七瀬梓

18 件の小説

七瀬梓

はじめまして!高校2年生です!よろしくお願いしまーす あんまり小説を書くのはなれていないので下手ですが自分のペースで頑張ります

サクラソウの花 1話

俺はあの日以来、白黒の世界から抜け出せずにいた。生きる希望も見つけない、何をする気にもなれなくてずっと続けてたサッカーもやめた。高校に入っても今までなんとなくで生きてきた。そんなある日、俺のクラスに転校生が来た。でも、俺には関係ない。そう思っていた。 「初めまして!関西の方から引っ越してきました!伊織深優です。これからよろしくお願いします!」 そう言ってほほ笑む姿は唯奈にそっくりだった。そんなはずがあるわけないのに…俺がそんなことを考えていると 「じゃあ伊織さんは、野崎の隣の席に座ってください」 「はーい!野崎君?よろしく!」 いや、やっぱり別人だ。あいつはあの日俺の目の前で死んだ。死んでしまったんだ。よく見ると、顔も全然違う。そんなことを考えていると伊織さんは心配そうに顔を覗き込んでくる。俺は大丈夫と言って席を外した。教室に帰ってくると伊織さんはクラスのやつらに囲まれていた。何が面白いのだか。伊織さんは俺に気付くなり俺の方に駆け寄ってきた。 「野崎君!せっかく隣の席になったんやしこれもなんかの縁ってことで学校紹介してくれへん?」 は?他のやつに頼めばいいだろ。なんで俺なんかに 「ねぇお願い!」 めんどくさいやつだ…今日は忙しいからと言って俺は一日回避することができた。でも、次の日もその次の日も毎日毎日付きまとってきた。俺は、なんで俺なんかばかりに着きまとうのか直接聞いてみた。 「何でって…うーん特に理由ないんやけどなぁ…でも、野崎君を始めてみた時になんかめっちゃ一人だけ死にそうな目っていうかそんな感じの雰囲気してて興味がわいたーみたいな?こんな人を笑顔に出来たらええなーみたいな?関西人の性っていうかそんな感じなんかなw」 意味が分かんねぇ。でも、なんだかおもしろいって思った。 「あ、そうや!!野崎君っていうのも堅いしさ下の名前教えてや!!」 俺は奏斗と、答えると伊織さんは嬉しそうに 「へー奏斗っていうんや!!よろしくな!そうや、奏斗もうちの事下の名前で呼んでや。深優~って」 俺はめんどくさそうに、学校案内に行くんだろ。はやく行くぞと言い教室を出た。一通り学校を案内し終わると 「ねぇ!この後空いてる?お礼させて」 俺は断ろうとしたが、Noと答える前に俺を無理やり連れて行った。どこに行くのかと思っていたら、近所の公園に着いた。 「引っ越してくる前この辺の事調べてたらこの辺にめっちゃおいしいクレープ屋さんのワゴンあるってネットに書いてあってちょっと興味あったからだれかと食べたいと思っててん!って、アレーこの辺にあるって書いてあったのにどこにあるんやろ」 この辺でクレープ屋と言ったらあそこしかない。昔唯奈と一緒によく食べていた。俺はため息をつくと伊織さんを連れてクレープ屋に向かった。しばらく行ってなかったしまだあるとは思ってなかったけど昔と変わらず同じ場所でクレープを作っていた。クレープ屋のおばさんも顔なじみだった。 「あら、久しぶりね奏斗君。唯奈ちゃんも。二人ともいつものでいい?」 おばさんは聞いてきた。伊織さんは唯奈と呼ばれキョトンとした顔をした。おばさんは唯奈が死んだことを知らない。俺だって最初は唯奈だと錯覚したくらいだ。めったに女の子と話さない俺が唯奈と顔立ちの似た女の子といたら死んだことを知らない奴らはだれだって見間違えるだろう。俺はその場をさっさと切り抜けたくて大丈夫ですと答え代金を出すと、伊織さんは 「ちょ、うちが出すって」 と焦ったように言った。おばさんにはその光景がどのように映ったのか知らないが 「いいわねーw青春じゃない」 と言いながら笑っていた。 「はい、これね。また来てね」 と言っておばさんはクレープを二つ渡してきたのでありがとうございますと軽く会釈をしてその場を離れた。伊織さんに俺はクレープを渡すとありがとうと一言いうと黙り込んでしまった。伊織さんはさっきから確実に口数が減っていた。何を考えてるのかは大体わかる。どうせさっきおばさんが言った唯奈という存在の事についてだろう。そう考えていたら突然話し出した。 「このクレープ屋さんのこと知ってたんやね。店員さんとも仲良さそうだったし常連だったん?」 と言ってきた。俺がまぁなと答えるとまた黙り込んでしまった。それから、俺たちはクレープを食べ終わり帰ろうとした。その時、 「ねぇ、さっきあの店員さんが行ってた唯奈ちゃんって誰?」 あぁやっぱりそのことか。俺はだれでもいいだろ、お前には関係ない。と答えると何かを察したのかいつもはしつこく聞いてくるのにそれ以上詮索してくることはなかった。 次の日、伊織さんはいつも通り俺に話しかけてきた。昨日の事はあまり気にしていないようで少しほっとした。 「ねぇ奏斗!今日さ、ちょっと買いもんに付き合ってくれん?昨日結局なんもお礼できんかったし」 と言った。昨日の事があって気まずい気もしたが了承した。そんな話をしていると今田が絡んできた。 「何、お前女の子と放課後に出かけんの?珍しい」 今田は唯一中学のころから一緒のクラスで学校一の情報屋みたいなところがある。だから、唯奈と俺の事も知っている。そして何かと絡みに来るめんどくさい奴。 「どんなに誘ってもお前全体に乗ってこなかったのにどうした。もしかして」 今田がそう言いかけたところに俺はかぶせて関係ないと言った。 「…そっか。そういえば昨日もなんか出かけてたんだろ?その話昼休みにでも聞かせろよw」 そう言いその場を離れようとした。そういえばあいつはただの冷やかしに来たのか?と思って呼びかけようと思ったが、すでにどっかに行ってしまってた。 はぁ自由かよ… 放課後、俺は伊織さんに連れられてショッピングモールに連れてこられた。伊織さんはあまりファッションとかに興味のないタイプだと思っていたが意外とそういうことには敏感だったらしい。でも、こういう買い物をするならなおさら女の子と来た方がよかったんじゃ…俺がそう思ってると彼女はそれに気づいたらしく 「奏斗さ、まーた何で自分なんかが連れてこられてるんやろとか考えてるやろwめっちゃ顔に出てんで」 こいつは、たまにこういうところが似ている。ふとした時に俺の気持ちを見透かしたかのように話しかけてくるところ…俺が驚いてると 「あんまりおもしろくないけど、ある女の子の話をしてあげるわ。んーでもこういう話人の多いとこでしたくないんよなwあ、そうや!昨日の公園に行こうや!またクレープ食べながらさ。あのクレープまじでおいしかったからまた食べたいと思ってたし」 俺たちがクレープ屋に行くとおばさんは嬉しそうに 「あら今日も来てくれたの?ありがとうね」 と言ってきた。すると隣から伊織さんが 「初めまして!いや、正確に言うと昨日会ってるんで初めましてではないんですけど最近奏斗のクラスに転校してきたんです!で、うちは関西の方から越してきたんでこの辺とか全然わかんなくていろいろと紹介してもらってたんです!」 「あら、そうだったのね。私すっかり人違いしてしまってたわ…ごめんなさいね?