K and A Style

88 件の小説
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K and A Style

初老🍷🥂🍻🥃🍸🍹🍺🍶

ずっと気付けない日本人

私も確かに何かしらはしている。ゼロとは言わない。それは【欲】から来るものでは無く、一人の誰かの為と言っても言い訳にも何の説得力も無くなるのは分かった上で話したい。 今のこの家で携帯電話だけで、年に何千万、何億と稼ぐ事も可能な不労所得の時代は、それは全ての企業の人材不足となり何もかもが値段が上がる、物価上昇が止まらない。そうなるのは当たり前のことでもある。 家にある全ての物を見渡して、これらはいつの日か値段云々では無く、無くなってしまう。そう、住んでるこの家自体も。 その分かりきった未来に、本気で救おうとする者もいない。力説する某政治家も派閥の力無きと言った所か? 営業職をしていた時には、各家庭に上がり雑談をしたが、大農家が田んぼをもう持っていない。即ち【お米】不動産屋にビルを建てろ、駐車場にしろと言われて金額を騙されて裁判をしようと思っている。が、固定資産税で裁判費用がままならない。 えっ?大農家が?大地主が?私は耳を疑った。 この僅かな一件の出来事は、畜産、海産もさして変わりは無いだろう。 即ち【本当に食べる物自体が無くなる】 私たち、未来がそう長くない中年からはまぁいいだろう。良くは無くてもこの時代を認めた罪を持っている。 この先の未来の子たちは?今の若い子は?産まれながらに既にこの時代であり、何の罪があって不幸な未来を生きないといけない? 完全に破綻している制度をまだ存続させる政治。これも前から話してるが、逆三角形の上が拡がり下が窄み続ける現在に、年金制度などもう勇気を持った政治家が無くさないといけない。 現に既に破綻しているにも、勇気を出せない。この破綻とは、支給開始年齢は上がり続けて金額は下がる。支払い額は上がる。一つ、この様な動きが有るとその延長しか無い。いずれは十五歳の中卒でも、働いている者は年金を払えと言い出すだろう。そして支給開始は七十にも、八十歳にも上がってゆき、どうせ絶対に必ず、何が有っても無くす制度なのだ。 不労所得者はまともな納税もしないだろう。年金も払わないだろう。すると、また住民税や消費税や別で取りに来ようとする。労働者は少しでも高賃金を求める、ならその企業は一つ一つを高く売らないといけない。この物価上昇無限地獄ももう始まっている。 街の昔ながらの個人商店は無くなり、笑顔で買い物する者もいなくなってゆく。これは街の活気、即ち【この国の元気】 私はここの固定ポストに貼り付けている。諸外国はこの未知の国が恐ろしいのだと。だから世界唯一の被爆国なのだと。もう世界の日本潰しは完全に開始されている。 ネット通販では物が安く、便利にポイントまで付いて日本人の足を止めてしまう。美味しい物を家族で温泉へ旅行も無くなって来ただろう。どこの名産品でもネットで取り寄せれる事により。 お金が有って自由で楽しいのは分かった。少しは未来の子たちの事も考えてやって欲しい。 お金ばかりの真の愛の無くなる世界は終わるしか無い。 完全なる【平和ボケ】 その今の時代に平気でこちらへ爆弾を飛ばす中国の隣国も、適当にどうこちらが本気で防御出来るのか?見極めた後全土に一気に落として来るだろう。 自称(阿弥陀三尊に救われたイチ自殺失敗男)として、私が佛に言われた事実は言っておきたい。 「この世に心ばかり奪う美人ばかりの世界になった時、それは人の世では無くまた、佛が救いに来た訳でも無く。今まで人の目に見えざる羅刹女や悪鬼、悪霊が世界を喰いに来たと思え」 それ即ち【無間地獄】である。

