実々

41 件の小説
Profile picture

実々

はじめまして!実々(みみ)です。 ファンタジーも恋愛もどんなジャンルも大好きな中学生です。 小説書くの初心者なので暖かく見守ってください。

見えなくなったお星様

私は星が好きだった。 大好きだったお母さんがずっと見守ってくれている気がしたから。 『人は亡くなったらお星様になるんだよ』 そう話してくれたのはお母さんだったから。 その会話をした数日後、お母さんは病気で亡くなった。 小さな時はその日から毎日星を眺めていた。 悲しさと不安でいっぱいだった私の心を満足させるためであり、窓を開けてはお母さんに話しかける事が日課になっていた。 学校であったこと、楽しかったこと、悲しかったこと、毎日いろんな事を話した。 星を見ているとお母さんがまだ近くにいてくれるような気がして安心した。 だけどいつからだろうか 見上げる星が霞んで見えるようになったのは 綺麗だと思えなくなったのは その年から私の視力は劇的に低下し、裸眼で小さな星は見えなくなった。 見上げてもお母さんを感じられなくなった。 そんな時だった。 小学校で家族についての作文を書く宿題が出されたのは。 最初はお父さんについて書いた。 私のために毎日働いてくれたり、遊んでくれるお父さんも大好きだったからだ。 だけど何故か納得出来なかった。 『あなたが書きたい作文はこんなのじゃないでしょ?』 誰かが語りかけているような気がした。 その日、久しぶりに星を見上げた。 「ねぇ、お母さん、聞こえる?」 私の目では、ほとんど星が見えなかった。 「聞こえてる?」 でもお母さんは聞いてくれている気がした。 「お母さんは、お星様だよね?」 『もう、大丈夫ね』 大丈夫じゃないよ 叫びたくなった。 その日私は、お母さんが亡くなった日よりも、もっと大声で取り乱して泣きじゃくった。 「 私には、お母さんが居ません。 お母さんは、お星様になったと言っていました。 昔はお星様になったお母さんとよくお話ししていました。 けれど、私は最近思います。 お母さんはお星様じゃなかったのかもしれません。 私を安心させてくれていたんだと思います。 目も悪くなってお星様はもう見えません。 でも、お星様じゃなくってもお母さんはきっと私の事を思ってくれています。 これからもずっと大好きだよお母さん。」 この作文を見せた時、お父さんは私を抱きしめてくれた。 その日の夜はお父さんと二人で星を見て、それから私の作文をお仏壇の上に乗せた。

4
0
見えなくなったお星様

叫び

『助けて』っていつも誰かが叫んでいる声が聞こえる。 私にだけが聞こえる声。 私にしか聞こえない声。 あまりにも悲痛で聞いているだけで悲しくなるような、そんな叫び。 声の主を、助けたいとは思っている。 けれど誰なのか分からない。 知らないふり、分からないふり。 出来ないって決めつけて、毎日叫びを無視をしていた。 この声の主が誰だったのか気づいた時にはもう、私は病院の中だった。 ストレスが溜まり溜まった結果だったらしい。 ごめんねって、心の中でたくさん謝った。 無理をさせてたと、今になってようやく気づいた。 大事になる前に、誰かに心配をかけてしまう前に。 この声の子が…心の中の私が、辛くなる前に。 もっと早く助けてあげたかったな 『ごめんね』

