日向葵

43 件の小説
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日向葵

初めまして、日向葵です。 恋愛系の小説を書いています^_^ 読んでいただけたら幸いです! フォロー、コメントやいいね!もして下さると励みになります(≧∀≦) よろしくお願いします。

記憶の欠片

中学を卒業してから、早くも2年が経った。久しぶりに開かれた同窓会に足を運ぶと、懐かしい顔ぶれが並んでいた。会場の隅には、昔からの友達や、あまり話したことがなかった人たちがそれぞれ集まり、笑い声や会話が溢れている。 「おー!久しぶり!」声をかけてきたのは、隣のクラスだった小田だった。俺も「久しぶり!」と返して握手を交わし、数年ぶりに会う懐かしさを感じた。 その時、目の端に何気なく視線が止まった。彼女――西村真希だった。 彼女は他の誰とも話さず、ひとりぼんやりと壁を見つめている。その姿は、どこか遠くから来たような、落ち着かない印象を与えていた。 「真希ちゃん?」俺は思わず声をかけた。 彼女はゆっくりと顔を上げ、こちらを見た。その瞳はどこか空っぽで、でも懐かしさを感じさせた。「こんにちは」とだけ、静かな声で返してきた。 俺は彼女の隣に座った。周りの賑やかな声が耳に入るものの、俺と真希の間には沈黙が流れた。その間、俺は何を言おうかと迷っていたが、彼女が口を開いた。 「私、記憶が無くて…」 「そうか。」俺は短く答えた。 真希は続ける。「同窓会、参加しようか迷ったんですけど、何か思い出せることがあるかなーって期待して来たんです。でも、やっぱり分からなくて…」 俺はただうん、と短く返した。その言葉に続けて何かを言うことができなかった。でも、真希が少しでも安心しているのを感じた。 しばらくして、真希の目が俺のカバンに止まった。 「あ、これ、見てもいいですか?」 「どうぞ。」俺はカバンを差し出した。中身は特に面白いものが入っているわけでもなかったが、彼女が何かを見つけてくれるのなら、それだけで少し嬉しく感じた。 真希はカバンを開け、財布を取り出した。 「これ、私、知ってます。」彼女の声が少し震えていた。「好きなんです。」 「そうか、俺も。」俺は頷いた。何気ない会話だったけれど、何故か胸が高鳴るのを感じた。 その後、真希が財布を開けた。 「あ!これ、プリクラ…私も写ってる。」 そのプリクラは、確か中学の時、みんなで遊びに行ったときに撮ったものだ。真希がそのプリクラを見つけた瞬間、俺は心の中で何かがこみ上げてきた。あの日、俺は彼女のことが好きだった。でも、そんな気持ちを伝えることはできなかった。 「何でプリクラ、入れてるんですか?」真希が不思議そうに尋ねた。 「楽しかったから、思い出として。」俺はふと答えた。あながち間違ってはいないが、実際のところ、ただ彼女を近くに感じたくて、ずっと財布の中に入れていたのだ。 でも、真希は何かを思い出したのか、急に顔を歪ませて涙がポロポロとこぼれ始めた。 「どうした?どうしたんだ?」俺は驚いて声をかける。 「私…思い出した…」彼女の声は震えていた。「この時、奏がなかなか来なくて、結構待った。でも、帰りは覚えてない…」 彼女の言葉に、俺は胸が締めつけられるような気持ちを覚えた。彼女は、事故に遭う前に、何か大事なことを忘れてしまっている。でも、あの日、確かに俺たちは一緒に過ごした。笑い合って、楽しんで、何もかもが素晴らしい思い出だった。 「真希、俺、覚えてるよ。」俺は静かに言った。「あの日、俺たち、楽しかったよな。」 真希は泣きながら、小さく頷いた。そして、俺の言葉に救われるように、少しだけ涙を拭った。 「あの時、奏が遅れた理由…覚えてる?」俺は、真希が何かを思い出そうとしているように感じた。 「覚えてないけど、あの時、奏が迎えに来てくれて、一緒に帰ったことだけは…」 俺はその瞬間、深く息を吐いた。彼女が言う通り、その後、俺たちは一緒に帰った。でも、俺の気持ちはその時からずっと変わっていなかった。 「真希、俺、ずっと思ってたんだ。」そう言って、俺は真希の目を見つめた。「君のことが、ずっと好きだった。」 その言葉に、真希の目が大きく見開かれた。そして、少しだけ微笑んでくれたような気がした。 同窓会の喧騒の中で、二人だけの静かな時間が流れた。

