アパート上階の生きた屍老人
一
築四十三年になるこの激安家賃のアパートに引越して来た。
理由は話す迄もない、地方からの東京への大学進学だった。弟も、両親も「本当に大丈夫なの?仕送りもそんなに出来ないのよ?」
僕は小学生の時から、極端に負けず嫌いだった。先生が一人づつに「はい、96点良くやったな。頑張ったな。次もその調子でな」と言われてるヤツがいると、ムカムカした。「ふんっ96点?次は俺が100を出してくれる」そして、教師間でも女子間でも噂の的は僕で無いと許せない。全ての羨望の的は絶対に僕で無いと気が済まない性格だった。
中学に上がるまではまだ余裕をカマしていた。頭の中ではこの学校のヤツらとはレベルが次元が違うと大して机に向かう事もせずに、遊ぶ毎日を過ごしていた。
その小学校からでも、試験を受けて地域の中学には上がらずにキリスト教系なのか?ノートルダム学院に行ったり「絶対にプロ野球選手になる」大阪桐蔭高校に言った仲間もいる。
まだ余裕だった。何が何故余裕なのか?僕は極端に頭の回転が早かった。勉学と言う意味では無く、生きる術としての回転を持ち併せて産まれて来た。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2024/7/15 12:38
K and A Style
初老🍷🥂🍻🥃🍸🍹🍺🍶