じゃあ、このお店は奏斗君が教えてくれたの?」 「はい!そうなんです近くにおいしいクレープ屋さんがあるって連れて行ってくれたんですけどほんまに始めて食べるくらいにめっちゃおいしかったんで今日も来たいってわがまま聞いてもらったんです!!ね?」 こいつは何をしたいんだ?嘘をついてまで…俺は昨日までこの店の存在を忘れていたのに…まだあるなんて知らなかったのに… 「じゃあ今日は二人とも何を食べる?」 「うーん…じゃあうちは、おばさんのおすすめでお願いします!!奏斗は?あ、今日こそうちがおごるから」 こいつは本当に理解のできないことが多すぎる。なんで俺なんかにこんなに… 「奏斗?」 うお!?いちいち顔を覗き込んでくんなって!と俺が怒ると 「だって全然呼びかけても返事しないんやもん!で、今日こそおごるから何食べんの?」 と口を膨らましている。ごめん…じゃあいつもので大丈夫です。と答えた。おばさんはクレープを作りながら 「そういえば最近唯奈ちゃんの事見かけないんだけどどうしたの?」 と聞いてきた。さすがに、正直に答えるのは違うような気がして引っ越したんですと答えた。 「そうだったのね…ごめんね」 と言ってきた。いえ…大丈夫ですと答え俺たちはクレープを受け取り人気の少ないところにあるベンチに座って食べることにした。俺たちは、お互いに無言で食べていた。しばらくすると伊織さんが重い口を開いた。 「ねぇ奏斗、さっき言ってた女の子の話…してもええかな?」 俺は正直聞きたくなかった。3年前のあの日を思い出すから…俺が返事をせずにいると伊織さんはそれをいいという風にとったのか話し始めた。 「その女の子は、特に取柄もない感じやってんけどでも人望だけは人一倍あってん。 でもある日どこから出た噂なんかは知らんけどその女の子がいじめをしてるっていうデマが流れた。 最初はだれもが嘘やって思ってた。本人が否定しとったし、それに決定的な証拠がなかったから。やから特におっきな問題にもならないでその話は終わってん。 でも、その話からちょっと経ってみんなが忘れてきたころにまたその子がいじめをしてるって話が出た。 でも前と違うことがあって、決定的な証拠がついてた。その音声は確かにその子本人の声だった。でも、その子には心当たりがなかった。そこでその子は気づいてん。 その音声のおかしいところに。でも、その子以外はだれも気付かんかった…すっかり信用を失ったその子の話を聞いてくれる人は誰もおるわけなくってその子の周りにはあんなにもいた子も皆いなくなった…それからはその子は教室では存在してないような扱いをされて先生たちも関わったらめんどうやって思ったんか知らんけど皆が黙認しとった。 まぁただ無視されるだけやったらそんなんきにせんかったらええやんって思う人もおるかもしれんけどその子は独りぼっちっていうのが大嫌いやった。 やから…やからそんなんであったとしてもつらかった。悲しかった。苦しかった…次第にその子は部屋にふさぎ込むようになった。 でも、お母さんは忙しいしあんまり心配させるのもよくないと思ってまた学校に行き始めた。でも…もう教室にはその子の居場所はもうどこにもなかった。 もう限界だった。その時にちょうどお母さんの転勤の話が出てこっちの方に引っ越してきた……それがうち」 俺はそうか…とそっけなく答えた。でも伊織さんはそのことを気にしていない様子でクレープにかぶりついた。そのとき、彼女の腕に包帯がまかれているのが見えた。その隙間からは痛々しい切り傷が無数に見えていた。その中には治ってきているのであろう白くなった線もいくつかあった。俺は思わず視線を伊織さんからそらした。俺は話をそらそうと、一つ気になっていたことを聞くことにした。何ぜそんな話を俺にしたのか。俺はそう聞くとふっと笑い伊織さんは答えてくれた 「前さ、興味がわいたから近づいた―みたいな話したやん。まぁそれはあながち間違ってはないんやけど…ちょっと前までのうちと同じ雰囲気やってん。奏斗は…同じ雰囲気をまとってておんなじ目をしてた。自分の事なんてもうどうでもいいような、ただそこにいるだけみたいな…生きる希望がない…みたいな?w今にも消えいっちゃいそうなそんな感じやったから。って言っても伝わらんかもしれんけどさwずっと一人でいて…もしかしたらうちみたいにつらい思いをしてんのかもって。でも違ったんよな。この数日みてて思った。自分から一人になりに行ってる。違う?」 図星だった。俺は、もうあの日以来人とかかわるのをやめた。もうこれ以上大切な人を増やさないように…これ以上大切な人を亡くしたくなかったから。だから…無意識のうちに人とかかわるということを避けていた。そのことを彼女はこの数日で見抜いていたんだ。 「最初は何でかわからんかった。だってうちは一人が嫌やったから…人それぞれなんはわかってるけどでも理解できんかった。でも昨日、今日でちょっとわかった。唯奈ちゃんって子が関係してるんやない?」 俺はそのことを聞いた瞬間その場を逃げ出してしまった。理由は俺にもわかんなかった。でも、唯奈の話はしたくなかった…されたくなかった。それだけだった。伊織さんが話してる間、俺はあの日の唯奈と重ねてしまった。ダメだ…彼女といると俺はどうしても唯奈と重ねてみてしまう。全くの別人だってことなんてわかりきってるのに…でも心のどこかで同じであってほしい、唯奈に生きていてほしいと思ってしまっている自分がいる。だからこそ、彼女といると唯奈との思い出が消えて行ってしまいそうで…それがつらいかった…苦しかった… ここまでくれば大丈夫だろう。そう思っていると後ろから声がした。 「奏斗!!」 後ろを振り向くとそこには走って追いかけてきたのか息を乱している伊織さんがいた。なんで… 「ごめん。うちさ、人との距離の詰め方とかわからんから…だから、この二日間で仲良くなれたと思って調子乗った。そりゃ、会って数日もたってない奴にこんなに私情にずかずか突っ込んでくるやつなんて迷惑やったよな…本当にごめんなさい…」 なんで…何で追いかけてくるんだよ...こんなにも俺は突き放すのにそれでもなんで…こいつは本当に理解ができない。なんで…しかもこんなに必死になって…なんでなんだよ... 「許してくれるわけないよな…でも、うちは奏斗の事を知りたかった。もし、生きる希望を無くしてんのやったらあげたかった。ごめんなさい…自分勝手な理由で無神経に傷つけてしまった。本当にごめんなさい…」 こちらこそごめん…自分のつらかったことを教えてもらっといてこっちは逃げるなんて俺は最低だよな… 「そんなこと!うちが勝手に話し始めたことやし」 それでもごめん…深優。俺がそういうと驚いたように彼女は顔を上げた。 「今、名前…!」 彼女は嬉しそうに駆け寄ってきた。 「今、名前呼んでくれた!深優って!」 俺は無意識にそう呼んでいたらしい 「ねぇ!もう一回言って。もっかい呼んで」 …呼んでないから。そういうと彼女はさっきの必死さとは打って変わって嬉しそうに俺に頼んでくる。 「お願い!もう一回だけでもいいから。お願い!!」 俺はだんだんと照れ臭くなってしまい家の方に向かいながら言った。今日はもう遅い。俺んち来い、深優 「うん!」

