出してしまう』 そう言ってラミアはクナイを黄泉さんから 取り上げて纏っていた濃硫酸と一緒に投げ捨てた。 『さて第二ラウンドを始めようか!』 黄泉さんの声と同時にラミアの腕と足が 飛ばされ、ラミアはそのまま倒れて、 黄泉さんは手に刀を持っていた。 『え?』 『あーあ出てきちゃったよ。 油断は良くないよ。 それに四肢の再生は流石に時間がかかる つまり戦闘不能により私の勝ちだ』 そして黄泉さんに首根っこを掴まれ、 ラミアが運ばれてきた。 『玉楼開けてくれ』 『了解です』 そう玉楼が返答すると壁に穴が開き、 ラミアを中に入れた。 『どこから出したその刀』 『あーこれね。 これは私の体の周辺に危険な 物体、気体、液体それとは別に危険度が 一定以上になると勝手に出て、 その元となってるものを 物質なら切って消す、気体、液体なら元を切って閉じさせ、危険度なら危険そのものを 切って消滅させる』 『という事お主も吸血鬼という事なのか』 『私?私は人間だよ』 『待ってください!その刀はどう考えても 能力の類ですよ!』 と俺は黄泉さんに詰め寄ったが 『と言われても私人間だからなー』 と黄泉さんは少し困った様子だったが、 玉楼が間に入り、 『俺が説明するからとりあえず落ち着け〜』 そうして玉楼は語り出した。