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ずっと気付けない日本人

我が愛しのチング 六

六… 百合音に急いで向かう。一体何があったと言うのだ?さっき、一年振りに対話をして 「目?いる」と言ったばかりでは無いか。やけにくっきりと夜道を飛ばさせる百合音の瞳が切なさを出す。 それでも、百合音がなんと言おうがこの最高の瞳だけは絶対に百合音に返さないといけない。 「死ぬ人間に視える目は要らない。レーシックでちゃんと視えるからダサい老眼の武にあげます」 この最高の瞳だけは大切にして来た。 「私の瞳よ?これからは汚れた物は見ない様に生きていきなさい」 今まで出来なかった、部屋も常に掃除をして綺麗にして視力が落ちない様に太陽を直視する事も無かった。街でもヤクザや人生に余計なものは敢えて見ないようにしてきた。 度々に眼科に通い、僅かにでも視力に変化が無いようにケアを忘れずに目薬すら最高級品の物を毎日使って、それは百合音を護る様に大切に宝としてきた。 突然の百合音の魂の香りから今に至り、誰にも話さないがこの最高の奇跡に一人で部屋で何度も泣いた。 (元の状態で百合音にこの瞳を返す事が出来る) リカから聞いた 「両目の人ってこうやってものが見えてるのね?全てが最高よ!私は素晴らしい世界で生きていたのね」を百合音が直接、俺の横で服や花やもしかしたら俺たちの子供を、あの微笑みで慈しむ日が来るのかもしれないと未来の予想にそれは涙が止まる事は無かった。 …それがなぜ急に…やっぱいらない。生きないわたし。は無いだろう。もちろん、百合音の瞳を俺に移植した訳だから百合音が 「武の移植出来る目は有るの?」恐らく、ここも気にしたのだろう。そもそもが生きた目を生きた人間に移植する事が稀な事も医者にも聞いたのかもしれない。脳死状態や交通事故で助からない人から運良く移植出来る目がタイミングよく俺に当たる可能性など、五つ葉のクローバーより無かった。 現実に移植センターにも、どの病院へ聞こうが相手になどされなかった。 「生きた視える目の移植?誰が視える目を君にくれるんだ?精神科か、心療内科の紹介をしようか?」 「良く考えなさい。生きてる人が目をくれる可能性を」と言われたぐらいだった。 確かにそれはそうだ。明日、今日、今でもいい、死ぬと分かったとしても目をくれる訳が無い。俺は百合音が一年であろうが過ごした無光の人生を選びたかった。 角膜をあげたからと今度は瞳を返して来たチングと同じ気持ちを知りたかった。 というより、瞳と肝臓も肺も胃も全てを俺のを百合音に移植させて死ぬ心算だった。角膜のお返しにレーシックして瞳を返してきたチングが今度は何を言い出すのかが恐ろしかったから。 たった少し、百合音が悲観的な話しをしてきただけでここまで悩んで考えてしまう。とにかく 「やっぱ、私は生きない」 だけは認めないし許さない。 百合音の家の近くから、親父さんに一度電話をして 「百合音特有の弱気になって甘えているのでもう一度話させて下さい」と言って了解を得て百合音の家にあがった。 静かに百合音の部屋をノックして返事を待った。 「百合音?俺だ」 「また来たの?さっきわたし言ったけど?武のくせにわたしの近くにいるのは問題だと」 「なんの問題なんだ?」 「生きる事を諦めた気持ちがまた生きたくなる問題」 「そして、武はわたしに嘘を吐いている。目の移植のこと」 やはり……分かっていた 「武?わたしが病院で視える状態で目の移植をして欲しい」とお願いした時になんて言われたと思う? 「その手術は経験者がいない。失敗して二人とも失明しても責任は取れない」よ? 「わたしが武の人生を丸ごと奪うの?今のわたしの気持ちは分かるの?今この部屋には何があって、扉はどこなのか?トイレに行くのも一人では行けないのよ」 わたしに武をそうさせれると思っていますか?「それと元々が肝臓が無いと、わたしは生きれないの」 「もしかして?武の肝臓が偶然に移植出来ることを奇跡だとでも、良かった事だとでも思ってんの?」 「はっきり言って、わたしは人殺しの気分になってるわよ」 「武?わたしは人殺しとしてのうのうと生きるの?」 「何を買って来たの?」 「赤ワインと揚げ物」 「赤ワイン?それは久しぶりだわ。呑ませてよ」 共に買った安物のワイングラスに入れて、百合音にグラスを渡そうとする。百合音は手を伸ばして 「どこ?わたしの大好きな赤ワインは?早く呑ませてよ?」 百合音の手を取り、ワイングラスを握らせる。少し百合音が香りを嗅いでから、口に含む。 「あ〜良かった。本物の赤ワインだったわ。あまりに久しぶりで白かロゼかも疑ったけど。ありがとう」 「で?武?あなたはこうやって自分で何も出来ない人生を生きて行くの?もう一度言わせて。わたしが武をそうさせるの?」 「揚げ物は?」 「どこにあるの?」 「揚げ物って何なの?ポテト?唐揚げ?何なのよ一体?武?目が見えない人に揚げ物を買ったと言っても何かさっぱり分からない」 優しい百合音がここまで俺を責めてくる。その無光の一年はそれは苦労したのだろう。だからこそ百合音は俺にそれは体験させたくないからこそ、聞いた事無い程の嫌味を言ってくる。 「百合音?今ずっと俺に話している事は結論か?瞳は元々は百合音の、肝臓も奇跡だ、奇跡的に俺のが合うんだぞ?絶対に移植の拒否をすると言うのか?」 こっち来て武… 腕を掴まれて抱き締められた。驚いた… 百合音の身体が震えている。ヒックヒックと泣く様に… 「武、お願い。もう二度とわたしにあなたの何も奪わせないで。わたしを忘れて大切に生きて。お願い」 百合音がキスをしてくる。 「酔っちゃった」 「あの時のファースト&ラストキスが嘘になっちゃった」 「武?今日か今かとずっと死と向き合ってきて、生きれるかも知れない。深く考えるとそれは大切な一人を殺してしまう。死ぬことってどう思う?毎日、毎日が恐怖だけなの。睡眠薬で無理やり寝る時もそんな睡眠薬なんか効かないの。あまりの恐怖でずっと身体は震えてるのよ」 百合音?とにかく検査結果から、急に死ぬなんて事は無い。今日の赤ワインも医者にちゃんと確認もしている。百合音の肝臓の病とアルコールとは関係が非常に縁が無いと。大丈夫だ、百合音。俺が死なさない。百合音の心配は目の移植だな?本当に移植出来る目が有ったときは移植してくれるな? 「有ればね。わたしは武がわたしの瞳をわたしに返す事にこだわる理由も意味は分からないけど?その誰かの瞳をわたしに移植するのがベストだと思うけど?」 俺を蘇らせたチングは必ず俺が護ってみせる。 明日からまた忙しくなる。