2
2
叫び

生きる理由

全体的に白で統一された一室。 そして、私の頭に手を置き笑顔で撫でる老人。 その光景を見た瞬間、私は夢だと瞬時に理解する。 何度も繰り返される夢 いつも夢の終わりは決まっている。 そして、 「生きていて偉いねぇ」 目の前にいる老人が私に向かって笑顔で言う。 私の夢はいつもそこで終わり 「生きていて偉いか…」 目覚めた瞬間、思わず呟いた言葉は自分でも分かるくらい不機嫌だった。 あの夢は、私の昔の記憶。 幼い私と、おじいちゃんの最後の会話だ。 生きるだけで偉いと言われるのは子供まで。 大人になってからは、結果を残さないと偉いとは言われない。 その事を実感してからは、おじいちゃんの言葉を思い出すたびにイライラしていた。 隈ができていて、不健康な目を擦りながら私はベッドから起き上がる。 着たくもないスーツを着て、乗りたくもない満員電車に乗り、楽しくもない仕事をする。 けれど、仕事をしないと生きていけない。 結果を残さないと認めてもらえない。 上司に怒られ、節約をしているから満足にご飯も食べられない。 頼れる相手だって一人もいない。 私の心も体も、もう限界だった。 死にたいとは何度も思った。 目の前で、電車が通過する。私は何も感じていなかった。 無意識のうちに足だけは前に向かっていた。 電車との距離は少しずつ近くなる。 ここから落ちたら楽になる。 そんな考えが浮かんできて私は足を進めた。 プルルルプルルルル 思わず舌打ちをしたい気持ちになった。 タイミングよく電話が来たからだ。 「もしもし…」 「あのねっお父さんが…」 いつかを思い出す白で統一された部屋。 あの人違うところは、私が大きくなったという事と、今ベッドで眠っているのはおじいちゃんではなく私のお父さんという事だ。 「お父さん、久しぶり」 私がかける声にお父さんは薄く目を開け、笑った。 「生きていてくれてありがとう」 しゃがれた声でそう言うと、すぐにまた目を閉じてしまった。 「え?」 「愛する、娘が会いにきてくれる事を信じて、待っていたんじゃよ」 目を瞑ったまま搾り出すような声でお父さんは言った。 その日、お父さんは亡くなった。 葬式で私は久しぶりに涙を流した。 親孝行も特にできなかった娘がお父さんの生きる理由になっていたなんて知らなかった。 実家から家に戻る日、お母さんに涙ながらに言われた。 「お母さんもいついなくなるか分からないけど、貴方は私達の生きる理由だから、生きていてね。生きるだけでいいから」 「また来るね」 お母さんと比べたら、そっけなくて淡白だったかもしれない。 けれど何故か、家に帰る時の私の表情は来る時よりも明るくなっていた。

5
0
生きる理由

流れ星に願いを込めて

「また流れ星だ。今日は流星群だって、綺麗だね」 私の隣でニコニコ笑っている親友に頷きつつも、私は流れ星を必死で探す。 流れ星に3回願い事をすると願いが叶う そんな迷信に頼って夜空を見上げる私。 いつもはそんな噂は全く信じないが、どうしても叶えたい願い事がある時は噂頼りも悪くないと思う。 「明日も元気に過ごせますよーに」 隣で願い事をのんびりと口に出して願う彼女の気楽さに呆れつつ、私は彼女の為に今日は星に願い続ける事を決意する。 「私、病気なんだ」 そう、今日とさほど変わらない表情で半年前彼女は打ち明けた。 寿命ももう少なく、体を動かすことすら辛いはずなのに思い出作りにと、一緒に流れ星を見に行く提案をしたのは彼女からだった。 「やったぁ3回言えたよ。明日も元気に過ごせるね!」 そんな些細なことに喜びを感じる彼女が愛おしくて、居なくなってほしくなくて、私は必死に願う。 彼女を元気にしてください。 私に病気をうつしてください。 明日も、明後日も、1年後も、10年後も、笑って過ごさせてください。 夜空を見上げるうちに、私の目からはポロポロと涙がこぼれ落ちていた。

6
0
流れ星に願いを込めて

当たり前

夜寝る時は毎日思う。 明日が来なければどれだけ幸せなんだろう。 朝起きる時は必ず感じる。 辛い、怖い、息苦しさ。 夜に布団に入って寝る。 朝は布団から起き上がる。 これだけの当たり前の動作なのに私には辛くて、明日にも、これからにも全く希望が持てない。 いじめられた訳でもない。 虐待を受けた訳でもない。 私は恵まれている。 なのになんで毎日がこんなに苦しいんだろう

