眠りの森のリグル𓂃🥀𓈒𓏸

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眠りの森のリグル𓂃🥀𓈒𓏸

物語を考えるのが好きな人間です!今まではノートなどに書いていましたが、最近は書いていませんでした。今回は、久しぶりに小説を書こうと思って、このアカウントを作りました✌️ 💟『「愛」を知らないヒヤシンスがアネモネに「愛」を与えられた話』を現在執筆中です。

映画

「先輩!」 「あ、一華くん!」 私は、妹の妊娠事件の日に来た一華くんの誘いに乗る事にした。 ちなみに、あの人たちは基本、私がどこ行こうが関係ないと思ってるため、遊びに行く時はあっさりと外出できた。 「ごめんなさい、俺から誘ったのに遅れちゃって」 「大丈夫だよ、まだ入場完了時間までは余裕だし。ポップコーンとかジュースとか先に買おうよ」 「あ、オーケーです!」 私たちは、売店でポップコーンとジュースを買った。ポップコーンは二人で一つに決め、王道の塩味にした。ジュースは、私はオレンジジュースで、一華くんはコーラにしていた。 入場してから、しばらくの間二人で色々話していた。 「映画そろそろ始まるね」 「ですね。楽しみだなあ」 私たちがこれから観る映画は、余命一年のヒロインに恋し、全力でアプローチする主人公の恋愛映画だった。 「一華くん…大丈夫?」 「先輩(泣)」 映画の終盤、隣からすすり泣く声が聞こえた。一華くんがハンカチ片手に泣いていた。そして、映画が終わった今も号泣中なのである。 「だってヒロインの手紙、感動したんですもん(泣)」 「あれね…私も感動したよ」 私は、一華くんが泣き止むまで、ずっと彼のそばにいた。そして、数分後。 「ありがとうございます、泣きやみました!」 「それなら良かった。今ちょうどお昼だし、どっか食べに行こうか」 彼は泣きやみ、二人でお昼ご飯を食べるために近くのファミレスまで行った。 「あー、美味しかった」 「ね。ここのハンバーグめっちゃジューシーで最高」 私たちは二人して、ハンバーグセットを頼んだ。びっくりするくらい美味しかった。そして、お会計。一華くんが奢ると言っていたが、私は申し訳なくて断った。しかし、彼は頑なに奢ると言うので、私はお言葉に甘えて彼に奢ってもらった。 「お昼くらい私が出すのに…」 「いいんですよ。俺が奢りたいんです」 彼ははにかんで言った。 「次、どこ行きますか?」 「え、まだ一緒にいてくれるの?」 私はびっくりした。お昼で解散だと思っていたから。 「当たり前じゃないですか。お昼でお開きにしたくないですもん。もしかして先輩、俺と過ごすの嫌でしたか…?」 しゅん、とした顔で言ってきた。 一華くんは、たまにこんなふうになる。あざとい…と言うんだろうか。普通ならめんどくさいと思ってしまいがちである。しかし、私はなぜか、一華くんのそんな態度を嫌いにならなかった。むしろ可愛いと思ってしまうのである。 「嫌なわけないじゃん。私も、もう少し一緒にいたい」 「本当ですか?」 「本当です」 「やった!じゃあ次どこ行きます?」 たまに一華くんのことが犬に見えてしまうのは、私だけだろうか。