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サクラソウの花 0話

中学3年の冬。俺はいつものように学校に向かおうと家を出ると後ろから声がした 「かーなと!!」 後ろを振り向かなくてもわかる。幼馴染の唯奈だ。唯奈と俺は親同士のつながりで小さいころからずっと一緒だ こいつは顔もかわいくて俺なんかとも一緒にいてくれる優しい奴だ。そして、頭もよく運動神経もいい…何より飯がうまい 俺たちの親は出張が多く唯奈が料理が趣味ということもありごちそうしてもらうことも多かった。特にこいつの作るオムライスがどんな料理よりもうまい。 俺は、才色兼備っていう言葉はこいつのためにあると思う。それくらいに、唯奈はすごい。 いつしか俺は唯奈の事を幼馴染として見れなくなってしまっていた。でも俺は、あいつと違って体育以外何にも取り柄がない。釣り合うわけもない ずっと一緒にいたはずの幼馴染はいつしか高根の花の存在になってしまっていた。 「おはよ!!一緒に行こう!」 俺は、おう。と答え唯奈と一緒に歩き始めた。俺が学校に着き靴箱を開けると一枚の手紙が入っていた。 なんだこれ。 「どうしたの?手紙?」 なんでもない 俺はなんとなく見せるべきじゃないような気がしてとっさに隠してしまった 「えーけちー」 と、言いつつも唯奈はあまり気にしていないようだった。クラスに着くと俺はクラスのやつらに軽く挨拶をしながら唯奈とは別れた。 俺と唯奈はクラスが違う。だから、俺たちは学校ではあまり話さないそれもあってか、俺たちが幼馴染ということは小学校のころから同じ奴ら以外はあまり知らない。 「今日もお前らは仲良く二人で登校か??」 そう言いながらだるく絡んでくるやつもいるが適当にあしらい俺はさっき靴箱に入ってた手紙を開いた。 『    野崎 奏斗さん      今日の放課後、屋上に来てください      待っています                  江崎 薫       』 これって…ラブレタ―?江崎薫なんて初めて聞く名前だな…まぁ屋上に行けばわかるだろう。そう思ったものの一度気になってしまうと忘れられない。 俺は今日一日全然授業の内容が入ってこなかった。 放課後、屋上の扉を開けるとそこには見覚えのある後ろ姿が立っていた …ゆい…な? 「あ、奏斗!!待ってたよ。遅い!」 彼女はいつも通り笑っていながら俺に話しかけてくる。でも一つだけおかしいものがあった。 唯奈?何でお前…そんなとこに立ってるんだ?俺がそう聞いても唯奈はにこにこと笑っているだけ なぁ…唯奈戻って来いよ 「ねぇ、奏斗。ここでさ、一人の女の子の話してあげる。その女の子はね」 ふざけんなよ!俺はそう怒鳴ってしまった。でも、唯奈は淡々と話し続けた 「その女の子はね、勉強も運動もそこそこできてそこそこ友達もいた。困っている人には自分ができる助けは全力でやった。ある日ねその女の子は友達に言われたの。いつまで偽善者ぶってるの?って。ぶりっこじゃんwって。その子は全然そんなつもりなかった。だからそんなこと言われても…って困った。別の日、Aちゃんっていう女の子にその子は呼び出されたの。そしてその子は殴られた。突然の事だった。そして、殴ってきた後Aちゃんは言ったの。私の彼氏を取ったでしょ。最低っ!って。女の子は必死に否定した。でも、信じてもらえなかった。次の日から、女の子は虐められるようになった。誰にも相談できず一人で…家族になんてもちろん幼馴染の男の子にも…誰の事も心配させたくなかったから。それをいいことにいじめはどんどんひどくなっていった。女の子の心はどんどん壊れていってしまった。それでも誰にも悟られないように必死に隠して隠して…そんな子だった。その子はなんか間違ってたのかな…?困ってる人を助けただけなのに…私は‼…何か間違ってたのかな?」 俺は…知らなかった。唯奈がそこまで苦しんでいたなんて。俺にはかける言葉が残っていなかった。唯奈の事は何でも知っていると思ってたから。知らないことなんて一つもない、そう思ってたから。でも、俺は何も知らなかった。全然理解なんてしていなかった。わかってるつもりになっているだけだった。 「……でもその子には一つだけ希望みたいなものがあった。」 …希望? 「それはね、好きな人がいること。その好きな人は、運動ができてかっこよくて私なんかが絶対に釣り合うはずもなくてそれでもずっと昔から一緒にいてくれる。誰かが泣いていたら一緒に泣いてくれるような優しい人。でも、その人は絶対に好きになってはいけない。だって彼は私の事を幼馴染としてしか見てないから。きっと…この恋は実るはずがないから…だから、私だけで留めておこうって思った。でも、もうそれも限界。何もかも、隠しておく…そんなのはもう無理だから。だから、もう全部終わりにするの。ここから飛んで、もう終わりにする。」 俺たちは、お互いが知らないだけでずっと両思いだった。なのに、その好きな人はまた手の届かないところに行こうとしている。 俺はその儚く消えてしまいそうな手を掴もうとした。もうどこにも行ってしまわないように 「来ないで!!…来ちゃだめ。奏斗は…私なんかといちゃダメなんだよ。だから…来ないで…」 「来ないで」俺はその言葉を聞いて動けなかった。言葉も出なかった。 「…奏斗?ごめんね。奏斗はこっちには来ないでね。さようなら」 唯奈がそういうと同時に俺は飛び出し唯奈の落ちていく手を掴もうとした。でも、その白い手はむなしくも俺の手をすり抜け落ちていった。 その光景はスローモーションのように過ぎていった。そして、地面に赤い水たまりができていくのが見えた。俺は急いで唯奈のもとへ走った。そして唯奈の事を抱き上げて呼びかけるがいつものようにひまわりのような笑顔を俺には向けてくれない。雪のように白い手で俺の手を握ってくれない。その現実を突きつけられ俺は…俺は… うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ 俺は、声がかれても泣き叫び続けた。なんで…何であいつが…唯奈が死ななきゃならなかったんだ。 なんで…なんでなんでなんでなんでなんで そう問い続けても、返事は帰ってこない。唯奈は戻ってこない。あの笑顔はもう見ることができない。唯奈のいない世界なんて…そんなの… そんな俺たちをあざ笑うかのように雨がぽつりぽつりと降ってきて俺たちを濡らしていった。儚い一人の少女が生きていたという証をすべて流して消し去るかのように。 俺は、あれから部屋から一歩も出ていない。何もかもがどうでもよくなってしまった。唯奈のいない世界は色が抜け落ちてしまったかのように白黒の世界になってしまった。その世界に一人ぽつんと取り残されてしまったそんな気がして。寝てもあの日の事を夢で見てしまう。俺は決意した 唯奈、今から俺はそっちにいくよ 俺は、唯奈があの日したように屋上に立った。下を見ると思ったより高かった。あいつが死んでから花壇ができたらしいくそこにはサクラソウが咲いているのが見えた。だか、迷うことは何もなかった。飛び降りると俺は鳥のなったような気分になった。自由になったような、すべてから解放されたような…そんな感覚に包まれた。 次に目を覚ますとそこは病院のベッドだった。ははっ…あいつは俺には死なせてくれないのか…そのとき、俺はふと唯奈が飛び降りる直前に俺に言った言葉を思い出した。 「奏斗はこっちに来ないでね」 この言葉は、きっと俺がこういうことをするということを見越して言ったのかもな…wやっぱ俺はあいつには叶わないな… もしかしたら、あの花壇に見えていたサクラソウは唯奈からの呪いだったのかもしれないな…