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プロローグ

とあるお城に王女が生まれました。 王と王妃はとても喜び、王女をアイリーンと名づけました。なんとも可愛らしくそして美しいアイリーンは、その国の平和の象徴とも言われ国民たちにも愛されていました。そして、すくすくと育ちアイリーンは、4歳の誕生日を迎える日がやってきました。 「アイリーン、お誕生日おめでとう。」 「ありがとう。なんて可愛いクマさんなの!大事にするわ!!大好き!パパ!」 クマのぬいぐるみをぎゅっ抱きしめ、見て見て!と使用人たちに見せに行くアイリーン。「おめでとうございます、アイリーン様。」素敵なプレゼントを見せに行っては誕生をお祝いする言葉を受け喜びを感じ嬉しくなりました。 「さあ、このクマさんの名前は…」 アイリーンがクマの名前を考えながら歩いている時でした。ふと窓に目をやると、アイリーンと背丈が同じの男の子と帽子をかぶっている男の人がいました。 「何してるのかしら?」 その光景をじっと見ていると、何やら男の人と使用人の1人が話していて、涙目になりながらも男の子は城の門へと入っていくのでした。 「どうしたのかしら?あの子、なんで私のお家に…。あ!私のお誕生日パーティーに来てくれたりして!でも、それならどうして悲しい顔をしてるのかしら。」 んーと考えるアイリーンが困った顔で「どう思う?」とクマのぬいぐるみに問いかけるのでした。 「アイリーン、どこに行ってたの?」 王妃であるマリアは、アイリーンを見つけ問いかけました。アイリーンは、王妃である母のもとへ駆け寄りクマのぬいぐるみを見せ、「この子の名前を考えていたの。」と答えました。 「そう。それで名前は思いついたの?」 「うん!この子はジョンって名前にしたの!」 「ジョンね。よろしくね、ジョン。アイリーンのママよ。」 クマのぬいぐるみであるジョンは、マリアと握手をしました。 「そういえば、ママ!お外にね、私と同じくらいの男の子がいたの。」 え?とアイリーンの言葉にマリアは驚くと同時にドアの扉が開きました。 扉の向こうから王様と一緒に小さな男の子が入ってきました。 「あ!あの子よ、ママ!」 アイリーンは自分の誕生日のために来てくれたと思い込みキラキラとその男の子を見つめました。 アイリーンがその男の子のもとへと近づこうとした時でした。1人の使用人が「アイリーン様」と止めに入ったのです。 「アイリーン様、この者は今日からこの城の掃除係を務める者でございます。」 掃除係? マリアは咄嗟にアイリーンの手を取りその場から離れ王の方へ向かいました。 「王様、これはどう言うことですか?こんな子どもがどうして掃除係を?あんまりですわ。」 「王妃、聞いてくれ。これには訳が。」 「僕の家族はお父さんとお母さんと弟がいます。僕の家族は貧乏で生活も苦しくて…。僕たち家族が困っているところ、王様が話を聞いてくださりました。そして、僕がここで働くことを条件としてこのお城にいさせていただくことになりました。」 男の子は子供とは思えない口調で淡々と話すため使用人たちは目を丸くするのでした。 咳払いをして王様は話し始めました。 「そう言うことだ。この子の家族のことを知っておきながら見捨てることは出来ない。もちろん、この子の家族を連れてここでとも思ったのだが、お母さんがとても衰弱していて病院で治療することになった。この子のお父さんと弟のフレッドも一緒にこの城でと言ったんだが、治療している妻を放っておくわけにはいかないと言われてな。この子の弟はまだ小さくお母さんがいないといけないそうだ。」 「でも、何で働かせないといけないのですか?まだ子どもですよ。」 「この子の望みだ。お金のことは心配しなくていいと言ったら、せめてお礼として働かせて欲しいと。」 マリアは王様の言葉に顔を伏せて男の子のもとへ歩みました。 「あなた、お名前は?」 「マイクです。」 使用人を押しのけてアイリーンは、マイクの元へと走り出しました。  「マイク!この子はジョンよ!ほら、握手して!」 アイリーンはクマのぬいぐるみのマイクの手を掴み彼の手を握った。 「マイク!私とも握手して!」 アイリーンは無邪気にマイクの手を取り握手をしました。同い年の男の子と手を握ったのはこれが初めてのことでした。  「私はアイリーン。よろしくね!」 ニコニコと話すアイリーンに、マイクも微笑み返すのでした。 「よろしくお願いします。アイリーン様。」

