輝きの先に

輝きの先に
 初めて彼と会ったのは文化祭のときだった。    私はその日、友人の希と回っていたのだが、はぐれてしまった。どうしよう…。  少人数のグループがわいわいしながら私の横を通り過ぎていく。明るい雰囲気のなか、一人ぼっちなのはなんだか孤独な感じで恥ずかしかった。  仕方なく一年生の教室を見て回る。私が辿り着いた先は一年一組の「アニマルカフェ」だった。中では、動物のカチューシャをつけた人がオーダーをとったり、食べ物を運んだりしている。 「おひとりさまですかぁ~?」 「かわいいね~」 「何か食べていく?」  突然、八人くらいの男子に囲まれる。みんな背が高い…背の低い私からしたら彼らは巨人のようで怖くて身を縮める。
海津渚
海津渚
海津渚です! 読んでくれるだけでうれしい。 いつもありがとう! 5/18/2022〜