ららら

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ららら

はじめまして、小説が大好きな学生です! 主に暇な時に気軽に読める、短編を投稿しています(*´∀`)人(´∇`) フォロー♡𝐓𝐡𝐚𝐧𝐤 𝐲𝐨𝐮♡ 基本的に返します(* 'ᵕ' )☆ お話の世界ににどっぷり入り込みたい方におすすめです*ˊᵕˋ* 主に恋愛やファンタジーなどの不思議なお話投稿してます💭💓 現実逃避にもどうぞ。 一度削除した連載、小説の再投稿は受け付けません🙅🏻‍♀️💦 私の作品の続編や二次創作などを制作する時は、コメントなどで確認させて下さい🙇‍♀️ 完全なるパクリや無断転載は通報させて頂きます❌ 作品の一部参考にさせて頂く場合があります💦 コメント全部みてます!! フォローしている方の投稿は定期的にチェックしてる✨️ 私の作品が、少しでもあなたを癒すことができますように🍀*゜ ❥𝑠𝑡𝑎𝑟𝑡❥2025.1/1 家族、友人:uru¦3度目の世界  時間があったら見てみてください♪

ノイバラ

“大切なあなたへ。   どうして私を置いて行ったの?” あなたが消えた日は、六月の半ばくらいで、少し肌寒かった。 雨の中、友人と自転車に乗っていたあなたは背後の大型車にはねられた。SNSで事故現場の動画を見つけて、可哀想だなあと思っていた。でも、その被害者が、あなただった。 とても信じられなくて、一度警察に電話で確認をしてみた。無意識のうちに声が荒ぶっていって、警察官は困っているようだった。 「ーじゃあ、大翔は本当に死んだんですか!?本当に!?」 「はい。残念ながら…」 悲しそうに、でもどこか淡々とした警察官の言葉が聞こえた。その瞬間、私の中の何かが、ぷつっと切れたような感じがした。 「検死の結果で、たしかに事故死だとみられます」 「………」 思わず黙り込んでしまう私を、警察官は電話を切らずに静かに待ってくれた。 「…大翔は…あの子は、もう戻ってごないんですが」 気付けば服が濡れていた。片手に持っている受話器を、ぎゅっと握りしめる。ぽたぽたと零れ落ちる涙をただ、見つめていた。 「………お辛いですよね」 警察官が声を発した。優しい気遣いであった筈なのに、今の私にはそれが、嫌味のように揶揄っているように聞こえた。私は感謝の言葉だけ言って電話を切った。これ以上警察官に当たりたくなかったからだ。 母親として大翔を守ってやれなかったことが、途轍もなく悔しい。 「…はい、はい」 私は警察官や葬儀社さんが手続きを済ませている間、確認の電話に答えることしかできなかった。 大翔と過ごしている時だけ、時の流れが遅くなったように思えた。 あの子の笑顔を見ているだけで、癒された。 ふいに、過去が蘇るー 私の家は母子家庭だった。 旦那とは喧嘩で離婚して、女手一つで一人息子を育てている。 離婚直後で精神が安定しきっていなかったためか、大翔の存在は想像以上に大きかった。事故当時…今、生きていたら十二歳だった。いつだったか、とある雑学の短編集で「自分の誕生日は、死ぬ確率が高くなる」という見出しを思い出した。 あれは果たして本当だったのか。軽いエンタメ程度で楽しんでいたけれど、まさか自分の子供のことだとは思いもしなかった。 六月二十七日、大翔は友人と公園へ行くと言って、折り畳み傘を持って自転車へ乗りこんだ。あなたが最後に言ったのは、「行ってきます」のひとことだけ。 こんなことになるなら、もっと甘えさせてやれば良かった。もし未来が分かっていたら、もっと違う方法があったかもしれない、大翔が生きていたかもしれない。 絶望と悔しさに駆られながら、私は布団の裾をぎゅっと顔に寄せる。もう夜だから寝なきゃ。 葬儀は明日行われると言っていたっけ。朝早くから始まるんだっけ。 分かっているけど、午前五時に設定されたアラームをオンにする気力はとても無い。大翔が悲しむだろう、せめて母親くらい葬儀にきちんと参加しないと。 私はずっしりと重くなった瞼を閉じた。大翔が死んだと聞いたときから、睡眠は十分に取れていない。それどころか、いろいろと電話に答えなきゃいけない。 “大切なあなたへ。   どうして私を置いて行ったの?” また明日が始まる。 ひとり疲れきって、軋轢と混鈍の中に取り残された私を置いて。 もう何もかもどうでも良い。 私に必要だったのは、ただ唯一無二のあなただけ。