8
3
当たり前

生意気な子

「ねぇ、おねーさん」 「は?」 「風邪ひくよ?頭大丈夫?」 初対面で私の事を馬鹿にしてきたのは見た事のない少女だった。 雨の中傘もささずに公園のベンチに座り込む私が、少女には奇行に映ったのかもしれない。 必死で自分を納得させ、怒りを封じ込める私を他所に少女は私の横にちょこんと座り込んだ。 「おねーさん風邪ひいちゃうよ?私みたいにカッパ着ればいいのに…カッパも、もしかして傘も知らないの?」 「……」 「そっかー、じゃあ仕方ないね。私が教えてあげる。これはねーカッパ!雨を防げるの」 「………」 「傘もね、一緒だよ。でもね私はカッパの方が…」 「うるさいなぁ」 急に声を出した私にびっくりしたのか少女は、びくりと肩を振るわせる。 「あのね、お姉さん今元気ないの。分かる?あんたの話に付き合ってる暇はないの。どっか行って」 拒絶だった。 いい年した大人が小さな少女相手にここまで言うのは大人気ないと、分かっていながら止められなかった。 「…」 泣いちゃったかな? 急に黙り込んだ少女を見ると流石に言い過ぎたかと、不安になる。 「言い過ぎた…」 「んー、まぁおねーさんが元気ないのは分かってたけど子供にここまで言っちゃって、大人気ないんだぁ」 ケラケラと笑う少女に毒を抜かれた気分になる。 だけどすぐにまた馬鹿にされた事に気づき、頭に血が昇ってきた。 「あんたねぇ」 「良いよ、怒っても」 「は?」 「おねーさんずっと悲しそうだもんね。泣きそうだよ。だからね、私にぜーんぶ喋って!」 なぜだろう ずっと目の前にいたはずの少女は、私よりずっと大人に見えて、私の目には涙が溜まっていた。 勝手に口は動いていて、さっき会ったばかりだというのにこれまでの事を全て話していた。 気づいた時には雨が上がり、心が軽くなっていた。 「またねー」 雨が上がると少女は、スキップをしながら公園を出て行った。 「生意気な子…ありがとう」 小さく呟いた私の表情は、きっとキラキラ輝いていた。

5
0
生意気な子

フィルター越しに見える世界

授業参観や発表会。 これは、フィルターを通して見た世界。 いつもはふざけてるのに特別な日だけは良い子を演じている。 親の期待を演じる日。 親がその日、見ているのはフィルターを通して見た子供。 いつもは仲がいいあの子も、いつも笑顔な友達も、本当の心は誰も知らない。 私が、自分のフィルターで見たみんなだから。 私の事も誰も分からない。 助けてって叫んでも、涙を流しても言わないと分からない。 分かってもらえない。 そんな世界は辛いけど、分からなくて良かったかも知れない。 弱い所は知らなくていい。 完璧な女の子 それが私だから。

3
0
フィルター越しに見える世界

天才の彼女と秀才の僕

学年2位 誰もが羨ましがるこの順位が、自分には到底納得できるものなんかではなかった。 昔から勉強は好きだった。 やっているだけで褒めてもらえたし、成績が良いと皆んなから敬われる。 中学では学年1位しか取った事が無かった。 努力次第でどんどん点数は上がっていったから、この時の自分は信じていた。 『自分が天才なんだと』 高校に入ってからも、学年1位という称号は保たれるままだと思っていた。 だけどすぐに絶望した。 高校に入って初めてのテストで俺は489点だった。 自分でも十分だと思っていた点数で、順位を見た途端言葉を失った。 1位だと思っていた。 たった11点落としただけだったのに順位は2位だった。 後で聞いた話、1位は隣のクラスの女の子だったらしい。 彼女は498点という学校でも異例な点数を叩き出していた。 次のテストは、彼女の点数がまぐれだったと信じてひたすら勉強した。 だけど結果は変わらなかった。 次も次もその次も順位はずっと2位。 3位の生徒とも点数はあまり変わらず、自分の事が天才だと思っていたあの時の僕がバカらしくなった。 自暴自棄になって全く勉強せずに挑んだテストが1度だけあった。 自分が天才なんだと信じたかったから、何もせずに良い点数が取れることを証明したかった。 結果は言わずもがな、散々だった。 TOP20にすら届かなかった。 そこでやっと気づいた。 自分は天才じゃない。 秀才型の人間だという事に 不満はない、文句もない。 だけど思ってしまった 神様はどうして僕を天才にしてくれなかったんだと 彼女と同じくらいの頭脳をどうして生まれ持たせてくれなかったのだろうと