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新作!!あらすじ

俺には幼馴染のやつがいる。あいつと俺は親同士が仲良くて生まれた時からずっと一緒だった…だから、俺はあいつの事は何でも知ってる……そうだと思ってた。 なのに……何でこんなことになった? 何であいつはこんな目に合わなきゃいけなかったんだ? わからない…俺は…ただ…あいつの事が……ただ‼ 人物紹介 奏斗(かなと)高校2年 唯奈と幼馴染 唯奈(ゆいな)奏斗と幼馴染 深優(みゆ)高校2年 奏斗と同じクラス 新作です!!良ければ見てみてください! そして、コメントとかお願いします

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私なんて

もう消えたい 私はそう何度願ったことだろう 何もとりえのない私 勉強も平均以下しか取れない 運動能力だって普通 顔だって中の下くらいしかない 他の事だってなにも私は何もできない 何もかも友達の方ができた ここが私の居場所だと思っても すぐにそんな居場所は消えていく 何でこんな私がいるんだろう 自分の存在意義が分からない つらい 消えたい そんな言葉だけをひたすら考える でも私は考えるだけ 実際に行動を起こす勇気はない そんな臆病な自分が本当にキライ 表に笑顔の仮面を引っ付けて いつもいつもへらへらして 心の中ではだれも信じられなくて 疑ってばかりの人生 そんな自分が本当にキライ 何でこうなってしまったんだろう 昔はこんなのではなかったはずなのに もっと心からずっと笑っていたのに いつからなんだろう 心から笑えなかったのは そう思ってしまう あぁ今日も周りに当たってばかり もう消えたい 誰かこんな私を助けて そう願ったって意味はないけど それでも少し願ってしまった でも私を助けてくれる人なんていない こんな私を助けようなんて思う人もいるわけがない そんなことを思って私は今日も眠る

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改めて自己紹介!!

こんにちは!七瀬梓です 正式な自己紹介っていうのはあまりできていなかったので今回したいなって思います! まぁ誰も興味はないと思うけどwじゃあ Let's Go!!!↓↓↓ 学年:高2 性別:一応女! 好きな色:水色、薄紫 好きな食べ物:チョコ 好きな飲み物:コーヒー 出身:関西圏のどっか 関西生まれ関西育ちなので関西弁がちょくちょく出てしまうかもしれません これどういう意味っていうのがあればコメント欄とかで言ってもらえたら嬉しいです あと、読んだ感想とかコメントしてくれてたりいいねしてくれると喜びます よろしくお願いします!! ではこれからの作品もぜひお願いします

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私と親友

私たちはすっごく仲が良かった 周りからは双子みたいと言われるくらいにいつも一緒にいた 初めての事はいつもあの子が一緒だった 初めての友達もあの子 初めて遊んだのもあの子 初めて友達と買い物に行ったのもあの子 初めて友達とプールに行ったのもあの子 初めて友達と幼稚園に行ったのもあの子 初めて友達と小学校に行ったのもあの子 初めて友達と中学校に行ったのもあの子 何をするのも一緒だった でも、あの子と私はよく比べられた 勉強もあの子の方ができる 字もあの子の方がきれい 足もあの子の方が早い 友達もあの子の方が多い あの子と一緒にいる私はいつの間にかあの子のおまけになっていた あの子と一緒にいたいから3人で遊ぶ あの子と一緒にいたいから3人で登校する あの子と一緒にいたいから・・・ いつの間にか私はあの子の周りからすると邪魔な奴になっていた それもこれも私とあの子の実力の差が生んでいるものだと思った だから私は必死に努力をした 休む暇も惜しんで 寝る暇も惜しんで それでも実力の差は縮まらなかった さらに必死に努力した もっともっと頑張らないと もっともっともっと頑張らないと もっともっともっともっともっともっともっともっともっともっと でも頑張っていくほどにあの子との心の距離が離れていった 一緒にいる時間も減った もうあの子にとって私は必要なかった 高校に入った 初めて一緒に行くことはなかった 同じ高校だったのに 会話をすることはなかった クラスも違った 将来の夢も今はたぶん違う あの時約束したものは全部なくなってしまった きっとあの子はもう覚えていないだろう 私の事なんて 廊下ですれ違うたびにあの子の楽しそうな顔を見ると 嬉しいような寂しいような気持になる でもこれが仕方がない それが運命だったから