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ノイバラ

愛することと、愛されること

人は皆、ひとりの例外もなく「愛」を持っている。 色や形はさまざまでも、限りなく無限に生き続ける「愛」を持っている。華やかなお姫様も、悲劇を迎えるヒロインも、キラキラ輝く陽気なあの子も、そっと隅にたたずむあの子も。 みんながみんな、自分の「愛」を持っている。 「愛」ときいて、あなたは何を思い浮かべますか。 桃や朱色のハート、などと暖かい色の形を答える人が多いでしょう。しかし、人によっては「真っ黒な円形」などとマイナスな色の形を答える人も居るのだ。 「愛」とは、主な対象が決まっていないのも特徴。 人はもちろん、本や人形、家具なども「愛」の対象となる。「愛」とは、大まかに言えば何かに対しての強い執着心や依存心の総称ということになる。 そして、とある心理学にあるように、人は「愛してくれたものを愛しやすい」ということ。これは人物関係なく「これなら愛しても大丈夫そうだ」と、人が本能的に判断するからだと言える。 例えばいつも威張っていて王様気取りな人がいたとして、その人を好きになろうと思っても見方を変えないかぎりいつまでも「本当の意味で愛することはできない」ということなのだ。

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愛することと、愛されること

終電

電車に揺られ、志歩は一人スマホを眺めていた。 こんなど田舎の、しかも大晦日の終電は相変わらず、一車両に一、二人程度しか乗っていない。 志歩と同じ車両のもう一人の男の人は、疲れた顔をしてすやすやと眠っていた。 志歩は自分のSNSに、今日の朝食べたスイーツの画像をポチッと投稿した。フォロワーも少ないし、こんな日々にはとことん慣れているつもりだった。 しかしそこには何度も更新を繰り返し、いいねがつくのをひたすら待つ自分がいた。 私って、誰にも注目されていないんだなと今さら思う。 疲れきった心の中を、淡い期待で無理やり満たしていた。 沈黙が続く終電の中で、志歩は一人スマホを眺めていた。

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終電

「星は、この世の何よりも眩しい。けれども、その眩しさは永遠ではない」 昔、誰かが言った言葉を信条に、私は此処まで生きてきました。 その道のりは決して安楽ではなかったけど、自分では結構満足している方です。 子供の頃憧れた花屋、お菓子屋、飴細工。夢を諦め、地味な布屋になったこともあった。でもそれはそれで、毎日が楽しかった。そう思えた。 いっときは元気で、いっときは泣いて、いっときは怒った。 学生のころの私は、弱気でおしゃべりが苦手でした。 でも中学一年生のころ、私の人生を一転させた、一人の友達が手を差し伸べてくれたのです。 今でもはっきりと覚えています。 あの光は、決して偽りでは無かった。同時に、本物でも無かった。あの光は、本体なのだ。 私という世界の中心。彼女はそんな太陽だった。 「星は、この世の何よりも眩しい。けれども、その眩しさは永遠ではない」 「だから」 彼女は続けた 「「人生」という宇宙の主人公となる星は、私。周りのどんな星よりも、絶対に眩しくなるはずなの。…けれども、その眩しさは永遠ではない」 「汚れた社会に「宇宙」が侵略されていって、「私」の眩しさはどんどんと衰えていく。 誰かは自らを慰め、誰かは自らを傷つけるように。 宇宙は広大で、可能性の塊。たとえいっときが失敗しても、まだたくさんの希望が残ってるんだよ」 「ほへえ……」 あの時の私は頭がパンクして、何を言っているのかさっぱりだったけど、今なら分かる。 でもさ、「私」が一番眩しくないと駄目っていうのは、本当に駄目なこと? あなたが太陽で、私があなたを照らす月。