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参拾壱話 なんだよそれすっげー嫌なんだけど

『ラミア……なんだその格好は』 少し時間が経ってからラミアと校長が着いたが、 ラミアは家から出てきた時の服とは別な服を着ていた。 『ジロジロ見るでない!』 『ラミアさんは時間内にたどり着けなかったので、 メイド服を着てもらいました』 『ちょっと待て……もし俺が捕まっていたら』 『京夜君には執事の格好をして一日中 私のご奉仕を頼む予定でしたが残念です』 『そ、そうですか』 そして数分後に玉楼と黄泉さんが着いた。 『ほほうこれはいいですな〜玉楼どの〜』 『そうですな〜黄泉どの〜』 とラミアの姿を見た2人はなんか怪しげな反応をしていた。 『ラミアちゃん今日から私の家で働かない?メイドとして』 『断る!なぜ私が人間の下で働かねばならんのだ!』 そして集合時間ギリギリに工藤さんが着いた。 『ラミアさん……どうしたの?その服?』 他の2人とは別できちんと疑問を持ってくれた。 『こ、これは……カミラに無理やり……』 『先生が?』 『ちょっと色々ありまして……』 『まぁいいですよ。可愛いから』 『お、お主まで何を言っておる!』 『え?だって可愛いよね?』 と工藤さんが俺の方を見てそんなことを聞いてきた。 『ん〜』 俺はラミアの全体を見たがあんまり可愛いとは思わなかったが、 死んだじっちゃんも言ってた。最後の方の言葉は忘れたが、 『婆さんの服が似合ってなくてもこれを 言えば解決だ。それは……』 『まさに馬子にも衣装だな!』 そう言った途端辺りが凍りついた。 『ま……ご?それはどう言った意味だ?』 と校長にラミアが質問すると 『元の意味は下賎な者でも立派な衣装を着ると 立派な人に見えると言った意味です』 『なるほど……下賎な者か』 じっちゃん……なるほど思い出したよ。 『その後は婆さんに半殺しにされてたわい』 と言っていたことにそして、 顔面に強烈な一撃が入った事は言うまでも…ないだろう 『これは京夜が悪い』 『これは後輩君が悪いね』 『京夜君が悪い』 『京夜君が悪いですね』 『悪かったよ。ラミア言葉が違っていた』 『ほほう?では何と言おうとしていなんじゃ?』 『可愛くはないが、似合っている』 『それはどっちなんじゃ?褒めてるのか? 貶しているのか?』 『さぁ〜どっちだろうな。』そう言って俺は立ち上がった。 『では遊びはここまでにして、 廃墟探索といこうではないか!』 と黄泉さんが提案した。 『ところでここが廃墟になった理由は何じゃ?』 『ここは元々レストランだったんだけど、 バブル崩壊と共に経営が破綻し、閉店した』 『なんかよく聞くような話ですね』 『だが、ここの土地を買って別な店を建てようとしないのか不思議じゃな』 『その理由は夜な夜なこの廃墟で、 男の声が聞こえた、入った人が行方不明になった、土地を買おうとしたものが原因不明の病で死んだと言った噂があって、 誰も近づきもしないし、土地を買おうとする人がいなくなって放置されている』 と黄泉さんが説明をし、 俺と工藤さんは怖がっていたが、 ラミアだけは動じていない様子だった。 『それで何が怖いんじゃ?』 『噂ではなく、雰囲気がやばいんだよ』 『私は吸血鬼じゃぞ? 基本的には夜行動するから、 こんなの昼間に見る壊れた建物と変わらんよ』 とラミアが当たり前と言わんばかりに説明したところで黄泉さんがくじのような物を取り出した。 『今からこれを引いて同じ色の人と 三人組を作ってもらう』 『なら俺はこれ〜』 と言って玉楼が先に引くと各々 くじを引いていった。 『組み合わせは無色で私と後輩君ラミアちゃん。赤で先生と玉楼と悠ちゃん』 と組み合わせはが決まった所で、 ここでやることを黄泉さんから説明された。 『このレストランを一周して、 入り口に戻ってくるだけ 戻って来たら、次の組が出発と言った感じ』 『ならどちらが先に行きますか?』 と俺が黄泉さんに質問したら 『無論部長である私がいる方が先だ』 と振り返り目を輝かせて答えたが、 『なら早く行くぞ』 と言ってラミアは先に入って行き、 それを追いかけるように俺と黄泉さんが 入っていった。 レストランに入って、ホールらしき場所に着き、 周りを見渡したが、木のテーブルは朽ち果てており、 触れただけで崩れそう、 それに柱にもヒビが入って、 いつ建物が壊れてもおかしくはない と観察していると黄泉さんが 『さてとここら辺でいいかな?』 と言って後ろをついて歩いていた 俺とラミアの方に振り向き、 懐からクナイらしき物を2本取り出し、 投げて来たが、俺とラミアは回避をせずに そのクナイを手で受け止めた。 しかし触れた瞬間焼けるような痛みが、 手から全身に伝わり、クナイから手を離した。 『なるほど……銀か……いい趣味をしてるではないか……オカルト娘』 『銀ってこんなに痛いんだな…… 内側と外側両方から同時に焼かれたと思ったよ』 『そうでしょ!いい趣味してるでしょ』 となぜか嬉しそうにしていた。 『これは全て銀の素材でできているクナイ 普通の人間にはなんとも無いけど、 君達は普通では無いからね』 『俺達は吸血鬼で普通では無いけど、 銀のクナイを太ももに仕込ませている人も 普通では無いと思いますが?』 『そうだね……私は普通では無い…… でもこの気持ちはもう抑えられない!』 『何言ってるんですか! 落ち着いてください! やり合うにしても数的不利です!』 『それはどうかな?京夜』 後ろから知ってる奴の声がしたと思ったら、 瞬間謎の壁ができた。 『なんだよ……これ そして……玉露……どうしてここに…… 工藤さんと校長は?』 『この壁は俺の能力。 そしてあの2人は外で待ってもらってる。 理由を話したら、わかってくれた。』 『能力って事はなるほど、 お前もこっち側だったわけだ』 『そう言う事だ』 『黄泉さんが言ってた気持ちってなんだ?』 『あーそれはねー何というか見ていれば分かる』 『なんだ歯切り悪いな』 『あの人は俗に言うバトルジャンキーなんだ』 『要するに俺達と闘いたいからここに来たと?』 『そう言うこと。ラミアちゃんが終わったら、多分次はお前だ』 『何だよそれすっげー嫌なんだけど』

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参拾話 私が弱い?

