記憶の欠片

中学を卒業してから、早くも2年が経った。久しぶりに開かれた同窓会に足を運ぶと、懐かしい顔ぶれが並んでいた。会場の隅には、昔からの友達や、あまり話したことがなかった人たちがそれぞれ集まり、笑い声や会話が溢れている。 「おー!久しぶり!」声をかけてきたのは、隣のクラスだった小田だった。俺も「久しぶり!」と返して握手を交わし、数年ぶりに会う懐かしさを感じた。 その時、目の端に何気なく視線が止まった。彼女――西村真希だった。 彼女は他の誰とも話さず、ひとりぼんやりと壁を見つめている。その姿は、どこか遠くから来たような、落ち着かない印象を与えていた。
日向葵
日向葵
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