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三原色5話 ~沙紀視点~

次の日の放課後私は一ノ瀬君に言われた通り校舎裏で待っていた。すると突然後ろから声がした。 振り向いてみても誰もいなかった。不思議に思いながらも前を向きなおして待っていると一ノ瀬君が走ってきた。 「待たせてごめん!ちょっと先生に呼びされてて・・・」 大丈夫だよ。どうしたの?最近、一ノ瀬君は奏にとても気をまわしていたから奏の事についてだと思っていた。 「実は話したいことがあって・・・」 やっぱり・・・そう思いながら聞いていると一ノ瀬君はその次に驚きの言葉を発した。 「おれ・・・ずっと」 ん?どうしたの? 「俺、ずっと麻宮の事が好きだった」 ・・・え?どういうこと?私は一ノ瀬君の言ったことが一瞬理解ができなかった。そして私はもう一度聞きなおしてしまった。 ごめんなさい・・・もう一回言ってもらってもいい?そういうと一ノ瀬君はさっきよりもはっきりと言った。 「俺、麻宮の事初めて見た時から好きだった。こんな俺でよければ付き合ってください」 私は信じられなかった。ずっと好きな相手からの告白だったから・・・とても嬉しかった。でも、私は同時に罪悪感に襲われた。 一ノ瀬君は私の好きな相手であると同時に、親友である奏の好きな相手だから。昨日勇気を出して打ち明けてくれた気持ち、一ノ瀬君が好きだということ・・・ でも、私は自分の気持ちを優先してしまった。 ありがとう。嬉しい・・・私もずっと好きだった。こんな私でよければよろしくお願いします! 私がそういうと一ノ瀬君はとてもうれしそうな顔をしてよろこんだ。その顔を見ると私もうれしかった。 「じゃあ一緒に帰ろうぜ!」 うん!そう言って私たちはその日一緒に家に帰った。そして次の日、私が家を出ると家の前で一ノ瀬君は待っていた。私は驚いた。 だって私の家は一ノ瀬君からすると学校から真逆だから。私がとても驚いた顔をしていると、一ノ瀬君はまた犬のような笑顔を浮かべて 「おはよ!元気か?」 と聞いてきた。なんで・・・私がそういうと一ノ瀬君は 「俺さ・・・彼女ができたら一緒に登校するのが夢だったんだよな」 と言ってきた。彼女・・・私はその言葉に頬を赤らめた。そして実感した。あぁ・・・私は本当にこの人の彼氏になったんだ。 そう思っていると一ノ瀬君はとても心配した顔で 「大丈夫か?顔赤いけど熱でもあるのか?」 と言って顔を覗き込んで来ようとした。私は恥ずかしくなってしまって、早く行くよ!と言って学校に行く足を速めた。 学校に行っていると一ノ瀬君は突然こんなことを言いだした 「なぁ・・・沙紀」 ど、どうしたの? 「ずっと一ノ瀬君って読んでるけど俺の事下の名前で呼んでくれない?俺・・・一応彼氏だし。それになんか、苗字呼びって距離遠くないか?」 は・・・え・・・し、下の名前!?そんなハードルの高いこと言えないよ・・・そして私の顔がさらに熱くなっていくことを感じた。 「お願い!!」 そんなに頼まれると私は断れない。私が、悠馬君というと本当に嬉しそうな顔をした。彼のその顔を見て彼の笑顔は本当に私を笑顔にする。 本当に私は彼の事が大好きだ。そんなことを言っていると学校に着いた。学校に着くといつも通りの日常が流れる・・・そう思っていた。 いつも通り水が降る音がした。 バシャーン あぁまたか・・・そう思い顔を上げるとそこに立っているのは奏ではなかった。え・・・先生?奏の代わりに立っているのは、担任だった 「誰だ!こんなことをしているのは!」 でも、その質問には誰も答えなかった。当たり前だろう・・・だって誰一人として瑞樹さんには逆らえないのだから。 そのうち先生も、誰の仕業なのか気づいたのであろう。何も言わなくなった。その日、奏が学校に来ることはなかった。そしてそのまま土日に入ってしまった。 月曜日、私は学校に行くため家を出た。この間、迎えに来てくれたのはうれしかったがさすがに申し訳なく思って近くの公園で待ち合わせにすることにした。 私が公園に向かっていると後ろから声がした。 「沙紀!おはよ!」 沙紀の顔を見ると、忘れかけていた罪悪感に再び襲われた。何も知らない様子の奏の笑顔は私をさらに追い詰めた。私は今さらどんな顔をして会えばいいのかわからなかった。 お、おはよう・・・私がそういうと奏はさらに笑顔で 「金曜は休んじゃってごめんね?」 と言ってきた。私はすぐに謝らないと思った。あのね・・・奏に謝らないといけないことがあるんだ 「何?」 その笑顔は私にはまぶしかった。あぁこんないい子を裏切ってしまったんだ・・・私は・・・木曜日ね私一ノ瀬君に、呼び出されてさ・・・行ったんだよね。 そしたら・・・あの・・・私は言葉を詰まらせてしまってその先を言えなかった。しかし、奏はその先を続けた。 「一ノ瀬君に告られたんでしょ?」 え?・・・聞いてたの?私がそう言ったのに対して奏は何も答えなかった。そこで私は気づかされた。 あの日、後ろからの気配がしたのは奏だったのだ。そっか・・・私すぐに謝ろうと思ったんだけど次の日沙紀休んだじゃん?そのあとすぐ土日に入っちゃったからさ・・・ 私は必死に言い訳をした。奏は 「急用を思い出したからちょっと先に行くね」 といって行ってしまった。うん・・・また学校でね?そう言って私も公園への足取りを速めた。 公園に着くとまだ悠馬君は来ていなかった。しばらく待っていると悠馬君は少し乱れた格好で走ってきた。 「ごめん!めっちゃ寝坊した!!」 ううん全然大丈夫だよ!じゃあそろそろ学校に行こ!! 「おう!」 しばらく歩いていると、悠馬君の様子が少しおかしかった。どうしたの?と聞くと 「俺さよく姫沢の事助けたりしてること沙紀は嫉妬とかしないのか?」 と聞いてきた。私は少し悩んだが、ううん全然しないよ?だって私の親友だもん。私は臆病だから瑞樹さんには逆らえない・・・だから、悠馬君が奏の事助けてくれてるの嬉しい・・・ これからもお願いね・・・学校ではいつもの日常が流れた。しかし、次の日から奏は来なくなった。 それから一か月私たちは本当に幸せだった。二人でいろんなところに行った。いろいろな思い出を作った。いろいろな話をした・・・私はこの一か月奏の事はすっかり忘れていた。 そんな幸せな日々送っていたある日私は担任に職員室へ呼ばれた。私なんか呼びだれるようなことしたかな?そう思いながら私は職員室に向かった。 失礼します・・・先生なんですか? 「お前、姫沢と確か仲良かったよな?もしよかったらこの休んでたぶんのプリント届けてきてくれないか?俺も家に何度か行っていたんだがやっぱり俺なんかが行くよりも仲のいい奴が来てくれた方があいつもうれしいだろう?」 噓だ・・・どうせ自分がわざわざ行くのが面倒だから生徒に押し付けてやろうって魂胆なんだろう。そう思ったが、私はプリントを受け取りわかりましたと答えた。 