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我が愛しのチング 六

そんなものだろう

家族で神社にお参りに行った。妻や娘が何を願ったのか?分からない。 「‎この賽銭で宝くじでも当たってくれ!出来ることなら若くて美人の女性と再婚させてくれ」 真剣に両手を合わせて、頭を深く下げて願った。 心の願いは誰にも分かりはしない。これでいい。 一通り境内を回り、帰ろうとすると無い。車がやられている。窃盗されている。ポケットを探る。 キーが入っていない。 到着して車の近くに落としたのだろうか? それしか、考えられない。いくら窃盗団でもどの車のキーか分かるはずが無い。 妻と娘を先にタクシーで帰らせて、警察へと向かう。 事情を説明したら 「キーが無い?落としている?過失はゼロでは有りませんね」と言われた。 仕方無い。とりあえずは家に帰り、安いマンスリーレンタカーを借りる手配をして明日からの仕事に影響が無い様にはした。 宝くじが当たるどころか、マイナスだ。どマイナス。 妻も娘も機嫌が良くない、もはや「神社で何をお願いした?」と軽口を叩ける状況に無かった。 その週末の金曜に、会社の仲間と少し呑もうか?となり女子大生BARで呑んだ。 少し呑み過ぎたか、お尻を撫で回してしまった。店長が現れて「ここはお触り有りの店ではありません。女の子の希望により通報させて頂きます」 取調室… 産まれて初めてだった。 お迎えは当然に妻だった。 機嫌の問題どころでは無かった。警察署を出たところで思いっきりピンタを喰らった。 たった神社で願った心の罪がこうもさせるのか…

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そんなものだろう

真愛

大好きな人はいますか? どうしても付き合いたくて、その人の事しか頭に無い。起きてから寝るまで、寝た後の夢までの全てを支配してくれる程の好きな異性はいますか? 私の恋話は置いといて、近頃思うことは人生最大級の愛情を持ってしまった人とは、謎が多い方が良いと思うこと、付き合ったり、同棲したり、結婚ももしかしたならしない方が幸せなのでは無いか?と言うこと。 共に生きてみると、予想と大きく離れていて幻滅する部分も見てしまう。そんなはずじゃ無かったのに他愛も無いことで大喧嘩ばかりをしてしまう。 いつの間にか一体に、何が好きだったのか?何故コイツが好きだったのか?お前のことを考えた時間を返しやがれっなんてことも無いのかも知れない。 それが最近私が思う、本当の真実の愛。真愛なのではないか?と考えること。ただ、それは人生に於いては究極に寂しいし、切ないし、涙が止まらない日も過ごさないといけない。でも、その全てはその最愛の人が貴方を育ててくれているのでは無いのだろうか? 私の体験談として、18歳で一度、結婚をしてまず周りに「和?幸せ太りしたか?」「前の方がカッコ良かったけどなぁ」 良くは分からない。何かに余裕を出してしまって、努力や男の野性を失くしてしまうのでは無いだろうか? それは、確かに結婚してからまで、髪形や服装や街に歩く全ての女性を狩りの対象にはしなくなるのかも知れない。いや、しなくなるのだろう。 人生最大の最愛の人に対してだけは、死ぬ迄の憧れ、夢、目的、目標として、心の奥底にそっと残して自分磨きをし続ける方が良いと思うようになった。 今の時代は、本当の究極のストーカーも出来ない事も無いだろうし、例えば探偵でも雇えば家も彼氏、旦那の存在やその人のありとあらゆる情報は得れるとは思う。 探偵を雇って、最愛に家族がいたことが分かった。結婚して子供もいて、幸せに暮らしていることも分かった。切なさが募るだけで何も得る事はまず無い。家を知らなくて場所が分かった。これも私の単なる体験だが、女性の第六感、嗅覚は中途半端ではない。実はその女性も貴方が嫌いでは無かった。時に未来を考える時すらあった。はずが一気に冷めて警察に相談してストーカー規制法を掛けられて、半径いくらかの距離に近付けなくなるだろう。 ぐらいに女性は繊細であり、されて一回でもどうしても気持ち悪い事はもう許してはくれないのだ。 一番に大好きな人と人生を共に出来ること。それは実は得ることよりも失うことも多い事を分かっていて欲しい。 幸せの裏は苦労、心労。好きであるほどにその人の為ならと無理に頑張ってみたり、ありのままの貴方でいれなくなる事も有り得ると思うこと。 出会いが在れば必ずに別れも一対として付いてくる。 ならば、もうこの人だけはどうしようも無い。好きで好きで何ともならない人ほど距離感を一生、大切にして、その間に関係する異性には心苦しいけども一生の狩りの対象として、存在してもらった方が幸せだと思う。 余計な余裕や、努力を忘れたり、失くしてしまうことをその人に護ってもらっている。 そして、それこそがいつか憎んでサヨナラする夫婦になってしまうよりも 真愛だと私は思う