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見つけてくれてありがとう

あーあ。 結局、言えなかったや。 どうせ、誰も気づいてくれない。 私の存在なんて薄いんだろうな。透明なのかな。見えないのかな。 せっかく良いことしたのにこの不甲斐なさ。そう思ってた。 でも、違った。 さあ、帰ろう。 突然、肩を叩かれてビクッとした。 振り向くと、驚かせてごめんねと1人の女性教師が立っていた。 その女性教師はにこりとして私に色々手伝ってくれてありがとう。貴方でしょう?してくれたのは、と言った。 なんで知ってるの?と言う気持ちとじんわりと温かいでも目から涙が出てしまう。 やっぱり。今まで気づかなくてごめんなさい。 私は頭を振り涙を拭う。 やっとやっと気づいてくれた…。 この女性教師のおかげで私は私として存在を表してくれた。 え?そうだったの!言ってよー! そうだったんだ!ありがとう! やってくれたなら言ってくれたら良かったのに!1人でさせちゃってごめんね! 水くさいなー!言えよ!これからは俺たちにも言ってくれよ!手伝うからさ。 喜んでくれてる とても温かい 私は人と関わってやっと冷たい空間から温かい陽気を感じることができた。 私の方こそ… −気づいてくれてありがとう−

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やってくれたのは誰?

あれ?食器が片付いている。 誰がやってくれたんだろう。 あれ?お部屋がとても綺麗。 誰がやってくれたんだろう。 プリントが集められていて 黒板もとても綺麗に消されてて 机もきちんと前を向いていて “一体誰が?” その声に誰も“私がしました”とは言わなかった。 反応したのはビクッと肩を震えさせてこちらを振り向く女子生徒。 その目は何かを訴えている。でも、すぐに目線を下に下げてしまう。今にも泣きそうな表情が目に焼き付くす。 ああ、きっとこれらをしてくれたのは、彼女だ。でも、言わないのは何故? 気になる生徒を私は見逃さずにはいられなかった。

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幽霊じゃないよ…

幽霊じゃないよ その食器を洗っておいたのは 幽霊じゃないよ お部屋の掃除をしたのは 幽霊じゃないよ プリントを集めたのも 黒板を消したのも 机を綺麗に並べたのも 全部全部…私がしたのに… “一体誰が?” その声に私だけ振り向く でも全く気づいてくれない 何で?私は人間としてちゃんと存在してるのに どこを見ているの?  ねえねえ!私はここだよ! 何で人に紛れて見えなくなってしまうの…

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好きなんだからしょうがないだろ!

「何?」 キッと睨みつける君は俺を見下ろす。 「別に〜。今日は何色かなーって。」 にやつく俺に顔を赤らめて制服のスカートを押さえる。 「はぁ?バ、バカじゃいの!?変態!」 ふ、思うツボだよ?その反応は。 本当にありえない!って罵倒されるけど、俺は友達とクスクス笑う。 「お前さー、さすがにやりすぎ!」 「笑いすぎじゃね?別にいいけど〜。」 さて、次はどう君を困らせて楽しもうかな〜。 数日後。 「本当、ありえないわ!男子って、幼稚って言うか、子供っぽいって言うか。」 掲示板にポスターを貼る時に、下から嫌な視線を感じる。振り返るとあいつがいた。 「何?」 睨みつけて見下ろす私にイタズラっぽく笑う男子がいた。 こいつ、もしかして…。 「今日は何色かなーって。」 かぁっと顔から火が出そうになる程恥ずかしくなり咄嗟にスカートを押さえる。だが、もう遅い…。 「今日は、白かー。いいねー。」 最悪…。 周りの男子たちまで笑い声が聞こえる。 こーいーつーらー!!! 「何考えてんのよー!」 棚から降りた際もスカートが捲り上がり視線がそこに集まる。 「わぉ!サービス、サンキュー!」 「違ーう!」 「わざわざ見せてくれてー。ファンサに感謝!アンコールをよろしく⭐︎」 「だから!違うってば!」 アイツは顔を赤らめて必死に訴える私をまた悪戯っぽく笑う…。もう!その顔やめてよ。 「好きになっちゃうじゃん…」 ボソッと言った私の言葉をアイツは聞き逃さなかった。肩を掴まれびっくりする私の耳元でアイツはこっそり私に告げる。 「好きなんだからしょうがないだろ!」

