蓮香千暉

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蓮香千暉

蓮香千暉です。 まだ小説は作り慣れないですが温かい目で読んでいただけると嬉しいです。

寒い朝にコーヒーをすすりながら約束した

清水侑汰 佐原美咲 今日は待ちに待ったデートの日、沙良に見てもらいながら髪も初めて巻いた。 でももうすぐ集合時間1時間経つんだよな…どうしたんだろ 3時間後… 1回家に帰ろうかな 帰る途中、沙良から電話がかかってきた。 「もしもし」 「侑汰!美咲ちゃんが…」 「はぁ!?」 「とにかく今すぐ病院に来て」 「わかった、今すぐ行く」 俺は自転車を必死に漕いだ ーーー 気がついたらベットの上だった。 「え…」 「意識が戻ったぞ!」 両親が隣にいた。 けれど隣の小さい女の子は誰? 「美咲ちゃん、よかった〜」 この子が喋った。 さらに数分後別の男の子が病室に入ってきた 「美咲よかった〜」 この子も見覚えがない。私は言った 「あのどちら様ですか?」

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肌寒い朝に冷めたコーヒーをすすりながら約束した

佐原美咲、清水沙良 〜翌日〜 あの後、既読がつかなかった。 正直気になって私は勇気を出して電話してみることにした プルルル… 「もしもし、あれ美咲?」 「急に連絡してごめんね。ちょっといいたいことがあって」 「いいよ」 「告白の返事なんだけど、一回デートっぽいことしてみてからかんがえたいな、って思って」 「デ、デート!?//」 「嫌だったらいいけど…」 「わかった、じゃあいつなら空いてる?」 「明日しか空いてなくて…、いい?」 「いいよ、じゃあ明日の10時くらいにレンコン公園で」 「わかった。じゃあね」 「うん、バイバイ」 そして電話を切った。 やばい心臓がバクバクだ ーーー 朝寝癖を治しながらリビングに行ったら、侑汰がにこにこ笑顔になっていた。 「なんか気味悪いけどどうかした?」 「美咲とデートすることになった」 「あぁ、おめでとう」 まさか美咲が本当に実行するとは思わなかった。 今日は美咲と映画を見る予定。後追加で服も。 まあ侑汰は知らないだろうな。美咲が余命あと20日だなんて…

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肌寒い朝に冷めたコーヒーをすすりながら約束した

佐原美咲、清水侑汰 俺たちは小学校からの幼馴染で今年同じ高校に入学することになった。 最初の頃は俺の家の事情もあってなかなか仲良くはしなかったけど、中1になった時に美咲が話しかけてくれてよく一緒に下校するようになった。そこからだろうか。美咲に恋心を抱くようになった。 今日直接は恥ずかしいから、朝早めに起きて電話で告白する。 プルルル… 「もしもし?」 「美咲、侑汰だよ。今日伝えたいことがあって」 「ん、いいよ」 「俺、美咲のことが好きなんだ。もしよかったら彼女になってくれないか?」 「ちょっと時間もらっていい?」 「わかった」 よし、告白はまあなんとなくだけど上手くできた。あとは結果を待つだけだ。 沙良を起こしに行こう ーーー 電話を切った後迷った。 私は余命1ヶ月弱でいつ死ぬかも分からないのに。。。 でも私は優しい侑汰くんが大好きなのに、もどかしい気持ちが抑えきれない。 相談のために清水沙良ちゃんに連絡した。沙良ちゃんは私の後輩で私の病気を唯一知っている。 プルルル… 「ごめん、今起きた。どうしたの」 「今日侑汰くんに告白されたの」 「え、侑汰が… あ、いやなんでもない」 「どうすればいいかな」 「まあ病気のこともあるし一回だけデートしてみれば」 「デ、デート!?」 「うん、面白そうじゃん」 「わ、わかった。やってみるよ」 「頑張れ〜」 「うん」 そう言って通話を切った。まあ一回だけだしいっか、と思い私は侑汰くんにRINEを送った。

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肌寒い朝に冷めたコーヒーをすすりながら約束した。

清水沙良、清水侑汰 私たち兄妹は一見本当の“兄妹”に見える。 だがそうではない。 二人とも同じ母親から生まれた、でも父親は別だ。 今年に入ってから私が10歳侑汰が12歳になった。 3年前に両親が他界してからは、二人で暮らしている。 最近コーヒーにハマり飲みながら二人で話すのが日課となった。 二人でコーヒーを飲んでいると侑汰が口を開いた。 「あのさ、俺らが両親いないこと秘密にしてくれないか?」 私は驚いた、みんな知ってるのに。一応なんでと聞き返した。 「だって自分達が将来的に成長して恋人とかできた時に知られたくないだろう」 と兄らしい答えが返ってきた。 私はそうだねといい、冷たくなったコーヒーをすすった。 ーーー 俺は沙良に秘密にするように伝えた。 親がいないこと、、、 3年前、両親の葬儀の時ソーシャルワーカーの人から話しかけられた “君たちはここへきなさい”と でも断り走って逃げた、沙良と共に。 俺は生まれた時から孤児院にいて家族の誰とも血がつながっていない。いわゆる里子ってやつだ。 俺がいた孤児院は服は不衛生だし食べ物も粗末だった。今両親がいないことを周囲が知ってしまうとまたあいつに気づかれてしまう。 その怖さを沙良に感じさせないために秘密を約束した。 全ては沙良のために。これからも二人で生きていくために。

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