その日の放課後、悠馬君と公園で別れた後奏の家に向かった。久しぶりに奏の家のチャイムを鳴らすのはとても緊張した。チャイムを鳴らすと出てきたのは奏のお母さんだった。 「あら久しぶりね。沙紀ちゃんわざわざありがとうね。」 いえ・・・別に全然大丈夫です。 「ごめんね?今あの子・・・風邪をこじらせてしまってて」 プリントを届けに来ただけなんで大丈夫ですよ。それじゃあ失礼します。私はそういってその日は家に帰ることにした。 それから私はしばらく奏の家に通い続けた。そうしているうちに私はちゃんと謝らないとそう思いある日お母さんに無理を言って家へ上がらせてもらうことにした。 そして奏の部屋の前に立つとノックをした。しかしその先の言葉が続かず、しばらく黙り込んでしまった。そして覚悟を決めて話し始めた。 奏、大丈夫?私・・・奏がいないと寂しいよ。お願い来て。待ってるから・・・自分でも何を言っているんだろうそう思った。 すると、奏から返事が返ってきた。 「嘘つき・・・1か月間一度も顔を出し来なかったくせに。どうせ先生に言われて仕方なくとかで来たんでしょ。」 私は事実なのに思わず反論してしまった。違う!確かに今までちょっとあんまり行けてなかったけどそれはいろいろあって・・・ 「どうでもいい・・・言い訳なんか聞きたくない。もう誰も信じられない。もう2度と来ないで・・・」 当たり前だろう。私は本当に最低な人間だ。奏の言っていることはすべて図星だった。それなのに、私はそれを認めたくなかった。 人を傷つけておいて幸せになる資格なんてない・・・それなのに・・・私は次の日から奏の家に行くことはなくなった。 それから一週間たったころだろうか。奏は久しぶりに学校に来た。クラスは騒然とした。当たり前だろう。久しぶりに学校に来たクラスメイトの姿があんなにもやせ細っていて変わり果てた姿でいたら・・・ 奏が席に着くと瑞樹さんはすかさず話しかけに行った。私はまたこの日常が始まるのかと思うとなぜかほっとしている自分がいた。そんな自分に私は怖くなった。 そんなことを考えていると奏に話しかけられた。 「沙紀?放課後さ、屋上来てくれない?ちょっと話したいことがあって・・・一ノ瀬君もつれてきてくれたらうれしい」 私は少し戸惑いながら分かった答えると奏は再び席に戻っていった。どうしたんだろう・・・そう思いながら私は悠馬君のもとに行った。 悠馬君!今・・・ちょっといい? 「どうしたの?」 さっきね今日の放課後に屋上に着てって奏に頼まれたんだけど・・・悠馬君も一緒に来てほしいって言われてて・・・来てもらえるかな? 「あぁわかった。いいよ!」 ごめんね?ありがとう 私たちはそんな軽い会話をしてそれぞれの居場所に再び戻った。彼のいる方へ視線を移すと彼は彼女だなんだと冷やかされているようだった。 放課後私たちは、緊張しながらも屋上へ向かった。途中で瑞樹さんたちに出会った。 「あんたたちここで何をしているわけ?」 あ、えっと・・・実は奏に放課後屋上来るように頼まれてて・・・私がそう答えると少し不満そうにしながら奏さんたちも一緒に屋上へ向かうことになった。 ガチャ 私たちが屋上の扉を開けるとそこにはフェンスの外側にたっている奏の姿を見つけた。 「あぁやっと来た。待ってたよ?」 危ないよ!何してるの?私がそういうと奏はふっと笑って言ってきた 「何も危なくなんてないよ?私は今から鳥になるの!鳥になればつらい思いをしなくて済むでしょ?仲間に裏切られることも利用されることも虐められることもない・・・違う?」 私のせいだ。近子をこんなことをするようになるまで追い詰めたのは私のせいなんだ。昔約束したのに。ずっと一緒にいようって・・・それなのに私が裏切ったから。 だからこの子はこんなことをしているんだ・・・私がそんなことを考えていると突然大声で奏が笑いだした 「許すわけないじゃん。お前らのせいで私はもう何も感じない。楽しいこともうれしいことも何もない。毎日毎日ただただ苦痛味わうだけの毎日・・・」 ごめんなさい・・・私はそういいたかったのに・・・なぜか声が出なかった 「それに・・・唯一信じていた親友にも好きな人を取られた。私が好きな人だということを打ち明けた次の日にねwそんな好きな人はいじめを仕向けた張本人ってホント笑えるよねw」 私は奏のその言葉を聞いて驚いた。私がそうだったの?と聞くと悠馬君はなぜか視線を合わせてくれなかった ねぇ答えてよ。何でこっちを向いてくれないの?私はそういったが悠馬君はその言葉を無視して奏に食いかかるように言った 「・・・お前は何を言ってるんだ。妙な言いがかりは辞めてくれよ!」 奏はある音声をスマホで流した。その音声を聞いて悠馬君はだんだんと青ざめていった。 『「最近お前姫沢・・・だっけ?の事よく助けてるよな。」 「あぁそうなんだよね」 「何wお前あんな地味女のこと好きなのw?」 「はぁ?ちげぇよ。俺彼女いるし」 「え、まじ?誰?」 「麻宮」 「あーあいつかわいいよな。お前の彼女だったの?」 「そ、この間告った」 「じゃあ逆に姫沢?の事助けてるのいいわけ?嫉妬とかしないの」 「まぁもとはあいつの友達だし逆に感謝されてるっていうか?w」 「どういうこと?」 「私は臆病だから瑞樹さんには逆らえない・・・だから、悠馬君が奏の事助けてくれてるの嬉しい・・・だってさw」 「なるほどな」 「いわゆる好感度上げだよwwっていうかいじめ自体俺が仕向けたもんだからな」 「うーわwおまえさいってーww」 「お前も同じようなもんだろうが」』 なに・・・これ・・・私はその音声を聞いてもなお信じられなかった。でも、今はそれどころじゃなかった。親友が今にも消えてしまいそうだったからだ。 そう思っているとまた奏は笑い出した 「なんでだろうね・・・最近の私は何も感じなくなっていたのに・・・あぁそうか。もう最期だからかwだってもうこれで何もかも終わりなんだもんね」 やめて・・・そんなこと言わないで・・・私は涙ながらに訴えた。でも、その言葉は奏には届かなかった。 「もう遅い・・・私はもう決めたから。いままでありがとう。これで私は自由になれる・・・さようなら」 そういって奏は飛び立った。急いで駆け寄ったがもう間に合わなかった。奏が立っていたところには1枚の手紙があった。 開いてみるとそれは遺書だった 『拝啓 この手紙を読んでいる皆へ この手紙を読んでいるってことは私はもういないのかな? ねぇ私はもう自由になれたかな 鳥になりたいっていう願いはかなったのかな なーんてそんなことは置いておいてまず私は謝らないといけないことがあるんだ 沙紀?この間さ私、一ノ瀬君の事が好きだってこと言ったじゃん でもね私知ってたんだw沙紀が高校に入学した時からずっと一ノ瀬君の事が好きだったこと すっごく隠してるつもりだったかもしれないんだけどバレバレ あんなので隠してるつもり?おさななじみなめんなっつーの まぁそれは置いてといてさ、それを知ってたのに私はあの時自分の気持ちを伝えてしまった。 