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ブーケ

「お元気ですか?」 令和七年五月十一日、母の日。 まだ少しずつですが、本格的な春の香りが近づいてきています。 改めて…今年もよろしくお願いしますね。 どんなお花がお好きですか? 昔、白色が好きだと言っていたので、 オルレアやヒナギク、百合やスズランに決めました。 花言葉も純粋や無垢、可憐や美人なんですって。 花屋さんにリボンでブーケを作ってもらったのは、今年で何回目でしょうか。 あとは買い出しとお花見です。 何か食べたいものはありますか? 今日は夜から雨の模様だそうです。 よくオクラ入りのカレーを食べたのを覚えていますよ。 ええ、今日の夜ご飯はそれで決まりですね。 桜桃もようのレジャーシート、少しお借りしました。 …あんまり使っていなかったので。 今年も無事、この国この地域に春が訪れてくれましたね。 一緒に来れなかったのは残念ですが… いつになっても大好きです。

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ブーケ

真夏の夜の夢

「真里ちゃん、ごめんね」 いつも笑っていたあなたが、初めて悲しい顔を見せた。 あれはものすごい暑い、夏の真っ最中のこと。 ぐすぐすと泣きじゃくるわたしに、あなたは小さな飴玉をくれました。 「泣いてないで、ほら、アメちゃん。」 かんきついろの個包装を破って、でてきたのはみかん味の飴。 とろけるように甘くて、まるであなたの優しさのようだった。 あなたはいつも夏の夜に舞い降りて、よくおやつとか、ジュースを差し入れてくれました。 わたしの家は母子家庭。 お母さんはいつも忙しそうにしていて、なかなかかまってくれません。 そんな日々の中、まいにち来てくれるあなたと過ごす時間は、まるで真夏の夜の夢みたいです。 ときどきお母さんに見つかって、没収されたりするけれど。 でもなぜかお母さんは、あなたをみつけても無視するんです。 いつしかお母さんは、わたしに変なことをいうようになりました。 「真里、夜中は誰と話してるの」 「えっ?」 「最近、毎夜のように縁側で独り言を言ってるでしょ。」 「お母さん、本当に分からないの?」 お母さんには見えないのかな、 しかしある時を境に、あなたは来なくなりました。 九月の頭、あなたは久しくうちに来て、こんなことを言うのです。 「真里ちゃん、ごめんね。」 「もうこれないんだ」 いつも笑っていたあなたが、初めて悲しい顔を見せた。 「えっ。どうして?」 「私、本当は此処に居ちゃいけないの。」 「どういうこと…?」 横目で、ちらっとわたしを見つめる。 「えっとね」 「私、この世界に居ちゃいけない。というか、居ない筈なの」 えっ、いないはずって、どういうこと。 不安な表情はさらに眉をひそめ、口を軽くぽかんと開く。 「…私は三年後に亡くなった、あなたなんだよ」

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真夏の夜の夢

全部

私はあなたが好きです。 優しいところ、勇敢なところ、不器用なところまで全部。 朝、友人と笑いながら登校する姿が、見えるだけで幸せです。 あなたの笑顔は嫌なこと、全部忘れさせてくれます。 部活で頑張っていること。 実は野菜が苦手なこと。 決して諦めないこと。 私は全部、知っています。 今日も頑張るあなたの姿が、私の栄養素。 将来は何になるのかな。 元気に育ってくあなたが好きです。 私の愛おしい一人息子。