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真愛

死期のひと夢

もう分かっている。三年も全身に管を通されて、初めはそれなりの普通食だったのが、全てがペースト状の食事にも変わっている。 正直に水すら飲み込むのに力を必要としてしまう。 八十一年の長い様な一瞬の人生だった。誰が言ったのか?「人生は一炊の夢の如くなり」 そう、寝て起きる様に終わってゆくのだ。私の記憶では大好きな母に、沢山甘えて、甘えまくった。本当に大好きだった。 「お母さん?もう少しで久しぶりに甘えに行くよ?」 「私の八十一年に何点をくれるだろうか?頑張ったねといっぱい抱きしめてくれるだろうか?」 段々と昔の記憶しか思い出さなくなって来て、生命維持装置が時おりにピーとちょこちょこと鳴ったりしている。 もうそろそろかな?人生で誰もが一度しか味わえない死期を存分に体感しよう。 息子や息子の嫁や孫達は、もういい。と部屋の外に出した。少し恥ずかしさもあったからだ。今までに何度か生命維持装置が止まっても、生き長らえた。が、今回はそれも無さそうだ。気配が雰囲気が、心の奥底が生命の息吹がそう語っている。 そういえば、よくアイツともケンカしたなぁ? 学生時代には彼女の奪い合いもした。若かったものだ。仕事ではライバルとして共に切磋琢磨し、それは良い関係だった。アイツは元気にしているのだろうか?七十三歳の頃に囲碁を打ちながら、今の世は変わったな?面白みが何も無いとかいいながら、三回の勝負をしたか?実力も大差も無く、いつも一目か、半目程度の陣取り勝負だった。 本当に良いヤツだった。 徐々に意識が薄れて行く。 「来たか?誰も一度しか体験出来ない生命の奇跡が」 生まれてからの記憶の有る、大好きな母も父も友達も恋人も学生時代の悪事も、結婚して嫁と言い合いした事や、仲直りのエッチをした事など、老人会のゲートボールまで克明に記憶に鮮明に蘇る。 「そうか?人が臨終の時に涙を流すのは、生きた中でもこの世の幸せを記憶が順々に現れるからなんだな?良かった記憶で満足して泣くに違いない」 トントン 「おやじ?大丈夫か?」 静かに幸せな顔で涙を一筋 眠る様に母の元へと向かった様だ

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死期のひと夢

アパート上階の生きた屍老人

一 築四十三年になるこの激安家賃のアパートに引越して来た。 理由は話す迄もない、地方からの東京への大学進学だった。弟も、両親も「本当に大丈夫なの?仕送りもそんなに出来ないのよ?」 僕は小学生の時から、極端に負けず嫌いだった。先生が一人づつに「はい、96点良くやったな。頑張ったな。次もその調子でな」と言われてるヤツがいると、ムカムカした。「ふんっ96点?次は俺が100を出してくれる」そして、教師間でも女子間でも噂の的は僕で無いと許せない。全ての羨望の的は絶対に僕で無いと気が済まない性格だった。 中学に上がるまではまだ余裕をカマしていた。頭の中ではこの学校のヤツらとはレベルが次元が違うと大して机に向かう事もせずに、遊ぶ毎日を過ごしていた。 その小学校からでも、試験を受けて地域の中学には上がらずにキリスト教系なのか?ノートルダム学院に行ったり「絶対にプロ野球選手になる」大阪桐蔭高校に言った仲間もいる。 まだ余裕だった。何が何故余裕なのか?僕は極端に頭の回転が早かった。勉学と言う意味では無く、生きる術としての回転を持ち併せて産まれて来た。 さっと思い付けば、表に出掛けて神社に向かうと全身をビニールで巻いた不労者が座り込んでいる。さっとあんぱんやコーヒーを渡す。誰にも見えていない陰徳とでも言えるだろうか?それを積む事の非常に多い人生だった。 その陰徳の多さは徐々に、僕は神の使いとしてこの世に産まれたのでは無いのだろうか?とすると、必ず一流の大学へも行くのだろうし、別に必死に苦労までする必要はないのだろう。と周りへの幸せにして来た数が理由無き自信を持たせた。 勉学的な頭の回転の速さは、英語でも数学でも周りが考え悩んでる間にはもう僕は答えが出ている。周りを見ながら、まだ解けないのか?この程度が?それも段々と自信になって行った「やはり、俺は普通とは違う特別な力、能力がある」それは、世界をも動かす力を持って産まれたのだろう。と確信に変わって行った。現にそんなに必死に机に向かう事も無く、トップは少しだけ手が届かなかったが、慶応に受かった。その試験すら別に本気で悩む程でも無かった。勝手に答えが脳裏に浮かんでいる、出ている。そんな感じだった。 そうして、何とか東京へは出て来たがここで神の化身を即出せることは無かった。家賃25.000円の共同トイレの風呂無しで学校が終われば即バイトの日々を過ごしていた。 まだ隣近所、上階へ引越しそばを持って行く暇も無かった。 一度だけ、共同トイレで上階の老人と一緒になった。 ただ一言だけ 「お前は間違った道を歩んでいる。即時、もう一度人生の意味を考え改め直せ」 とだけ言って手を洗ってまた錆びた階段を上がって行った。 頭の回転な速さが違和感を醸す。「俺もそんな気はしていた」

