東井タカヒロ
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あれ?俺はなんでここにいるんだ?少し肌寒く、常に誰かに見られてるような空間。白く広いこの場所はどこからどこもなく、光が照らしてる。「おっと」ものにぶつかったようだ。しかし、その物は見えない。不思議だ。透明な物がいくつもいてある。しばらく歩いていると物は移動しないのか、空間の位置をだいたい把握した。空間は四角い箱みたいで、1箇所だけ大人2人が通れそうな穴があった。その穴をくぐると段差があり、つまずきそうになった。穴の向こうは、暖かく、刺すような光が自分を照らしていた。風があり、なんだか安心感が得られた。穴の向こう側は塀らしきものに囲まれてそれ以上行けなかった。塀は箱と箱を繋いでるらしい。ここで俺は一つの仮説にたどり着く、俺はこの場所に囚われていて、逃げ出さないようにしているのではないかと、。すると身近な排気音が聞こえた。そう、車の排気音だ。「誰かいるのか?」声をあげるが、返事がない。多分塀を超えた先から聞こえたはずだ。塀を超えていくか、ここで踏みとどまるか悩んでいると。今までいた奥の方からチャイムが鳴った。ピーンポーン「誰だ!」聞いてみても返事がない。「おい!」するとドンドンドンと壁を叩く音が聞こえてきた。「ヒッ」これには声をあげた。助けではなく、追ってだったのか?それとも俺を誘拐したやつだったり・・・俺は想像するほど血の気が引いていった。「うぁあああ」恐怖に追い立てられ、塀の方へ一直線に走った。ここを飛び降りればこっちのもとには戻れない。「・・・」ガチャっとなにかが開く音が奥から聞こえた。「まじかい」すぐそこまで来ているだ。「クッ」俺は勢いよくよく塀から飛び降りた。真っ逆さまに落ちていく感覚。グシャという音と共に地面に落ちた。全身を殴られたかのように痛い。「うっあぁああ」すると一瞬見えた。上司が自分のベランダから俺を眺めている姿を・・その時、俺は悟った。「あははは、」俺は最初から見えていたんだ。そうして彼の命の灯火は消えた。
第二話 そして新たなる始まり
師匠と裏路地に入ると師匠はあの男について話始めた。「あいつは東井と言ってな、異能者最強と言われている奴だ。」東井……そんな奴が俺に声をかける理由がますます分からない。「その東井って奴は|裏《・》で最強って事だよな」疑問に思う事を率直に師匠に質問してみる。すると師匠は立ち止まり「あいつは裏だけではなく全ての人が認める最強の異能者だ。」とまた歩き始めた。つまり世界で一番強いと言われているのか。「師匠、なんで東井は最強なんて呼ばれるんですか??」師匠はこちらをチラ見すると「少し東井について話そうか。」そう言うと師匠は東井について語り始めた。「東井の異能は座敷牢と強奪と言われているがまだ持ってるかも知れん。そして|あいつ《東井》は過去に悪魔と天使を単独で封印したんだ。」天使と悪魔……。天使は知らないが悪魔は知っている。かなり有名な異形だったはずだ。古の昔に世界を滅ぼそうとした張本人だからだ。今も神話になって受け継がれている。そんな奴を封印出来るほどの実力って……。俺は唖然とした。そうしてるうちに目的地に着いた。そこは少し寂れた裏繁華街だった。「ここって……」そこは朝とは思えない程キラキラして賑やかであった。「置いてくぞー」阿山が声をかける。「あ、はい」俺は早足でついていった。その先あったのは繁華街とは一風空気の変わった喫茶店だった。年季のある扉を開けると軋む音と共にベルの音が鳴った。「いらっしゃい」そこのカウンターに立っているバンテンダーはすごく幼く、笑顔が綺麗だった。「今日はどうしますか?」俺はこれぞとばかりか阿山さんに聞いてみる。「ここの店主って」そう聞くと阿山が「あぁ彼?