海津渚
46 件の小説もう一度君と… プロローグ
桜が散り始めた四月の上旬。 「悠太、今日から高校頑張ってね。」 「うん、頑張る。」 天気は曇っている。天気予報は晴れっていってたのにな。 新しいことが始まる、春の朝。 「…無理しちゃだめだよ。」 「うん。」 今日から高校一年生。 緊張する。知らない人ばかりの遠い高校だから。 「何かあったらすぐ相談するんだよ!」 「わかってる。」 精一杯楽しむんだ。 そして忘れるんだ。彼女のことを…。 「ねーちゃん行ってきます!」 「いってらっしゃい!」 新しい一歩を踏み出す日がやってきた。
テスト後に!
テスト後、「もう一度君と…」を書き直します! そして投稿します! お楽しみに
もう12月ですよ…
今月は色々あったなー 恋のキューピッドになってカップルを成立させたり 好きな人と一緒にゲームしたり 新しい友達できたり 友達が一週間ほど休んじゃったのは悲しかったな… 月変わる前に会えてすごくうれしかった 色々まとまって気持ちが整理されて 楽しい十一月だった
輝きの先に
初めて彼と会ったのは文化祭のときだった。 私はその日、友人の希と回っていたのだが、はぐれてしまった。どうしよう…。 少人数のグループがわいわいしながら私の横を通り過ぎていく。明るい雰囲気のなか、一人ぼっちなのはなんだか孤独な感じで恥ずかしかった。 仕方なく一年生の教室を見て回る。私が辿り着いた先は一年一組の「アニマルカフェ」だった。中では、動物のカチューシャをつけた人がオーダーをとったり、食べ物を運んだりしている。 「おひとりさまですかぁ~?」 「かわいいね~」 「何か食べていく?」 突然、八人くらいの男子に囲まれる。みんな背が高い…背の低い私からしたら彼らは巨人のようで怖くて身を縮める。 「おい、困らせたらだめだろーが」 その時現れた人が彼だった。 彼の髪型は今流行りのセンター分けで身長は一般の高校一年生って感じで、不思議なオーラを放っていた。 不思議な奴。それが第一印象だった。 「すみません、助けてくれてありがとうございます。」 「いえいえ。大丈夫だった?」 「はい。ありがとうございます。」 そう言うと、彼は手を振っていってしまった。 「あ!あすちゃん!」 「のぞみん!」 その後、私は無事、希と合流した。 「さっきの人誰だったか知っている?」 「彼は光だよ~私と同じ保健委員会に入っているんだ。目立つことが大好きで、理系科目が得意なんだよ。」 そうなんだ… その時はそのくらいしか思わなかった。 再び彼と会ったのは、二学期の委員会だった。希が一学期から保健委員を継続すると聞いて、一緒にやってみようと思って自分もなった。 そして放課後、同じ委員会の人で集まることになった。 「あの時の人だよね!?」 「あ!そうです、こんにちは…」 彼は私のこと覚えていてくれたんだ…なんかうれしい。 「ねぇねぇ、二人知り合い?」 光の背後から知らない顔の男子がひょっこりと顔を覗かせた。 「うん。文化祭で知り合ってね~」 「そうなんだ!俺は千晃。こいつと同じ部活だよ!二学期よろしくな!」 声が落ち着いていて優しそうな人… 「おっ、希もいるじゃん!」 そう言って、光は希に話しかける。すごく楽しそうに話している。仲良いんだ。 それから光と千晃と関わることが増えた。もうすぐ体育祭が行われる。そこで保健委員はけがの処置など重要な仕事を担うので、毎日委員会が開かれた。 「俺さ、生徒会企画の借り人競走出るから見とけよ!絶対勝つからな。」 光が言うと、 「はいはい、頑張ってくださーい」 と千晃は棒読みで言った。 「まぁ、千晃は見なくてもいいけどさ、明日香と希は見てくれるよな?」 そう言いながら彼にとんとんと肩を叩かれてドキッとする。最近ずっとドキドキするんだよなーこいつがいると。 ジュースとかおごってくれるし、何か困っていたら相談のってくれるし…良い人。彼はうわさによると少し嫌われているらしいのだが、嫌われる要素なんかない気がするんだよね…。 委員会に入って四人で帰るようにもなった。