雪
12 件の小説見習い魔法使いは、のんきに魔法界を堪能中☆ 第六話
「さっそく中を見てもらってもいいですか?ご不便がないか確認して欲しいのです。」 「そ、そんなご不便だなんて……!こんな立派なお家を立ててもらって、文句なんて言いませんよ!」 家があること自体とっても感謝しているのに……! 「いいえ、ご主人様には楽に過ごして欲しいのです。」 とっても優しい人……。ではなく、猫ちゃん……! 「あ、そういえばずっと思ってたんですけど、そのご主人様?っていうのは何ですか?」 名前を教えても、ずっと“ご主人様”って呼んでいるし……。 「貴方様は、この森と私たちのご主人様なのです。」 「この森と貴方たちのご主人様……?」 「はい。ご主人様は膨大な魔力をお持ちですよね。この世には一万年に一度、膨大な魔力を持つ、この森と私たちのご主人様が生まれるのです。」 膨大な魔力を持つ人……。 でも、私は神様に魔力を貰っただけで、生まれ持った魔力ではない。 「それって、本当に私であっているんですか?人違いという場合とかはないんですか?」 「その可能性はおそらくないでしょう。私たちの声が聞こえていますし、貴方様の魔力に森も反応していました。これはご主人様にしかできないことなのです。」 普通の人達にはカッツェさんやオイレさんの声は聞こえないっていうことかしら……。 だとすると、普通の動物ではない。 私の魔力に反応するということは、この森や動物たちは魔力を持っている? 私が読んだことある異世界系の物語だと、魔力を持っている動物は神獣か魔獣……。 私は神様から魔力を貰ったから、この魔力は私ではなく神様のもの……。それに反応するということは神獣の可能性が大きい。 ……はっ。そうか、この魔力は私ではなく神様の魔力。 つまり、カッツェさんやオイレさんたちは神獣で、神様から貰った魔力に反応している。 ということは、一万年に一度現れるご主人様というのは、転生者のことなのか……! 確かに、神様からここへ行くよう言われたわ……! 「カッツェさん、オイレさん、私のことはどうかハイトと呼んでください!」 「い、いえいえ……!そんな恐れ多いです……!ご主人様を名前で呼ぶなど……!」 「ご主人様って呼ばれるのは慣れていないので、落ち着かないんです……。どうか、名前で呼んで頂けませんか……?そちらの方が私も嬉しいです……!」 「………で、では、次からはハイト様とお呼びしてもよろしいですか……?」 ハイト様……。ハイトって呼んで欲しいな。 まぁでも、ご主人様よりはそっちの方がいいかな……!贅沢は言ってられないし! 「はい!」 仲良くなって、ハイトって呼んでもらえるように頑張ろう!
見習い魔法使いは、のんきに魔法界を堪能中☆ 第五話
「私の名前は……。ハイトと申します……!」 「主様のお名前はハイト様と言うのですね!素敵なお名前です!」 「ありがとうございます……!」 咄嗟に思いついた名前だけれど、私も少し気に入っている。 今日から私は、ハイトだ……! 「あ、長旅で疲れているのに引き止めてしまって申し訳ありません……!」 「いいえ、大丈夫です!」 「なんとお優しい……。主様の家はこの先にご用意しておきました!さっそく行きましょう。」 私の家がこの先にもうあるの……!? お金とか大丈夫かしら……。あとでいくらだったか聞こう。 「つきました。」 「わぁ、とっても素敵なお家ですね!」 「ありがとうございます!2人で頑張って作った甲斐があります。」 2人で……。 「……え!?お2人で作ったんですか!?」 「はい。オイレも主様に喜んで貰えてとても嬉しいようです。」 こ、こんな素敵なお家を2人で……。 やっぱり普通の猫ちゃんとフクロウさんではないのかしら……?
