ガッパー
13 件の小説雨…?
どんな天気が好きか? この質問は実に難しい…晴れは明るく、雨は暗い。晴れは温かく、雨は寒い。晴れは穏やかで雨は激しい。 雪や曇りやあられ…空は絶えず変化していく。 どんな天気が好きか? 夕方降る天気雨は温かく優しい。サンサンと照り続ける真夏の晴れは激しく痛い。 空は絶えず変化し、晴れも雨も変化する。一瞬として同じことのない空。 どんな天気が好きか? どんな人が好きか? どんな食べ物が好きか? どんな色が好きか? 好きなものは絶えず変化していく どんな天気が好きか? 僕は今この空が好きだ
特殊人 番外編 モエとレイ
番外編 モエとレイ およそシュンが特殊管理人強人所に入隊する日から大体十年前。 今は11月。気温が寒くなってきていた。この年は例年よりも気温が下がり、大雪が降っていた。 凍えるような寒い中、ジッと道の端っこでうずくまる二つの人影があった。 その二つの人影の正体は後に特殊管理人強人所に入団することとなる。熱坂モエ、熱坂レイの二人だった。この時はモエは13歳、レイはまだ5歳だった。 小さい頃に母親が病死して、それから一年くらい経ち、父親は家へと帰ってこなくなった。家賃が払えずに家を家主から追い出され、二人は都会の街の一角でうずくまって過ごしていた。食事はゴミ箱から盗んで食べていた。 もう少しでクリスマスシーズンなので、煌びやかな虹色に電灯が光り輝いている。 「ねぇ、レイ。今年のクリスマスプレゼントは何がいい?」白い息をはきながらモエはレイに聞く。 「私は、大丈夫。」レイは母親を失った悲しみから口数が少なくなっていた。 「そうか、じゃあ私は可愛い人形が欲しいな。いつか二人で大きな家で暖かいとこで暮らそうよ。」 「うん。」 モエとレイは新聞紙を抱えて、二人身体を寄せて極寒の夜を過ごした。こんな寒い中二人は寝ることができなかった。 雪は過ぎ去り、夜とは打って変わり雲一つない、温かな大空が広がる。人通りが多いので、モエとレイは移動して睡眠を取ろうとした。モエはレイに沢山話しかける。 が、レイは答えずにゆっくりとモエについていく。 その時だった。向かいの宝石屋のガラスが割れて、一人、袋を抱えた仮面の男が出てきた。 その男が指を鳴らすと、割れたガラスが周りの人を攻撃した。 「レイ!危ない!」モエはレイを庇う。背中にガラスの破片が突き刺さる。 「レイ、逃げて。」モエは声を振り絞ってレイに言う。 突然のことで周りは混乱の嵐となった。人はあらゆる場所へ逃げて、負傷した人とモエとレイがその場に残っていた。 「この宝石は高値になるぜ。」 仮面の男はまた指を鳴らそうとする。その時だった。 真上から人が落ちてきて、仮面の男を殴り、取り押さえる。 そして水がどこからともなく現れてもうひとつ人影が現れる。 「ただいま現着です。」水から現れた男が言う。 「ちっ。お前ら何者だ?」 「我々は特殊管理人強人所第一団。君みたいな奴を捕まえるのが仕事だわん。」 男を取り押さえていた顔面犬男が言う。 すると割れたガラスが微かに震えだし、二十体ほどのガラス人形を形成する。そのガラス人形が取り押さえていたいぬおを吹き飛ばす。 「テメェら。また俺に手ェ出したら、こいつらがタダじゃすまねぇからな。」 そう言うと、ガラス人形の手の先が尖り、負傷した人たちに近づく。 その時だった。背中を負傷したモエは、咄嗟にガラス人形に向けて手を突き出した。 水が蒸発するような軽い音が周りへと広がり、ガラス人形は木っ端微塵になっていた。 モエは不思議そうに自らの手を見た。手に昔からあった模様が赤く輝いている。 モネはショックで気絶してしまった。 「チクショウ、やりやがったな。」 男は大量のガラスの棘をモネに向かって放った。 「もうやめてぇ!」 レイの大きな声が聞こえた瞬間、周りは急に寒くなり、男をも包みこむ大きな氷壁ができていた。男は一瞬の出来事で理解できず、驚いた表情でこちらを見ている。 周りにいた人たちは、犬男と水の男が避難させていた。男は多くの黒い服を着た集団に連れていかれ、モエとレイがボロボロの街に突っ立っていた。 「君たち。」 先程水から現れた男が話しかけてくる。 「突然のことで分からないだろうけど、君たちには大きな力がある。僕は君たちをスカウトしたい!」 「私たちはお金がないし、子どもだよ。あんたらみたいな怪しい奴らにはついていかないね」 少し前に目を覚ましたモエが言う。 「お金も子どもでも関係ないさ。君たちが嫌ならしょうがないから辞めるけど、必ず良いことがある」 「いいことって?」 