俺が夕飯を作っているとリビングから 『京夜〜私まだお主の血を飲んでいないのじゃが……』 とラミアが死にそうな声で話しかけてきた。 『お前から得られる情報が無さすぎる だから俺は考えた信用するか、 ためになる情報を話せば俺の血をやってもいいと』 『なるほど……ためになる情報……』 とラミアが考えているうちに 俺は夕食が作り終わり、リビングで夕飯を食べていた。 『どうだ?なんかあったか?早くしないと 俺とお前一緒に死ぬぞ』と少し焦らせた。 するとラミアが何かを思い付いたかのように口を開いた。 『お主本当に人間なのか?』 『何を言い出すかと思えば……俺が人間かって? 人間を辞めさせた本人が言うか?』 『うむ……聞き方を変えよう。 お前の血が美味いと言っておるじゃろ?』 『よく分からないけどそうらしいな』 『でもその理由がわからないのじゃ…… 人間とは別の何かが混ざっている 味がする』 『別な何かってなんだよ?』 『人間の血の匂い、味と別の種の血の匂い、味がするけど その種が分からぬ』 『それにそんなの聞かれてもなー 俺の両親は人間だと思うし』 『なーいいだろー情報与えたではないか』 とラミアが近寄ってきたが、 その頭を押さえて接近を拒絶した。 『まさか今のでもらえるとでも?』 『ダメなのか?』 『ダメだ。今のは情報を与えたのではなく お前が俺に質問しただけだ』 『ならば……悠の下着の色……』 『詳しく』 俺は夕食を食べる手を止め、 頬杖をつく要領で、手で口元を隠した。 『お主もしかしなくても変……』 『違う……さぁ情報を……』 『悠……すまぬ……生きるためなのじゃ……』 ラミアはそのようは言葉を漏らし、 目に涙を浮かべながらそれを口にするのだった。 『なるほど……さぁ飲め』と首を見せたが ラミアはなぜが腕を持ち上げた。 『安心しろ……腕は首に比べて 噛みやすいから力も入る』 『と言いますと?』 『病院とかで注射するのが 下手な看護師とかおるじゃろ? あれの10倍は痛いと聞いたことがある』 『え?』 その瞬間俺は腕を思い切り噛まれ、 血を吸われた。 『いってーーーーーーーーー!』 そうして俺たちは食事を済ませ、 待ち合わせ場所へ向かった。 『ラミアさんや少しは手加減することが 出来んのですか?』 『お主が悪い』 『さいですか』 そんなことを話しながら歩いていると 目の前から校長が生えてきて 『京夜くん、ラミアさん本日から ちゃんとした修行を受けてもらいます』 『なんですか?植物ですか?』 『植物って……ただ影から出てきただけなのに』 『それで修行ってなんですか?』 『初めに会った時言いましたよね? 強くなってもらうって。 忘れていましたか?』 『京夜はともかく私はしなくても良いじゃろ』 『いいえ。ラミアさんあなたはまだ能力すら分かっていないし、 京夜くんよりも弱いです』 『1000年も生きてついに頭でもおかしくなったのか? カミラよ。 私が京夜より弱いわけがないじゃろ』 『あら、それなら』 そう言って校長は自分の人差し指と中指を ちぎり地面に捨てた。 『今から集合地点まで鬼ごっこをしましょう。 範囲はここから集合地点までの間ならどこに行ってもいいです。 しかし私の分身に捕まったり、 集合時間までに到着しなかったら あなた方の負けです。 私の分身は10秒後ここをスタートします。 では逃げてください』 その合図と同時に俺とラミアは 全力で集合地点へ走って向かった。 それにしても俺がラミアより強いって どう言うことだ? スピードはほとんど同じだけど、 それ以外はラミアが上な気がする。 能力の有無とかで変わる物なのか? などと考えていると後ろから 爆発するような音と同時に分身が動き始めた。 『うわー!待て待てあれは早すぎるって!』 『京……夜……私は……もう無理じゃ……』 ラミアはぜーぜーと息切れをしている。 おいおいこいつもしかして 全然体力ないのかよ! 『あー!もう仕方ないなー!ほら捕まれ!』 そうして俺はラミアに手を伸ばしたが、 その手を弾かれた。 『お主の手を借りるなど死んでも嫌じゃ』 『でもこのままじゃお前が捕まる』 『何か……勘違いして……おると思うが…… 私は……捕まったりは……しない』 『いや……どう見ても疲れている奴が 言っていいセリフじゃない』 『いいから早く行け』 そう言うとラミアは止まり後ろを 向いて止まった。 『おや?どうしたのですか?』 『一つ聞きたい私が京夜よりも弱いのは…… 本当なのか?』 『そうですね〜京夜くんは強い訳ではないですが、 少なくとも今のあなたには負けません』 『そうか……お主達はどうせ指から できているから、戦闘に関しては弱いはずだ。 だが、京夜よりは強い…… つまりお主達を倒せば、私の方が強い!』 『相変わらず、強さへの執着は凄まじいですね』 『お主達は本体のように治癒をすることはできない、 つまりただの身体能力が高い人間ってことであっておるな?』 『そうですね間違いはありません』 『ではお主らに捕まらず、殺したら勝ちだな』 『能力も分かっていないのに どうやって戦うんですか?』 『それにあなたは一度私に負けてるんですよ?』 『あの時の私よりも強くはなっている』 『しかしそれでも届きません』 『やってみなければ分からぬじゃろ!』 そう言ってラミアはカミラへ立ち向かっていった。 しかし、カミラは全ての攻撃を交わし、 ラミアへ攻撃を与えて、 ラミアはボロボロになっていた。 『立ってください。 あなたはコレで終わるような人ではありません』 『……』 『はぁ……時間切れです。 貴方達は周辺の警戒に行ってください』 そうしてカミラはラミアを抱き抱え陰に潜った。 『また……負けたんじゃな』 『負けましたね』 『やはりお主は強いな』 『そうですよ。私は強いです』 『全く少しは謙遜ってことを覚えた方が良いぞ』 まだ能力は分からぬが、 いつかこいつをぶっ倒す。 そう思うのであった。 『あ、あれ?まだ誰もきてなくない?』 そして京夜は集合時間より 30分早く着いてたのであった。