不思議な気分…クラスが違うのにこんなに関わるようになるなんて。委員会に入ってみて良かったかもしれない。 「また明日ねー」 「ばいばいー」 私は千晃と同じ電車だが、希と光は同じバス通学をしている。だから学校の前の坂を降りたところの信号で別々になってしまう。 二人と別れた後、私は千晃に自分のことについて相談した。 「ねぇ千晃、一緒にいてドキドキするってどういうこと?」 「あーそういうのってその相手のことが好きってことじゃない?」 「えっ!?」 「そんな相手がいるの?」 「そういうわけじゃないけど…」 好き?いや、そんなことない!彼はただ文化祭がきっかけで仲良くなっただけの相手だし。委員会以外で特に話すこともないし…そんな に彼のこと知らないし…。 これは絶対恋ではない! 「まあ、でも相談しているってことはいるってことだな。気持ちわかるわー」 「いないし!!」 …というかそもそもあんな不思議な奴のどこを好きになるというの!? 数日後、高校初の体育祭が始まった。 「のぞみん、リレー頑張ろうね!」 「そうだね~」 楽しみだなあ。 まずは応援合戦。応援団の人々が盛大な応援をみんなに送る。衣装もあって迫力があり、かっこよかった。来年やってみようかな。 そして、各学年の種目などがあって、私の出場するリレー競技になった。 四×二百メートル走に出場する。私はアンカーだからクラスが優勝するために頑張らないと。 「位置についてーよーい、どん!」 そのかけ声を合図に、第一走者は一斉に走り出した。 「がんばれー!」 「負けるなー!」 一学年六クラスあるうち、私は六組だ。クラスは現在三位。ここから追い上げてくれよ。 バトンが第二走者に渡る。第二走者は希だ。彼女は五組を追い越し、今二位! 第三走者にバトンが渡る。彼女は一位の人とぐっと距離を近づける。 これはいける!そう確信した。 そして、私にバトンが渡る。私は体の奥底から湧き上がる力を最大限に発揮して、走った。前の二組を抜かし、一位!あとこのままゴール…! 「あっ、」 すると突然、私は何かにつまずいた。全身のバランスが崩れ…私は転んだ。後ろの走者がどんどん抜いていく。 痛い…血が出ている。 涙目になりながらも私は残りの力を出し、頑張って立ち上がった。そしてゆっくりゴールへ歩いていく。 結果は最下位だった。悔しかった。自分のせいで、負けた…観客席から残念そうな声が聞こえるような気がして辛かった。 そんな時、ふいに頭をうちわで叩かれた。 振り向くと、千晃がいた。 「ドンマイ。最後まで諦めずにゴールしたことに価値があるから。」 「…。」 「けが、このまま放置しても痛いだろうから一緒に救護テントに行こう。保健委員だし。」 「そうだね。」 彼の優しさに救われた気分がした。 「けが人です。」 「あら、明日香さん…」 「リレーでけがをしてしまいました…あはは」 悲しそうな顔を見せたくなくて変な作り笑いをする。 「それは大変だったね。まずは洗おうか?」 先生の言うように傷口を洗い、消毒した。ばんそうこうも貼ってもらった。 「けがしたのなんか、小学生の時以来だわー」 手当ての後、二人で話しながら観客席の方へ戻る。 「そっか。」 「なんか辛いなー」 「俺は一学期けがしたよ、おんなじところ。ほら。」 彼はそう言って足の傷のあとを見せてくれる。 「明日香だけじゃないから。」 「なんか気持ち楽になった。ありがとう。」 「そんな大したこと言ってないって。」 彼はくすっと笑った。 観客席はクラスごとに座るところが決まっているのだが…なぜか今日はいろんなクラスがごちゃごちゃになっている。先生たちも注意するのが面倒くさいのか、行事だから仕方ないと思ったのか、何も言わない。 希がいるところへ行く。彼女は、 「大丈夫だった??」 と心配そうに聞いてきた。 「うん。もう大丈夫。ありがとう。」 「次は生徒会種目の借り人競走だね!光が出るって言っていたなー。」 生徒会種目の借り人競走。毎年ほとんど生徒会企画は借り人競走で、いつも大人気だそうだ。