「…コンビニ飯ならあるよ。まだ団員4人だけだし、皆優しいから、ずっと満腹生活さ。」 「満腹生活!?」 レイとモエは声を揃えて男の顔を見る。 、、。時は過ぎて 「あの時はそんなふうにこの団に私とレイは入った訳。まぁ、今考えれば怪しいけど子どもだったし」 モエはザンに話す。 「スカウトか…懐かしいな。あの時は武士として落ちぶれだった私をナガレ先生がスカウトしてくれた。もう何年前になるか。懐かしいものだ。」 「私は本当ここに来れて良かった。」 レイは楽しそうにザンに言う。 「みんなぁ。今日、ネギとシュン特訓中だからコンビニ飯買ってきたぁ。食べよ、食べよ」 大きな明るいナガレの声が辺りに響く。 特殊管理人教人所第一団、ここには少し変わり者の能力者たちが集まり、それぞれが悩み、苦しみを抱えている。しかしそこからは絶えず温かい笑いが聞こえる。
特殊人 番外編 いぬおとザン
番外編 いぬおとザンと猫とネズミ 時はさかのぼり、シュンたちが静電気男、バッチと戦う日の早朝、いぬおとザンは隣町へ捜査に来ていた。 「この町、誰もいないわんね。」 「小さな町ですから、でもやけに人がいないな。」 薄暗い町の商店街をいぬおとザンは歩いている。しかし、どの店にも人がいなかった。 「君たち。何しにきたのだ?」 太い声が辺りに響き渡る。 「私たちはこの町に異常があると聞いてきた。君は誰だ?姿を見せてくれ。」 「異常など、ここにはない。早く立ち去れ。」 「どうしますか?いぬお先輩?」 「人間の匂いはこの町一帯から匂わないわん。でも…」 その時だった。大量の猫たちがいぬおとザンに向かって走ってくる。 「猫!?」 「大量の猫の匂いは町のあちらこちらに匂うわん。」 二人は、軽い身のこなしで商店街の店の屋根に飛びついた。 「早くこの町から立ち去るのだ…」 黒い声が大きくなる。 「ザン、あの猫ちゃんたちの気を逸らしてほしいわん。その間にこの声の主を探すわん。」 「了解」 ザンは傘を構える。すると傘が青白い光に包まれて、猫じゃらしに変化した。 「猫たち、こっちだ」 ザンが隣の屋根に飛び乗ると猫たちもついてきた。 いぬおは見を瞑り、何かを見つけたかのように走り出した。そして饅頭屋の戸を開けると、一匹の大きな猫がいた。 「見つけたわん。」 「げ、」 いぬおとザンは猫たちに囲まれ、声の主の大きな猫と話す。 「なぜこの町には人がいない?」 「べー。答えませんよー。」 猫は舌を出して答える。 「こっちにはちゃおちゅーるがある。従った方が見の為だ。」 「ゴクリ。ま、少しは教えてやってもいいかな。人間共は俺様ネコタと猫軍団が追い払った。」 「どうして?」 「教えにゃい」 「ちゃおちゅーる」 ザンはちゃおちゅーるを見せつける。 「ここにはネズミの怪物が攻めてくるにゃん。おいらの部下がネズミにちょっかい出してしまって、ネズミ総大将ネズヤンが攻めてくるんだにゃん。ここは戦場になる、。」 「ネズミ、。そんなものでビビってるのか?君たち一応猫だろう。」 「あいつはヤバいにゃん。」 「なぜ君は人間の言葉が話せるわん?」 「さぁな、知らねーよ。」 猫の手には肉球模様の紋様があった。 「特殊人、いや特殊猫か。」 「わかったわん。ネズヤンとの戦いが終わったら人たちを連れ戻すわん。」 「よしやるにゃーん!!」 「にゃにゃーん!」 日がサンサンと照り続けるなか、大量の猫の影が商店街に潜む 地響きのような重い音が足から耳へと感じる。 「きたにゃん。」 そこには大量のネズミと、一匹熊みたいに大きなネズミがいた。 「あれがネズヤンにゃ」 一気に緊張感が走る。 「いぬお先輩、一気に片付けますか?」 「いや、見ておくわん。これは猫とネズミの戦いわん。」 「テメェら、よくもネズオを傷つけやがったちゅう!」 「お前らこそ、俺らの陣地の食べ物持っていきやがったにゃん!」 「テメェらやれっちゅう!」 「みんな行くにゃん!」 「わぁぁぁ!!」 猫とネズミのぶつかり合いは何時間にも渡った。 もう辺りは暗くなっていた。 「まだまだだちゅう、。」 ノロノロとネコタに向かって拳を出す。 「こっちも負けにゃいにゃん。」 ネコタもノロノロとネズヤンに向かって拳を出す。 両方に拳が辺り、同時に倒れた。 一夜明けて 「ネコタ!お前は最高の相棒だちゅう!」 「こちらこそ、ネズヤンは親友だにゃん!」 「いぬお先輩、仲良くなってますし、この辺で良いでしょう。」 「そうわんね。帰るわん。」 猫とネズミは同盟を結び、協力して生きることとなった。いぬおとザンが夜中に町の人をこの町へ帰って来させたおかげで前のように賑やかになった。 路地裏で。 「この度はありがとうにゃん!」 「本当に感謝してるちゅう!」 「まぁ、私たちほとんど何もしてないですけど…」 「これからも仲良く、この町を守ってほしいわん。」 「わかりましたにゃん!」 「あと私たち以外の前では人間の言葉で話したらダメですよ。二匹共。」 「ちゅう!」「にゃん!」 こうして小さな戦いの幕が閉じた。猫とネズミは同盟を結び、町は賑やかになった。誰もいないところから人の声が聞こえたら、彼らが話しているのかもしれにゃい。