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第弐拾玖話 帰宅と過去と

玉楼は黄泉さんと 俺は工藤さんとラミアと一時帰宅した。 『玉楼……君はあのような女が好みなのか?』 黄泉さんがそんなことを言いながら足を止めた。 『なんですか?急に』 玉楼は振り返りながら質問を返した。 『だってさっきのお前満更でもなかった……』 『ラミアさんと工藤さんの事ですか?』 『そうだね』 『まぁ2人とも可愛いですから仕方ないですよ』 素気ない感じでそんなことを玉楼が返答すると 黄泉さんが『そうか…そう……だよな……』 と目に涙を浮かべ暗い顔になり俯いた。 『でも……先輩だったら……』 と顔を赤くし最後の方を誤魔化す感じで、 玉楼が言葉を付け足した。 それに反応する様に黄泉さんが 『私だったらどうかなるのか?』 と聞き返した。 『もうこの話終わらせませんか?』 『ダメだ。ちゃんと答えろ』 『理性がもたないです……』と玉楼が答えると 『な、ななななな何変なことを言ってるんだ!』 『あんたが言わせたんだろうが! あとどちらも男からしたら仕方ないと言うか……』 『そうか!そうなのかー私だったら 理性がもたないのかー』 黄泉さんは先ほどとは打って変わって すごく満足そうにしていたが、 他の人が聞いたら 勘違いしそうな事を大声で話していた。 一方その頃俺、ラミアは工藤さんを家へ送っていた。 『別に送らなくてもいいのに』 『先日襲われた奴が何を言っておる』 『でもまだ明るいし、人もいるから大丈夫だよ〜』 俺は後ろから2人の様子を見つつ、 辺りを警戒していたら、 よく知っている気配を感知した。 『あっ校長来る』 そうすると目の前に校長が現れ 『京夜くんきちんと先生をつけましょう』 そう注意された。 『それでなんの用ですか?』 『そうそうあなた達例の廃墟に行くらしいですね』 『なんで知ってるんですか……』 『なんでっ黄泉さんから聞きました』 そしてスマホの画面をこちらに見せてきた。 『先生!先生!さっきね玉楼に 私が近づいたら理性がもたないって 言われた!』と言った内容が見えた。 『あっ違いました。こちらです』 『ナチュラルに無かったことにしたいでください』 『今のは見てないそれでいいですね?』 『あっ……はい』 相変わらずこの人の殺気ヤバすぎるでしょ。 『よろしい』 そして改めて画面を見ると 『部員2人と他3人と夜噂の廃墟に行きます』と言ったメールがあった。 『それを聞くためだけに来たわけでは無いのだろう?』 ラミアは校長にそう聞いた。 最近ラミアの勘がたまにいい時がある。 『そうですが、あのラミアさんから 聞かれるとは…驚きました』 『それで他にないかあるんですか?』 工藤さんが質問すると 校長は工藤さんを指差し 『悠さんあなたにはハンターに なってもらいます』 『え?えーーーーーーー!』 『ちょ、ちょっと急に何を言ってるんですか!』 『そうじゃ!悠はハンターになれるほど 身体能力は高くない!』 俺とラミアは校長に反対したが、 『急ではなく色々調べた結果です』 と返された。 『クローンを使っていろいろ情報を調べていたら、 過去に陸上競技全種目で 新記録を出した女子中学生がいたらしいです。 その女子中学生の名前は工藤 悠 その記録の一例は100メートル走が 11秒04で1秒早かったら世界のトップアスリート並みです』 『人間にしては速いのー しかし悠がハンターになる理由には ならないじゃろ』 『まだ話は続きます。 その期待の女子中学生はその大会を最後に 大会に参加せず、観客席から大会の様子を 見ていたそうです。体のどこかを故障したのでは無いかと言った噂が流れていましたが、真実かは分かりません』 これで話は終わりか。俺がそう思うと 『なので連れて来ちゃいました』 と言って影の中から1人の女子高生を出した。 その瞬間俺はスマホを取り出し 『もしもし警察ですか?』と通報した時、 『違う!違うんです!通報は辞めてください!』 とあの校長が焦っていた。 なんかすごく面白いと思っていたら 電話の向こう側から 『事故ですか?事件ですか?』と聞こえた。 まぁ焦る校長を見れたしいいか。 『すみません、勘違いでした』 そう言って通話を切った。 『あ、灯(アカリ)?』 工藤さんは不思議そうにその女子に話しかけた。 