彼は東光一。この辺り一帯を仕切る人だよ」「そんなに凄いんですか?」「凄いとも、なんたって海より強いもん」俺は驚きだった。師匠より幼い彼が師匠より強いなんて。一体どんな異能なんだ!?あれ?じゃぁこの喫茶店にはなんの用があるんだろう?流れで来てしまったが「行くぞ」師匠が店を後にしていく。俺もそれに伴い店を後にした。店を出た所で俺はあの喫茶店について聞いてみた。師匠は止まり、懐かしそうに語った。「あの喫茶店はこの辺り一帯の情報が入ってくるからな。まぁ俺らのような奴らの集まりさ。前はそれで集団なんか作って……あの時は楽しかったな」そう語り終えると師匠は俺に質問してくる「いつまで俺について来る気だ?」あ!そうだった。流石についてき過ぎたたな。師匠には悪い事をしたのかもしれない。「俺はこのへんで行きます」一礼をしてから背中を向けると後ろから師匠が「元気でな」と言ってくれた。俺は後ろ向きに手を振った。それから俺は浅草区に向かった。理由は特に無かった。強いて言うなら友人が多くいるからが理由だろうか。そうして俺は午後10時頃に浅草へ着いた。「今日は何処で寝るかな」寝床を探して歩いていると死体にかぶりつく人がいた。我を忘れたように一心不乱に死体にかぶりつく。俺は背中にある大鎌を構えた。多分異能に耐えきれなかった人だろうな。するとそいつが俺を見るや否や猛ダッシュで俺に襲いかかってきたんだ。俺は大鎌を振り下ろすとそいつを真っ二つにした。「はぁ」片付けてため息を吐くと上から人が降ってきた。いや、降りて来たと言った方が正しいか。俺はどうやらついてないらしい。浅草で一番会いたない奴に会ってしまった。それは楼閣永寿だ。「よぉ遊馬、久しぶりだな」まだ死体を食ってたそいつの方がまだマシかもしれない。
プロローグ
日常的な寂れた商店街。深夜0時を回っても街灯は白く無機質な光を発光している。そんな光すら届かない灰にまみれた裏路地で異形を違法に討伐する者達がいた。彼らをこう呼んだ。狩人と。2027年のある日、ヨーロッパ東部で不思議なものが発見された。人間ではない明らかにおかしい形態をした生物。発見当初世界ではユーマだと言う声が数多く上がる一方でフィクションでは?という声も数多くあがった。だがその声はまたたく間に消される事となる。最初に発見されてから約1週間ほどで全世界でなんと1万件を超える目撃情報があったからだ。これに対し国連は選抜の研究チームを結成する事を発表した。選抜チームが発足され3日ほどで謎の生物の正体が国連より発表された。国連が言うに謎の生物は地球外生命体である事をまず否定し、かの生物は突然変異で生まれた極めて危険な生物とされた。そして国連はその生物を「異形」と名付けた。この会見に対し各国は様々な形で対策を取ることとになった。 さらに異形に関する様々な組織が各地で作られていった。ある所は自警団的な、ある所は崇拝する所まで作られた。その後も国連は数回会見をし、異形の生態についてかなり分かってきてる。異形は能力を持っており、超常現象などを起こす事が可能。それを異能と名付けた。その異能を使う者達を世間はいつの間にかこう呼ぶようになっていた。異能者と。異能者は異形から取れる核を食べる事で異能を得ることが出来る。そんな異能者の始まりの物語である。 狩人は普段、スラム街に住み異形を狩る事で生計を立ててる。それ故に狩人同士での戦いや助け合いも多い。俺もその狩人の一人だ。狩人である程度異形を狩ると通り名が付くこともある。俺は白髪だから『白い死神』と呼ばれている。しかし、誰でも狩人になれる訳ではない。異能者でないといけない。異形は異能にのみ倒せるから狩人になる奴は極めて少ない。だけど狩人は違法に異形を討伐する人々を指す言葉である。それでもしない限り彼らは生きて行けないのだ。 