私の居場所 第一話
「雪菜〜、もう夜遅いんだし早く寝なさい。」 「は〜い。」 まだ10時なのに寝れるわけないじゃん……。 自分の部屋でゲームでもしよ。 あ、そういえばゲーム機取り上げられてるんだった。最悪〜。 スマホゲームしよ〜。 「あ〜、ベッド最高〜。」 あ、やば……。ベッドに横んなったら眠くなってきた……。 「おぉ、こ、これは……!」 「やっと成功したぞ!」 「急いで皇太子様にお伝えしなければ!」 ん……。なに?うるさいな……。 「はっ、聖女様がお目覚めになったぞ!」 聖女様?なにそれ……。 「う、眩し……。」 「おはようございます、聖女様……!」 「……え?」 ここはどこ?それに聖女様って私のこと……? 「聖女!」 い、イケメン……! こんなイケメン見たことない! やっぱりここは夢の中なんだ……。 「聖女、さっそくお願いがあるのだが。」 夢にしてはリアルだな。 これって漫画とかでよくある異世界転生ってやつだったりして……。 ……いや、そんなわけないよね。私死んでないし。 そういえば夢の中だったら頬をつねっても痛くないんだっけ。 「……いたっ。」 え……?痛い……。 「聖女?」 「い、いえ、なんでもないです……。」 ど、どうなってるの……!? じゃあここは現実世界ってこと? でもこんなこと本当にある?やばい、頭パンクする……。 「話の続きなのだが……。」 「ちょ、ちょっと待ってください……!一つ確認したいことがあるんですけど……。」 「なんだ?」 「こ、ここって、夢……ですよね?」 「夢?あぁ、この俺様を見たら誰でも夢だと思うだろう。しかし、ここは現実だ。」 「そ、そんな……。」 大体こういうのって元に戻れないんじゃ……。
世界最弱かと思ったら世界最強でした 第五話
この歳になってベビーカーに乗るなんて。 「どうですか?お嬢様。とても広くて綺麗でしょう?」 わぁ……。ここがお庭なんだ……。 こんなに綺麗で大きな庭なんて見たことない……! 「そこで何をしている。」 後ろから声が……。男の人の声?誰だろう……。 「だ、旦那様……!?」 旦那様?ってことは……。私のお父さん!? み、見たいのに見えない……! メイドさん……!私もそっちに向けてー! 「アルファ、こいつが見たいのか?」 『ティファ様……!は、はい!』 「しょうがない、我が見せてやろう」 え?見せてやるってどういう……。 “ふわっ” え、ふわ? え、う、浮いてる……!? 「あうあ!う!?」 「お嬢様?どうしまし……。え!?」 「これで見えるだろう」 『た、確かに見えましたけど……。それどころじゃないですよ……!なんで私は浮いてるんですか!?』 「なんでって、我が浮かせているからだ」 『そ、それは……。そうなんですけど……』 「おいメイド、どういうことだ」 「だ、旦那様……。私も分かりません。も、申し訳ありません」 す、すごい見られてる……。 浮いてるのに驚きすぎてお父さんをよく見れてなかったけど、お父さんめっちゃイケメン……! ……え、なんか近づいてきてるんですけど……!?