『ひ、久しぶり悠……元気だった?』 『う、うん元気……灯は?』 『私も…元気』 とギクシャクした感じでお互い話していると 『感動の再会はここまでにして お話の続きをしましょうか。 灯さんなぜ悠さんは陸上競技をやめたのですか?』 『大会の後部員全員が悠が世界一の陸上選手になると思ってた……でも……ご、ごめ…… ごめん…ごめんなさい……』 何故か灯さんは泣きながら、 工藤さんに謝罪していた。 『後は私が話します』 そう言って工藤さんは話を続けた。 『大会が終わった後私はいつも通り ストレッチと着替えをしていました』 『今日の大会もすごかったね悠』 『まだまだだよ〜灯もすごかったじゃん』 『でもいつもボケーとしているから 心配だけど、あんなに動けるのを見てたら 大丈夫と思っちゃう』 そんな話をしていると 更衣室の扉の向こうから 『表彰式があるから早く着替えろよ』 と顧問の先生が声をかけた。 『はーい』 『相変わらずせっかちだね〜 まだ5分も経ってないのに』 私と灯は学校指定のジャージに着替え、 更衣室の外へ出た。 そうして表彰式が始まり、 『2位藤沢(フジサワ)灯』 『1位工藤 悠』 そうして1位の人から順に階段を登っていると 後ろで足を踏み外す音が聞こえたと思ったら 次の瞬間私も倒れ、膝を階段の角にぶつけ立てなくなった。 理由は前日に雨が降った際に残ってしまった 雨水で足が滑り転倒したとの事だった。 その後私は緊急搬送され、手術する事になった。 『膝蓋骨にヒビが入っています。 この状態では陸上競技はおろか、 歩くことも困難になるでしょう』 医師からそんな説明をされたが、 それ以降何も頭に入ってこなかった。 ただ陸上競技ができなくなる その事だけはわかった。 『それ以降私は部活を辞めることも出来ず、 観客席から競技を見守るしか出来なかった これが真相です。噂通りでしたが』 『そうじゃったか……』 『あれは事故なので、 仕方ないと思ってます。 だから灯も謝らなくていいの』 そう言って工藤さんは灯さんを 優しく抱きしめた。 『真相がわかったところで、 悠さんハンターになりませんか?』 『はん…え?なに?』 『ハンターです。吸血鬼ハンターです』 『先程も話した様に私は歩くことも困難…… こん…なん……』 そうして主張していた工藤さんだったが、 どう見ても普通に歩いている。 『ところで悠……杖はどうしたの? あなた杖が無いと歩けなかったはずじゃ』 『あれ?』 『おそらく一時的に吸血鬼になったせいで 膝が治ったんだと思いますよ。 あの電信柱まで少し走ってみてください』 そうして校長が指差した電信柱までは 100メートルあった。 『ラミアさん時間測ってもらっても いいですか?』 『なんでタイムを測るのがわしなんじゃ?』 『見てれば分かります』 そして指定された場所へラミアが立った。 『本当に治っているんですか?』 そう言いながら屈伸をしていた。 周りから見ても治っている様に見える 『治っていますよでも無理はしない様に 準備はいいですか?』 『はい』 『位置について……よーい……どん!』 そうするとクラウチングスタートで スタートしたと思ったら次の瞬間 ラミアの隣に工藤さんがいた。 『タイム……3秒03』 『え?』 『こ、これは想定外です』 『俺を含め周りが人間をやめてきてる』 と驚いていたが走った本人は 『あれ?もう着いたの?』 と物足りなさそうにしている。 そして校長が近き 『改めて、聞きます。 ハンターになりませんか?』 『その前に理由があるんですよね』 『あなたには素晴らしい身体能力があります。 しかし、それを存分に振るえる場所、 相手がそこにあると思いましたし、 自衛のためにも入った方が安全です。 それにお金もたくさん貰えます』 『そうでしたか』 『しかし、これは貴方がやりたくなければ やらなくてもいいものです』 『ハンターになれば、灯やお父さん、 お母さんを守れますか?』 『絶対と言った保証はできませんが、 ならないよりはなった方が安全です』 『ならやります』 『早いですね。では後日教会に行きますか』 そうして、工藤さんとラミア、校長が 戻って来た。 『話終わりましたか?』 『終わりました。 では帰宅して準備してくる様に』 そうして灯さんは校長と 工藤さんは家の近くまで来てたらしいので 1人で、俺とラミアは夕飯の食材を買って帰宅した。