目覚めると焼けるような強い明かりが路地の建物の隙間を通って自分に届いてくる。早朝はいつも静かだ。真夜中に聞こえてくる異形の断末魔もない。車や人もまだ動き出してしない。この世界で平和だと思えるのはこの時間だけだろう。俺は少し歩く距離のスラム街へ向かった。そこでは軽めの露店が数件あるのだが、その中の1つ『アズベル』と言う名の店がある。アルミ板を貼り付けただけの店だが俺らのような狩人には絶対に必要な店だ。「いっらしゃい。元気にしてたか?」「あぁもちろん」彼はこの店の店主の秋山さんだ。この店は異形の核や肉の買い取りをしてくれたり、武器や情報を売ってくれる。もちろん違法な為買い取り価格は安いし、買う金額をかなり値を張る。それでも俺らにとってはありがたいのだ。「サービスしとくよ」秋山さんが俺に1000円札を一枚手渡してきた。「ありがとうござい――」お礼を言おうとした瞬間、背中に一気に寒気がした。と同時に目の前が真っ白に包まれた。俺はとっさに背中の大鎌を前に激しく前に振った。そして何かに当たった感触があった。さらに全身に切り刻まれた感触があった。気がついた時には全身が切り刻まれており、出血していた。目を前に向けると荒野と化した中心に誰か一人立っていた。その人はまるで天使のようでどこか懐かしさがあった。手には白く煌びやかな槍を持っていた。俺はしばらくそのあまりの美しさに見惚れていた。俺ははっとするとすぐに後ろに跳んだ。いつも通っていた店や人も全て一瞬で消えている。なんだよ!これは!唐突に理解した。今自分が置かれている状況に。高位あるはそれ以上の特位級レベルのものを相手にしているからだ。そして天使のような人がこっちをみた。そして斬撃のような攻撃がこっちに飛んできた。しかしその攻撃は俺に間一髪当たる事は無かった。「間に合ったか」電撃が俺の間を横切った。と同時に空から降りて来たのは俺の師匠でもあり狩人最強と言われる雷電海だった。そして海師匠の相棒の阿山黒江さんだ。「行くぞ」「うっす」海の合図で走り出す。瞬く間に天使の間合いに入る。約300mあるはあるはずなのに師匠が通ると一瞬であった。「失せろ天使」ここまで痺れが伝わる海の電撃が天使に当たるが、対してダメージが入ってるようには見えない。師匠でもここまでなのか!と思った時、横から炎の波が天使を襲った。その先にいたのは、公安の炎使いだった。裏でも公安の阿修羅として恐らている人だ。でもなんでこんな所に!?確か彼は浅草区担当だと聞いたが、何故此処へ?いや、それより今は天使が先だ。「……そろそろかな」……!上から鈍く透き通る声が聞こえてきた。俺は急いで後ろを振り返るとチャラい男が天使を望遠鏡で眺めながら笑って立っていた。俺はその男が不思議に感じた。まるで天使……いや、それ以上の異能を持ってる気がする。するとその男は地に落りると、天使と闘いの間に入り横入りして天使を一発蹴ると今まで誰一人として動かせなかった天使を上空に蹴り上げたのだ。それは俺や師匠も驚愕した。それからはそいつの独壇場だった。蹴り上げた後、地面に叩きつけるると胸ぐらを掴みしばらく持ち上げると。その天使がピクリとも動かなくなったのだ。その男がその手を離すと天使は地面に転がり落ちた。その男はこちらを向いて笑顔で手を振るとどこかへ消えていった。「またな救世主」その男はそう言葉を残していった。そして師匠が俺に声をかける「撤退するぞ」俺は自分の足を上げて師匠の背中を追って歩き始めた。こうして俺の物語がまた始まるのだった。
最後の戦い