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映画

絶望の境地

授業が終わり、帰りの時間になった。私は、荷物をまとめて足早に教室を去った。教室に居づらかったからだ。学年が上がって、二学期に入った今でも私は無視や嫌がらせを受けている。主犯はもちろん、香彗・心・冬の三人。三人とは、クラスは離れたものの、冬がついたウソにより、学年中に広まってしまった。 そして、どんどん私の居場所は無くなった。 昇降口にもうすぐ着くというところで、香彗たちが、そこでおしゃべりしているのに気づき、靴を履きに行けなかった。 「部室に居させてもらおう…」 私はそう思って、私が所属している部活−文芸部の部室まで走った。 「瑠璃先輩!お久しぶりです!」 「また遊びに来てくれたんですね!嬉しい!」 部室に入るなり、そこにいた二人の男子生徒から声をかけられた。 一人は、今年から入ってきた子で、副部長をしている。名前は、古川大智(ふるかわ だいち)。彼みたいな、とても元気で、活発そうな子が入った事にはとてもびっくりした。 もう一人は、部長をしている一華紅大くん。大人しく、初対面には人見知りな子だ。色白で、きりっとしたつり目が特徴的。髪型は短髪。古川くんも短髪なのだが、一華くんの方が少し長めである。 「あれ、一年生たちは?」 「一年生は今日から宿泊研修らしいですよ」 私の質問に、一華くんが優しく答えてくれた。 「うわ、宿泊研修厳しかったよな…」 「ね。学年主任がキレたもんね…しかも一日目で三回」 「どんなことしたら三回もキレるのよ(笑)」 一華くんと古川くんが話していた事に思わずツッコミを入れた。 今、こうして語っている私と一華くんたちの前で話している私とでは、キャラが違うように感じているかもしれないが、人前では、後者の態度である。こうしてないと、「つまらない奴」って思われそうだし、嫌われたくなかったから。 しばらく話して、私は部室を出て、家に帰った。玄関を開けた瞬間。 「何やってんのよ、バカ!」 という母の怒号が聞こえた。私に言ったのかと思ったが、それは違った。 「バカって...そんな言い方しないでよ!被害者は梨花なんだよ!?」 「黙りなさい!あんた、一体何してくれたのよ!」 どうやら、母は妹に対して怒鳴っているようだ。一体、なんだろうか…まあ、私には関係ない…。と思って部屋に行こうとした時だった。 「責任も取れないくせに妊娠してんじゃないわよ!」 母ははっきりこう言った。私はびっくりした。そして、 「え、妊娠!?」 と言って、二人がいるリビングに入っていった。 「ああ、帰ってたの。そうよ、こいつ、妊娠したらしいのよ」 「…誰と?」 「お姉ちゃんには関係ないでしょ!」 「梨花。あんたは喋るんじゃないよ!」 「二人とも一旦落ち着いて!」 二人がまた喧嘩しそうになったので慌てて止めた。その時同時に会社から父が、友人との外出から(おそらく)祖母が帰ってきた。そして、二人は母から妹の妊娠の件を聞いた。 「この大馬鹿者!」 父は聞き終わるなり、妹に掴みかかった。 「何よ、殴れるもんなら殴りなさいよ!警察に言うから!」 「この…!」 「やめて、道夫さん!」 祖母が声を出した。 「梨花ちゃんは、ストレスが溜まってただけよね?だから、ストレス解消があれしかなかったのよね?」 祖母は、妹に優しく言った。妹は、祖母に泣きながら抱きつき、 「そうだよお!」 と言い、しばらく泣き続けた。しかし、 「それもこれも…あんたが悪いのよ!」 と、泣き終わるなり、私を指差して言った。わけが分からなかった。 「あんたがいる事自体ストレス溜まるの!うざい!何で生まれてきてんのよ!何で梨花の家族なのよ!」 私が何も言えないでいると、 「たしかにそうだわ。あんたが生まれた事自体間違いだわ!あんたみたいな穢らわしい女がいるから、梨花ちゃんはこうなったの!責任取りなさい!」 祖母に言われた。母や父も、怒りの矛先が妹から私に変わってしまい、 「そうよ、あんたがしっかりしないから、梨花が穢れたの!能無しのくせに、ヘラヘラ生きてるんじゃないよ!」 「梨花の教育すらできないお前が全部悪いんだ、この役立たず!」 私は妹、祖母、母、父に二時間ほど罵られた。そして、 「今日はトイレとシャワー以外、部屋から出るな!夕食もなしだ」 と言われ、一リットルの水を二本押し付けられ、部屋に閉じ込められた。 もう、本当にわけが分からない。どうして。どうして私はこんな事を言われなきゃならないの。家も学校も。私、何のために生まれてきたの。 ずっとこの事を考えた。考えれば考えるほど、涙が出てきた。そして、 「もう…いいや」 そう呟いて、私は制服のネクタイを首にかけた。すると、私の携帯が鳴った。LINEの通知音だった。 誰からだろう、と思って見る。 「来週の日曜日、観たい映画があるんですけど、一緒に行きませんか?」 LINEの送り主は、一華くんだった。