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弐拾捌話 変態なのか?

『結構有名人だよ……なんで逆に知らないの』 と工藤さんが呆れている。 でも知らないものは仕方ない。 『つまり工藤さんはあの黄泉さんが 忍者の生まれ変わりだから俺の索敵 に引っ掛からなかったと言いたいの?』 『そうだと思ったけど……違った?』 『大元は合ってると思うけど、ちょっと違う……と思う』 と答えを濁した。 『なんじゃ?はっきりしないの〜』 『正直まだ使い慣れていないというか…… よく分かっていないんだよ』 ペーターとか言う吸血鬼とやり合った時は 気配が消えたと言うより超高速で範囲外に 逃げられただけだと思う。 けどあの人はおそらく範囲内にいた。 つまり、俺の索敵は完全に気配を消されたり、 俺が認識できないほど高速で動かれたら 意味をなくすと言うことになる。 とそんなことを考えていると黄泉さんが 『よし到着だ!ここが今日の活動拠点! まぁ実際の活動は夜からなんだけどね』 と連れてこられた場所は この町に住んでいる人なら誰でも知っている 心霊スポットだった。 その瞬間俺と工藤さんは顔を青くし、 『ちょ、ちょっと用事ができたのでこれで帰ります』 そう言って帰ろうとしたが、 『おーっとちょっとそれは困るな〜折角の新入部員なんだ』 と後ろから黄泉さんの声が聞こえたと思ったら 目の前に現れて『朝まで付き合ってもらうよ』と とても逃げられる様子じゃなかった。 『お前たち諦めろこの人はやると言ったら 止まらないし諦めない。 要するに諦めることを諦めろって奴だ』 と玉楼もほとんど諦めている様子でそう話した。 『マジかよ……』 と言うかこの人は足速すぎない? おそらくペーターよりも早いその上気配を完全に消せるとか 本当に人間か?この人? 『なんじゃ?帰るのか?』 とラミアは能天気にそう質問してきた。 『そうだね。ちゃんと活動するのは夜からだから、 家に帰って夕飯やお風呂を済ませた方がいいね』 『そうですね。 でも終わってからお風呂の方が良くないですか?』 と黄泉さんに質問すると 『なんだ?君は汗臭い複数の女の子と 夜遊びをするのが好きな変態なのか?』 そんなことを黄泉さんが口走ったせいで ラミアと工藤さんが俺から距離をとって 玉楼の後ろに行った。 『誤解されるようなことを言わないでください!』 『え?違うのかい?』 『違いますよ……だからそこの2人頼むから 俺から距離を置くのをやめてくれ…… それに今そいつの顔の方がやばい』 と先輩がが玉楼の方へ視線をを向けると 奴は鼻の下を伸ばしていた。 この時俺は思った 友達はきちんと選んで決めようと

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弐捨漆話 死かdeathどれがいい?

俺、ラミア、工藤さんは玉楼に 『今日の活動場所へ案内するよ』 そう説明され、ついて行ったが、 後にそれを誤った行動だったと理解するのに 時間を要することはなかった。 『活動場所って部室じゃないのか?』 と玉楼に質問すると 『基本はね…』と一息つき、 『でも面白いネタが見つかったから それが見つかった場所に 集まることになってるんだよ…… 帰ってもいいかな?』 と涙目になりながら少し不安になる様なことを 口走りやがった。 『そ、それって……こ、怖い……ば、場所なの?』 と工藤さんが怯えつつ玉楼へ質問した。 『うん……めちゃくちゃ怖い場所…… あの巨乳マフラーが考えつく場所だ』 と玉楼が工藤さんの質問に答えると 『ほほう?巨乳マフラーね? 玉楼?死とdeathどちらがいい?』 と後ろから声が聞こえ、後ろを振り返ると 黒髪ロングで首にはマフラーを巻いた 巨乳の女は笑顔だが、殺意剥き出しで立っていた。 『ぶ、部長〜これはこれはお日柄もよく〜』 と玉楼、後ろへ振り返りゴマスリを始めた。 『そうだな今日はいい天気だな…… ところで先ほどの質問の答えを聞こうか 死かdeathどちらかを選べ』 『え、え〜とですね〜部長…… き、今日は体験入部の……』 と玉楼が話したがその女は 『それは後で対応しよう。 で?死かdeathどちらか決まったか?』 と質問を返して来た。 相当ご立腹の様だ。 『あの〜選択肢と言った言葉は ご存じでしょうか?』 『それは母親の腹の中に置いて来た。 決めないのであれば、 どちらもと言うことでいいな?』 とその女は玉楼はへ質問した時、 『ぶ、部長!今日は一段とお美しいですね!』 と玉楼がこの修羅場でそのようなことを言ったが 女は『そ、そうか……今日はメイクを少し気合を入れたが、き、気づいてくれたのか……』 と頬を赤らめてそんなことを言った。 『先ほどの言葉も先輩とは別人の人です! お気になさらないよでください!』 と玉楼が説明したが、その女は満足そうに 『そうか!そうか!分かった!』 となぜか理解してくれた様だった。 『えっと……玉楼……その人は?』 『そうだった紹介するよ。 オカルト部部長の服部 黄泉 (ハットリ ヨミ)さん』 と紹介されたのでこちらも 『俺は鬼竜 京夜です。 今日は見学をしに来ました』 『わ、私は工藤 悠です』 『私は誇り高き吸血鬼!ラミア・バトリーじゃ!』と自己紹介をした。 すると服部さんが、 『へぇ〜君が噂の吸血鬼少女か〜』 とラミアに近づき顔をまじまじと見た。 『なんなんじゃ?人の顔をジロジロ見て?』 『いや〜吸血鬼を見たのが初めてだったのもで』 と半蔵さんは申し訳なさそうに後退り答えた。 『じゃあ自己紹介も終わったし 今日の活動場所へ移動しますか』 と玉楼が半蔵さんへ確認を取ると 『そうだな!向かうか!』 そうして俺たちは目的地へ向かって行った。 その道中で気になったことがあったから ラミアに聞いてみた。 『あの半蔵って人俺の気配察知に 引っ掛からなかった……お前は気づいていたか?』 『いいや……悔しいが声が聞こえるまで 存在その物がなかった……』 『たとえ吸血鬼で影移動しても 俺の気配察知は球体だから引っかかるはずだけど、 なんであの人は引っかからなかった?』 と俺とラミア2人で話していると工藤さんが 『2人とも知らないの?あの服部半蔵の子孫で 生まれ変わりとまで言われている黄泉先輩だよ?』 と言われたが、『知らない』と俺とラミアは答えるのであった。