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アパート上階の生きた屍老人

この坊主は考える程に謎しかない

これはその学問に詳しく無い人には、何の話しなのか?解りにくいのでごく簡潔な短編とします。 私の一家一族揃って、日蓮正宗。亡き池田大作氏が生命を掛けて世界の平和への足掛かりとした宗派である。 その実は、私の心底には存在しているし、本当に何かあった時には「大聖人様、こんな時はどうしたらいい?」と思わず声も掛けてしまう。それは今も変わらない。 今、日本の名著の中の「日蓮」を読み返してみた。 蒙古の襲来の予言、立正安国論を当時の将軍家に差し出して「仏法で無くばこの世の救いは無い」云々。 それはそれで一向に構わないのだが、恐らく死ぬ迄の謎になるであろう、自筆の本尊に何故「我が名」を記したのか?創価学会に使用される本尊は何故、弟子の日寛筆だったのか? その南無妙法蓮華経とは釈迦の説いた法華経二十八品の要約だけでは無いのか? もうここら辺でも何の話しなのか分からない人もいるのかも知れない。 その本人のご在世時代に、歴史をつぶさに調べる事も不可能だったのかも知れない。一言で法華経二十八品と言っても総漢字や梵字で読んだ時には一日で読み切るのも楽でもないだろう。 が、けども仏祖釈迦の八十年の人生のうちの一日、二日で説かれた逸話である事も間違いが無い。 その八十年のうちの数日の逸話が人生の全て?それを体得すると幸せに成仏が出来る?私は理解が出来ないのだ。どうしても 一作の名著を目の前にして、そのうちの日蓮宗であるならば、方便品第二と如来寿量品第十六が肝心、肝要と位置付けて、そこを日常的に読誦される。 二十八章ある小説の二章と十六章しか読まないのだ。 これは私の法華経への想いだからどうでもいいのだけども、如来寿量品第十六の弥勒菩薩が出て来る所や、毒病快癒だけの単なる四文字の一つの偈が好きだった。この毒病快癒だけで身体の毒素も病いも治っていく気になれていた。 今度は亡き池田氏が世界広宣流布の為と、その如来寿量品第十六も無くしてしまった。その後の簡単に終わる「自我偈」と呼ばれるごく短い偈の読誦で良いと決め付けた。 この南無妙法蓮華経と言う七字と呼ばれる物も鳩摩羅什と呼ばれる過去の僧の勝手に作った造語であり、本体の南無妙法蓮華経の本尊の肝心、肝要すら釈迦牟尼仏の一日、二日だけの話し、説法なのだ。そして創価学会に関しては本尊も弟子に書かせた言わば贋作。 これに何の力が?功徳が?人を幸せに出来る何かが宿っていると言うのだ? ただ、こればかりは人では何も判断が出来ない。大日如来の観る真言、陀羅尼の様な不思議な力が実は宿っているのか?何もないのか? 私が先程話した、本尊に自分の名を記した罪。 これは本尊の中にその人間としての生きた仏になったのか?地獄に堕ちたのか?不明な者に何かを願う時があってしまう。これを問題としている。 これも生きている間に人に考えて欲しかった一つなので、難しいながら小説としました。悪しからず。