見習い魔法使いは、のんきに魔法界を堪能中☆ 第四話
あっちから誰かの声がした気がするんだけど……。 「あ、主様……!」 え?主様? っていうか、この世界って動物とも話せるの? 猫ちゃんと……。木の影に隠れているのはフクロウ? 「初めまして、主様。私の名前はカッツェと申します。」 カッツェ?確か猫をドイツ語でカッツェと言ったわね。 「そしてあちらにおりますのが、オイレでございます。」 確かフクロウをドイツ語でオイレと言っていたな……。 やっぱり名前はドイツ語にしてるのかな? 分かりやすくていいな。 「初めまして、私の名前は……。」 ……そういえば、せっかく転生したんだし、名前は変えた方が良いよね。 どうしようかな……。 猫もフクロウもドイツ語の名前だったから、私もドイツ語にしようかな。 自由に生きていきたいから、“フライハイト”とかどうかな……。 でもそのままだと面白くないよね。 じゃあ……。フライハイトから取って……。 「あの、主様……?どうかしましたか?」 「あ、いえ何でもありません……!それより、私の名前でしたよね?」 「あ、はい!」 「私の名前は……。」
見習い魔法使いは、のんきに魔法界を堪能中☆ 第三話
確か、ここをずっと進んだ先の奥深くに行けばいいんだよね……。 本当に大丈夫なのかな……。 それにしても暗いな……。光があればいいんだけど。 そういえば神様が『想像すればできますよ。』って言ってたな……。 魔法、使ってみようかな。 ホワホワ、キラキラ。ぷかぷか……。 その瞬間、小さな光の玉が出てきた。 す、すごい、こんなに便利だなんて。 −ピカッ− な、なに……!?まぶしっ……! 急に光の玉が大きな光を発し始めた。 ど、どうなってるの……!? 光が、この森を照らしている……。 「主様だ。」 だ、誰かの声がする……。 「あの、そこに誰かいるんですか……?」
世界最弱かと思ったら、世界最強でした 第四話
ん……。 あ、私いつの間にか寝ちゃってたんだ。 「お、起きたか」 『あ、ティファ様。おはようございます』 「おはよう。よく眠れた?」 『はい、おかげさまで』 今何時だろう……。どれくらい寝てたのかな。 「あ、お嬢様!おはようございます!」 確かこの人は……。私の専属メイドだったかしら? 「おあお〜」 うっ……。上手く喋れない……。 「も、もしかして今、おはようと仰ったのですか!?お嬢様は天才だわ!!」 そ、そんなに……? 「アルファは人気者だな」 『こんなこと初めてなので、どうしたらいいか……』 「堂々としてればいい」 メイドをつけてもらったことも、誰かに心配された事もない。 だから、嬉しすぎてどう反応したらいいのか分からない……。 「お嬢様、庭園をお散歩しませんか?今日はお天気も良いので、ぽかぽかして気持ちいいと思いますよ」 確かに、これから暮らすところだからちゃんと知っておかなきゃね。 「あう、あう」 行くって言いたいのに……。大きくなるまで我慢しよう……。 「では行きましょう!」
見習い魔法使いは、のんきに魔法界を堪能中☆ 第二話
あれから、私の力について教えてもらった。 ~数分前~ 『あ、そういえば力について教えていなかったですね。』 「力……ですか?」 『はい。普通に転生するだけじゃ面白くないですよね。そこで、私が力を与えました!』 「あ、ありがとうございます……?」 『ウィンドって言ったら、色々出てきます。魔法は、想像したらできるはずです!』 説明が雑……。 『ためしに何かやってみてください!』 「何か……。ん〜……。」 あ、そういえば浮くの夢だったな〜。 できるかな……。やってみるか。 浮いてる自分を想像する……。フワフワ、ぷかぷか……。 −フワッ− 「わ、あ……。う、浮けた……!」 『すごいですね!流石です。魔法は大丈夫なようですし、自由な生活を楽しみましょう!』 「で、でも、私はどこへ行けばいいのか……。」 『大丈夫です!ここから南へ行ったところに大きな森があります。そこの一番奥には誰も近寄らないので、そこに住みましょう!』 「森って……。大丈夫なんですか?」 『はい!魔法も使えるようですし、命の危険はないでしょう。』 「わ、分かりました……。色々とありがとうございました……!」 そして少し歩き、森の入口にたどり着いた。 こ、ここが森か……。 目の前にある森は、普通の森とは思えないほど恐怖を感じる雰囲気がまとっていた。 ずっと誰かに見られているかのように……。
