霞上 千蔭

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霞上 千蔭

大学生です 思いつくまま心のままに書いています 気まぐれなので不定期更新です 拙い文章ですが読んでくださると嬉しいです フォロー、いいね、コメント喜びます Twitter: @chikage_novel https://note.com/chikage__novel

知りたくなんかなかった わかってしまうのが怖かった 出逢えば呑まれてしまうって知っていたのは もうどこかで見つけていたからだ きっともうわかってる けどまだわからない 私の中の何かがそれを拒むのだ けれど今もこんなに貴方を求めるのは 私の頭か、心臓か それともこころというやつか

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恋

プロポーズ

ただ君におはようって言いたいんだ 行ってきますって言ったら 行ってらっしゃいって言ってほしい ただいまって言ったら おかえりって抱きしめてほしい おやすみって言ったら おやすみって笑ってほしい そんなすごくシンプルで でもすごく贅沢なことを 君に望んでもいいですか

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プロポーズ

逆光

きっと私達は互いの顔が見えていなかった 背中に当たる光を言い訳にして 見ることに 見せることに怯えていた さよなら 一緒に光の差す方へと歩いていける そんな人とあなたが出会えますように

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逆光

枕へと流れた涙をごまかすように 隣で眠る君に抱きついた まだあなたを思い出してしまうけど いつか夢の中までも 君でいっぱいになりますように

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夢

海の底で

もしあの海に身を投げたなら何が見えるだろう 空気のかわりに海水で身体を満たして 海の底へと沈んでいきたい そこから見る光はどんな色をしているだろう 遠く 弱くなっていく光を見ながら 海の底で死んでいきたい

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海の底で

どうして

あなたに似合う人になりたい 自信を持って隣に並びたい 私の願いは届かなかった 私の努力は届かなかった 私の言葉があなたを傷つけた あなたの言葉が私を傷つけた あなたは私を責めた 私も私を責めた 私なんかもうどうなったっていい そんなふうに思っていたの 君は私を肯定してくれた 君は私を好きだと言った 私は“好き”が怖かった 私は“好き”がわからなかった 君のまっすぐに応えられるはずなかった 私はまっすぐに返せないから まだ怖い もう嫌だ 忘れられない 認めたくない なのにどうして 君に惹かれていると気づいてしまったの

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どうして

私はからっぽのまま完成してしまった からっぽなら何かを入れればいい 誰かがそう言ったけれど 閉じられた蓋はもう開かないと私にそう言っている 周りを覆って 色を塗って まやかしの彩りで誤魔化したって 中を覗いたら何一つだってないことを 私だけは知っているの いっそ、未完成のままならよかったのに

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箱

恋した少女のつぶやき

誰よりも大切だった 誰よりも大好きだった 私を見る優しい目と 私の名前を呼ぶ少し低い声と 私を抱きしめる細い腕と 私をからかっていたずらっぽく笑う顔と あなたがちょっとだけ気にしていた細い目も 笑ったときに端がくるんって丸まる口元も かわいくて愛しくて仕方がなくて 私が好きだったあなたは、どこに行ってしまったのかな あなたを信じていたの どんなに不安になっても どんなに苦しくても どんなに寂しくても あなたが幸せならそれでよかったの でもあなたはそうじゃなかったんだね そうじゃなくなったのはいつから? 私に嘘をつくようになったのはどうして? 私はどうしたらよかった? そう考えてしまうけれど きっと、どうすることもできなかったってわかってるの ねぇ、私もう好きって気持ちが怖いの いつか失ってしまうなら、最初からいらないって思っちゃうんだよ あなたのせいだからね 大嫌いだけど大好きで、心から愛した人 さよなら

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恋した少女のつぶやき

君だけがいない世界

-本編は次頁から始まります- 目覚ましが鳴る。 冷水で顔を洗う。 スーツを着る。 髪をセットする。 珈琲を飲む。 猫に餌をやる。 いつも通りの憂鬱な朝だ。 その中に君だけがいない。 ある日、世界から君だけが消えた。 目覚ましが鳴る。 冷水で顔を洗う。 スーツを着る。 髪をセットする。 珈琲を飲む。 猫に餌をやる。 いつも通りの憂鬱な朝だ。 君がいないから余計にそう思うのかもしれない。 もういない君の姿を、僕は今も探している。 目覚ましが鳴る。 冷水で顔を洗う。 スーツを着る。 髪をセットする。 珈琲を飲む。 猫に餌をやる。 いつも通りの憂鬱な朝だ。 君と二人で見た海に沈む夕日。 あの日見惚れた君の横顔を、僕はもう思い出せない。 目覚ましが鳴る。 冷水で顔を洗う。 スーツを着る。 髪をセットする。 珈琲を飲む。 猫に餌をやる。 いつも通りの憂鬱な朝だ。 君と二人で飲んだ朝の珈琲。 今日も頑張ろうと笑いあった日々が消えていく。 目覚ましが鳴る。 冷水で顔を洗う。 スーツを着る。 髪をセットする。 猫に餌をやる。 いつも通りの憂鬱な朝だ。 君によく似合っていた名前。 愛しかったはずの言葉は、今はもう口にすることすらできない。 目覚ましが鳴る。 冷水で顔を洗う。 スーツを着る。 髪をセットする。 猫に餌をやる。 いつも通りの憂鬱な朝だ。 忘れたくないはずの君は、もうその声しか残っていない。 僕の名前を呼ぶ君の声を浮かべると、あたたかいのに少し哀しくなった。 目覚ましが鳴る。 冷水で顔を洗う。 スーツを着る。 髪をセットする。 猫に餌をやる。 いつも通りの憂鬱な朝だ。 僕にはいつか、とても愛した人がいたような気がする。 本当にいるかもわからない「君」に、僕はそっと思いを馳せた。 目覚ましが鳴る。 冷水で顔を洗う。 スーツを着る。 髪をセットする。 猫に餌をやる。 いつも通りの憂鬱な朝だ。 さあ、今日も仕事へ行こう。

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君だけがいない世界

私のなかみ

みんなと同じでいたいのに みんなと違うものを求めてる 消えてしまいたいのに 明日死ぬことを恐れてる 自分が大嫌いなのに 自分のことしか考えられない 愛されたいのに 誰かの愛から逃げ出したくなる 大切にしたいのに 突然全部壊したくなる 誰にも傷ついてほしくないのに 自分の痛みをわかってほしい 辛いって声に出すけど 周りに聞かれるのは嫌で 誰かに助けてほしいのに 自分なんか放っておいてほしい こんな私を あなたはおかしいって言うかな 矛と盾よりずっとぐちゃぐちゃで まったく違うふたつの気持ちが 私の中にすんでいる

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私のなかみ