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全部

きらきらあつめ

ようこそ、虹の世界へ! ここは数多の「いつか」の記憶が集う場所。 そして私は、ここの管理人みたいなものよ。 どうぞ、彩られた記憶の欠片を楽しんでいってくださいな。 何か感想があればここに書いてくれると嬉しいです

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きらきらあつめ

才能

私たちは仲の良い"ライバル"でした 高校三年生の秋、私はとある歌手のコンサートを見に行きました 彼女はとても歌が上手で、聞いているだけでうっとりするのです コンサートが終わったあと、私は隣の席に座っている少女に気がつきました ちょうど同い歳くらいの、薄桃色のワンピースが良く似合う子 会釈してみると、どうやら幼いころから歌手を目指しているらしいです 私はそんな彼女に強く惹かれ、いつの間にか仲良くなっていきました LINEを交換して夢を語り合ったり、 今何しているかとか 楽しく話していました そして大学一年生の時、私たちは小さな合唱団に入りました あまり売れていないところだったのか レッスンは厳しく、教師たちも怒りっぽい人たちでした それでも私たちは一生懸命にレッスンして、かなり真面目にやっていた方だったと思います いつだったのでしょうか 合唱団に入って一年生半くらいの時、彼女は気難しい教師ともすっかり仲良くなって、合唱の主旋律をつとめることが多くなりました 年齢にしては珍しいソプラノの歌声が、たくさんの観客さんを魅了したのでしょう といっても、観客さんの心を癒すことは私にとっても本願なのですが 不思議なことに、私は歳をとる度に彼女への気持ちが重たくなっていくような感じがしました それがなんの気持ちなのか…それは、決して悪いものじゃないことを祈るばかりです 相変わらず、たくさんのメゾに紛れて歌う私の声は誰にも届いてないんだろうな…なんて、暗いことを思う時だってありました そして私は決めたのです この合唱団を辞めることを。 そこそこ知名度が上がってきていましたが、私はこれ以上彼女の足を引っ張りたくないと思うようになったのです 私一人がいなくなったって、そんなに支障は出ないと思うし そして… 私はどうやっても、彼女を"越えられない" きっとそれが、辛かったのかな その結果大切な、かけがえのない友人を失うとしても。 もう、あなたがより高みに羽ばたいていく姿を身近で見ることはできなくなるでしょう 私は団長とあなたに手紙を出して、 意を決して扉を開きました。 もう歌わなくて良いと思うと、顔が緩んで、一雫の涙がこぼれてしまいました。

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才能

瓶ラムネ

「あっち行こ!」 あなたは笑って 私の手をぎゅっと引っ張る 足が速いあなたはすぐに行ってしまったけど その手だけはちゃんと握ってた 「お小遣い前借りしたからだいじょぶでしょ!」 財布の中を覗きながらつぶやくあなた やっとお店についたところで 「瓶ラムネ2本ください!!」 元気に言うあなたのうしろ 私はひょこっと ショーウィンドウに映る商品を見つめてた 気づけば汗がだらだらで こんなに暑い世界の中で あなたは2本の瓶ラムネを 頬に当てて冷やしてた 冷えきったラムネをかごに入れて 自転車に乗った 「一緒に食べよ?」 私たちは公園の近くのベンチにタオルを引いて 笑いながらラムネを飲んでた くしゃくしゃに笑うあなたはまるで 赤く輝く一番星みたい 瓶の中のビー玉を指さして 「これ出せないかな?」 なんて言うあなたに 「出せるわけないじゃん」 私が言う。 すごくくだらない会話だったけど 私にとってはかけがえのない時間だった あなたはビー玉を見つめて 「いつかは忘れちゃうのかな」って。

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瓶ラムネ