見習い魔法使いは、のんきに魔法界を堪能中☆
−サァァ− 「……ここは、どこ?」 周りを見渡しても何も無い。ただ草原が続いているだけ。 何でこんなところにいるんだろう……。 −キィン− うっ……。頭が……! 『お前なんて産まなければよかった。』 『成績が学年2位だと!?いつも1位を取れと言っているだろう!』 『何でお前みたいなやつが……。妹のくせに。』 『姉がこんなんで私が恥ずかしいわ。』 こ、これは……。 そっか、私は家族に嫌われてたんだっけ……。 でも何でこんなところに……。 あ、そういえば学校に行く途中で車に跳ねられたんだっけ。 ってことは、ここは天国……?私は死んだのかな。 『いいえ、あなたは死んでいませんよ。』 「え、だ、誰……!?」 頭に直接語りかけられてる感じ……。 『私はあなたが生きていた世界でいう神という存在です。』 「か、神様……?」 『そうです。あなたは今、異世界にいるのです。』 「い、異世界!?」 異世界って、あの異世界!? 見たことはないけど、噂程度に聞いたことがある……。 『私はあなたを見ていました。しかし、あまりにも不幸な人生だったようですね。』 ……確かに、お世辞でも幸せだったとは言えない。 『そこで、私があなたを生き返らせたのですよ!あのまま人生を終えるなんて、可哀想すぎる。』 「人生をやり直せるってことですか?」 『まぁそういうことですね。』 人生を、やり直せる……。 私を嫌っていた両親や兄、妹はいない。一から始まる人生……。 「私を生き返らせて下さり、ありがとうございます!今世では、絶対に楽しく幸せに暮らします!」 『はい。私はあなたの姿を見守っています。』 新しい人生……。ワクワクが止まらない! どんな風に生きていくのか、想像もつかないや。
世界最弱かと思ったら、世界最強でした 第三話
うっ……。こ、ここは……? 「あ、お嬢様が起きたわよ!」 「まぁ!綺麗な瞳ね〜」 「赤い瞳は旦那様、白く綺麗な髪は奥様譲りかしら」 この人たちは一体……? 「こいつらは、アルファのメイドたちだ」 こ、この声は、ティファ様! 「あう、ちぃわしゃみゃ(ティファ様)……!」 え、今の声って、私!? 「きゃー!お嬢様が喋ったわよ!」 「なんて可愛らしいお声なのかしら!」 私が喋っただけで、凄い喜んでる。 「心で私に語りかけたら聞こえるから、わざわざ喋らなくても良い」 『わ、分かりました』 私、赤ちゃんになっちゃったんだ……。 そういえば、ティファ様はどこから話かけているんだろう……? 『ティファ様は、どちらにいらっしゃるのですか?』 「我はずっとここにおるぞ?」 『え?どこに……。え、どど、ドラゴン!?』 な、何でドラゴンが……!? 「ドラゴンは我だ。姿を変えている」 『そんなことできるんですね……』 ティファ様は何でもできるんだな……。 『ところで、ここはどこなんですか?』 急すぎて頭の整理が追いつかなかったけど、少し落ち着いてきた。 最初にここはどこか聞くべきだったかな……。 「ここはシャロンペ大公家。今は、サンケル・シャロンペ大公が主人をしている。妻はアルファを産んですぐに亡くなったそうだ」 『そうだったんですか……。今世の母親に会ってみたかったですね……』 メイドさんたちも騒いでいたし、綺麗な人だったんだろうな……。 「アルファが会いたいのなら、会えるぞ」 『えっ、会えるんですか!?』 「我に出来んことはない!アルファが望むことは全てしてやろう」 『お気持ちは嬉しいのですが、大公夫人……。私のお母様は亡くなっていらっしゃいますよね?どうやって会うのですか?』 「?ここに呼べばいいだろ」 そ、そんな当たり前のことかのように……。 死人を呼ぶだなんて、聞いたことがない。 「しかし今日は無理だな」 『どうしてですか?』 「アルファの精神は赤ん坊じゃないが、体は赤ん坊なんだ。よく寝てよく食べないといけない」 『そ、それはそうですが……』 それじゃぁ、いつお母様に会えるか分からない……! 「大丈夫だ、そのうち会わせてやる。今は疲れているだろう。ゆっくり休め」 『わ、分かりました……』 いつか会わせてくれるみたいだし、無理強いも良くない。 数ヶ月は大人しくしていよう。 そんなことを考えていると、急に眠気に襲われ眠ってしまった。