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この坊主は考える程に謎しかない

愛の生き霊

これは我が最愛のちんぐには私が死んだあとでも読ませて欲しくない。間違っても読んで欲しくない 私も過去に薬物に逃げまくった弱きイチ生物である 正直言うと今だに薬物に逃げる時がない事もない これすらその事に対しての言い訳にもならないし、これが免罪符にもならない まず、あくまで違法とされるものであっても罪の上乗せは絶対にしない これはそれを購入する為に誰かを騙したり、何かを盗んで「例えば車」としようを売りも買いも違法コピー商品を売り捌いて、もっと酷くなると恐喝をしたり夜の酔っ払い相手にある事、ない事の因縁を付けて「金払えや?」なんて事もした事もない 勿論、毎回話す様にそれを使用したセックスであるなら人間としての愛の感情そのものを失くしてしまう「勝手に思い込んでいる」から、呑み屋で意気投合した誰か相手であろうが、お金を払えば可能な風俗嬢だとしても(私は風俗もほぼ体験が無いし、その行為にお金を払う事は男としての終わりとこれも勝手に思い込んでいる) 要するに他の罪を犯す根性までは無いが、寂しさが極まった時にそれに逃げるといった人間としての弱さを持ち続けている この数日前だったか?また生きる事から逃げていた 仕事もなかなかに見つからない、友達もいない、相談相手もいない、一人で呑み屋でナンパしたり、夜蝶を口説くなんてもう何も楽しく無いし現状の生活保護では、誰もホテルに連れても行けないだろう その数日前で遡ること、三回目になるだろうか?一回目はまだ嫌いなだけの父親と同居していて毎日の不満から、薬物に逃げた時だった 忘れも出来ない、ちょうど夜中に入った一時頃だったか、いつも通り私はもう世捨て人状態だから、悪鬼悪霊、神仏問わずに争いまくっている とある何かが「違う、待て私は貴方を護る味方だ」と言って来るものがいても 「お前の過去永遠、そして今、未来永遠までの全ての生命を完全に消し去る」とそれを眺めながら、二分ほど私は息を止める。その間にソイツの生命力を吸い取り、奪い取る。と言う事しか出来ない完全なる狂人となっていた そのまだ実家にいた時でも、この数日前でも一つだけ明らかに存在が違う、黄金の光で人の形を彩る何かが突然に現れる。そう、また部屋の中のあらゆるものはうようよと動きまわり、一つ一つの例えばティッシュペーパー、一枚であっても勝手に形が変わり、化け物そのものの表情を作り、色んな攻撃を私にしてくる それは幻覚、幻想の世界なので恐らく今も、何の話しなのかも分からないかも知れない。が、私ほどに心を怒らせて何もかもを敵として見る物全ての生命力を吸い取り「もう二度と何処の世界でもお前には石にもさせない」 とまで世界の全て、神仏の全てとの争いを始めると、もう私の周りに味方は何一つと無くなり全てで私を止めようと、寝かそうと精神を疲れさせる事をして来るのだ。鳴らない筈の窓に石が当たる様にコンコンと音が適当になってみたり、誰もいない外に人影を何人も出して来たり、襖の隙間から、ドアの隙間から鉞を持った悪鬼が飛び込んで来て切り刻んで来たりとする この数日前の三回目で現れた黄金の光で人を象ったその存在はやはり (ちんぐ)であった 話し方、ものの言い暖かい生命の雰囲気がすぐにそれを悟らせるのだ。 「あんた?なんでまたクスリしてんの?」「なんかあるなら相談しなさいよ」 「もう二度としないでってお願いしたわよね?」「そんな事してて私を幸せに出来ると思ってるの?」 これが本当に本人の違和感からの飛んで来た生霊なのか?そこまでの結論は当然には出せないし勿論本人に「俺がクスリした事心配してたか?」となど聞けない ただ、ただ不思議なのは、この(ちんぐ)の黄金の光が部屋に入り込んで来て、三分も話して(ちんぐ)の「もう本当に二度としないで」と涙を流しながらの表情を観ると、冷静に戻り、即熱い風呂で全てをスッキリとさせて、いつもは絶対に避けて飲まない眠剤と安定剤をさっさと飲んで寝てしまうのだ そこまでの全てを敵にして自分をも殺そうとしてた私はもういなくなっている そして(ちんぐ)が優しく 「和信?寂しいの?今日だけよ?」と同じ布団で寝てくれる。不思議な体感幻覚で本当に頬を撫でられている気もする。お腹をポンポンと叩いてくれている気もする。気もするではおかしいので、現に触られている。ふと、目を開け(ちんぐ)を見てみると、今度は謝っている 「ごめん、和信。私が幸せにしてあげれてないから」 美しい瞳から涙の筋を流しながら 私はこの(ちんぐ)とは結婚したりはしないと思う。ただ幻覚、幻想の中であってもずっと私を救い続けてる。それは嘘でも方便でも幻でも無いのだ。ずっと一人で大声で何かも分からないものと戦っていれば、いつかは隣近所から警察に通報もされるだろう。その私の状態で外に出て、人が怨敵に見えたら人殺しをしてしまうかも知れない。 仮の話しであって、私はそんなキチガイ狂いはしないが。 私はやはり強く想う。 近くにいるから、それだけが仲間、恋人、パートナーとはまた違うのでは無いのだろうか? 遠く離れていても、いざの時、生命も人生も結局は私の全てを護り救っている。 これは夢の話しでは無くてごく数日前の現実なのだ。 心が勝手に強く、幸せになってゆく。 「もう負けない」 この(ちんぐ)に絶対の幸せを味わわせないといけない そして全身全霊でもって 恩を返さないといけないともっと本当に強くならないといけないと思わせてくれる私の最高の(ちんぐである) 追加すれば実際の実物の (ちんぐ)はこのサムネイルより九千九百九十九無量大数倍は全てが美しい