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第弐捨陸話 いざオカルト部へ!

『工藤さんは?』 『悠なら寝ておる』 『そうか』 俺はひとまず安心した。 『そうじゃ……ここにいるか分からぬが、 今回のふざけな真似をした奴は、 必ず息の根を止めてやるから 頭を洗って待っておけ!』 その途端クラス中は静かになった。 え?頭?首じゃなくて?頭? なんで?と思ったが口に出すのは辞めて、 ここはラミアの意思を尊重することにしよう。 『そうだぞ……フッ……あ、頭を…… 洗って……ブッ……アッハハーー』 俺は笑いを堪えられずに吹いてしまった。 『そうか……京夜今すぐに死にたいらしいの〜』 『嫌だって……お、お前が変な言葉を使うから…… 頭ってなんだよ、首だろそこは首だろ』 『カミラそうなのか?』 『そうですね〜頭ではなくて首ですね』 そう言われた途端ラミアは顔を赤くして 『首だ!首を洗って待っておけ!』 ラミアはそう宣言した。 『はーい。お話は終わりです。各自教室に戻るように』 校長が話を終わらせ各自教室に戻り、 俺たちも自分の席に座った。 『そう言えば工藤さん大丈夫だったか?』 『悠なら大丈夫じゃろ〜強い奴だからの』 『そっか』 そうして俺たちは授業を受けるが、 頭からはあの写真のことでいっぱいだった。 午前中の授業が終わって、保健室へ向かった。 ドアをノックして中に入ると工藤さんが起きてた。 『工藤さん大丈夫?』 『うん……大丈夫』 『あの写真の事なら片付いたけど…… 戻ったら少し疲れるかも』 『疲れる?』 そうな事を話していると先生が 『大丈夫そうなら戻ってご飯食べて来なさい』 そうして俺たちが教室に戻ると 教室にいた生徒たちが一斉に集まり 『工藤さんごめんなさい』そう言った。 『え?なに?』 今朝俺の質問に答えた生徒が 『事情を知らずに勝手な事を言ってしまった 本当に申し訳ない』そう謝罪した。 『いえいえあれは誰が見ても 同じ反応になります。 ですから気にしないでください』 『そうか』 そうして教室内の重かった空気は軽くなった 『工藤さん優しいな』 『そうじゃな。あれほどの事があっても あの歳で立ち直り、それを許す事は そうできることではない。本当に強い奴だ』 そうかラミアの言う強い奴ってのは 力では無くて心って意味だったのか。 『と言う事はお前は弱いって事か』 『なんじゃ?お主より強いが? 今ここで決めようか?』 『そう言うところだよ』 そう言って俺は教室を出て食堂に向かった。 食堂について、ラーメンの食券を買い 席を探していると 『おーい京夜ー!』 この声はすごく懐かしい! たった3日だけどすごく懐かしい声だ! その声の主に近づき 『玉楼お前生きてたのか』 俺はそう言った。 『いや…勝手に殺すな』 『だって16話ぶりだぞ!』 『何言ってんだ?お前?』 『いや〜久しぶりすぎてつい』 そう言って俺は椅子に座りラーメンを食べた。 『そう言えば今朝のあれ加工じゃないだろ?』 『ブー!ゲホゲボ……は?』 『それに校長もお前と同じ吸血鬼』 『まさかお前がやったのか?』 『あんなの俺に撮れるかよ。 それに昨日の夜は家で彼女と過ごしてたし』 『お前に彼女?嘘だろ?証拠は?』 そう聞くとスマホを取り出し、 その画面を俺に見せて来た。 『セーブ画面?それのどこに証拠が?』 『ここをよく見てみろ』 そうして拡大する 『確かに昨日の日付で時間帯も…… ってこれギャルゲーじゃねーか! よくも彼女がいると言い切れたな』 『ふっ…恋に次元なんて関係ないのだよ京夜』 『これは証拠になるかはわからないが さすがにその考えはヤバいぞ?』 『何を言う!お前だってやって見ればわかる! ギャルゲーの素晴らしさ!尊さが!』 『やらないよ……ち、ちなみにどんなキャラなんだ?』 