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絶望の境地

紅大の過去

「お前うざい」 一年前、友達に言われた事だ。俺には、よく質問してしまう癖があった。例えば、テストがダメだったと友達が愚痴ってきた時。 「テスト全然ダメだったわ…」 「え?何で?」 「いや、三角比あるじゃん?サイン六十度とコサイン六十度の値を逆に覚えてたみたいでさ、ボロボロだったんだよ」 「え、そうなの?他は?どこがダメだったの?」 「他?他は…」 という風に、俺は一つの事についてたくさん質問してしまう。そのため、人をイライラさせる事が多かった。 だから、我慢の限界が来た友達が、 「お前うざい」 と言った。俺はびっくりして質問攻めしてしまった。 「そうやって質問攻めするところがだよ!本当一緒にいて疲れるわ」 しまいにはこう言われた。そこから、俺はそいつとは話していない。 そして、他の人たちもそう思っていたのか、次の日から俺を無視する事が多くなった。クラスLINEでも無視されていた。何より、担任からも無視されていた事が一番傷ついた。 当時の俺は暗くて、ひねくれていたと思う。そんなことがあって以来、誰も信用できなくなったからだ。たくさんの人から無視される生活は、学年が上がった一学期まで続いた。 しかし、文芸部の部員だけは俺を無視せずに関わってくれていた。特に、瑠璃先輩は一番俺に親身になってくれた。辛い時には話を黙って聞いてくれたり、ジュースを買ってくれたり、一緒に出かけたて気分転換させてくれたり。他にも色々な事をしてくれた。 「もしも辛くなったら、いつでも相談してよ。私は、何があっても一華くんの味方だから」 この言葉と瑠璃先輩の表情は今でも鮮明に覚えている。真剣だけど、優しい顔。はっきりとした声。そういえば俺は、この言葉で涙を流しちゃって、そんな俺を見た瑠璃先輩がハンカチを差し出してくれたな。 それから、俺はたとえ無視されてもそこまで気にしなくなった。今は、だいぶ明るくなり、元気になれたと思う。 だから、俺は決めた。 −何があっても、必ず瑠璃先輩を救う。 と。 今度は、俺が瑠璃先輩を助ける番だ。