「辞めろ!」激しい怒号が廃墟と化したマンションに響く。「勝てる勝算はあるのか?」鬼のような形相で必死で俺を止めようとする。「あれを倒せなければどちみち俺らは死ぬんだ。」冷淡に慎重に話すが、その声は微かに揺れていた。「今やれる奴がやらないでいつやるんだよ!」すると【A】は黙り込んだ。そして小さく頷いた。「行くぞ、」今から始まる。そして、これから終わる。最後の俺らの戦いだ。例えそれが破滅の道を辿るとしても。 「さぁ第二グラウンドだ。」あの異形、アースを倒せばこれ以上異形が生まれない。「行くぞ!」気合いの入った言葉が仲間を駆り立てる。「雷電電解!!」【D】が行き良いよく全てをチリに変える電撃を放つ。「全てを変えてでも倒す!」その顔はまるで雷神の様な本気の顔だった。そして雷電はアースに当たり体の半分ほどが浮き彫りになった。だが、反動で【D】は倒れてしまった。その一瞬の隙を狙うかうように鋭い攻撃が【D】の貫く。「D!」まずいまずい!腹部が貫通した。確実に致命傷に近い。てか致命傷だ。どうする!?助けるか?しかし助ける余裕はこっちにもっ!「気にせず戦え!」【D】が最後息を使い俺に叫ぶ。今の俺には【D】の言葉に従う以外最善の手が分からなかった。そして【D】は笑って逝った。「このチャンスを逃すな!」涙を堪え、今にも止まりそうな体に鞭を打ち前へはしりだす!ここで立ち止まっていては全て水の泡だ。「ーーっ」「奴の核を出せれば良いんだろリーダー!」【腐食】が走りながら話しかけてきた。「あぁそうだが何か案があるのか?」【腐食】は自慢気な顔で笑った。俺にはそれが勝てるという合図には見えなかった。どこか苦しそうだったからだ。そして【腐食】はアースの方へ飛び込む。その瞬間全てを理解した。「おい!待て!」その言葉は届く事なく【腐食】はアースに触れると腐食し始めた。みるみるうちにアースが腐食されて行く。それと同じがそれ以上の速度で【腐食】の体も腐食されて行く。「それ以上やったらっ!」そう叫ぶと、「楽しかったすっ」その言葉が返ってきた。その言葉にはどこか悲しく、勇気を貰える言葉だった。その言葉を聞いたの同時に【腐食】は全身が腐食されていた。そして【腐食】は足から崩れていった。もう動くことはなかった。俺は高く跳ね、アースの頭上まで跳ぶとゆっくりと目を開き、鬼の様で落ち着いた顔つきで「破滅連天!」肉限では見えないほど早い速さで大剣を振り、アースを八つ裂きにした。そして傷の隙間から核が見えた。その核には微かに腐食が着いていた。俺はその核を目掛けて今撃てるいや、人生で最大の技を撃つ!「崩壊滅殺!!」行ける。傷が再生して行く。だが、それ以上に早い速さで切る。そして剣が核に入る。俺は手に全神経を意識した。「これで終わりだぁあああああ」その瞬間核が二つに切れた。 遂に終わりだ。これで異形の時代は終わりだ。あぁ終わりだ。俺はアースを打ち、全身の力が抜けて地面に激しく激突した。もうすでに動ける体では無かったのだ。無理矢理体を動かしていたからだろうか、地面に激突するのと同時に俺の意識はそこで途切れた。 白い天井。清潔な匂い。次に俺が意識が戻った場所は病院だった。どうやら医師によるともう少し遅かったら死んでいたそうだ。警察や公安からは事情聴取を受けた。公安によると今回のアース討伐のよる被害は少なくとも710名の死亡と10,100名以上の軽重症者が出たと聞いた。内、公安対策課が2名殉職。異形狩人が5名死亡したと、公安第四課課長から聞いた。結果は沢山の人が死んだがこれ以上異形が発生しなくなった。しかし、いい友を無くすのはやはり心が痛むな。もう一人だけお見舞いにきた奴がいた。アナグラムがお見舞いに来た。アナグラムは一つだけ俺に言った。「今回の事が正しいのか間違っているのかは正直分からなかった。だけど、これ以上異形を発生させなくしたのは事実だ。」慰めかなんかのつもりだったのだろうか。俺はアナグラムが病室を抜けると、今更ながら泣き崩れてしまった。アナグラムも言ったとうりこれが正しかったかは分からない。だけど今は勝利の余韻に浸らせてくれ。 1season END