光は誰を選ぶのだろう… 始まった。彼は中央にある箱からお題を引いた。 「こちらの方が選んだのは…[仲良くなりたい人]です!」 仲良くなりたい人かぁ。誰にするのだろう。わくわく。彼が私たちの方へやってくる。もしかして私…?少し鼓動が高鳴る。 「…なぁ、一緒に来てくれない?」 そう言った相手は私ではなく、希だった。 体育祭後。 「体育祭楽しかったね。」 「そうだね~初めてだったもんね!」 「やっぱり一番は借り人競走だ!」 「おい、千晃。それ以上言うな!」 また四人で帰る。 そしたまた信号で別れる。 希と光は仲良さそうに話しながら遠ざかっていく。身長差も大きくないからカップルみたい。なんだか嫌な気持ちになる。 「二人お似合いだと思わね?」 「まぁそうだね…。」 二人とも友人だからそう言われるのは嫌なことではないはずなのに、なぜかイラっときた。 「付き合えばいいのにな~。もう今日の借り人競走のことは告白みたいなもんだし~。あとは彼女の気持ちだけだし~。早くくっつかないかな。」 「ん?どういうこと?」 「知らなかった?光ってさ、希のことが好きなんだよ~一学期から。」 え。頭が真っ白になる。光が希のことが好き…一学期から好き…千晃の言葉が頭の中でぐるぐる回る。 なぜか自然に涙が出てきた。 「明日香、大丈夫⁇」 「ごめん、なんでなのかわからない…。でもなんか悲しくて、苦しい…」 千晃は困った顔をして、私の頭をなでた。 「もしかして…明日香って光のこと好きだった?」 光が好き…?もしかしたらそうだったのかもしれない。 「ごめん、傷つけちゃったよな…。ごめん、知らなかった…」 彼は必死に謝ってくる。千晃が悪いわけじゃないのに…涙が止まらなかった。 好きと気づいたときには、もう遅かった。
輝きの先に(9)
体育祭後。 「体育祭楽しかったね。」 「そうだね~初めてだったもんね!」 「やっぱり一番は借り人競走だ!」 「おい、千晃。それ以上言うな!」 また四人で帰る。 そしたまた信号で別れる。 希と光は仲良さそうに話しながら遠ざかっていく。身長差も大きくないからカップルみたい。なんだか嫌な気持ちになる。 「二人お似合いだと思わね?」 「まぁそうだね…。」 二人とも友人だからそう言われるのは嫌なことではないはずなのに、なぜかイラっときた。 「付き合えばいいのにな~。もう今日の借り人競走のことは告白みたいなもんだし~。あとは彼女の気持ちだけだし~。早くくっつかないかな。」 「ん?どういうこと?」 「知らなかった?光ってさ、希のことが好きなんだよ~一学期から。」 え。頭が真っ白になる。光が希のことが好き…一学期から好き…千晃の言葉が頭の中でぐるぐる回る。 なぜか自然に涙が出てきた。 「明日香、大丈夫⁇」 「ごめん、なんでなのかわからない…。でもなんか悲しくて、苦しい…」 千晃は困った顔をして、私の頭をなでた。 「もしかして…明日香って光のこと好きだった?」 光が好き…?もしかしたらそうだったのかもしれない。 「ごめん、傷つけちゃったよな…。ごめん、知らなかった…」 彼は必死に謝ってくる。千晃が悪いわけじゃないのに…涙が止まらなかった。 好きと気づいたときには、もう遅かった。
輝きの先に(8)
観客席はクラスごとに座るところが決まっているのだが…なぜか今日はいろんなクラスがごちゃごちゃになっている。先生たちも注意するのが面倒くさいのか、行事だから仕方ないと思ったのか、何も言わない。 希がいるところへ行く。彼女は、 「大丈夫だった??」 と心配そうに聞いてきた。 「うん。もう大丈夫。ありがとう。」 「次は生徒会種目の借り人競走だね!光が出るって言っていたなー。」 生徒会種目の借り人競走。毎年ほとんど生徒会企画は借り人競走で、いつも大人気だそうだ。光は誰を選ぶのだろう… 始まった。彼は中央にある箱からお題を引いた。 「こちらの方が選んだのは…[仲良くなりたい人]です!」 仲良くなりたい人かぁ。誰にするのだろう。わくわく。彼が私たちの方へやってくる。もしかして私…?少し鼓動が高鳴る。 「…なぁ、一緒に来てくれない?」 そう言った相手は私ではなく、希だった。