特殊人 第十話
第十話 ナガレからのお知らせ 鳥が鳴いている。日差しがアジトに流れ込み、今日も朝がやってきた。昨日までシュンとネギは、この一団の団長、ナガレ。その師匠ナムカに修行をつけてもらっていた。 シュンは早起きして、皆んなの朝ごはんを作る。卵を割り、目玉焼きを作っているようだ。香ばしい匂いが辺り一面に広がる。その匂いに惹きつけられて、皆んながそれぞれの部屋から食卓に集まってくる。 今日はナガレ先生から一本とる。その為にシュンとネギは修行を積んできたのだった。目玉焼きが出来上がる。ネギが部屋から出てきて、ナガレ先生以外のメンバーが揃った。 「いただきます!」 皆んなは朝食を食べ始める。 「ナガレ先生は?」 シュンが聞く。 「そういえば、昨日の夜から会議だでいないワンね。」 いぬおがコップに牛乳を入れながら答える。 「帰ってくるかな?僕らの最終試練なのに。」 シュンは寂しそうに言う。 「まぁ、その内帰ってくるだろう。」 ザンはそう言って、目玉焼きを食べ終えていた。 それからしばらく時間が過ぎて、お昼頃、シュンとネギはアジトでモエとレイと一緒にババ抜きをしていた。今日はあんまり任務がない。 「はいっ!いっち抜けー。」 モエがババ抜きでは勝ったみたいだ。 いぬおとザンもアジトに居る。新聞を眺めて政治がどうやら話していた。 すると玄関から、音がした。シュンとネギは走って玄関へと行く。そこには荷物を持ったナガレがいた。いつものメガネが新しくなっている。 「おっ、帰ってきてたんだ。おかえりシュン、ネギ。相変わらず元気だね。」 シュンとネギを見てにっこりと笑う。 「ナガレ先生!最終試練やりましょう!」 ネギは力強く言う。 「ごめんね、ネギ。ちょっと忙しいことになる。まぁ、皆んな集まって。座って話をしよう。」 皆んなが食卓の机の周りに集まる。ナガレは話し出す。 「今回の特殊管理人強人所の会議で、少し面白いことが決まったんだ!その名も特殊アリーナ!それぞれの団から三人候補者を出して、競い合うんだって。面白そうでしょ。」 ナガレは目を輝かせて話す。 「そして勝ったら、支給される毎月のお金がUPするんだよ!やるしかないだろう。」 「まじか!じゃあ勝ったらもっと贅沢できるっすね!」 ネギも目を輝かせる。 「なら実績のいい順で、ナガレ先生、いぬおさん、私でやりますか?」 ザンが提案する。 「いや、今回はシュンとネギ、そしてレイに出てもらう。」 ナガレはキッパリと言う。 「なんで僕たち何ですか?まだ新人で、僕は任務を一回しかやったことないですけど…」 シュンはナガレに向かって聞く。 「それはね、今回やるアリーナはそれぞれ任務を10回以下遂行した人のみに参加権があるんだ。新人戦ってことだよ。シュンは一回、ネギも一回、レイは三回。全員参加権に当てはまってる。他のみんなはもうちょっと任務やってるからね。」 「他の団からも、新人が集まるのか。」 シュンは少し怖くも、ワクワクしていた。 「特殊管理人には大きく団は、五団あるから。そこから分岐した小隊の人らも参加していいんだけど、あいつらやらなそうだしな。だからさっき言った三人でアリーナに行ってもらう!」 「開始はいつですか?」 ネギは内心楽しみでしょうがないのだ。 「明日の午後に本部集合だね。」 ナガレはすんなりと言う。 「明日っ!?」 シュンとネギは声を揃えて驚く。 「まぁ、俺らは絶好調だけどよう。なぁシュン。」 「まぁね。今日の為に特訓してきたし、今日でもいいくらいだよ。」 「じゃあ、シュンとネギはオッケーね。レイどうする?無理だったら、テキトーな奴雇うよ。」 「い、いえ。やります。」 レイは心の中で、 (私がシュン君と一緒に戦えるなんて、足引っ張るかもだけど頑張らなくなちゃ。こんなチャンスないもの。) と思いつつ、静かに答える。 「これは心強いね。じゃあこの三人に我が団の命運を賭けよう。あと最下位は他の団のアジト掃除しなくちゃだから。頑張ってね。」 