ギャルゲーには興味はないが少し、ほんの少しだけ 興味があったから質問してみた。 『この子だ!』 そうして玉楼は俺にその画面を見せて来た。 髪は白髪のロング、目は赤くて、 そこはかとなくラミアに似ている気がする。 『名前は?』 『アミルたそ!』 『あっそう』 俺はそう適当に言葉を返して そのままラーメンを食べた。 『ごちそうさま』 『こう見るとやっぱり人間って感じするな』 『人間ならどれほどよかっただろう…… 戻れるなら戻りたいよ』 俺は叶うわけもない事を吐露した。 『なら、うちの部活で調べれば良い』 『調べられる環境があるのか?』 『一応オカルト部だぞ?それなりには本は置いてある』 『そうか……放課後までに考えておく』 そうして午後の授業の途中も 写真のことを考えていた。 あれは誰がどうやって撮ったのか、 どう見ても半径10メートル以内に入っているから 人が撮っているなら俺が気づくとなると 人では無い何かと考えていると 『鬼竜ーおい鬼竜ー話聞いているかー』 『いやだなー先生ちゃんと聞いてますよ』 『じゃあこの問いを前に来て解いてみろ』 俺は立ち上がり、黒板に運良く残っていた 公式を使い、その問いの解を書いて戻った。 『せ、正解だ。しかし授業に集中するように』 『わかりましたよ』 そうして授業が終わり放課後となり、 玉楼は俺の席に来て 『決めたか?』と質問して来た。 『いやまだだ』 『なら一回来てみるか?』 『いいけど多分ラミアがついてくるぞ』 『それなら別にいい』 『分かった』 そうして俺は工藤さんと話している ラミアへ近づき 『ラミアちょっと部活を見学するけど来るか?』 そう聞いたが、帰って来た答えが 『あの男女のまぐわいをする集まりか?』 と言ったのだった。 『お前はなぜ訳のわからん解釈をしている』 と俺は呆れた。 『お前からちゃんとした情報を聞けないから 自分で吸血鬼について調べようと思ってな。 お前も来るか?』 『うーむ……』とラミアは少し考え、 工藤さんに近づき 『悠と一緒なら良いぞ!』と言ったが、 工藤さんは急にそんなことを言われたのか 驚いていた。 『はぁ……お前は……』とため息をつき 『工藤さんラミアに付き合ってくれてもいいかな?』 『私は大丈夫だよ』 と2人とも来ることになったので 玉楼へ『工藤さんも来るけどいいか?』 と一応確認を取ると 『問題ない』と承諾を取れたので 俺たちはオカルト部の見学へ向かうのであった。

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第弐捨伍話 加工した画像です

教室は先ほどに比べたら人は 少なくなっているものの 同じクラスではない人が残っていた。 『あれ校長じゃない?』 『でもあの写真では……どういう事?』 と疑問に思う生徒が少しいたが、 『あれは私が加工した画像です。 すごいクオリティでしょ?』 そう校長が説明する。 まー言われて見ればあんなので 生きていられる人間なんていないし、 ここに校長がいる時点で証拠になる。 『なんだ加工かー』 『よかったーなら誰も死んでないんだ』 と言った言葉が飛び交ったが 工藤さんに悪気を感じている奴はいなかった。 確かにあれを見せられたら当然の反応だろう。 だけど、今それが嘘だということが分かっても 悪い事をしたとか、謝罪と言った言葉がなかった。 俺は教卓を強く叩き 『お前らさぁ……他に思う事があるんじゃねーのか?』そう質問し、クラスメイトの1人が その質問に答えた。 『工藤については悪いと思っているさ』 『だったら何故そう言った言葉が出てこない!』 『それは……』 そう言ってその生徒は下を向いた。 『京夜うるさいではないか。少しは静かにしないと悠が起きてしまうじゃろうが』 そう言ってラミアが教室に戻って来た。

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