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紅大の過去

アカウントの主

「_大、紅大!」 「ん…何、母さん…」 「あんた今何時だと思ってるの!もう七時四十分よ!」 俺は、びっくりして時計を見る。 「え、ちょ!?やばいやばい!」 俺はベッドから急いで起き上がり、着替えを済ませ、テーブルに用意されたバタートーストを咥え、外へ飛び出した。 俺の名前は、一華紅大(いちはな こうた)。普通の男子高校生。文芸部の部長をしている。 「やばい、早く行かなきゃまじで遅刻する!」 俺は自転車を急いでこいだ。 急いでこいだのが幸いし、ホームルームの時間にはギリギリ間に合った。 「お、今日遅かったな。寝坊?」 隣の席の大智(だいち)がニヤニヤしながら聞いてきた。彼は、同じ文芸部で、副部長をしている。短髪で、身長は平均よりやや低め。すっきりした爽やかな顔立ちをしている。 「うん。昨日ゲームやりすぎちゃって」 と俺は彼を見て答えた。その直後に担任が入ってきて、ホームルームが始まった。 そこから、授業を淡々と受けて、あっという間に放課後になった。 「紅大くん、一緒に部活行こう」 大智が笑顔で駆け寄ってきた。俺は頷いて、彼と共に部室棟へと向かった。 「あれ、瑠璃先輩?お久しぶりです!」 文芸部の部室のドアを開けた直後、俺は窓際の椅子に腰掛けて本を読んでいる女子生徒に声をかけた。 彼女の名前は、紫藤瑠璃。俺たちより一つ上の先輩だ。ショートボブに、犬のようなくりっとした目が特徴的。右目の下には小さなほくろがあり、身長は女子にしては高く、スタイルも良かった。 「うん。帰りのホームルームが早く終わったから来ちゃった。用事もないし、久しぶりにここに来たかったからさ」 と、彼女は微笑んで言った。 「いやあ、体育祭以来ですね。一年生も先輩に会いたがってましたよ。もちろん僕も(笑)」 大智がからからと笑って言った。 「うそ、じゃあ掃除用具入れにでも入っておどかしちゃおうかな(笑)」 「先輩おどかさなくていいです(笑)」 瑠璃先輩のボケを俺は笑いながらつっこんだ。いつも瑠璃先輩は、部活で俺たちを笑わせてくれる。ボケだけでなく、瑠璃先輩がいるだけで周りが明るくなるのだ。俺にとって、瑠璃先輩は太陽のような存在だった。 しかし、俺は少し違和感を感じた。瑠璃先輩の笑顔が、引きつっている気がするのだ。体育祭の時の写真もそうだが、目が完成に笑いきれていない。他の部員は気にしていないようだが、俺には無理して笑っているようにしか見えなかった。 そんな違和感を抱いたまま、俺は帰宅した。入浴、夜ご飯、課題を済ませ、ベッドに寝そべってスマホをいじった。俺は、最近あることにはまっている。 それは、“短編物語を自作する” ことだ。元々、物語を考えるのが好きな人間で、考えた話を色んな人に見てもらう事が何よりも好きだった。 作った短編物語は、Twitterやインスタに投稿し、自分で言うのも気が引けるが、プチバズりしている。そして、最近はとあるブログアプリでも投稿を始めた。 今日も俺は、Twitterやインスタ、ブログに自分の作品を投稿した。投稿後、アプリを閉じてゲームをしようとしたが、ふと 「そうだ、せっかくだからブログを見てみよう。次の作品のネタが浮かぶかも」 と思って、俺は今まで投稿用でしか使っていなかったブログアプリを再度開き、たくさんのブログを見た。その中で、とても興味を惹かれたものがあった。 それは、読んでいるだけで怒りや投稿主への心配が込み上げてきた。その投稿は、 「家族やクラスメイトから嫌がらせを受けている。誰にも相談できなくて辛い。苦しい」 といった内容が書かれていた。俺は、その人の投稿をもう少し見たいと感じ、過去の投稿や新しい投稿を見た。すると− 「ん?」 一つの投稿を見て、ほんの一瞬だけ思考が停止した。その投稿は、写真付きだった。俺たちが体育祭後に撮った写真が添付された… ぼかしが入って、個人は特定されにくいようにはなっているものの、俺にはそれが、体育祭後に撮った俺たち文芸部だと気づいた。この写真は、文芸部のLINEにだけ送ったはず。つまり、この投稿主は俺たちのよく知る人物なのだ。 俺は、投稿主の名前を見てみることにした。もしかしたら、本名の下の名前になっているかもしれない。しかし、そんなはずはなかった。その投稿主の名前はカタカナで、外国風だったから。 「キュアノス…か」 その投稿主の名前だ。そして、もう一回投稿に目を通す。しばらく目を通してから、俺は気づいた。キュアノスの正体に。 それは、瑠璃先輩だ。瑠璃先輩は部活で唯一の女子であり、キュアノスの投稿の一人称は「私」。彼女と同じだった。そして、あの写真。俺は、キュアノス=瑠璃先輩という事実を確信し、衝撃を受けた。 あの明るい先輩が、まさかこのような状況に陥っていたという事もあるが、先輩は俺にとってどんなものよりも大切な存在だったために、悲しみと気づけなかった自分への不甲斐なさに憤りを感じていたのだ。