特殊アリーナが明日へと迫る。修行を終えたシュンとネギ。そしてレイと共に、新人たちによる、壮絶な戦いが始まるっ! 静かで真っ暗な闇の中。55の名札がうっすら光る。 ドス黒い、重い声が聞こえる。 「新人を逃したようだな55。」 「すみません、ボス。奴らかなり強くて。」 「まぁ、良い。良い事を知ったしな。次ヘマをしたらもう後はないと思え。」 「はっ!」 「11、戦える下っ端を用意しろ。特殊管理人に少し喧嘩でも売ってみようじゃないか、。」 「はい、分かりましたボス。ほら立ちやがれ、55。行くぞ。」 銀色のトサカで胸元に11と書かれた名札のついた者は55を連れて闇の中へと消えていった。 次回へ続く…
特殊人 第九話
第九話 修行終わり ここは特殊管理人強人所本部。シュンとネギはナムカのもとで修行中だ。 まずは基礎能力の向上の為のマラソン。ナムカに死にものぐるいで着いていく。ナムカの体力は凄まじいもので、42キロ走り終えても息一つ上がっていない。 シュンとネギはこの時点で一回倒れ込む。これは毎朝の準備運動である。 そこからご飯をたくさん食べて、特殊力の基礎練習。シュンは風を自由に強度も調整して使えるよう、ネギは更なる力の使い方と能力の底上げを重点的に行う。 昼ごはんを挟みつつ、午後はナムカ先生と取っ組み合い。ナムカ先生は一つ一つの攻撃がかなり重くて、気を抜いたら一瞬で吹き飛ばされる。だんだん日が暮れたらご飯を食べてすぐ寝る。こんな生活で段々と日は過ぎていった。 修行が終わり、アジトへ帰る日。 「いや、ほんとあんたら強くなったよ。一週間前とは比べ物にならねぇよ、後は自信だね。明日はナガレから一本とるんだろう、そう簡単じゃねぇ、でもあんたらならやれるさきっと。」自信満々にナムカは言う。 「正直一週間前は不安だったが、今は自信に満ち溢れてるぜ!明日は頑張ろうな、シュン!」 「うん!俺たちならきっとナガレ先生にも勝てる!今までありがと!ナムカ先生!」 「ありがとうございやした!!」 シュンとネギはお辞儀をする。 「何を改まってんのよ。そろそろアジトに戻りなさい。今日は私、用事があるからねぇ。応援しとるよ。」 ナムカはニコッと笑い、空に目を向けて、思いっきり、宙を殴る。 すると周りが光に包まれてシュンとネギは見覚えのある多坂街の路地裏に立っていた。ナムカ先生はいない。もう空は暗い。 「よし!帰るか!」 シュンとネギがアジトへと帰ろうとする。すると後ろから一人の男が近寄ってきた。スーツ姿で口髭が生えている。胸元には名札が付いており、そこには55と書いてあった。 「君たち、特殊管理人じゃろ。」ギロっとした重い目で55はこちらを見る。 「なんだ、こいつ、?」 ネギは小さな声で言う。 「あ、あのどうかしましたか?」シュンは男に向かって問いかける。 「わいも、特殊管理人らの本部に連れてって欲しいんじゃ。用事があるんじゃ。」 「あ、あの僕らだけでは本部に行けなくて。まだ新米なので。」 「あぁ、そうなのね。」 55はゆっくりと答え、シュンとネギの方向を見て何かを思い出したかのように見つめる。 「そういや親方から言われとった、新人は殺しとけって、。」 すると周りが暗くなり、どっとシュンとネギの体が重くなった。55は黒く光るナイフを持ち、ゆっくりと近づいてくる。 「これってアイツ、捕まえていいのかな?」 「ナイフ持ってるし、油断するなよ。」 ネギは答える。 シュンは相手の手の平を見る。相手の手の平には赤い模様がついている。 「あいつ、特殊人だ。」 すると辺りが暗くなり、男は闇に消えた。 「逃げたか、?」 「ネギ、油断しないで。」 すると55はゆっくりとネギの後ろに現れて、ネギを刺す。 ネギの方向から何かが刺さった音がする。 しかし55が刺したのは玉ねぎだった。ネギは一瞬でシュンの近くへと移動していた。 「どうゆうことじゃ?ここでそんなに速う動けるやつはいないはずじゃが?」 「へっ、お前には分からねーよ。俺の新必殺技 だ!」 「必殺技ぁ?ぐっ、、。痛え、。」 いきなり55は目に痛みを感じた。 「やっちまえ!シュン!!」 シュンの目が緑色に光り、風が強く吹くっ!大きな音と共に、緑色の光で満たされる。 「ぶっっ飛べ!!」 雷が落ちたような、空を切り裂く大きな音が鳴り、風が55に向けて放たれる。あたりは砂埃でなにも見えなくなった。砂埃が晴れると周り暗闇ではなく、元に戻っていた。55の姿はもうそこにはなかった。 「逃げた見てえだな。」 ネギは余裕ある表情で言う。 シュンの目は元の少し緑がかった色に戻っていた。 「ちょっとやりすぎちゃったかも。」 「じゃ、帰るか!」 「うん!」 シュンとネギは一週間の修行を終えて、見違えるような力を得た。更に戦いが加速していく。 「アジトってどっちだったっけ?」 「多分こっち?」 この後シュンとネギは道を間違えて、隣町へと行く。そこでばったりいぬおに会い、無事本部へと無事帰った。 次回へ続く…