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part1.パワハラと隠蔽

「今までありがとうございました!」 とある女性職員が本日をもって退職する。理由は寿退社だ。 「今まで本当にお疲れ様でした。歩美くん、これ皆んなから。」 社長の風原(かざはら)が花束を篠田歩美に渡す。 「わぁー!素敵な花束、ありがとうございます!」 拍手が喝采する中、笑顔で受け取り周りにも会釈をする。だが、この後の言葉で周りが凍りついた…。 「でも、社長。これは受け取れません。」 受け取れません。 彼女は確かにこう言った。周りはざわめき始め、妙な言葉に風原社長も眉を曲げた。 「どういうことことかな、歩美くん。」 風原社長を一瞥して彼女は、クスリと笑い顔を上げた。 「私が本当にここを辞める理由は他にあるからです。」 周りのざわめきが更に濃くなり、どういうこと?と顔を見合わせる社員たち。 「私が本当に辞める理由はー」 キッと睨みつけるその視線の矛先は、篠原の上司である柳田ゆかりを指した。 「上司である柳田さんからのパワハラです。そして、それを隠蔽しようとした社長、あなたのせいです。」 え?知ってた? ううん、知らない。 エリートの柳田さんが? 社長と何があったんだ? 周りの社員が風原社長と柳田ゆかりをチラチラ見てコソコソ話をする社員たち。 あー、あの噂は本当だったんだ。 あの噂って? 社長と柳田さんが不倫してるって話。 え?マジかよ、まさかそれを知った篠田さんを。 最低。ありえない。社長とエリートだからって何でもやっていいと思ってんの? あちこちから真実とは全く違うでっちあげた作り話やパワハラの言葉を非難する声が飛び交った。 「この花束は受け取れません。気持ちのこもってない贈り物を受け取って喜ぶと思っていましたか?バカにしないでください。そして、この花をー」 戒めにしてここに飾って下さい。 この花々のような綺麗な心を持っているかどうか。自分に置き換えて考えてみてください。そしたら、自分がやってきたことがどれだけ汚れて愚かで周りを不愉快にしてきたか自ずと分かると思います。 そう言い残して、「失礼します」と振り向きもせず颯爽と去って行った。 「どういうことですか?社長!」 「何してるんですか!」 「パワハラとは、具体的に何したんですか!?」 「あんた、それでも社長かよ!?見損ないました。」 「ま、待ってくれ!これには理由が…。」 「今更何言ってるんですか!それともまだ何か言い訳でも?」 「柳田さん、どういうつもり?」 「篠原さんに何したんですか?」  「エリートだからって調子に乗ってんじゃねーよ!」 「ち、違う!そんなんじゃないって!私は…」 「まさか不倫してたのって本当だったんですか?2人でホテルとか?最低ですね。」 「だから!違うと言ってるだろう!そうやましいことはしてない!」 「やましいことしてないなら言えますよね?」  「違うなら何が違うんですか?」 「じゃあ、言ってくださいよ!篠原さんに何をしたか。」 「「そ、それは…」」 その後社員たちからの非難する声や誹謗中傷が飛び交い、まるで刑事ドラマのように取り調べが始まった。その数週間後にパワハラが立証され風原社長と柳田の解雇処分となった。

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バッカみたい

バッカみたい。 なに熱くなってんのよ! そんなに言わなくったっていいじゃない! 私には入る隙を見せないみたい…。 ちょっとくらい、私にも…期待させてよ。

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もう終わったことなのに…

なんで何回もあの記憶が何度も繰り返すんだろう。 仲良くもない、ただの、クラスメートだっただけなのに。 もっと仲良くなりたかったのかな…。 もっと仲良くなれたら未来は変わってたのかな。 なんて、似合わないセリフをここに吐いてみる。 でも、仲良くならなかった。深い仲にはならなかった。これが運命。だから、どうしようもないのにね。

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記憶

目を瞑るとね、あの頃の記憶が蘇る。 二度と経験したくない、あの苦しくも辛かった日々を。 残酷な言葉をたくさん浴びせられ、嘲笑われ本当に人生のどん底だったあの日々を。 辛かったよね。 たくさん泣いたね。 死にたくなったよね。 心が痛くて何にも言えなかったあの頃。 間違えてしまいそうで、でも、奮い立って立ち向かって、闘ったね。 もう、思い出したくないのに、今ではそれを懐かしいと思ってしまう。 あの頃の自分へ あの時諦めず闘ってくれてありがとう。あの頃があるから、今は何を言われても立ち向かえる力を身につけることが出来ました。今、大切な人が出来て幸せな人生を歩んでるよ。本当にありがとうございます。これからも、あの記憶を盾に私は頑張るね。 時々思い出しては泣いてしまうけど、もう、二度とあんな思いをしないようにというお守りみたいだね。 幸せだ!と思える今の瞬間もこれからも大事にするよ。 あの記憶は、自分が頑張ってきた証。 今は全力で笑って楽しく自分らしく生きている。そして、これからもずっとずっと幸せが待ってると信じて歩み続けます。

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