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アカウントの主

キュアノス

このような出来事があり、私の心は一年前からズタズタだった。その気持ちを誰にも相談できなかった。 ちなみに、担任の先生や副担任の先生は、優しい人たちだが、他の生徒の事でも忙しい彼らに相談するなんてできなかった。邪魔したくなかったのだ。 かと言って、このまま溜め込んでしまえば、私の感情は、いつか爆発してしまうだろう。いや、今はもう、いつ爆発してもおかしくない。どうしたら、爆発を防げるだろうか。 考えるうちに、一つだけ浮かんだ事があった。それは、“ブログ” である。SNSの方が良いのでは、と思ったかもしれないが、私はSNSがあまり好きでは無い人間なので、ブログしか頭に浮かばなかった。 私は、ブログのアプリをインストールした。そして、アカウント登録をした。アカウント名は、「キュアノス」。古代ギリシャ語で「瑠璃」。私の名前である。さすがに本名をそのまま使うのは抵抗があったし、かと言って良い名前が思いつかなかったため、自分の名前を外国語バージョンにしてしまおうと考えたのだ。 アカウント登録を完了させた私は、早速ブログを更新した。とりあえず、今日は自己紹介を投稿した。 名前、誕生日、好きなもの、趣味。他にもいくつか書いた。 投稿してから約二時間後。再びブログアプリを開くと、そこにはいくつかのコメントが寄せられていた。 「良かったら仲良くしてください」 というコメントが多かったが、質問もちらほらあった。私は、色々な人が自分のブログを読んでくれた事がとても嬉しかった。 そこから私は、自分にあった出来事や家族や香彗たちクラスメイトから受けた仕打ちなどを、人物をぼかしながら、ほとんど毎日投稿するようになった。コメントには、 「酷すぎる」 「早めに家出て、学校も別室登校にした方がいい。場合によっては、自主退学も視野に入れてください」 などのコメントが多数来た。やはり、私の周りは異常だったのだ、と安堵する。 一方で、 「どうせ釣り」 「嘘乙」 というコメントもあった。しっかり無視した。 ちなみにだが、私はいつもいつもそういう投稿をしているわけではない。ネガティブな事を一切書かないようなものも存在する。 例えば、体育祭の時に部活の後輩たちと撮った写真を顔や体操服に入っている校章などをぼかして添付し、体育祭での思い出を話しているブログ。写真は、部長である後輩の一人が、部活のグループLINEで 「明日の体育祭、みんなで写真撮りましょう」 と言った事がきっかけで、写真を撮ることになった。その後、写真はグループLINEに送られた。一年生の後輩は、その写真を、しっかりぼかしを入れてからSNSに投稿していたため(SNSに投稿していた後輩から聞いた)、私もブログに投稿することにした。 私はこの頃から、ブログにはまりだした。ブログを投稿することで、私の心は自然と軽くなっていた。

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キュアノス

自己紹介

色々な人が自己紹介してるので、私もします!w まずは、はじめまして。“眠りの森のリグル”と申します!気軽に“リグル”とお呼びください✌️ 年齢は、十八です。四月から大学生になる女です!あと二ヶ月で十九になるので、誕生日祝ってくださいw そんな私の誕生日は、四月十五日です!これ、テストに出るので覚えてくださいね✨ ちなみに、今年の共通テストに私の誕生日の問題が出ました✨(ウソです) 物語を考えることやメイクをすることが大好きな人間でございます! 良ければ仲良くしてください🙌 質問あればなんなりと!