特殊人 第八話
第八話 ナムカVSシュン&ネギ シュンとネギはさらなる力を求めて、ナガレの師匠、ナムカに特訓を申し込んだ。その内容は二日以内にナムカの頭の風船を割ること、残された時間は二日! 「あの風船を割りゃあいいんだろう、行くぜシュン!着いてこい!」 ネギはナムカに向かって走り出す。 「お、おう。」 シュンもネギを追って、ナムカの頭の風船に目を向ける。 「跳べ、シュン!」 ネギが叫ぶ。シュンとネギは跳び、二方向からナムカを狙う。確かに二人同時ならかわせない。まぁそれは常人が相手だった時の話でありナムカという人物にはまったく通じない。 ナムカに近づいた瞬間、砂埃と共にシュンとネギは吹き飛ばされていた。 「考えがお子ちゃまなのよ、」 ナムカは自分についた砂を払い、シュンとネギを見る。 「吹き飛ばす系の特殊力かもネギ気をつけて。」 「応!わかった!」 シュンとネギはナムカをじっと見て、スキをうかう。 「あんたら何を言っとるんだい?私が特殊力を使えば、あんたら二秒で木っ端微塵さ、そもそも私はナガレより強いんだ、なめられたら困るよ。」 ナムカの足元には地面を殴った時についた手の跡が付いていた。 「チクショウ、このままやっても勝てねぇ。シュン、一時退散、作戦会議しよう。」 「分かった。」 シュンとネギは走り、ナムカの見えない所まで走って行った。 「本当に大丈夫かね、」 ナムカは腰を下ろして、シュンとネギのほうを見る。 本部の大きな公園の隅っこにて、シュンとネギは会議をしていた。周りは静かで、ほとんど誰も通らない。 「ありゃ、普通にやっても勝てねぇよ、」 ネギは言う。 「特殊力を使わないと、どうやっても勝てない。そういえばネギの特殊力って何?」 「、、、。俺はあんまり強くねぇよ、俺は玉ねぎを生成する、玉ねぎの皮で剣や盾の形で生成できるんだが、威力はあんまねぇ」ネギはボソッと小さな声で言う。 「俺もまだ使いこなせないけど風を操れるらしい。」 「そうだな、。!いい事思いついたぜ!頭いいぜ、俺!」ネギは作戦を急に思いついたようで、シュンに作戦を伝える。 「いいね、その作戦!でもこの一日で二人とも強くならなきゃ。」 「そんためにここに来たんだ。俺らならやれる。よし特訓だぁ!」 「おう!」 シュンとネギはそれぞれの方法で特殊力を鍛え始めた。 「俺に風を打ってくれ、盾で受け止める!」 ネギは玉ねぎシールドを生成して構える。玉ねぎシールドの強度訓練だ。 シュンは目をつむり風を掴む。 「俺ならいけるはずだ、いくよ!ネギ!」 「ああ、来い!」 シュンの周りの風が手に集まり、ネギに向かって放たれる。ネギは玉ねぎシールドで耐える。 その風はまだまだ強いとはいえなかった。 「こんなもんじゃだめだぞ。もっと威力上げねぇと勝てねぇ。」 シュンは目を開けて玉ねぎシールドを見る。周りの光がネギのシールドを照らす。 その瞬間シュンの目には無数の風が見えた。 シュンは不思議と自信に満ち溢れていた。大きな地球の芯からなったような地響きとともに、強い風がネギの玉ねぎシールドめがけて、放たれる。シールドにあたり、ネギは少し吹き飛ばされる。 「やった!」 「やるな、もういっちょ頼む!」 ネギとシュンは互いの特殊力を鍛えて、一日を過ごした。そして一日が経った。 「今日の天気は晴れ、風は北から吹いています。皆様今日の任務も頑張りましょう。」 本部の大きなパネルから今日のニュースが流れる。 ナムカは朝のティータイム。頭には風船がぶら下がっている。クッキーを食べ、紅茶の入ったコップを静かに置き、後ろを振り向く。 「ようやく来たね、」 ナムカの向く方向にはネギが一人立っていた。シュンの姿はない。風がネギのいる南の方向から吹いている。 「いくぜ、今度こそあんたの風船を割る!」 「シュンは後ろから援護かい?舐められたもんだねぇ、私も」 ナムカが構える、ネギは走りナムカの近くへと向かう。 「同じことをしても私には勝てないさ。」 ナムカが振りかぶりネギを殴る。 「玉ねぎシールド!!」 即座にネギはシールドを生成して防ぐ。 「へへっ、舐められたら困るぜ。いくぜ!玉ねぎ酸ビーム!!」 