病葉

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病葉

SF、ファンタジー、ミステリー、コメディが好きで、本、映画、ドラマ、どれをとっても鑑賞範囲が狭くて 自分好みな話を好き勝手に書いてます でも、読んでくれたらとても嬉しい 水瓶座 宜しくお願い致します

創世記

「もう一度逢いたい」  と言ったら、 「すべてが終わったらもう一度逢おう」  と彼は答えた 「すべてっなに?  なにが終わるの?  すべてが終わればなにが始まるの?」  私は問うたが、彼は答えなかった  だから言ってやった 「世界を滅ぼしてやる  何もかも終わらせてあげる  その後でならまた逢える?」  彼は少し考えてから言った 「私の世界なのだ  世界を創ったが、まだ完成していない  論理的な不都合があるのだ  創造の時はまだ終わらない  完璧な世界を創るこの仕事が終わったら  すべてが終わったら  また君に逢えるだろう?」 「創造の時が終わったら、また逢えるのね」 「そう、また世界を創る為に、君が必要になる」 「再び創る為の破壊が?」 「そう、そうなのだ」  と彼は答えた  あとがきです  創造神が世界を創ったとして、世界は最初の一筆で完成してしまったのだろうか?  始めにおおよそを創り、今尚、加筆修正しておられるのではあるまいか  世界はまだ創世記なのではあるまいか  そんな事をふと思って書いてみました  

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創世記

最後の恋

 好きだったのになぜか別れた人  再び出会ったのは、世界の終わりの時だった 「世界は既に滅んだ。世界には、もうぼくと君しか残っていない」とぼくは言った「どうしよう?」 「最後の二人なら、あたしたちがアダムとイブになるしかないわね」 「うーん」  ぼくは唸った 「娘しか生まれなかったら、俺が娘と子作りするのか? やだぞ、俺は」 「そうしないと世界が始まらない」 「世界なんか、このまま滅んでしまえだ」 「でも、あたしはイブになりたい」 「俺はいやだ」  そうして、ぼくらは再び別れた  好きだったのに別れた人  地上最後の女との  本当に最後の恋だった  あとがきです  チャーリー・ブラウンを描いたけど、いま三であった  スヌーピーの方が描きやすいですね  チャーリー・ブラウンがいま三でスヌーピーならいまニくらいの絵が描けそう? かな  

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最後の恋

十一月

 西向く侍  今でも言うのかな?  死語か、まだ生存しているのか  毛利家の武士は西に足を向けて寝たと言いますけどね  つまり、江戸の将軍さんに足を向けて寝ていたと  関ヶ原で陰の功労者でありながら、二国に削られて困窮した恨みです  恨みは幕末まで数百年続きました  恨みって、中々溶けないんですよね、気をつけませう  私は駐車が下手くそ  スーパーの駐車場で何度か切り返してやっと入ります  同じように下手な友人が居りまして、そ奴が 「俺は運動神経は良いのだが、何度も切り返さんと入らない  コツがあるのかなあ?」  と言うので 「いや、あれはコツはあまり関係なくて、車両感覚と空間認識力の問題だと思うぞ」  と答えておいた  実際、巧い奴ぁ、狭い駐車場でも簡単に入れるからなあ  ぶつかるんじゃないか、わたし的に言えば、既にぶつかってるだろうと思ふ位置までスッと寄せて、ハンドルを回し、バックに入れ、顔を後ろ向きにスーと下がると、何故か駐車位置の真ん中に停まってる  私なら三、四回は切り返してるぞ  なんたる才能と感心してしまいます  空間の中で自分の車の大きさ、その位置と周りの事物が正確に認識出来てるんでせうな  どういう感覚なのか私には理解でない  分かる方がいらっしゃいましたら、書いてくださいませ  まったく人間の才能なんてどこに隠れてるか分からない  それを見つけられたら、世の中楽に渡れるかもです  無論才能が仇する事もあるでせうけど……  サムネは私の車  軽なのに、駐車場で苦心惨憺しています  