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自己紹介

偽りの友情

そんなこんなで、私はあの人たちから愛されてなどいなかった事実を噛み締めて今日も生きている。 そして、私は家族だけじゃなく、周りの人間からも愛されてなどいなかったのだ。 それが分かったのは高校二年生の時。一年前である。私は、元々友達付き合いが苦手な方で、友達は十人もいなかった。そんな中で私と仲良くしてくれたのが、香彗(かえ)、心(ここ)、冬(ふゆ)だった。 香彗は、身長は平均くらいで、黒髪ボブの可愛く、明るい方言女子だった。心は、小柄で、二つ結びが特徴の、小狐のような可愛い顔立ちをしていた。そして、冬は唯一の男友達だった。短髪で、悪くない顔立ちである。身長はやや高め。 ちなみに、「男と帰るな」と父親に言われたのに男女共学の高校に通っているのは、近場に女子校がなかったからである。(あっても県外) 私たちは二年生から同じクラスになったのだが、ある日の席替えで同じ班になってからよく話すようになり、今では一緒にお昼ご飯を食べるようになった。放課後もたまに四人で遊びに行っていた。その時に撮ったプリクラは、私にとって一番の宝だった。 −あの時までは。 私たちの関係が崩れたのは、去年の秋頃。この時は文化祭時期で、私たちのクラスはクレープ屋をしていた。そして、文化祭の後片付けが終わって帰ろうとした時だった。冬に昇降口で声をかけられた。 いつになく真剣な顔で、 「今から少しいい?」 と言われたのを覚えている。そして、校舎裏に連れてこられた。冬はしばらく黙った後、 「実は、瑠璃のこと好きなんだ」 と告白された。私は、嬉しかった。しかし、私は彼を友達としてしか見ていなかった。だから、私は 「ありがとう。気持ちは嬉しいけど、ごめんなさい。私は、冬の事を友達だと思ってるから、あなたの気持ちには答えられない」 と私なりに丁寧に伝えた。彼は、 「…そっか」 と言った後、走り去ってしまった。 翌日は文化祭の振替休日だったので、その翌日から学校に行った。教室で、香彗と心、冬が話しているのが見えた。私は、 「みんなおはよう」 と明るく言おうと思い、ドアに手をかけた。その時だった。 「え…瑠璃酷い、最低やね」 という声がした。その声の主は香彗だった。 「だろ?『は、きも。お前みたいなやつと誰が付き合うんだよ』って断りやがった」 「瑠璃ちゃん性格悪…」 「だよね、あたしらの前ではあんな明るかったんに、あれフリだったんやね。てか、瑠璃ってたまにうざいよね」 私は、びっくりして聞き耳を立てた。それが間違いだった。 「てことはさ、わたしたちの事も友達って思ってないんじゃない?」 「だよな、もうさ今日から無視しね?」 「ええな、賛成!あ、せや。グループLINEからも追放せん?クラスのやつも」 「うわ、香彗性格悪すぎ(笑)」 「そういう二人だってノリノリやん(笑)」 私は、信じられなかった。信じたくなかった。私は泣きながら昇降口まで走り、この日授業をさぼってしまった。担任が、私を心配して家に連絡を入れたらしく、さぼりがばれてしまった。その夜、私は両親や祖母に責められ、妹はその様子を 「うける(笑)」 と言って嘲笑っていた。 そして、翌日。私はクラスLINEや四人でのグループLINEから退会された。クラスでも広まったらしく(あの三人の誰かが言ったんだろう)、私は色んな人から無視や嫌がらせを受けた。 こんなことがあってから、私は誰も信用できなくなった。したくなかった。 初めて嫌がらせを受けたその日、私は四人で撮った宝物だったプリクラをゴミ箱に捨てた。涙が止まらなかった。