ネギがてを合わせると両手から水が溢れ、ナムカにの目に直撃する。玉ねぎの目に染みる液だ。ナムカは目を手で覆う。 玉ねぎソード!!」 ネギソードを生成し、ナムカの頭の風船を目がけて振りかぶる。 「甘すぎる!」 目を閉じながら、両手で地面を殴り、その衝撃でネギは吹き飛ばされる。 「へへっこれは防げない!」 ネギは玉ねぎソードを投げて相手の足へと命中する。ナムカは少し体制を崩す。 いきなりシュンがナムカの背後から現れる。手には玉ねぎソードを持っている。 「とりゃぁぁぁ!」 振りかぶり、ナムカの頭上の風船まで一直線。風船が綺麗に割れる。 昨日の作戦会議にて、 「普通にやっても勝てねぇ。だから俺がまず時間をできる限り稼ぎまくる。ナムカ先生が俺を殴ったら、その隙にシュンが後ろから割る!こんなんでどうだ?」 「そうだな、風船をどうやって割る?」 「シュンの風パワーでスピードアップからの俺の玉ねぎソード!!だな」 現在 「やったー!ネギ大丈夫?」 シュンはネギのもとに駆け寄る。 「俺がこんなもんで倒れるかぁぁ!」 ネギは元気一杯に叫ぶ。 「やったね!」 「まぁな、作戦通りってことよ!俺たちやっぱ最強だな。」 シュンとネギは強く互いの手を握る。一日中修行で共に行動することで二人の間に友達以上の信頼が生まれていた。 ナムカは座り、シュンとネギを見つめて、水溜りに向かって言う。 「、、鍋谷、風神、水流。やっぱり切っても切り離せないねぇ。ナガレ、この子らはもっと強くなるよ。」水溜りの水がピチョンと跳ねる。 「シュン、ネギ合格!!明日からビシバシ鍛えるから今日一日は休みなさい。」 そう言ってシュンとネギを見ると二人とも幸せそうに手を広げ寝ていた。それを見てナムカはにっこりと微笑む。涼しい新しい風がナムカの頬を通り過ぎる。 次回へ続く…
特殊人 第七話
第七話 特訓開始まで シュン、ネギ、ナガレの三人は特殊管理人強人所の本部へと向かおうとしていた。 「俺も連れてってくれるのは嬉しいっすけど、本部なんてどこにあるんですか、?」 ナガレはコップの水を飲み、体から水を発生させた、 ナガレ「本部には一部の登録された人間しか立ち入りできない、その人の特殊力を使うことで扉は開く」そう言うとナガレは入口の扉に水をかける、 ナガレ「さぁ扉を開けてみて、」 シュンは扉を開ける、シュンたちの体は光に包まれた。、、、シュンが目を開けると空は夕方のはずだが早朝のような雰囲気、そしてビルよりも高い建物が建っていた。 シュン「ここが本部、?」 ナガレ「そうさ!ここが悪い特殊人から人類を守る裏組織、特殊管理人強人所の本部さ!」 大きな塔が三つ並び、真ん中の塔が一番高い。多くの人が出入りしており、外には大きな公園、プールなどがあり、人で賑あっている。 シュン「あの人たち全員特殊人ですか?」 ナガレ「そうだよ、特殊人の任務をこなしてランクが上がればここを自由に出入りできるようになるからね、」 シュンとネギはナガレに連れられて、公園に入り、公園内にポツンと立った小屋に連れて行かれた。ナガレは戸をノックする。 ナガレ「いるかい?婆さん」 戸がギギギと開き、中から背の低いおばさんが出てきた。 おばさん「久しぶりだねぇ。何の用だい?」 ナガレ「この二人を特訓してほしくて、僕にしてくれたように、」 おばさんはシュンとネギをまじまじと見る。 ネギ「ナガレ先生、この人は誰ですか?」 ナガレ「この人は僕のお師匠様、人道(にんどう)ナムカ様、前の一団の団長さ、」 ネギ「団長!?初めて知ったっす!」 団長とはその団を仕切るリーダーのことである。 ナガレ「じゃあ、よろしくね、お師匠様、この二人を一週間で僕から一本取れるようにしてください。」 ナムカ「何言っとるん、私も暇じゃねぇ、こんな若いの二人もいらん、」 するとナガレはナムカにしか聞こえない声で言う。 ナガレ「風神と、鍋谷の子どもです、よろしくお願いします。」 ナムカは目の色を変えて、二人を見る。 ナムカ「シュン、ネギは私が預かろう。」 ナガレ「ありがとうございます、それじゃあまた一週間後に会おう!シュン、ネギ!」 そう言うとナガレは水となり消えた。 ナムカ「んじゃあやるか、まずは二日で私から一本取りな、二人で」 ナムカの頭に風船がぶら下がる、 ナムカ「これを二人で二日以内に割れれば、特訓開始だ、もし出来なければ修行はなしとする。」 今は強くなる、その為の最善策、 シュン、ネギ「ハイっ!」 怒涛の特訓が今始まる 次回へ続く…
特殊人 第六話