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十一月

鍵がない

 家に帰って、二時間ほどして、また出かけようとしたら、いつもの置き場に鍵がなかった  落としたかな?  いや、鍵を開けて家に入ったはず  記憶がある  では何故ない?  いやいや、あるはず  ないなんてことは有り得ない  しかし、家中探し回ってもない  挿しっぱなしで忘れたか?  ドアを開けて覗いてみるけど、鍵は刺さってない  誰かに抜かれたか?  ならばホームセンターに行って鍵を替えてもらわねば  しかし、案外と高い  もう一度探そう  神様、見つかりますように……  うう……  呻きつつ探して……  ベッドの枕の下迄見て……  って、そこにあった  何故、こんな処に……?  有り得ないぞ  と、そこで気づいた  いたずら好きの妖精の仕業に違いない  そうか、妖精は実在するのか  これがその証明だな、と  詰まらぬ無味乾燥な世の中だと思っていたが  そうではなかったようだ  なにしろ妖精がいるのだから  あとがきです  実話です  妖精の存在が証明されました  しかし、友人などに言うと「あんた、早、呆け始めたか」とか言われそうなので言いませんけどね  

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鍵がない

三匹の子豚

 ある島に三匹の子豚がおりました  親の家で呑気に暮らしていたのですが、そろそろ独り立ちしなさいと言われ、家を出ることになりました  三匹はそれぞれに、長兄は藁の家を、次兄は木の家を、末っ子は煉瓦作りの家を建てました  長兄は汗水垂らして働く弟達をみて 「馬鹿な手間をかけるなよ、家なんて住めれば良いんだ」  なんてって嘲笑っていましたが、出来上がってみれば、木の家は美しく、煉瓦の家は立派で、自分の家が少し情けなく思えました  しかし、ある朝、島を大地震が襲ったのです  降り注ぐ藁クズの中で目覚めた長兄は、弟達の家に行き、ペッシャンコに倒れている木の家から、たんこぶ作って気を失っている次兄を助け出し、瓦礫の山と化した煉瓦の家から半死半生の末弟を助け出して、自分の藁の家に連れ帰って休ませてやりました  そして鼻高々に弟達に言いました 「言ったろ、無駄な手間をかけるなって。家は手軽なのが一番なのさ」  なんか違うと思いながらも、一言も言い返せない弟達でした

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三匹の子豚

回転寿司

 先日、何年かぶりにくら寿司に行きました  ガリが生姜じゃなくて大根だったのに吃驚😧  しょうがじゃねえのかしょうがねえな  とブツクサ言って  次いでに和歌をひとつ詠んだ  大根を ガリと称する くらがりの      化けても所詮 大根役者     あとがきです  前に投稿したやつです  お題と合うので再度……  今は生姜に戻っていたら  勘弁して下さいませ

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回転寿司

洒落は神戸で髑髏

「帳面は有るけど半面はない」  和也が言った 「反面教師とかは言うけどね」  知子が答えた 「丁は偶数だ」 「半は奇数よね」 「半は奇数か、おはんとキスか? やってみようぜ」  和也が手を伸ばすと 「キスカ? 撤退々々、母のてったい」  そう言って、知子はさっさと帰ってしまった  あとがきです  髑髏と書いてしゃれこうべと読めるとは知らなんだが、  お洒落な街神戸、髑髏    百人中九十八人はわからないだろうというオチを書いた掌編です  絵はガブリエレ・ミュンターの模写  似てないけど  あたしは何でこの女流画家が好きなんだろう  模写し易いからかな?

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洒落は神戸で髑髏

鍾馗様

 鍾馗様にノートを貸したら設定が使い難いとか言って初期化再設定してしまった  「他人(ひと)のノートを初期化するとは…… あんた正気か?」  問うと  「われは鍾馗なり」  と答えた  あとがきです  初期化、と正気か、と鍾馗様、で作った駄洒落話し  それだけです笑  どうも長いのを書く根気がなくて……  でもななんか書かなくては、と……  書かない方が良いのかも?  ……ですが

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鍾馗様

記憶

スナフキンってこんな丸顔でしたっけ? 記憶と違う………

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記憶

ぼくだった

 田舎にある我が家を取り壊すことになった  立ち会って欲しいというので、車に乗って、妻と出かけた  立派だったボロ屋がガラガラと崩れていくとそこに隠し部屋があって死体が横たわっていた 「わっ!」  と驚いてその死体をよく見ると、ぼくだった  世界が揺らいだ  あとがきです  東野圭吾氏の「むかし僕が死んだ家」と云うのをにページほど読んでこんな話かなと思って書いてみました  違うだろうね😆  

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