ごめんなさい・・・ そのせいで、きっと沙紀の事だから今すっごく自分の事責めてると思う でも、私があの時自分は取られたくない・・・ そんな自分勝手な思いで伝えちゃった 本当に最低だよね こんな親友でごめんね 私なんて親友なんてそんな資格もないよね でもね?一つだけ言わせて ずっと小さい頃から一緒にいて楽しくなかったことなんて一つもなかった 沙紀はどう思ってたかはわかんないけどでも私は本当に一緒に入れて・・・ 沙紀の幼馴染でいられて本当によかった もし、沙紀さえよかったら来世も私と親友になってくれるかな?なんてちょっと欲張りなこと言っちゃったりw 次!瑞樹さん 私はあなたたちの事をたぶん死んでも許せないと思う 私の人生が狂った原因だし あなたたちには本当に苦しめられた 毎日毎日家を出ることがしんどかった 今日は何されるんだろう・・・そうやっておびえながら毎日生きてた 何で私がこんな思いをしなくちゃいけないんだろう・・・って でも・・・瑞樹さんたちだって何か理由があったんだと思う だって本当は瑞樹さんたちだって優しい人たちだっていうことを知ってるから 私見たことがあるんだ 道端で困ってるおばあさんの事を助けてるとこをやさしく助けてたところ たまたま私と瑞樹さんはそりが合わなかっただけであって本当に優しい人なんだなって だから・・・これからはそんな優しい瑞樹さんであってほしいな・・・なんて 私から言われても嫌かもしれないけどw 次!一ノ瀬君 一ノ瀬君に言いたいことは一言だけ!! 沙紀を幸せにしてあげてください 私の親友は繊細ですっごく心の優しい子だから・・・泣かせたら許しません 私はあの世で二人の事を見守ってます 最期に皆へ こんな長い手紙を読んでくれてありがとう そしてもうこんな私の事はもう忘れてください 本当にありがとうございました さようなら                             奏』 それからの私はとても冷静だった。警察と救急車を呼び今起きたことを事細かに話した。 でもそれからどうやって家に帰ったのかは覚えていない。ほとんど放心状態だったから・・・ まだ全然信じられなった。目の前で消え去っていった親友はもうこの世にいないなんて。 もしかしたら、明日にはひょっこりまた沙紀!って呼んでくれるかもしれないそんなことを思ってしまったりして。 あり得ないはずなのに・・・あり得ないことを願ってしまう。 「・・・き・・sき・・・さき?・・・沙紀!!起きて!ほら、先生がここの問題といてって」 ・・・え?何で・・・何でここに奏がいるの?私が理解できずに戸惑っていると奏は飽きれたように 「もう・・・いつまで寝ぼけてんの?話はあとでいくらでも聞くからとりあえずこの問題答えな?」 う、うん・・・そう言って授業が終わった後私は奏に問い詰めた。 何がどうなってんの?奏は死んだはずじゃ・・・ていうか奏なんか幼くない?今私たちって高2だよね 「どんな夢見てたのかわかんないけどさ今私たちはまだ中3だよ?どんだけ高校生になりたいわけwてか勝手に私の事殺さないでよww」 奏の顔を見ていると本当にさっきまでの出来事が夢だという風に思えてきた。いや…そう思いたかった。 風景がだんだんと歪んできて周りの人間がすべて奏の顔に変わっていった。そして、何かを唱えていた。よく聞いてみると お前のせいだお前のせいだお前のせいだお前のせいだ と言っていた。ごめんなさい・・・許して・・・あぁやっぱり恨んでいたんだ 私のせいだ・・・ そこで私は目が覚めた。時計を見ると9時を指していた。今日は悠馬君とのデートの日だ。あの日からふさぎ込んでしまった私を元気づけようと予定を立ててくれたのだ。 私は急いで準備をした。久しぶりに外出るな・・・そう思いながらいつもの公園に向かった。公園にはもうすでに、悠馬君は来ていた。おまたせ!私がそういうと悠馬君は 「あぁ・・・俺も今来たとk・・・って沙紀顔色悪いぞ。大丈夫か?」 え?私は悠馬君に言われるまでに気が付かなかった。鏡を見てみると確かに私はとても青ざめていてクマもひどかった。 正直私は大丈夫ではなかった。連日の寝不足に踏まえ久しぶりの外ということもあり気分が悪くなってしまっていた。でも、せっかく私を元気づけようとしてくれていた悠馬君に迷惑をかけるわけにはいかない・・・そう思い笑顔を作り大丈夫だよ?と答えた 「もう今日は帰ろっか。全然大丈夫じゃないだろ?デートはいつでもできるから・・・な?」 と言ってくれた。私は申し訳ない気持ちになりながらも帰ることにした。帰り、悠馬君は 「なぁ沙紀」 ん?何 「最近お前、寝れてんのか?」 って言われた。嘘をついてもすぐにばれると思った私は正直に寝れてないと答えた。 「・・・やっぱりな」 毎日同じ夢を見るの・・・奏にお前のせいだって追いつめられる夢。私は夢の事について相談をした。彼は静かに話を聞いてくれていた。 でもね・・・私が悪いんだから・・・当たり前の事なんだよねwそれなのに・・・こんなことくらいで寝れなくなるとか・・・ 「姫沢も言ってくれてたじゃんか・・・お前は悪くないって。思いつめるなって。お前がこんなことになることなんてさ、姫沢も願ってないんじゃないのか? そういう夢を見るのは姫沢がそう思ってるとかじゃなくてお前がただそう思い込んでるだけなんだよ」 それは・・・ 「お前が寝れないなら俺がお前がちゃんと寝られるようになるまで一緒に寝てやるから・・・だからお前ひとりでそんなに抱え込むな」 ・・・ちょっと何言ってるかわかんないとことかもあったけどなんか・・・ありがとう! 「なんで何言ってるかわかんないんだよwまぁいいけど」 ねぇやっぱりさ少しだけ出かけたいとこがある。いいかな?そう私が聞くと悠馬君は不思議そうな顔をしながら 「いいよ?」 と言った。そうして向かった先は奏の眠っている場所だ。私と悠馬君は手を合わせた。 奏・・・久しぶり。会いに来ちゃった・・・ごめんね。こんな私で もうちょっと早く会いに行きたいと思ってたんだけどちょっと時間がかかっちゃった。ださいよねw 私の悪い癖だね。自分の事責めすぎるところ さっきさ?私・・・悠馬君にまでちょっと怒られちゃった お前は悪くないって。思いつめるなって。お前がこんなことになることなんてさ、姫沢も願ってないんじゃないのか?って 悠馬君は奏が言ってくれた通りずっと私に寄り添ってくれてる ありがと・・・あとね?最後に言ってくれてたじゃん 来世も親友になってくれるかって・・・そんなの当たり前じゃん てかこっちからお願いしたいくらいだから・・・ ねぇ奏?来世私と親友になってくれるかな 私がそういうとどこかで鳥がさえずる声が聞こえた。私には奏が返事してくれたように感じた じゃあ・・・また来るから。 私はそう言った 「じゃあ・・・そろそろ帰るか」 うん。かえろっ!付き合ってくれてありがと!! 「お、おうw」 青空の下、一羽の白い鳥が飛んでいた。