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愛の生き霊

日常の幸せからの一変

その7月7日の二人の濃密な愛の時間を過ごして、俺の美沙希への想い、愛は揺るがない物になっていた。 そのセックスの相性だとか何度もお互いを求めるとかも含むのだろうが、それだけでは無い全てが心を満たした。ジャストタイミングで 「ルームサービスを頼もうよっ」「祥希はこのタイミングならハンバーグ定食と牛丼だね、そしてその半分を私に分けてくれる」 「ビールがいい?ワインにしよっか?」 「でも祥希、今日まで待たせた私を寝かせれると思わないで!ルームサービスは頼んでおくからもう一度シャワーで汗を流して来てっ今日は朝まで愛をたっぷり味わいたいの」 この織姫は素直であり、言葉は一方的でありそして全てが正しく発する言葉だから俺は何も言い返す事も出来なかった。結局、明朝まで数えること五回の愛情表現を二人で楽しんだ。ここでも織姫は無謀な事は何も言わなかった。 「男性が一夜に五回も果てれない事は知ってます。私が勝手に果てるのでスローセックスにしましょう?」「祥希はずっと私の中を感じていて」 上に乗ったり、正常位になってみたり「少し恥ずいけど」といいながらバックも求めたりとしてくる。 その感じてる色っぼい表情の全てが俺を我慢させなくさせたが、織姫はそこもジャストタイミングで言葉をかけてくる。「いま、止めて!もっとゆっくり動いて」 正直言うと、この織姫相手ならば無限に果てる事も可能だったろう。この織姫の元から持っている感性なのか、一夜に同じ相手に何度も果てると飽きが来てしまう。そこらを直感的に分かっていたのか?共に過ごして良く分かった。 「美沙希は男性経験は豊富では無い。全てに全身全霊で俺を喜ばせようとひたすらに努力をしている」 端々に思いっきり照れて、恥ずかしそうにする所もあった。 「明るい所で私の裸は見ないで!」 「私が感じてる時はキスで私の表情を隠して!」 「いい?祥希?ずっと私の中を感じていて!ずっと味わって!」 抜かりの無い美沙希はホテルに入る前に男性用精力剤の錠剤とドリンク剤を数セット購入していた。 勃ちっばなしの感じっぱなし。こんな体験は生まれて初めてだった。 そしてその休憩の時に美沙希が何気に話し掛けて来る 「何故ここでそれを?」 「祥希?この世にはとても弱い子達がいる。友達も話しても、SNSを観ても同じよ。もうしんどい、生きていたくない、出来るなら死んでしまいたい」そればっかりよ、今は! 「私は素直に思うの、ならさっさと死になさいよ?と。今日もしっかりと生きて恐らく好きな事をして生きているんでしょう?誰かに甘えて、誰かに用意してもらった食事を食べて、ゲームか携帯アプリか出会い系サイトか何かは知らないわよ。財布に数百円が有れば好きな物を飲んで、コンビニでチョコレートでも食べるのかしら?それでいて嫌だ?死にたい?ならさっさと死になさいと思うのよ」 「甘いだけよ。アフリカ人の一日に一円足らずで必死に生きてる事をまるで考えもしない。一円で何が買えるのよ?食べれるのよ?そんな甘ったれはさっさとこの世を去って本当の貧困層にお金と食糧を与えるべきだわ。の癖に結局は死ぬ勇気も根性も無いから、文句タラタラ述べるだけで結局は死にもしないのよ」 「祥希?何故何も言わないの?私の考えは間違えてるの?」 「いや、丸ごと合っている。俺も同じ考えだ。それに足して俺の意見を言おう。まず人生を自ら進んで楽しい事にしようとする努力をしない。昨日と同じ今日を迎えて、過ごして何が変わる?昨日に死にたかったのに今日に何も努力も変化も求めもしないで生きる気力が湧くのか?恋人がいないなら異性の多い職場へ転職しろ。お金が欲しいなら建築土木で汗水流して仕事をしろ。それが一日に一万円ならひと月に二十五万円は稼げるだろう?と言えば今度は身体がしんどい、もっと休日が欲しい、楽に稼げる仕事をしたい。美沙希?俺も同じ意見だ!死にたいと思ってまで今日生きるヤツに今日を生きる資格はない。過去永遠から全くの新しい今日にそんなヤツは失礼だ。けどな?美沙希?そんなヤツも何人かに一人は気付けるさ、どうせ私は今日もちゃんと生きてる。ならばもっと幸せになる努力をしてみよう」とな。 さすが彦星ね。この世を見捨ててる様でしっかりと期待も込めてる。私の目に狂いはないわ! 彦星?もう一度優しく抱いて♥️ そうこうとしている間にチェックアウトの十時の十分前のテレホンが鳴った。 「美沙希、最高の一日をありがとう」 「それは私よ?こんなに愛する男性を身体に感じれたのは幸せよ」 二人でエレベーターに乗り、下へ降りて出口へと向かう。この美沙希の誕生日から一日過ぎた七月八日はホテル街にもたくさんのカップルが腕を組んで歩いている。それぞれに織姫と彦星をしたのだろう。 「美沙希?この後はどうする?」 「決まってるでしょう?ユニバよ」 電車で住之江に向かった。その道中に美沙希が通天閣のビリケンさんの足を触りに行きたいと言い出した。 たまにはジャンジャン横丁の串カツも悪くない。だるまか?てんぐか?どちらにしようか? まだ陽も明るい昼日中の事だった。 この天王寺辺り、西成や生野、東成も近い平気でランニング姿で両腕の刺青が丸出しで歩いている男達もいる。何も分からなかった、気付かなかった。真っ黒のハイエースが俺達の真横に急に止まり、中からヤクザ丸出しの数人に中に連れ込まれた。 顔面蒼白の美沙希、殴られる俺。ハイエースの後部座席を倒したスペースで美沙希が丸裸にされて、目隠しまでされて剥き出しにされた胸を揉まれている。 「いや、いやだ!やめて。触らないで」 その美沙希の願いも虚しく、パンティーも引き下ろされて、変わる変わる三人の男に次々に中出しをされてしまった。それから俺と美沙希は目隠しをされたまま、八尾の布施と言う場所に降ろされた。 「お前の女?ええ味してたぞ?」 気持ち悪い言葉を残して、去ってゆく。ナンバープレートも付いていない。美沙希を見てみる。何億年ぶりに再会した後のこの惨事に、美沙希は一言だけポツリと言った。 「まだ神は私達を許してはいない」