輝きの先に(7)
そんな時、ふいに頭をうちわで叩かれた。 振り向くと、千晃がいた。 「ドンマイ。最後まで諦めずにゴールしたことに価値があるから。」 「…。」 「けが、このまま放置しても痛いだろうから一緒に救護テントに行こう。保健委員だし。」 「そうだね。」 彼の優しさに救われた気分がした。 「けが人です。」 「あら、明日香さん…」 「リレーでけがをしてしまいました…あはは」 悲しそうな顔を見せたくなくて変な作り笑いをする。 「それは大変だったね。まずは洗おうか?」 先生の言うように傷口を洗い、消毒した。ばんそうこうも貼ってもらった。 「けがしたのなんか、小学生の時以来だわー」 手当ての後、二人で話しながら観客席の方へ戻る。 「そっか。」 「なんか辛いなー」 「俺は一学期けがしたよ、おんなじところ。ほら。」 彼はそう言って足の傷のあとを見せてくれる。 「明日香だけじゃないから。」 「なんか気持ち楽になった。ありがとう。」 「そんな大したこと言ってないって。」 彼はくすっと笑った。
輝きの先に(6)
数日後、高校初の体育祭が始まった。 「のぞみん、リレー頑張ろうね!」 「そうだね~」 楽しみだなあ。 まずは応援合戦。応援団の人々が盛大な応援をみんなに送る。衣装もあって迫力があり、かっこよかった。来年やってみようかな。 そして、各学年の種目などがあって、私の出場するリレー競技になった。 四×二百メートル走に出場する。私はアンカーだからクラスが優勝するために頑張らないと。 「位置についてーよーい、どん!」 そのかけ声を合図に、第一走者は一斉に走り出した。 「がんばれー!」 「負けるなー!」 一学年六クラスあるうち、私は六組だ。クラスは現在三位。ここから追い上げてくれよ。 バトンが第二走者に渡る。第二走者は希だ。彼女は五組を追い越し、今二位! 第三走者にバトンが渡る。彼女は一位の人とぐっと距離を近づける。 これはいける!そう確信した。 そして、私にバトンが渡る。私は体の奥底から湧き上がる力を最大限に発揮して、走った。前の二組を抜かし、一位!あとこのままゴール…! 「あっ、」 すると突然、私は何かにつまずいた。全身のバランスが崩れ…私は転んだ。後ろの走者がどんどん抜いていく。 痛い…血が出ている。 涙目になりながらも私は残りの力を出し、頑張って立ち上がった。そしてゆっくりゴールへ歩いていく。 結果は最下位だった。悔しかった。自分のせいで、負けた…観客席から残念そうな声が聞こえるような気がして辛かった。
輝きの先に(5)
委員会に入って四人で帰るようにもなった。不思議な気分…クラスが違うのにこんなに関わるようになるなんて。委員会に入ってみて良かったかもしれない。 「また明日ねー」 「ばいばいー」 私は千晃と同じ電車だが、希と光は同じバス通学をしている。だから学校の前の坂を降りたところの信号で別々になってしまう。 二人と別れた後、私は千晃に自分のことについて相談した。 「ねぇ千晃、一緒にいてドキドキするってどういうこと?」 「あーそういうのってその相手のことが好きってことじゃない?」 「えっ!?」 「そんな相手がいるの?」 「そういうわけじゃないけど…」 好き?いや、そんなことない!彼はただ文化祭がきっかけで仲良くなっただけの相手だし。委員会以外で特に話すこともないし…そんな に彼のこと知らないし…。 これは絶対恋ではない! 「まあ、でも相談しているってことはいるってことだな。気持ちわかるわー」 「いないし!!」 …というかそもそもあんな不思議な奴のどこを好きになるというの!?
Purple Heart
愛しい赤のハートでもなく 悲しい青のハートでもない この感情は一体 紫のハートと名付けた 愛しく悲しい つまり切ないって 大好きだけど あなたの恋を応援するために 私はあなたから離れなければならない 大好きだけど、大好きだけど… 心が紫に染まった