1
0
天才の彼女と秀才の僕

タイムカプセル

「よし、入れ忘れは無いな」 「全部入れましたー」 私を含めた31人の声と、先生の土を掘る音だけが放課後のが校庭に響いている。 卒業式が終わった今日、私達は式できた綺麗な服を汚さないように校庭で土を掘っていた。 タイムカプセル それを埋める提案をしたのは私たちのクラスを3年も受け持ってくれた、担任の古谷先生だった。 私の学校は、田舎で人数も少ないため6年間クラスメイトの顔ぶれはほとんど変わらない。 小学4年生の時から担任になった古谷先生。 先生が担任になった時から私たちのクラスはずっと同じメンバーだった。 そんなメンバーでの最後の思い出であるタイムカプセルは、私達が大人になった20歳にあげる予定だ。 「埋めていくぞー」 力自慢の男子も埋めるのを手伝い、あっという間に私たちのタイムカプセルは埋まってしまった。 「次開けるのは8年後か」 「生きてるかな?」 「不謹慎すぎるだろ」 いつものバカみたいなやり取りも今日で終わってしまうと思うと全く実感が湧いてこない。 埋めてくれた男子の正装には、土が付いてしまっていて慌てている。 いつも場を盛り上げてくれていた彼女は、そんな男子を揶揄っている。 苦笑いしている私の親友。 そして大声で笑っている古谷先生。 いつも当たり前に見ていた光景が明日からは見えなくなると思えば無性に寂しさが込み上げてきた。 「それじゃあ解散だ」 埋め終わった後、古谷先生は校庭に響き渡るくらいの大きな声でそう宣言した。 「うっ、うぇ………」 隣に居る親友が嗚咽を溢した。 それにつられるかのようにほとんどクラスのみんなが泣き出した。 「そつ…卒業したくないっ、」 「古谷っ、先生にも…会えなくなっちゃう」 私達は顔がぐちゃぐちゃになるまで泣き続けた。 そのくらい、この学校が、このクラスが、古谷先生が大好きだったから。 みんなの嗚咽が小さくなった時、古谷先生は呆れ返った表情をしていた。 「バカだなぁ、タイムカプセルを埋めたんだからまた会えるじゃないか。このメンバーで。先生はその為にタイムカプセルを提案したんだぞ。気づいてなかったのか?」 「え?」 それからは皆んなで笑い合った。 今埋めたタイムカプセルを忘れていた自分達がバカらしくなったからだ。 「それじゃあまた8年後だな。改めて、解散!」 古谷先生の挨拶で皆んなバラバラな方向へ帰っていく。 私も8年後を楽しみに、そしてみんなと再会した時に成長した姿が見せられるようにスキップをしながら自分の家へ帰っていった。

4
0
タイムカプセル

「またね」って言いたかった

後悔した事はないですか? 私は彼に「またね」って言えなかった事が一番後悔しています。 私にはずっと好きな人がいた。 だけど私達はただの友達。 特別な関係にはなれないと思い込んでいた。 「えっ転校?」 親の都合で私は転校する事になった。 それからは忙しかった。 断捨離を済ませ、段ボールに私物を詰めていく。 恋愛なんかしてる暇はなかった。 そんな中、彼は私に手紙をくれた。 『好きだよ』 短く、彼らしい少し雑な字で書かれたその一文を見た私は泣いていた。 そんな私から溢れた言葉は、 「遅すぎるよ」 私は彼に返事をしなかった。 私がこの学校に通う最終日。 私も泣いたし、友達も泣いた。 「今までありがとう」 最後の日まで私は彼としっかり話が出来なかった。 私が校門を潜り抜けた後、私は彼に無理矢理手紙を握らされた。 彼は泣き出しそうで、どこと無くすっきりとした表情だった。 『いつか、返事をもらえる日を待ってる。またな』 ずるい 彼の手紙にはそんなメッセージが書かれていた。 私だって彼に 「『またね』って言いたかった」

11
0
「またね」って言いたかった