第六話 戦いが終わって シュンは目を覚ました。 シュンが男を倒したとナガレ先生から聞かされた。男はまだ起きないらしい。本部の医療機関で治療するのだと。 「やるじゃんか、シュン!俺も一人で捕まえたことないから羨ましいぜ!」 ネギは嬉しそうにシュンに言う。 しかしシュンは喜ぶ気にはなれなかった。自分が知らない間に人を投げ飛ばした。自分は怪物だと思っていた。 「シュン落ち込んでますよ、やはりあの時助けてあげれば良かったのでは」 ザンは心配そうにナガレと話す。 「いや、あの時の僕の判断は正しかったはずだ、多分。」ナガレは心配そうにシュンを見る。 シュンはアパートに戻ってきてもずっと落ち込んでいた。多くのメンバーが昼休憩に行っており、アパートにはシュンとナガレの二人だけだった。 「シュン大丈夫か?君がやったことはこの街の平和に繋がる、だから落ち込むことはない」 「知らない間に人を傷付ける自分が怖いんです。」そしてまたシュンは黙り込む。 「実は、僕、君の父と親友だったんだ。」 シュンがパッと顔を上げて驚いた表情でナガレを見る。ナガレは優しい表情でシュンを見る。 「もう何年前になるか、僕がまだ特殊管理人強人所で働いて1年ぐらいの頃、風神ヒュンジは僕の相棒だった、色々な任務を一緒にこなした。シュン、君と同じでヒュンジも風を使う」 「父さんが特殊人!?」 シュンは驚きながらもナガレの話を真剣に聞いていた。 「君の父はよくこう言っていた、この仕事には人の未来を救う力があると、シュン今はまだ力が使いこなせなくても、いずれ分かってくる。ここで立ち止まったら、それこそ君の家族には会えない。」 「僕の家族はどうなったのですか、?」 シュンが生きてきたなかで一番の疑問だった、 「……僕からは説明できない、一つ言えるとしたら君には風神様(ふうじんさま)がついているということ」 「時々、不思議な声が聞こえてくるような、、あれかな?」 「じゃあ、シュンには1週間で風を操れるようになってもらう!」 「1週間!?まだ何も分からないのに多分出来ない。」 「分からないから人は学ぶんだよ。大丈夫。最高の特別講師を呼ぶから。じゃあ本部に行こうか。」 「でも強くなって、家族のことをもっと知りたい。」 「本部は楽しいよ。ネギにも連絡しておこう、一応君の同期だからね。」 シュンは家族を見つけるため強くなる。 本部での特訓が始まろうとしていた。 本部 特殊管理人強人所、長官、月世リョクジは一つの影と話していた。 「今回の主犯、特殊力は静電気、名は電痛(でんつう)バッチ、危険だ。私はおすすめしない。いいのか?」 影は答える。 「はい。バッチを特殊管理人強人所、四団に迎えます。」 本部の医療所でバッチが目覚める。 次回へ続く。
特殊人 第五話
第五話 静電気って地味に痛い、 ヒュー。強く風が吹き始める。 (風は吹いているが使い方は分からない、目の前には男が立っている。多分今回の事件を引き起こそうとしている、ゆっくり使い方を掴むようじゃ遅い、。) シュンは心の中でそう考える。 そんな間に男は振りかぶり、シュンを殴った、。 ピリッ!シュンの頬に電気が走る。静電気のような痛みだ。 「静電気!?」 数多くのアルバイトをこなして、体はそれなりに強いシュンにとって威力はそれほどない。 しかしこの静電気が厄介で体が少し動かなくなる。その間に逃げられたら終わりだ。 「やるじゃねぇか、だがいつまで耐えれるかなぁ?」 また男は手を擦り合わせてピリピリとさせる、静電気を溜めているのだろう。暗い道は薄明るく光る。 シュンは何も出来なかった、また殴られる。今度もピリッとした。また一発、一発と当たる。流石に疲れてきた、シュンも男も。シュンはジッと男を見て、隙を疑う。 「ゼェ、ゼェ、やるじゃぁねぇか、」 男は手をまだ擦り合わせる。シュンもあと何回耐えられるかは分からない。ここにナガレ先生や、ネギが来てくれたら、、。 相手に一撃当たれば、シュンは風を操ることなど考えるのをやめた。 相手に攻撃して動きを止めて捕まえる、その思いだけであった。 その様子を二つの影が見ていた、第一団のザンとナガレだ。 「助けなくていいのですか?」 ザンはナガレに問う。 「まだ、まだその時じゃないのよ、ヤバくなったら助けるよ、」 ナガレはじっとシュンのことを見ていた。その目はとても真剣だった。 男は振りかぶりまたシュンを殴った。強い光と共に耳がちぎれるような大きな音が鳴った。 シュンは倒れた、体から力が抜ける気がした。 「これは使いたくなかったがしょうがねぇ、俺はお前になんか構ってる暇はねぇんだ、」と言い、男は歩き出す。 