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三原色4話 ~奏視点~

次の日の放課後私は、沙紀と一緒に家へ帰ろうと思ったがどこにも見つからなかった。どこに行ったのだろうと校舎を歩き回っていると校舎裏に立っているところを見つけた。 私は沙紀の事を呼びかけようとした。沙k・・・その時その向こう側にある人陰を見つけた。 「待たせてごめん」 ・・・一ノ瀬・・・君?何でこの二人がここにいるの? 「大丈夫だよ?どうしたの?」 「実は話したいことがあって・・・」 「え?」 まさか・・・私はその話の続きを聞きたくなかった。でも、私はその場に根が生えたように動くことができなかった。 「おれ・・・ずっと」 やめて・・・その先は聞きたくない・・・しかしそんな思いは伝わるはずもなく一ノ瀬君は言葉をつづけた 「俺、ずっと麻宮の事が好きだった」 「・・・え?」 あぁやっぱり・・・そう思った。私は沙紀の返事を聞く前にその場から逃げ出した。聞かなくてもわかってる。 どうせおっけーだろうな・・・そう思うと涙があふれそうになった私は自分の部屋に飛び込んだ。 知っていた。沙紀はずっと一ノ瀬君の事が好きだったこと。それなのに私は昨日取られたくないからってそんな自分勝手な理由で一ノ瀬君が好きだということを伝えた。 それから私はどんな顔をして沙紀と会えばよいのかわからず次の日を休んだ。そのまま土日が過ぎてしまった。月曜日私は今までの中で一番重い足取りで学校に向かった。 その途中で、沙紀のうしろ姿を見つけた。声をかけようか迷ったが私は声をかけることにした。沙紀!おはよう。 もしかしたら・・・断ってくれたかもしれないそんなバカみたいな考えを持ってしまって。沙紀は私の顔を見るなり驚いた顔をしたと思ったらすぐに少し気まずそうな顔をして小さく 「おはよう」 と言った。その顔を見て私はすべてを察した。だが私は気づかないふりをした。だが沙紀はすぐに打ち明けてきた。 「あのね・・・奏に謝らないといけないことがあるんだ」 私はできるだけ笑顔で何?って聞いた。すると沙紀はさらに申し訳なさそうな顔をして話を進めた。 「木曜日ね私一ノ瀬君に、呼び出されてさ・・・行ったんだよね。そしたら、一ノ瀬君から・・・その・・・」 そこまでいうと沙紀は言葉に詰まってしまった。私が、一ノ瀬君に告られたんでしょ?というと沙紀はとても驚いた顔をした。そして、 「・・・聞いてたの?」 と言った。私が何も答えずにいると沙紀は 「そっか・・・。私すぐに謝ろうと思ったんだけど次の日先休んでたじゃん?そのあとすぐ土日に入っちゃったからさ・・・」 といった。私は何といえばいいか分からなくなってしまい、急用を思い出したといって学校へ行く足を速めた。沙紀は 「・・・わかった。じゃあ学校でね」 といった。学校へ行くといつも通りの日常だった。水でびしょぬれになって殴られて・・・でもいつもと違ったのは沙紀と一言も話さなかったことだ。 そのことは瑞樹さんたちも気づいていたようだった。そして私に 「ついに、唯一のお友達にも見放されたのねwかわいそうに。まぁあんたの事なんて誰も興味ないんだからもうどうでもいいわよね? それに、味方がいなくなったっていうことは今まで以上に虐めらるわw」 と言ってきた。そしてその言葉通り日に日にいじめはひどくなっていった。だが唯一一ノ瀬君だけはいつも助けてくれた。 ある日私が廊下を歩いていると空き教室から声が聞こえてきた。覗いてみるとクラスメイトの誰かとあと一緒にいるのは一ノ瀬・・・君? 「最近お前姫沢・・・だっけ?の事よく助けてるよな。」 「あぁそうなんだよね」 「何wお前あんな地味女のこと好きなのw?」 「はぁ?ちげぇよ。俺彼女いるし」 わかっていたとはいえ私はこの会話を聞くことがつらかった。だがこういう時に私の脚はいつも動いてくれない。 私は涙をこらえて会話の続きを聞いた。 「え、まじ?誰?」 「麻宮」 「あーあいつかわいいよな。お前の彼女だったの?」 「そ、この間告った」 「じゃあ逆に姫沢?の事助けてるのいいわけ?嫉妬とかしないの」 確かに・・・あの二人は付き合っているのに一ノ瀬君はずっと助けてくれていた。 「まぁもとはあいつの友達だし逆に感謝されてるっていうか?w」 「どういうこと?」 「私は臆病だから瑞樹さんには逆らえない・・・だから、悠馬君が奏の事助けてくれてるの嬉しい・・・だってさ」 「なるほどな」 「いわゆる好感度上げだよwwっていうかいじめ自体俺が仕向けたもんだからな」 「うーわwおまえさいってーww」 「お前も同じようなもんだろうが」 あぁそういうことか・・・私はただ道具として利用されていただけなんだ・・・そう思うと私はなにもかもどうでもよくなってしまった。 クラスでは虐められ、唯一の味方だった親友にもう裏切られ、助けてくれていたと思っていた好きな人にはただ利用されていただなんて・・・ そうして私は次の日から学校に行かなくなった。 それから1か月たったころだろうか。毎日のように沙紀が家に来るようになった。最初はお母さんに体調が悪いからと言って帰ってもらうように頼んでいた。 しかし、ある日ついに私の部屋の前まで入ってきた。 「奏、大丈夫?私・・・奏がいないと寂しいよ。お願い来て。待ってるから」 嘘つき・・・1か月間一度も顔を出し来なかったくせに。どうせ先生に言われて仕方なくとかで来たんでしょ。 「違う!確かに今までちょっとあんまり行けてなかったけどそれはいろいろあって・・・」 どうでもいい・・・言い訳なんか聞きたくない。もう誰も信じられない。もう2度と来ないで・・・そういうと沙紀は次の日から来なくなった。 沙紀が来なくなってから1週間たったころだろうかお母さんの部屋の前から話しかけてきた。 「奏?最近沙紀ちゃん来ないけど何かあったの?」 私は何も答えなかった。もう誰の話も聞きたくなかった。すると続けてお母さんは 「厳しいことを言うけどそろそろ学校に行きなさい。いじめだか何だか知らないけどそんなことくらいで学校行かないなんてふざけたことしないでくれる?」 と言ってきた。私の家は昔から教育に厳しい家だった。小学生のころ80点のテストをお母さんに見せると丸1日部屋に閉じ込められてしまったこともあるくらいにだ。 この世には誰も私の味方はいないんだ。そう思った・・・もう嫌だ。そして私は思い立った。次の日、私は久しぶりに学校に行った。 クラスの奴らはとても驚いた顔をしていた。沙紀や一ノ瀬君もだ。でも、私は気にせず席に座った。すると案の定瑞樹さんたちが話しかけに来た。 「あんたが、ずっと休んでたせいですっごくストレスが溜まってるんだよね?まぁあんただってそこまで馬鹿じゃないだろうしやることはわかってるよね?」 と言ってきた。私が何も答えないでいると瑞樹さんは私の頭をつかんできた。 「私の話を無視するなんて休んでたくせにいい御身分ね」 と言って私のみぞおちを殴ってきた。先生も来ていたが誰も私の事を助けてくれなかった。でもどうでもいい。 今日が最後だから。私はすみませんと一言謝ると 「あとは放課後のお楽しみに残しておいてあげる」 といって瑞樹さんたちは去っていった。私は好都合だなと思った。そして私は、沙紀に話しかけた。 今日放課後屋上に来てくれない?一ノ瀬君も一緒でいいから・・・そういうと沙紀は少し戸惑った様子で 「う、うん・・・わかった」 と言った。そして再び一ノ瀬君のもとに話をしに行った。別にいい・・・それを見るのは今日までだから そして放課後私はいつもよりも軽い足取りで私は屋上に向かった。今日はまだ瑞樹さんたちは来ていないようだった。 私は、フェンスを乗り越えて皆を待った。まだかな・・・そう思っていると ガチャ という音と主にみんなが来た。それと共にみんなは驚きと恐怖の顔に満ちた。なんで?何でそんな顔をするの そう聞くと沙紀は私に 「危ないよ!何してるの?」 と言ってきた。何も危なくなんてないよ?私は今から鳥になるの!鳥になればつらい思いをしなくて済むでしょ? 仲間に裏切られることも利用されることも虐められることもない・・・違う?そういうと瑞樹さんが焦った様子で私を止めようとしてきた 「馬鹿な事はやめて!今までの事は謝るから。お願い・・・」 私は大声で笑った。こんなに笑ったのは何年ぶりだろう・・・そう思った 許すわけないじゃん。お前らのせいで私はもう何も感じない。楽しいこともうれしいことも何もない。毎日毎日ただただ苦痛味わうだけの毎日・・・ そういうと瑞樹は何も言い返すことがないのか言葉を詰まらせた。 「・・・ごめんなさい」 それに・・・唯一信じていた親友にも好きな人を取られた。私が好きな人だということを打ち明けた次の日にねw そんな好きな人はいじめを仕向けた張本人ってホント笑えるよねwそういうと沙紀は驚いたように一ノ瀬君の方を向いた 「そうだったの?」 沙紀がそう質問をすると一ノ瀬君は気まずそうに沙紀の視線からそらした。 「ねぇ答えてよ。何でこっちを向いてくれないの?」 沙紀がそういったが一ノ瀬君はその言葉を無視して私に言ってきた 「・・・お前は何を言ってるんだ。妙な言いがかりは辞めてくれよ」 私はこの間聞いた音声をスマホで流した。その音声を聞いて一ノ瀬君の顔色がみるみると悪くなっていく。 その顔を見て私はまた笑けてきた。なぜだろう・・・最近の私は何も感じなくなっていたのに あぁそうか。もう最期だからかwだってもうこれで何もかも終わりなんだから 「やめて・・・そんなこと言わないで」 沙紀は泣きそうな顔で私に訴えてくる。でももう遅い・・・私はもう決めたから いままでありがとう。これで私は自由になれる・・・さようなら そうして私は飛び立った。私が立っていたところには1枚の手紙があった

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私とあの子2

私はあの子の事が好きだった 唯一味方でいてくれたあの子が好きだった 私の隣で笑ってくれていたあの子が好きだった 私のことをやさしくしてくれてたあの子が好きだった 勉強を教えてくれてたあの子が好きだった でもあの子は私を裏切った 信じてると言ったのに あの子しかいないって言ったのに それなのにあの子は裏切った 私は殻に閉じこもった それなのにあの子は私の事を見つけてきた ごめんね あの子は言った 私は信じられないといった 当然だあの子は私の事を裏切った そしてまた私はあの子の前に姿を現した 変わり果てた姿で そして私は飛び立った 1枚の手紙を残して

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俺と君2

俺は君の事が好きだ 君が俺を知る前から ずっとずっと見守っていた さりげないしぐさが好きだ 照れた時に髪を触る癖が好きだ 嘘をつくのが分かりやすいところが好きだ 自分の事より友達を思う君が好きだ でも最近君の様子がおかしい どうしたんだろう 君は最近は元気がない 思えば君の友達が最近姿を消した 何があったのか 君は必死になって探していた 見つけた時君の友達はボロボロだった ごめんね 君は言った 君の友達は信じられないといった 君が泣いているというのに またしばらくすると君の友達は突然姿を消した 変わり果てた姿で そして君は壊れた 1枚の手紙のせいで

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