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偽りの友情

幼少時代

「どうしてこんな簡単な事もできないの?」 ずっとこんなことを言われてきた。これは、そう…私がまだ幼稚園の頃から今もずっと。 例えば、私がジュースをこぼしてしまったり、忘れ物をしてしまったりした時。母や父、祖母は決まってこう言う。 「この出来損ない!」 「何で迷惑しかかけられないんだ!」 「由美子や道雄さん、梨花ちゃんは優秀なのに、どうしてあんたはそんなに役立たずなんだい!」 と。ちなみに、由美子(ゆみこ)は母親、道雄(みちお)は父親、梨花(りか)は妹の名前だ。祖母の名前は、絢子(あやこ)という。 まあ、そんなこと今はどうでもいい。こんなふうに私は幼稚園の頃からずっと言われ続けていた。 しかし、私はそれが「私のために、愛情を込めた上で叱ってくれている」と思っていた。なぜなら、幼稚園の先生が、 「お父さんお母さんが、みんなを叱るのは、みんなにちゃんとした人になって欲しいから言っているんだよ。私たちも怒るけど、それも同じ理由」と言っていたからである。 たしかに、叱ることは相手にきちんとしてほしいから、失敗を繰り返さないでほしいからしている。 しかし、私の家庭はどうだっただろう。言わなくていい事までズバズバと言っている。そして、これは私の年齢が上がっていくほど増えた。 一番忘れられないのは中学時代。私には当時、好きな人がいた。初恋だった。その人は私と同じクラスで、大人しい男子だった。そんなある日、私は彼と帰り道が途中まで同じだったことを知った。私は部活に入っていたが、彼は帰宅部だったので放課後になればさっさと帰ってしまうため、全く気づかなかった。 その数日後、部活が休みの日に帰ろうとした際、彼が昇降口で靴を履いているところが見えた。だから、私は勇気を出して声をかけてみた。彼は、最初はびっくりして私を見ていたものの、帰り道が同じだったため、途中まで一緒に歩き、色々な事を話していくうちにどんどん笑顔を見せるようになった。それから、部活が休みの日は一緒に帰るようになった。その時間はとても幸せだった。 しかし、それを妹が目撃していたらしい。とある晩の食事中に、 「お姉ちゃんね、男と帰ってたよ」 と言ったのだ。すると、母は 「まあ、中学生のくせに発情してるの?気持ち悪い」 と少しヒステリックに言った。続けて祖母や父も 「まあまあ、穢らわしい女ね!」 「お前がそんなビッチになるとは…呆れたよ」 と言い放った。そして、妹も 「お姉ちゃん気持ち悪い!梨花、明日からの学校行きにくいじゃん!ビッチなお姉ちゃんの妹として学校いたくないもん」 と。そして、父がまた口を開いた。 「明日から1人で帰れ。そして、家族以外の誰とも口をきくな」 私はそれを聞いて、いてもたってもいられず、 「どうしてダメなの?好きな人と帰ってたらダメな理由あるの?」 と聞いてしまった。それが間違いだったのだろうか。私は、母や父、祖母、妹から立て続けに 「まあ、反抗する気!?」 「目上にどんな口きいてるんだ!」 「穢らわしい、穢らわしい」 「うわあ、『男と一緒に帰りたい』とかお姉ちゃんやっぱりビッチだったんだ」 と言われた。そして、しまいには 「お前みたいな失敗作、生まれなきゃ良かった」 と吐き捨てられた。 そこで私は、この人たちから愛されていないことが分かった。今まで「愛」だと思って我慢してきたことは、全て無駄だったのだ。この人たちは、最初から私を愛してなどいなかった。

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幼少時代

プロローグ

「愛」って何? 私が今まで「愛」だと思ってたのは全部嘘の「愛」だったってこと? じゃあ、本当の「愛」って何なの? 私は紫藤瑠璃(しどう るり)。十八年前に産声をあげた。そして、私は十八年生きた。 だけど、その十八年は無駄なものだと感じている。なぜなら、私は「愛」を知らずに育ったからだ。私が幼少時代から「愛」されていたと思っていた行為は、最初から「愛」なんてものはなかったのだ。

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プロローグ