その時男が何もないところで吹き飛んだ。風が荒々しく鳴っている。空は暗い。 「な、なんだ!?」 男は静電気を溜める。しかしまた男が吹き飛ぶ。 「何が起きてる?」 ザンは傘を構える。 「ビンゴ!これでこそ待った甲斐があったということだよ!」 ナガレはいつもの子どものようなテンションに戻っていた。 シュンが立ち上がる、目は深い緑色だ。 「お前か、この私を殴ったのは、、?」 シュンの周りには強い風が吹いていた。声と共に風か強くなる。 「調子乗んなよ!」 その瞬間、風が吹き男は倒れていた、一瞬だった。 その一瞬シュンが別の何かに見えた。 そして戦いが終わった。後から分かったのだが風が吹いていたのはここだけだったという。 住民たちは何も気付かず終わった。 シュンの目はまだ少し緑がかっていた。 次回へ続く…
特殊人 第四話
第四話 初任務 道路には無数の車が走り、街が賑やかになってきた。そんな街の暗い小さな道に男が立っていた、服はボロボロで何日も寝ていないのかとても疲れたような顔だ。 「俺が、俺が、俺が!!全てを変えてやる、この世界の仕組みを、、。」 男の手が強く黄色に光る。目は遥か遠くの道路を見ていた。 その姿を蜘蛛が見ていた。その名は伝達蜘蛛、街の至る所で特殊人による事件などを監視して本部に伝えていた。 特殊管理強人所本部 「多坂街で特殊人による事件の可能性あり、どうしますか?長官。」 ずっしりとしたサングラスをかけたおじさんが言う。その胸には月世(げっせい)リョクジと書かれた名札がつけてある。この人が特殊管理人強人所の長官らしい、 「担当区域の団は?」 「第一団であります!」 「ちっ、よりによって第一団の連中か、しかし今回ばかりはしょうがない、第一団に出陣要請を!」 リョクジは声を張り上げる。 「はっ!」 ビリリリリリ!!第一団の本部のアパートに大音量で流れる。 「ヘイ、もしもし、あ、OK、わかりやした。」ガチャ、ナガレは電話を置く。 「任務が入った!イヌとザンは別任務なので、シュンと僕で行きます!」 ナガレはシュンに目を向けて言う。 「俺も行かせてください!」 ネギが元気よく言う。 「じゃあ、僕とシュンとネギで行くとするから。モエ、レイ留守番任せた。」 「任務って何?」 シュンはまだこの仕事についてよく知らなかった。 「先生、まだ説明してないの?」 モエが眠たそうに言う。 「ありゃ、忘れてた。よし!シュン簡単に説明するよ、」ナガレが説明を始める。 「我々、常人にはなし得ない力を持つ者を特殊人といいます!その特殊人が犯罪などを起こそうとしたらどうするか、警察じゃ相手にならない。だから僕ら特殊管理強人所の者たちがそいつらを捕まえて更生させるって訳。」 シュンの頭は混乱していた、特殊人? 「要するにパワー持った悪い奴を捕まえるってこと?」と答える 「はい、、そうです、」ヒソッと静かな声でレイが答える。 「じゃ!行くか!」 ナガレは本部を出る。 「おう!」 それに続き、シュンとネギも本部を出る。 シュンはナガレやネギについていった。 街に出た、多坂街の街の中心だ。 「ここからは分かれて行動しよう。」 「えっ?」 シュンはまだパワーが制御できない、ここで分かれたら何もできない。 「ああ、そうだな、特殊人の見分け方も教えないとな、特殊人は手の平に模様がついてる、そいつを狙え、よし行くぞ!!あ、あと一応一般人には見られないようにね。非政府組織だから見つかったら逮捕だよ。」 「分かりやした!」 ネギはそう言うと走ってどこかに行った。 シュンは自分の手の平を見ると確かに模様があった、生まれつきあった模様だ。 「あ、あの俺、力、」 シュンが言い切らないうちにナガレは水となり消えた、探しに行ったのだろう。 「これは余り動かないほうがいいな、もし悪い奴と出会ったら何にもできない。」 シュンは道路に近い人が少ない所にいってジッとしていた。すると男の人と肩がぶつかった。 「すみま、」 シュンは気づいた。男の手には模様がある。ドクドクと心臓が鳴る。 シュンは分かった、こいつこそが特殊人で俺たちの探している人物だと、普通なら、ここで一歩立ち止まる。 だがシュンは男の肩を掴んだ。 「何しようとしてるんですか?」 男は振り返る、手がピリピリと光った、 「テメー、強人所の奴か?俺も舐められたもんだ、子どもだろお前まだ、早く逃げねえとどうなるか、、。」 「叫んでも無駄だ、他の人が巻き込まれる、ここは」 シュンは小さな声でそういい、目を瞑る。男も手を出してピリピリと鳴らす。今静かな戦いが始まろうとしていた。 次回へ続く…