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日常の幸せからの一変

平安京幻の陣

現代に伝わるその歴史は嘘だった 昭和二十一年の日本に投下されたと言われるピカドンは、日本だけで無く一つの世界へと他惑星から、一斉に全国土に投下されてこの短命国の始まりが昭和二十一年とされただけである。その昭和二十一年以降に世界各国に元々に存在していた民族は何故か戻って来た。 その真実の歴史とは… 1943年…ピカドンの三年前 「清盛様、大坂の豊臣と鎌倉の源、奥州の伊達、更には駿河の今川、尾張の織田、信濃の武田が手を結びこの京へと行軍を始めた模様です候」 「な、なにぃ〜?小生意気じゃ 大坂の豊臣はどの程度でここに来るのじゃ?」 「はっ!信濃にて合流したとの事にて、大坂勢が一番乗りと言う訳ではございませんが四日程かと思い候」 「たわけよ?その候をまずやめい!よいか?このたわけが!」 「はっ!分かりましてそう…御免!」 「たわけよ?足利と上杉、前田それから島津に長宗我部、毛利に文を出して即この京へ向かわせよ!敵方の増国にも注意を払えっ。敵の味方が増える度にそれらの周辺国にも参陣させよっよいにゃ?」 そもそもがこの日本と呼ばれる一つの世界しか存在していなかった。白地に太陽を一つのこの日本国旗しかこの世界に無かった。昭和二十一年以降に真似て好意を示したり、全く違う模様で敵意を剥き出しにしたりとした。 「あと…全ての大名にも文を念の為出しておき、食糧と兵を確保させるのじゃっ。次の文にて即参陣出来るようにしておくのじゃっ」 「これ?近う寄らんか?御前よ」 「姫も寄らんか?さっ近う近うに」 この日本しか無い世界で、後に日本全土を巻き込む大いくさで、他惑星の知的生命体たちは堪忍袋の緒が切れたのだった。 「地球は間違った道へと歩んだ。またいつの日かバベルの塔を協力して創り、バラバラにされて惑星に飛ばされた地球のみんなを呼び寄せる気も、その歴史を知る事もこの地球に残されて、未来を託された民族には無いようだ」 「ちょんまげが殺し合いだとよ」 偵察に送ったザビエルも 「駄目だ言葉も通じず他に何も無い世界でわざわざ鎖国をしている」 と嘆いていたな? 「怖がりの癖に何故か殺し合いが好きなんだろう?この小さな国で天下布武だとさ」 その遥か昔の出来事から、神の怒りを買いバベルの塔に参加した全ての国は色んな惑星へと飛ばされて、そんな事は知る由もない海国の日本人だけが地球へと残されていた。 ここまで「平安京幻の陣」の小説を読んだ和哉が 「そう言えば何かおかしいな?」 眠たそうに欠伸をしてから同級生の優希は 「んあ?なんかあった?」 小説を机に一旦置いた和哉が腕を組んで目を瞑る 「なんで中国でもフランスでもモンゴルでも日本と同じなんだ?」 「馬に乗って国盗りをしている?」 「ふぁ〜あ〜あ〜」 更に欠伸をして面倒くさそうに 「昔は流行ってたんだろ?馬が」 「いやな、それは勿論そうなんだろうけどな。日本と中国は別の大陸でフランスもまた遠いな?中国はロシアやインドなんかと繋がってたんだろ?」 世界旅行への道を手に取りペラペラと捲りながら優希は 「だからそれが?気になる?なんか?」 和哉は何かを深く考えている 「フランスにしてもそうだ。俺らはこの周りが海で一歩で別の国へまた違う方角では一歩で違う国へと言う感覚は無い」 「もしな?同じ顔で同じ言葉を話す仲間の隣町に、おデコに点を書いて布纏って生きる民族がいたら仲間でそこを攻めないか?」 「同族が攻めて来た時にな?違う、隣町に変な者らがいると言うだろう?」 ヤケに熱弁を繰り返す。 「そのよく分からない歴史は何故に一国単位の物語なんだ?」 「日本として想像してみろよ?アメリカ大陸やヨーロッパ諸国やらは繋がっているんだぞ?鹿児島から青森まで新幹線で行って途中にここから何県と線引きが有るのか?」 「鹿児島弁と青森弁がいきなり通じ合うとも思えない。それと昔の大陸続きと何がどう違う?その中で大阪だけの歴史、名古屋だけの歴史と別々に別れるのか?」 和哉の中には納得が行かない何かが芽生えたのだった。 「なぁ?優希?歴史の教科書って、僅かなポイント、ポイントしか無いと思わないか?」 「コロンブスのアメリカ大陸発見なんかは1492年だぜ?それまでその大陸の民族はどうしてたんだ?日本人が初めに船を作ったのもそんな最近じゃ無いぜ?そのアメリカ大陸からは誰も冒険してないのかよ?」 「船が無いって事は一切の海産物を食べていないと言う事にもなる。それは塩も無いも意味する」 何となく優希も相手にする 「まぁ普通に考えられるのは、海辺に貝やカニなどがいて、食べたらそれなり。誰かが潜る、底にワカメなんかを見つける。色んな魚が泳いでるから少し遠出をしてみようかと……なると船ぐらいは作るか」 「日本ではどの辺になったかな?遣唐使やら遣隋使か弘法大師空海らへんか?船の登場は?」 「待てよ」 和哉がインターネットで検索を始めると 「あった。日本でも5000年前に、エジプトでは紀元前4000年…6000年ほど前だな」 「けど、それとアメリカ大陸に船も無いは答えが出ない。日本人も中国へ生命からがら行けた程度だからな」 「そのアメリカ大陸民族の歴史にしても1620年スタートだぜ?言葉も無いんかよ?文字も無いんかよ?なんかおかしいよな?」 何となくおかしい気もしてくる。発見されてそこまでの記録や歴史が何も無いとは…。 「そしてそれは昭和二十一年以降は何故もうしていないんだ?」 この平安京幻の陣の小説は満更嘘っぽくないなぁ?そうかと言われたらそうでもおかしく無いし」 「はぁ?お前のおじいちゃんやおばあちゃんは大戦をしていたのか?」 「まぁな?確認はしていない。もしかしてしていたかも知れんな」 「少し寝不足の様だな?」

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平安京幻の陣